砂塵の荒野を進むキャラバン。
魔煌災害が魔導車を焼き、あなたたちは瓦礫の中で目を覚ます。
生者は見えず、残るのは焦げた匂いと不穏な気配。
帰り道はどこにもない。マーベリックよ、次の一歩を選べ。
「デザレ?誰だっけ…あぁ、あいつか。あいつそんな名前だったかな」
聖域管理局の事務職として働く女性。
魔術の才覚を見出され学院へ登用されたのが人生で唯一の華々しいイベントで、以降成長も目立った功績も認められず事務方に回される。
実のところ稲妻の門の魔術をある程度修得しているのだがそれを秘しており、
『真の安寧は目立たず誰の視界にも入らずいること』をモットーに、世間的な評価を犠牲に日陰者の自由を謳歌している。
マーベリック稼業に身をやつしていても、それが普段の地味な事務員に過ぎない彼女だと結びつけるものは非常に少ない。
魔法剣士…ならぬ魔法拳士を名乗る少年。魔術学院生だが、実戦に勝る鍛錬はないとマーヴェリックをしている。
「マジックCQC」と名付けた格闘術と呪文を組み合わせた戦闘法を駆使して戦う。「分解鎧破拳」「吸精捕食拳」「幻痛歪魔拳」が必殺技。
…魔煌が切れると渋々、悔しそうに、嫌々背負っていたパイロブレードを抜いて斬りかかる。まだ道半ば、それ故に死ぬ訳にはいかないのだ。
GM:
砂塵の荒野を進むキャラバン
焼けつく風の中、幾重にも刻まれた轍だけが道を示している
研究施設からの引き上げは滞りなく完了した
あとは聖域へと帰還するだけだ
このルートは、先行して荒野を切り拓いた"前駆者"たちによって安全が確保されている
大規模な襲撃の心配も、今のところはない
静寂
規則的なエンジン音だけが、単調に続く
その静寂に耐えかねたのか、運転手を務めるマーベリックが口を開いた
V8:
「行きとはメンツも変わってるし、そろそろ自己紹介といっとく?順調にいけばあと数時間はこの退屈さが続くよ」
「あたしはV8、君たちを目的地まで運ぶのが今回の仕事。ちなみに、この車は私の特注品でねぇ…っと、このままだと自分だけが話しすぎちゃう」
「んで、君たちは?」
無価値のデザレ:
「あ…っはい、はい。デザレです。『無価値』というあだ名がついてます、ごめんなさい」
怒涛のスサナ:
「俺はスサナ…『怒涛』のスサナ!まだ駆け出しだけど、よろしく!」
V8:
「無価値…?な、なるほどぉ…よろしくね」
「スサナ君は駆け出しかぁ、駆け出しの割にはなかなか頼れそうな雰囲気してるねぇ」
「んで、この車についてなんだけど…」
GM:
何やら彼女が早口になり始めたその時、通信用のMa-GEREからガリガリとノイズが響く。
魔煌《アウル》が不安定になったときの典型的な現象だ。
V8:
「ん、ちょっと待って。なんか偵察役から連絡が…?」
「ヤバそうだね…魔煌災害《アウルハザード》かも。ちょっとどこかにつかまっておいて」
怒涛のスサナ:
「!」
しっかり掴まる
無価値のデザレ:
「え?え?何が起きてるんですか、だ、大丈夫なんですよ」ひしっと掴まる
GM:
V8が何かを言いかけたその時、車体が大きく揺れる
空が歪む
風が逆巻く
紫の閃光が、世界を裂いた
GM:
砂塵が窓を叩く音であなたたちは目を覚ました
周囲の車列は崩れ、沈黙している
無価値のデザレ:
「けほっ…ぇほっえほっみなさん無事ですか~?」よたよたと体を起こす
怒涛のスサナ:
「くっ…大丈夫か…?」
無価値のデザレ:
「あぁよかった、元気そうな人が他にも…」
怒涛のスサナ:
「身体には自信があるから…あたた…」
無価値のデザレ:
「たくましいですねぇ…えぇと、ほ、他の方…V8さ~ん?」呼びかけてみます
V8:
「いたた…魔煌《アウル》コーティングは高いなりに、いい仕事してたみたいだね」
GM:
運転席の方から声が聞こえる
V8:
「さっきのはかなり酷かったね。計器がみんな壊れちゃってる。これじゃあ、他の人たちはかなり悪い状況かも…」
コツコツと車のメーターパネルを指で叩きながら、険しい表情を浮かべる
