二次元裏@ふたば

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151023 B26/04/27(月)00:04:25No.1424213462そうだねx2 02:22頃消えます
「じゃあ今日のトレーニングは終了だ。みんな、お疲れ様……! ゆっくり休んでくれ」
『は〜い』
トレーナーさんがそう言うと、チームの子たちはそそくさと部室の方へと帰っていく。

「それじゃ、俺たちは片付けを始めるか」
「はい、トレーナーさん」
トレーニング後の片付け。それもまた、サブトレーナーである僕の仕事だ。夕陽の差すグラウンドで、僕たちはトレーニング器具を片付けていく……。

「……ふぅ、ビリーヴのお陰ですぐ片付いたな。ありがとう、ビリーヴ」
「いえ、僕は僕の仕事をしたまでです。……では、僕たちも撤収しましょうか。あの子たちももう帰ってる頃でしょうし」
「あ、ああ……! そう、だな……!」
「……?」
トレーナーさんは、僕がそう言うと何故かすこしぎこちなく応えた。どうしたのだろう、とトレーナーさんの顔を見る。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
126/04/27(月)00:05:48No.1424213899+
「な、なんだ……? 俺の顔なんて見て」
「…………いえ、何でもありません。ひとまずトレーナー室に帰りましょう、トレーナーさん」
「あ、ああ……!」
なんだかすこしぎこちない様子のトレーナーさんを横目に、僕たちは歩き出す。

――トレーナーさんが、こんな風になっている時は。大抵、何かしらの隠し事をしてる時だと分かっている。
けれど――僕はそれを指摘したりはしない。何故ならトレーナーさんは、僕に後ろめたいような隠し事など絶対にしないからだ。

トレーナーさんは、とても誠実で実直な人だ。だから、そんなトレーナーさんが僕に隠し事をする時は……多分、僕を喜ばせる為とか、そんな感じの時なのだ。
つまり、今僕があれこれ追及するのは良くない。だから僕はトレーナーさんが教えてくれるその時まで、深く考えないようにしているのだ。

「…………あれ」
トレーナー室への帰路の途中、不意に目が留まる。
「……ん? どうしたんだ、ビリーヴ」
「まだ、チームの部室に明かりがついてますね」「……っ!」
226/04/27(月)00:06:58No.1424214222+
解散を言い渡してから、結構時間は経っている。あの子たちももうとっくに帰っているだろうに……。
そう不思議に思って、僕は立ち止まった。

「もしかして、何か部室であったんじゃ……」
「……!! い、いやっ、どうせなんか時間も忘れて駄弁ってるんじゃないか!? 別にトラブルとかじゃないだろ! きっと! いや、絶対!」
「…………」
トレーナーさんが、必死になって僕にそう訴えかけてくる。あわあわと、すこし青くなるトレーナーさんの顔。
……ああ、なるほど。どうやら僕を部室に近づけたくないらしい。ならば――。

「…………それも、そうですね」「……ほっ」
僕が納得したのを見て、トレーナーさんの顔が緩む。……本当に、相も変わらずトレーナーさんは顔に全部出る人だ。

「そ、それじゃあトレーナー室に戻ろうか、ビリーヴ……!」
「……はい、そうですね」
そうして、僕らは再び歩き出す。どこか緊張した面持ちのトレーナーさんに、どこまでも見て見ぬふりをしながら――。
326/04/27(月)00:08:36No.1424214717+
――――
トレーナー室で暫く、僕らはデスクで軽い作業をこなしていた。時折取り留めのない話をして和やかな空気で仕事に取り組む。

そうして、あらかた今日の仕事が片付いた頃、トレーナーさんのスマホから通知音が鳴る。
「……!」
ぱっとスマホを手に取り画面を確認するトレーナーさん。何か大切な連絡でも待ってたのかな? そんな風なことを頭の片隅で考えながら仕事道具の片付けをしていると――。

