二次元裏@ふたば

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178336 B26/05/11(月)00:00:08No.1428724818+ 01:37頃消えます
「トレーナー殿? この荷物は……?」
「ああ、これ? まあ、実家からの仕送りというか、色々ね」
昼の隙間時間に開けようと思っていた、実家から送られてきたダンボール。担当のヤエノムテキから尋ねられ応えつつ、封を開けていく。

「なるほど、仕送りですか……おや、その本は……?」
「あ、そうそう。前に君が俺の昔の写真見たいって言ってただろ? それを思い出して、頼んで送って貰ったんだ」
「……ッ!? トレーナー殿の小さい頃の写真ですかっ!?」
「うわ、声でか」
ダン、と手をつき身を乗り出してヤエノが食いつく。
「是非、是非とも見せてください……っ!!」
「あ、うん。ど、どうぞ……?」
物凄く食い気味に、前のめりになってそう懇願するヤエノにすこし戸惑いつつ、俺はヤエノに送られてきた古いアルバムを渡す。

「お、おぉ……これがトレーナー殿の小さい頃。か、かわ……! あのトレーナー殿が、こんなに小さくて、愛くるしい姿でっ……!」
「ヤエノ……? ちょっと、なんか、目が怖いというか……」
126/05/11(月)00:02:11No.1428725477+
食い入るようにアルバムを見つめるヤエノのその迫力に思わずたじろぐ。
「……はっ。も、申し訳ありません……幼き頃のトレーナー殿が非常に愛くるしくて、つい……」
耳をしゅんと垂らし、申し訳なさそうな表情をするヤエノ。しかしその表情とは裏腹に、その手はアルバムを離すものかと言わんばかりに強く握られていて。

「……そんなに、俺の小さい頃の写真が良いのか……?」
「ええ、それはもう……!! 例えばこの写真ではすこし不安そうな表情の幼きトレーナー殿が……っ、ああ……守護りたいっ……!」
「そ、そう……」
食い気味なヤエノの熱量についていけないまま、どうにか返事を返すことしかできぬ己。
 その間にも、ヤエノは俺の写真を食い入るように見つめていて……。

「こちらのトレーナー殿も、あちらのも……どれも可愛らしく……おしゅ、おしゅ……、……おや?」
「ん? どうかしたか、ヤエノ?」
存分におしゅっていたヤエノだったが不意に、動きが止まる。どうしたのだろうかと尋ねてみると――。

「この、ぬいぐるみ。色々な写真で抱えておりますね……?」「え、あ、ああ……これか」
226/05/11(月)00:04:06No.1428726054+
それは、ある一時期の写真に写り込んでいたぬいぐるみで。幼き頃の俺はそのぬいぐるみをよく抱きしめていた。

「どこか、その……守護り甲斐があると言いますか、その……すこし不安そうな表情をなされている写真が多いような……」
「あー……そうだな。えっと、そのぬいぐるみなんだけど……実は、小さい頃のお気に入りのぬいぐるみでな……」
そう言って、俺はヤエノムテキに昔話をする。
小さい頃の自分は怖がりで、不安になりやすい子供であったこと。そのぬいぐるみが依り所であり、そのぬいぐるみを抱くことで安心感を得ていた、ある意味でお守りのようなものであったことを話してやった。

「ふむ……なるほど、このぬいぐるみにトレーナー殿は守られていたということですね」
「まあ、そう言えるかな……? 今じゃもう、どこにやったかも分からないんだけどね」
「そうですか……それは、すこし残念ですね。是非とも見てみたかった。……ですが、しかし。今のトレーナー殿には不要なものではありますね」
326/05/11(月)00:06:28No.1428726842+
ヤエノのその言葉に、それは、まあ。と同意する。このぬいぐるみをお守りにしていたのはもう20年近くは前のこと。しっかりと大人になった今、俺がこのぬいぐるみに頼ることは――。
「――ええ。今のトレーナー殿はこのヤエノムテキが、守護りますから」
「そうそう、だから俺には必要が……え、今なんて?」
危うく同意しかけた所で、彼女がおかしなことを言い出していることに気付く。
「? ですから、今のトレーナー殿の安心安全はこのヤエノムテキがお守りする為、このぬいぐるみの出番は御座いません」
「え、えっと……その、ありがとう……? 担当に守られるのは複雑な気分だけど……。……いや、というより。え、ヤエノお前、もしかしてだけど――」
「どうかされましたか?」
何事も無いかのような表情のヤエノムテキに、問いかける。もしかして。もしやとは思うが……。

「……このぬいぐるみ相手に、対抗心を燃やしてたりする……?」
「――まさか」
「そ、そうだよな! そんなバカなこと――」
「このぬいぐるみより私の方が勝っているのは火を見るよりも明らかでしょう」
「いや、いやいやいや……相手はぬいぐるみだぞ?」
426/05/11(月)00:08:32No.1428727526+
「……トレーナー殿。よもや、私よりもぬいぐるみの方が勝っているとでも?」
「いや、ぬいぐるみと担当は、流石に比べるようなものでもないだろ……」
俺は正しいことを言っている筈なのだが、何故かヤエノと話が噛み合わない。彼女は、それが当然であるかのように、幼き頃のぬいぐるみ相手に牙を向けていた。

「む……トレーナー殿は、どうしてもあのぬいぐるみより私の方が勝っていると認められないようですね……何故……は、もしや」
深く考え込むヤエノが、何かに思い当たりこちらに真剣な眼差しを向ける。これで、マトモな感性に戻ってくれたら嬉しいのだが……。

「もしや、抱き心地を気にしていらっしゃるのでしょうか? なら御安心を。私はあのぬいぐるみよりも大きく、抱き心地だって良いでしょう」
「いや、そんなことは誰も言ってない――」
「信じていただけないのであれば仕方ありません。私の抱き心地をその身をもって知っていただく他ありませんね」
526/05/11(月)00:10:12No.1428728062+
「え、ヤエノ? ヤエノ……?? 何を言って――」
「――さあ、私の抱き心地を確かめてください。さあ……!!」
グイグイと、据わった瞳で迫り来るヤエノムテキ。もはや抱かせに来るどころか、こちらを抱きしめてくる程の勢いで。

「ちょっヤエノ近っ……! や、やめヤエノ待――力強っ!?」
「さぁっ、さあ……! あのぬいぐるみのように思い切り抱き締めてください! さあ、さあトレーナー殿!!」
「止水!! NOヤエノ烈火! レッツ止水!!」
「否ッ! 烈火解放!!」

そうして俺はヤエノムテキの烈火に呑まれながら、彼女の抱き心地を超強制的にその身に刻み込まれるのであった。
626/05/11(月)00:11:33No.1428728459そうだねx2
おわり
ヤエノムテキに幼少期の写真を見せてはならない
726/05/11(月)00:15:40No.1428729680+
スレッドを立てた人によって削除されました
826/05/11(月)00:24:44No.1428732356+
だいたいカモネギの類義語
926/05/11(月)00:59:32No.1428741875+
本当は見つかりやすい場所で小さい頃の写真出したんじゃないの?
正体見たり
1026/05/11(月)01:01:05No.1428742264+
力強じゃないよ強いのわかってる上にウマ娘の中でも武術習ってるんだから強いに決まってるだろ!


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