怒涛のスサナ:
「つまり…とてもまずい?」
知性5
無価値のデザレ:
「す、すっごくまずいですよ!こんな荒野のどまんなかで!」
V8:
「うん、とてもまずいよ。車《あいぼう》も、うんともすんとも言わなくなっちゃってる」
無価値のデザレ:
「あぁ…死ぬんだぁ…」
V8:
「そんな悲観的な…とりあえず修理するからちょっと待っててね」
怒涛のスサナ:
「荒野でも逞しく生きてる人はいる…けど俺達何にもメソッドがない!」
V8:
「大丈夫、車さえ直れば皆を聖域まで返すからさぁ!こっちはプロだよ?」
皆さんを勇気づけるように、なれない様子で勇ましい声色を出している
「とりあえず、君たちは周囲の様子を調査してきてよ。みんな無事だといいんだけど、この規模のやつだとあんまり期待できそうにないかな…」
無価値のデザレ:
期待出来そうにない、の一言からこの後見るかもしれないものを想像して一層青ざめる
怒涛のスサナ:
「分かった!少しでも力になれるよう頑張る!」
無価値のデザレ:
「す、スサナさんは元気ですね…」よろよろとした足取りで立ち上がる
怒涛のスサナ:
「俺はまだ死ぬわけには行かないからな!デザレさんもそうだろ?」
無価値のデザレ:
「死にたくはないですけどぉ…」
GM:
マーベリックたちは車を降り、周辺の探索を始めた
GM:
車から外に出ると、焦げたようなものと、何か刺激物のようなツンとしたものが交じり合ったような臭いが漂ってくる
車列前方では黒煙が立ち上っているのが見え、後方は静まり返っている
生存者だろうか、ドン、ドンと何かを叩くような音が聞こえる気がした
怒涛のスサナ:
「この音は…?」
無価値のデザレ:
「い、生きてる人がいる…!助けなきゃ!」
GM:
マジックパンクにはピリオド進行という、他のシステムのラウンド進行のようなものが存在する。
各自1回ずつ好きな行動(情報収集とか呪文の使用とか)をしていき、既定のラウンド以内に条件を達成するというものだ。
このイベントはピリオド数3のピリオド進行となっており、三つの調査対象が提示されていた。
①調査:前方の車両
②調査:後方の車両
③調査:野外の状況
怒涛のスサナ:
ではまず前方車両を調べます!
GM:
前方では事故が起きたのか、追突されへこんだ車や横転した車が並んでいた
内部を調査しようにも、事故車をどけたりしながらでなければスムーズにはいかないだろう
怒涛のスサナ:
「酷い状況だ…」
無価値のデザレ:
「気をつけてくださいねー…」
GM:
まずはスサナさんの調査だ。
前方の調査を宣言し、判定を行う。
分解の呪文使用と、デザレさんの支援もあって、判定ダイスは合計で+2だ
判定は15以下で成功のところ、出目13でギリギリ成功
ヨシ!なんか危ない!
怒涛のスサナ:
あぶね
無価値のデザレ:
おわっ怖い!でも成功!
怒涛のスサナ:
「分解鎧破拳!分解鎧破拳!分解鎧破拳ーッ!」
分解を上手く使って片付けていく。
「…ヨシ」
ふぅ、と一息。
無価値のデザレ:
「わっすごい!えっ分解…?鎧?破…なんです…?」
怒涛のスサナ:
「これがマジックCQCだ!自分で名付けた!」ふんす
無価値のデザレ:
「マジック…CQ…?じ、自分で…そ、そうなんですかぁ…」
(へ、変な子かも…)
GM:
ということでマジックCQCで邪魔な破片の強度低下と拳による破壊をしつつ、前方の車列の探索を進めていく
残念なことに生存者は見つからなかったが、犠牲者の確認を取ることはできただろう
また、いくつか魔石《アウライト》が見つかる
きっと道中で倒した魔物のものだろう
合計で600Mj相当だ。彼らにはもう必要のないものだし、回収しても問題ない
怒涛のスサナ:
「……使わせてもらうぜ」
犠牲者に手を合わせてから
無価値のデザレ:
「必要な…ことですから…」
倣って手を合わせる
GM:
ということで犠牲者の確認と物資回収を済ませたのだった。
次はデザレさん!