「……び、ビリーヴ……! これから帰るとこなのにすまん! 俺、チームの部室に忘れ物しちゃって……!」
「えっ、忘れ物……ですか?」
「ああ、その……えっと、一緒に取りに行ってくれないか!?」
“別に、僕がついていく必要は無いですよね?”。そんな言葉を、胸の中にしまい込む。
部室まで一緒に来て欲しい、そのお願いに僕は察する。だから、僕は平静の心で応じる。

「良いですよ。行きましょうか、トレーナーさん」「……! あ、ああ……!」
ホッとした様子のトレーナーさんとともにチームの部室へと向かう。そうして、着いた先で僕らを出迎えてくれたのは――。
426/04/27(月)00:10:50No.1424215495+
――――
『ビリーヴさんっ!! 誕生日、おめでとうございま〜す!!』
パンッ! クラッカーが鳴り、チームの子たちが一斉に僕の誕生日を祝ってくれる。

――ああ、そうだ。そういえば、今日は僕の誕生日――。

「えへへっ、サプライズは大成功ですかねっ?」
「いやぁ、トレーナーさんが囮役でこの部室からビリーヴさんを遠ざけて、その間に私たちで飾り付けしたり準備したりする作戦。まさか上手く行くとは〜」
「トレーナーさんすぐ顔に出ちゃうから、バレないか心配だったんですからねっ!?」
「い、いやいや! ちゃんと隠し通せたから……!? なっ、そうだろビリーヴ!?」

「…………」
「……えっ、ビリーヴ?」
――正直な話をすれば、トレーナーさんやみんなが何かを企んでいるのは分かっていた。トレーナーさんもバレバレだった。
けれど、僕は今日が自分の誕生日だったことなど、すっかり忘れていて。それに、みんなからこんな風に祝って貰えるだなんて思っていなくて――。
526/04/27(月)00:14:14No.1424216586+
「あ、あの……? ビリーヴさん……?」

「……ぁ。えっと、その……すみません、みんなが僕の誕生日の為に、こんなに用意してくれて。サプライズをしてくれて、みんなに祝ってくれて……その、ちょっと……」

「胸の中が、暖かいものでいっぱいになって、その……すみません、うまく、言葉がでなくて」
『……!!!』

心がみんなからの気持ちでいっぱいになりながらも、それでも僕は、どうにか言葉を絞り出す。

「――みんな、ありがとう。その……僕の、為に……すごく、嬉しい」

『〜〜〜〜っ……!!!』「――って、えっ、あっ……わぁ!?」
突然、みんなが感極まったみたいに僕に飛びついてくる。チームのみんなにもみくちゃにされて、ちょっと押しつぶされて。――でも、暖かくて。

そうして、チームのみんなが用意してくれたとてもとても暖かい僕の誕生日パーティーが始まるのだった――。
626/04/27(月)00:16:04No.1424217252+
――――――
「……ふぅ」
楽しげな部室の明かりを背に受けながら、僕は部室の外で暗くなった冷たい空気を吸う。ケーキにジュースに、ゲームにプレゼントに、みんなが企画してくれた誕生日パーティーはすごく楽しいものだった。
ただまあ、ずっと賑やかな空間にいるのが得意な方では無いから、だからこうしてパーティーをちょっと抜け出して外の空気を吸っていたのだけれど――。

「……あっ、ビリーヴ。ここにいたんだな」
声がして振り向くとトレーナーさんがそこにいた。どうやら、トレーナーさんは僕を探していたらしい。

「どうかされたんですか、トレーナーさん」
「あ、いや、えっとその……。なんだ、大したことじゃないんだけど……」
また、トレーナーさんがいい淀む。
「そう、なのですか……?」
「あっ、いや……。……ごめん、大したことじゃないってのは、嘘かも」
「……? あの、それってどういう……」
トレーナーさんは、そう言うとジャケットの内ポケットから何かを取り出す。
726/04/27(月)00:17:37No.1424217770+
「……これ、誕生日プレゼント」
「……! え、えっと……その、良いんですか……?」「ああ」
トレーナーさんから、ひとつの小箱を渡される。まさか、トレーナーさんから誕生日プレゼントを貰えるなんて思っていなくて。思わずそう尋ねてしまった。
それから、開けても? と聞くと、トレーナーさんは頷いてくれて。そうして、そのプレゼントを開いてみると――。