無価値のデザレ:
はーい、③野外の状況調査にいきます
怒涛のスサナ:
ついていきます てくてく
無価値のデザレ:
「こんなド真ん中で横転したり大きな音を立てたりして目立ってないかな…」
怒涛のスサナ:
「災害に巻き込まれたばっかりだから襲撃されないのかも?」
無価値のデザレ:
「こ、これから集まってくるかも…用心しなきゃ」
怒涛のスサナ:
「そうしよう…」
GM:
ということで野外《アウトランド》の状況確認だ
周囲は静まり返っているようだが、魔物《ミュータント》や追放者《エグザイル》の襲撃はどうなのだろうか…
次はデザレさんの行動だ。周囲の状況の調査ということで知力で判定する。
今回は使用できそうな呪文もなかったため、修正は支援のみで+1Dだった。
12以下で成功のところ、出目は2で危なげなく成功だ。
怒涛のスサナ:
ナイス!
GM:
荒野は魔煌災害の前までと同じようでいて、どこか違う
風は吹いているはずなのに、砂の流れがかみ合っていない。
遠くの地平線がわずかに歪んで見える
災害が治まった今、小型の魔物《スカベンジャー》たちが出てきているのが普通だろう
明らかに静かすぎる
無価値のデザレ:
「これは…大地、空間…歪曲…?それに静かすぎる、なんか、怖い…」
「おかしい、何かおかしいのに何も分からない、怖いよ…」
怒涛のスサナ:
「何かがおかしい…それが分かっただけでも…」
無価値のデザレ:
「あ…っよ、よーし!後ろの方も調査しよう!」
犠牲者発見以降最初と比べてスサナ君の元気がしぼんでいるのに気づき、わざと静寂を破るよう大声を出す
怒涛のスサナ:
「あ…ああ!行こう!」
GM:
デザレさんの行動が終了して第2ピリオドが始まる
次はスサナさんが後方車両の調査を行うようだ。
研究チームや機材を乗せた小型の輸送車両が並んでいる
パッと見る限りでは、大半の車は魔煌災害にやられているようだ
怒涛のスサナ:
「何か使えるものがあればいいけど…よく分からないな…」
無価値のデザレ:
「私も探してみますね…」支援!
GM:
今回の判定では、支援のみで修正は+1D。
スサナさんは感覚があまり高くないということもあり、5以下で成功のところ出目は15で失敗だ。
怒涛のスサナ:
ダメだ
無価値のデザレ:
ぐぬぬ
GM:
二人とも感覚が低い構成であることが災いし、失敗が続いてしまって最終ピリオド。
ここで判定ダイス+1の修正がかかるお助けイベントが発生する。
ある程度時間がたったからか、
前方車両の黒煙は収まってきており、
後方車両の方からは念話で救助要請が聞こえるようになり、
視界の端の方では地平線の方から何か砂煙と土の盛り上がりがうつるようになってきました
ということで、
「こちらは後方の車両だ!車両ナンバーは○○の~みたいな念話が聞こえる!」
思念探査は使えないのか、こちらからの声は届かなさそうですね
怒涛のスサナ:
「…!念話だ!」
無価値のデザレ:
「あっ頭の中に声が聞こえ始めた。もうダメなんだ、終わりなんだ…あははは…」
怒涛のスサナ:
「デザレさん!しっかり!」ぶんぶんぶん
無価値のデザレ:
「あばばばばばばばばば」
「あばばばばはいっしししししっかりします、しますからその溢れる膂力でふりまままままわすのやめめめめめ」
怒涛のスサナ:
「一緒に帰ろう!デザレさん!!」
ぱーっと
無価値のデザレ:
「えっなに、え?一緒…!?は、はい…」
「デザレ、帰ります…」
怒涛のスサナ:
「うん!」
無価値のデザレ:
(若い子ってまっすぐだなぁ…)
GM:
ということで、最終ピリオド最終手番でギリギリ判定に成功した。
無価値のデザレ:
「こ、こっちですよ、デザレさ…君」指差し確認
GM:
灰色の…おそらく魔煌災害前は白かったであろう輸送車を発見します
バンバンと壁を叩く音も聞こえますし、生存者が乗っていそうなやつです
怒涛のスサナ:
「すごい!流石だデザレさん!」
無価値のデザレ:
「あ、はは…ありがとう…ございます」
怒涛のスサナ:
「あとは任せて!えいっ分解手刀!」
分解で切り取って出口を作る
GM:
出口を作ると中から男が出てきます
K9:
「…助かった!Ma-GEARがイカれたのか出られなくなってたんだ」
「私はK9、派遣されていた調査員だ」
怒涛のスサナ:
「良かった…生存者だ…俺はスサナ!」
無価値のデザレ:
「よろしくお願いします、K9さん。よかった…生存者がいて…
K9:
「生存者がいて…?おい、もしかして全滅したのか?」
怒涛のスサナ:
「…前方の車両は…」
無価値のデザレ:
無言でうつむく
K9:
周囲を見回し、この惨状にショックを受けたのか項垂れます
「…そうか」
「いや、野外だ。浪費できる時間はない。移動手段はあるか?この資材を聖域へと持って帰る必要があるんだが…」
そういって、輸送車内に積まれたコンテナを見せます
怒涛のスサナ:
「これは…」
無価値のデザレ:
「移動手段は…今V8さんが、直してます…」
怒涛のスサナ:
「報告もかねて戻らないと…」
K9:
「すまないが、これを一緒にそこへ運んでくれないか?もちろん謝礼は出す」
無価値のデザレ:
「運べばいいんですか。わ、わかりました。頑張ります…っ」
怒涛のスサナ:
「分かった!俺もやるぞ!」
無価値のデザレ:
「ん~~~~~~~っっっっっ」顔真っ赤にしてよたよた持つ身体6
K9:
「これは…頭金だ」
ということで2人には200Mjずつ支払われるぞ
無価値のデザレ:
やった
怒涛のスサナ:
「俺も持つ!」
デザレさんの分を一緒に運ぶ
K9:
「とりあえず一番重要なものは渡した。運びやすいように荷物は整理しておくから、一度置きに行ってくれ」
無価値のデザレ:
「あっわわ、ありがとう…ございます…っ助かります…」
「わ、分かりました…こ、これ持っていけばいいですね…」力量差的に多分ほとんど持ってもらいます…
怒涛のスサナ:
2人でわっせわっせと移動
GM:
ということでV8の魔導車に到着した
GM:
砂の上に不自然な揺らぎが走る
だんだんと大きくなる振動、車列の後方から近づいてくるように感じる
低く、腹の底に響くような振動が伝わってくる
規則的ではない。だが、確実に近づいている
砂が波打つ
轍の一部が爆音とともに盛り上がり、大量の砂が周囲に散らばった
ランドワーム:
幾重にも重なった硬質な外皮
裂けたように開く口腔
その奥は、底の見えない闇だ
怒涛のスサナ:
「!」
デザレさんを後ろへ
無価値のデザレ:
「わっわっわっ……!」へたりと尻餅
GM:
いくつもの魔導車をその闇に飲み込む巨大な怪物
誰かの悲鳴が聞こえた
怒涛のスサナ:
「こいつはまさか…ランドワーム!?」
無価値のデザレ:
「ひえぇぇぇバケモノぉ……って、今声が…っ」
V8:
「噓でしょ…あと少しで修理が終わるところなのに…」
「君たち、ちょっとだけ時間稼いでもらうことはできる?ほんとにあとちょっとあれば車《あいぼう》も動くようになるんだ!」
無価値のデザレ:
「や、やらなきゃ…ですよね…?やらなかったらみんなここで食べられて終わりますよね…」
怒涛のスサナ:
「…やるしかない!」
無価値のデザレ:
「…」V8を見て、遠くにいるだろうK9の方を見て、前に立つ少年を見て
「……やります!」
怒涛のスサナ:
「やろう、デザレさん!」
V8:
「頼りになるねぇ…それじゃあ、こっちも超特急で終わらせるからね!」
GM:
ということでバトルが開始された
なんと、初期作のPC2人の前に、10成長くらいのPC用ボスである巨大なランドワームが出現。
PCたちは「3ターン耐え抜く」を目標に、撤退戦を開始した。
1ラウンド目
先手を取ったランドワームが高速移動で一気にスサナへ接近し、巨大な牙で襲いかかる。デザレは即座に《幻惑》で妨害するが、それでも攻撃は命中。スサナは大ダメージと腐蝕を受け、いきなり窮地に追い込まれる。
しかしスサナは反撃。
《吸精》にジョーカーを投入し、《呪文改変》でランドワームの弱点である知性判定を強制。20点の心霊ダメージと同時にHPを大幅回復する。
続くデザレは《治癒》でスサナを回復しつつ後退。
なんとかスサナが前線を張り続けられるまで、状態を回復させた。
2ラウンド目。
再びランドワームが襲いかかるが、デザレの《幻惑》が効き、今度はスサナが回避に成功。
流れを掴んだスサナは《幻痛》を叩き込み、ランドワームにデバフの苦痛を与える。
デザレも《電撃》で追撃を試みるが、こちらは惜しくも失敗。
ランドワームは弱点として対応値が低く、デバフの解除が不得手。かなり効果的にランドワームを追い詰めていく。