「――どう、かな。君に、似合うと思ったんだけど」
「……これは――」

それは、赤い宝石が輝くネックレスだった。

「ガーネットのネックレスなんだけど……」
「……えっと、確か……信念を貫くパワーがあると、聞いたことがあります」
「……! そうなんだ、君にピッタリだなって思って……! それに……この赤い輝きが、君の瞳によく似てるなって――」
トレーナーさんは、すこし照れくさそうにはにかむ。
思わず、そのネックレスを手に取って、眺めて。そして、気付く――。
826/04/27(月)00:18:59No.1424218239+
「――これ、人の手で加工されてますね……。もしかして……」
「……っ!! ……あ、あはは……すごいなビリーヴは。その……うん、俺がカットしたんだ」
そう言って、トレーナーさんは頬をかく。

「せっかく君にあげるなら、やっぱり手作りのものがいいなって、思って……。だから、そういう工房に行ってきて、色々教わりながら加工してみたんだ」
「……トレーナー、さん」
じっくりと、手の中の宝石を眺める。
それは、多少不格好で、粗削りなところもあって。けど……何より、一生懸命で、想いが籠もってて、暖かみがあって――。

「あ、あはは……やっぱり本職の人みたいに綺麗にはできなかったから、その……あれなんだけど……。――どう、かな……?」

「…………トレーナーさん」
ぎゅっと、ネックレスを握り。胸に当てる。
そうして、胸の奥から溢れてくる想いに、この宝石から伝わってくる想いに、心を浸して――。
926/04/27(月)00:21:09No.1424219005+
「――……大切に、しますね」

「……ああ」

たった一言。僕の発した、その一言を。
トレーナーさんは静かに。けれどしっかりと……強く、頷いてくれるのでした。

――――
「……その、まさかこんなサプライズがあるなんて……思ってもいませんでした」
「あ、あはは……それなら、サプライズ大成功、かな……?」
そうやっておどけるトレーナーさんに、ふふ、と笑みが溢れて。それから、小さく二人で笑い合う。

「……ところで、どうしてみんながいる前で渡さなかったんですか……?」
「……まあ、そりゃ……みんなが見たら絶対、その……色々言ってくるだろうし」
「……あはは、それも、そうですね」
1026/04/27(月)00:22:10No.1424219336+
遠くであの子たちの賑やかな声を聞きながら、すこし冷たい夜に二人。
手の中には、暖かな結晶。僕の胸の中にも、それから、僕の目の前にも。

「……じゃあ、そろそろ戻ろうか」
「……はい、トレーナーさん」
そうして二人並んで歩いて、僕たちだけの暖かな想いを抱いて。
暖かいみんなの元へと、帰るのだった。

「――あっ、トレーナーさん、ビリーヴさん、ふたりしてどこ行ってたんですかっ!?」
「あはは、ちょっとな」
「……ふふっ、はい」
1126/04/27(月)00:22:51No.1424219580そうだねx1
おわり
ビリーヴ誕生日遅刻部だけど許して
1226/04/27(月)00:56:34No.1424229580+
すごく愛を感じる
1326/04/27(月)01:19:37No.1424235053+
推せる〜
1426/04/27(月)01:47:58No.1424239340+
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弱者男性の妄想すぎる…
1526/04/27(月)02:17:04No.1424242815+
スレッドを立てた人によって削除されました
>弱者男性
そんな生優しいものじゃないだろこいつ…
1626/04/27(月)02:21:00No.1424243139+
スレッドを立てた人によって削除されました
怪文書がお外に流出してお客様が流入してきてーみたいなこと憂うやつは昔いたけどさあ
本人がまとめ見てるアフィカスなの勝手に自白してくるやつは初めて見たんだよね


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