3ラウンド目。
苦痛と幻惑の重ね掛けでランドワームの攻撃精度を下げる作戦に出るが、それでも怪物の牙はスサナを捉え、再び大ダメージと腐蝕を与える。
スサナはボロボロになりながらも何とか踏みとどまり、リソース残量ギリギリで魔導車の修理が間に合った。
GM:
その時、修理を終えた魔導車から通信が入る。
V8:
「君たち、用意できたから乗って!」
GM:
脱出の準備が整ったのだ。
ほんの数秒前に息を吹き返した魔煌原動機《エンジン》が唸りをあげる。
不安定な振動が車体を揺らす
2人が乗り込んだと同時に、車体が跳ねるように前に飛び出す
背後で轟音
2人がいた場所はワームによって丸ごと飲み込まれ、数メートルの深さに陥没していた
無価値のデザレ:
「ひっ……」
怒涛のスサナ:
「…っ」
GM:
あと一歩遅れて入れば自分たちも飲み込まれていただろう
だが、そうはならなかった
あの巨大な怪物から逃げ切ったのだ
車はそのまま荒野を駆け抜ける
GM:
走り出して数分、ワームが地中を進む振動も感じなくなってきたころ、
車内ではやっと緊張も解けてきたようだ
皆、ぽつぽつと口を開き始めた
V8:
「随分な大物と出会っちゃったねぇ…やっと助かったことが実感できてきたような気がするぅ…」
怒涛のスサナ:
「ふぅ…なんとかなった…」
無価値のデザレ:
「ひっひっ…ひぃ……」気が動転していて呼吸がままならない状態で後部座席におさまっている
怒涛のスサナ:
「落ち着いて…ゆっくり…」ぽんぽんとデザレさんの背中をさすっている
無価値のデザレ:
「あ、あり…ありがと……っございます……っごめっなさい、みっともなくってぇ……」
V8:
「大丈夫…?いや、あれだけのことがあればしょうがないよ」
無価値のデザレ:
「ふぅーーー……ふぅーーーー………や、やっと落ち着いてきま、し…」息を整えて
「ていうか!私なんかいいんです!スサナ君ボロボロではないですか!い、痛そう…!」
怒涛のスサナ:
「まあこればっかりは仕方ないから…いてて…」
V8:
「確かに…どこかで小休憩でもとりたいところだけどねぇ…」
おろおろした様子のV8
怒涛のスサナ:
「どこかに…あるのかな?」
無価値のデザレ:
「す、少し時間があれば…傷だけなら治せますからっ」
GM:
ここで、車載通信機からカリカリとノイズが
無価値のデザレ:
「そ……その音、なんです…?」あわあわと治癒魔法の準備していた手が止まる
怒涛のスサナ:
「…?何か…」
?⁇:
「ザー…あー、聞こ…てる?」
V8:
「野外《アウトランド》で通信が…?」
無価値のデザレ:
「ということは…アウトランダー?」
怒涛のスサナ:
「アウトランダーからの…?」
V8:
「…とりあえず応答してみるね」
「こちらV8…野外《アウトランド》でご丁寧にごあいさつしてもらうのは初めてだけど…どちらさま?」
???:
「……あー、あー。調整よし。こちらリズ、さっきランドワームに追われてるのを見てさ。近くに洞窟があるんだけどちょっと休憩していかない?」
リズ:
「ここなら安全だし…少しなら物資もあるよ。取引しようよ」
V8:
「だってさ」
振り返ってマーベリックたちの返答を待つ
無価値のデザレ:
「この近くに洞窟があるんですか、よ、よかった…っ」
「正直、信じていいかはまだ分かりませんがそれよりスサナ君を休ませないと…っ」
怒涛のスサナ:
(見てたら助けにきても…)
V8:
「じゃあ…行くかい?」
無価値のデザレ:
「行きましょう、な、何かあったら私が責任取りますから…っ」
怒涛のスサナ:
「デザレさん…みんなも休む場所は必要だから」
(いざという時は…)
パイロブレードを引き抜く動作をする
無価値のデザレ:
「だっダメです…スサナ君は今は安静ですからね…!」
V8:
2人の言葉を聞くと、うんうんと頷いて前を向く
「じゃあ、寄らせてもらおうかな。道案内頼むよ」
怒涛のスサナ:
「大丈夫だよー…」
無価値のデザレ:
「はい…!わた、私がします…!」
「…………………」
「あっ道案内って、あのっあれですよね!通信相手!ごめ、ごめんなさいはりきり過ぎて変なこと言いました!あははっ」
怒涛のスサナ:
「…俺は大丈夫だから…大丈夫だよ、デザレさん」
V8:
振り向き、少しニヤッと笑った後に顔を正面に戻す
「まぁ、万事なるようになるからさ」
GM:
道案内に従って進むと、岩場へとたどり着いた。
大岩で隠されるように洞窟があり、そのそばに停車する。
エンジンの唸りが、やがて弱まり……止まる。
リズ:
「じゃあ、今から迎えに行くから…楽にして待っててよ」
GM:
無線機からそう聞こえると同時に、洞窟の奥の暗がりで、何かが動いた。
人影だ。
音もなく、ゆっくりと近づいてくる。
砂色の外套。
全身を覆い隠すようにまとわれた布。
リズ:
「よく生きて抜けてこれたね」
無価値のデザレ:
後部座席でスサナ君を後ろに守るよう気持ち前に出る
リズ:
「そう警戒しないでよ、奥にいくつか寝床もあるしさ…まぁ、こんなところだとあんまりくつろげないか」
「いくつか薬を持ってこようか。V8…だっけ?積み荷を見せてくれるかな」
無価値のデザレ:
「い、いいのですか‥?」V8を見る
V8:
「まぁ、野外《アウトランド》では助け合いだから。追放者《エグザイル》の人たちと取引するのは初めてだけどね」
そうつぶやき、V8は運転席から降りると、車の後ろへと彼女を案内する。
怒涛のスサナ:
「休めるならありがたい。ね、デザレさん」
無価値のデザレ:
「そうですね、それに…今はスサナ君…」
「薬の方が大事なので!」
V8:
「ほら、今交換したばっかの新鮮なやつ」
荷台の方からぽんと薬と湿布を放り投げられる
無価値のデザレ:
「わっわっ」投げられたものを取ろうとしてこぼす
怒涛のスサナ:
「おっと」
それをキャッチ
「…頼んでいいか?」
ちら…とデザレさんを見ながら
無価値のデザレ:
「はいっこれぐらいはさせてください」
意気揚々にはじめるも、あんまりテキパキしていない手つき(感覚7)で処置していく
怒涛のスサナ:
「ありがとう…」
無価値のデザレ:
「あっごめ、ごめんなさい…あれ、なんでだろう、うまくいかない…」不器用な処置を終えました
怒涛のスサナ:
「…やってもらって嬉しいから構わないよ」
無価値のデザレ:
「か……っ構いますよ、そんなボロボロでぇ…!」
「そ、それより!結局どなたなんですかぁ…!」
怒涛のスサナ:
「そろそろ俺達も話に行かないと…」
リズ:
取引を終えたのかどこか満足そうな様子で歩いてきたリズが返事をする
「私?ただの追放者《エグザイル》。ちょっと前に中の人に助けてもらったから、誰かに親切を返そうと思っただけ」
怒涛のスサナ:
「そうなんだ…」
無価値のデザレ:
「そ、そうなんですか…誰かは分かりませんが、優しい中の人に会えたんですね」
リズ:
「そう。おかげで外でうまく生きれるようになった」
「話は変わる。あなたたち、研究所でコンテナ回収した?」
「コンテナの届け先を伝えたい」
怒涛のスサナ:
「コンテナっていうと…」
ランドワームに襲われる前に回収した、あれ?
無価値のデザレ:
「???それは…届け先を知ってるんですか…?」
リズ:
「知ってる。8区の地下の…まぁそこに行けば誰かが案内してくれる」
「リズからドクターへの届け物って言えば通じるから。きっと報酬もしっかりある」
無価値のデザレ:
「8区ってあの…行政の手が行き届いていない…」
怒涛のスサナ:
「ドゥームドームがある…」
V8:
「横から口出すのはよくないかもだけど…リズさんは届けられないの?」
リズ:
「私は…ほら、ちょっと混じっているから入れない」
GM:
フードの影からのぞく瞳は人のものではない
細く縦に避けた、爬虫類のような瞳孔
顔の端には、乾いた地面のようにひび割れた鱗状の痕
人間ではありえない特徴…魔物《ミュータント》だ
リズ:
「まぁ、そういうことだから頼みたい」
無価値のデザレ:
「!!」
怒涛のスサナ:
「………!」
魔人化、魔煌災害、ドクター…様々なキーワードが頭を飛び交う
無価値のデザレ:
この子に《診断》をして健康状態を診てもいいでしょうか
GM:
いいぞ!
無価値のデザレ:
瞑想してなかったらコストがお高い!絵札消費
《診断》
生命1/1枚/なし/主要アクション/1/1体(生物)/なし/瞬間
術者は対象の健康状態や罹患している病気や侵されている毒の種類を知る。また、対象の【HP】の最大値および現在値を知る。
GM:
魔物化はどう診断されるんだろうねぇ!
とりあえず、こんな感じで!
健康状態:不良
罹患している病気:野外でかかる複数の病気、食中毒(軽度)
毒:なし
怒涛のスサナ:
いかん!
無価値のデザレ:
……不健康!こんな場所なら仕方ないですね
「あの…リズさん。栄養の取れるもの…ここじゃ難しいか…。あっ薬とか…もここじゃ難しいですよね…」
「ごめんなさい…」
リズ:
「大丈夫、中にいたときよりは健康だから」
「気にしてない」
怒涛のスサナ:
「その身体…"ドクター"の噂って本当だったのか…!?」
無価値のデザレ:
「えっ…ドクターって…本当にあの噂のドクター!?」
リズ:
「噂…そうだよ。ドクターは私たちみたいな子たちを強くしてくれてる。君も超人になれる。人は意思次第でなんにでもなれるんだぞって」
V8:
ちょっとヤバいのに首突っ込んだかな~みたいな表情をしつつ
「じゃあ…そろそろ、おいとまさせてもらう?」
怒涛のスサナ:
「人は意思次第で何にもなれる…それは…」
そうだけれど…そうでは…
無価値のデザレ:
「えっあ………そ、そうですね。おかげで処置はできましたが、大きな病院などにも診てもらわないと」
「えぇと…それから…本当にありがとうございます、リズさん」
怒涛のスサナ:
「うん。ありがとう、リズさん。助かった!」
リズ:
にこりと微笑んで、あなたたちに手を振る
「頑張ってね」
無価値のデザレ:
「意思次第で何にでもなれるのなら…私達、友達になりませんか」
リズ:
「トモダチ?トモダチって…あぁ、聞いたことはある」
「いいの?私がトモダチになっても」
怒涛のスサナ:
「じゃあ、俺も!」
無価値のデザレ:
「うん…見つかったら偉い人や真面目な人に怒られるかも知れないけど…」
リズ:
「トモダチ…うん、嬉しい。いい響きだね」
無価値のデザレ:
「見つからない内は、自由ですから。政府の人たちに秘密にすれば友達にだってなれます」
リズ:
「わかった。私たち、秘密のトモダチ…ね?」
怒涛のスサナ:
「ああ!友達だ!」
リズ:
リズは幸せそうに微笑みます
「じゃあ、また来てね?私のトモダチの…デザレとスサナ」
無価値のデザレ:
「はいっ友達のリズさ…ちゃんと!」
怒涛のスサナ:
「またな、リズ!」
ばいばいと手を振ろうかな
無価値のデザレ:
(い、勢いに任せて恥ずかしいこと言っちゃったけど、私のはじめての友達できちゃった…っ)
今更冷静になり赤面する顔を抑えながら小さく手をふり車に戻りましょうかね
リズ:
真似するように小さく手を振るリズ
V8:
「それじゃあ、出るよ?…ここの位置情報は二人のM-phoneに送っとくね」
怒涛のスサナ:
「ありがとう」
無価値のデザレ:
「あっありがとうございます」
GM:
エンジンが静かに震え、洞窟の外へと、ゆっくりと車が走り出す
リゼはあなたたちを追うように洞窟の外へと出てきていた
リゼは、あなたたちが見えなくなるまで、離れるのを惜しむように、私はいつまでもここで待っているとアピールするように、ずっと手を振っていた
怒涛のスサナ:
自分も見えなくなるまで振り返した。
無価値のデザレ:
小さく手をふり返し続けました
洞窟から出て数時間、地平線にやっと聖域が見えてきた
もうすぐ、このビズも終わりということだ
V8:
「そろそろ到着だよ。やり残したことはないかい?」
無価値のデザレ:
「……あっ」
怒涛のスサナ:
「…あっ」
無価値のデザレ:
「あー……あのー……あ……………はい」
怒涛のスサナ:
「…デザレさんから…」
無価値のデザレ:
「あっえ……っあっいや………な、なんでもないです……」M-phoneを両手で持ち何かを言おうとし数分体を硬直させ、言えぬまま脱力する
怒涛のスサナ:
「俺達も交換、しないか?」
同じことを考えてたみたいで嬉しい。M-phoneをこつんとくっつける
無価値のデザレ:
「えぁっ!!!あっは……はぃっ!」
「ま、またっあのっまたリズちゃんと会うとき示し合わないと混乱したりとか行き違ったりとかしないようにしないといけませんからね誰か他の人に気づかれた時の情報共有とかでも時々はなんてことないお話とかももも」
怒涛のスサナ:
「…聖域に戻ってからも一緒にビズしたり出掛けたりしたいし」
無価値のデザレ:
「一緒に……っ出かけ……っ!」
怒涛のスサナ:
「それとリズの事はここでだけの秘密!だな!」
顔を近づけて悪戯っぽく笑ってみる
無価値のデザレ:
「ひぁいっ!ちっ……ぁ、はい………っっ」
硬直して固まり、放心する
そうして帰路につく残り時間の大半をそのままの姿勢で硬直し続け
街のゲートがフロントガラスに反射しはじめた頃
「あの………っ今日は、ありがとうございました………」
「かっこよかった………です……」エンジン音にかき消される小さな小さな声でそれだけ呟いた
怒涛のスサナ:
「ああ!こっちこそありがとう!たくさん助けてもらった!」
「─デザレさんは"無価値"なんかじゃなかったぞ!」
こつん、と拳を合わせて笑う。
無価値のデザレ:
「っっっ」既にいっぱいいっぱいだった脳はいよいよ真っ白になり
そういうあなたは怒涛過ぎる、なんて返礼も口にできないまま車はシティへと滑り込んでいった──
以上でシナリオ終了!
プレイヤーの皆さん。ご参加いただきありがとうございました!
弱気ガールと素直ボーイのコンビはかなりいい…
ストレートな言葉が心の壁を貫く成分もちょっとしたロマンス成分も摂取できますから、めちゃくちゃ心の栄養になりますね!
GMとしてもお二方の反応のおかげでかなりテンション高めのまま最後まで走り続けることができました!
続編風シナリオを近いうちに建てるつもりではありますので、ぜひぜひその時はご参加いただきたい…
またご一緒する機会があれば、よろしくお願いします!
マジックパンクを一時期のサタスペくらい流行らせたい…!
マジックパンク流行ってくれ!!!
マジックパンクTRPG「岐路」
荒野で託された、ひとつのコンテナ
野外《アウトランド》の少女は言う「ドクターに渡せ」
要塞門の番人は言う「学会《ヴィルム・エレクトス》に渡せ」
酒場のマーベリックは言う「市長《ヴォルフガング・イェーガー》に渡せ」
声は三つ、道も三つ
この街は、一人じゃ怖くて歩けない
マーベリック、誰の手を取る?
怒涛のスサナ:
ぐわあああ三択
無価値のデザレ:
うわー!囲まれた!
怒涛のスサナ:
聖域の火エンド
聖域の解放者エンド
聖域リリースエンド
かな…
無価値のデザレ:
リズちゃんはいい子だけどリズちゃんが信じてる人を私達は信じきることが出来ない…
GM:
リザちゃんと約束したしマッドメイジルートなのかな?
聖域に入るときに目を付けられるしヴィルム・エレクトスルートなのかな?
とりあえずあいつに投げとけ!のヴォルフガング・イェーガールートなのかな?
怒涛のスサナ:
リズちゃんはいい子だけど現時点じゃ無理だよドクターは…!となっている
GM:
GMの一押しはドクターだ…
やっぱ人間進化するべきだよなぁ!
なにせGMは「人の可能性を信じる」って言葉好きだし…
無価値のデザレ:
ちょっと…まだ人間のままでいたいな…
GM:
でもリゼちゃんと一緒だよ?
一緒に野外で生活しやすくしてもらおうよ!
何なら聖域でリゼちゃん暮らせるようにしようよ!
怒涛のスサナ:
絶対とんでもないイベント起きるじゃんッ
GM:
パンクものは社会をひっくり返してなんぼだから…
無価値のデザレ:
り、リズちゃん人間にならない…?
怒涛のスサナ:
…星樹に願おうぜ!
GM:
まぁ…ヴィルム・エレクトスに願いをかなえられる魔道具を探してもらってもいいけど…
怒涛のスサナ:
ドクタールートも気になるのは確かなんだけどね…
コーラルリリース系統じゃんそれ…っ
無価値のデザレ:
黄泉の門8階梯まで伸ばして転生させなきゃ…
…これ対象自分じゃん!
GM:
市長だったらどう解決するんだろうな…
アウトランダー用の都市をどこかに建てようとしたりするのかな…
無価値のデザレ:
ただでさえ苦労背負い込みまくってるのに市長の胃に穴開きそう
怒涛のスサナ:
聖域にダアトポジの場所生やそう
GM:
暗躍するマッドメイジ…!
ちなみに市長ルートが一番敵が多そうです
市長の座を狙っているものもいるし…人間の進化を促そうとしているものもいる
怒涛のスサナ:
市長ルートリズちゃんが敵になりそうで嫌…!
学会は碌なイメージがないからやだ…!
うわあドクターしかない!