ーーーさぁ試合時間も10分を経過しリング上はますますヒートアップしてまいりました、人造勇者軍vsアイドル聖騎士軍の全面対抗タッグマッチ。 いや正確には2vs1のハンディキャップマッチとなりましたが、必死に持ちこたえていたレンハートマンホーリーナイトにも疲労の色が隠せません! 「シ~ッ!漆ッ!漆ッ!漆ッ! 所詮聖騎士なんざ勇者様の露払いよ! 聖剣の名の下にその素っ首叩き落としてやらぁ~! 食らえ!『聖剣千刃乱舞』!」 ーーーおーっと漆號がチョップの乱れ打ち! しかしホーリーナイトもガードをがっちり固めて必死に耐える。 攻め疲れを嫌がったか、漆號がチョップを諦めホーリナイトを自軍コーナーへ振ったー。 そしてコーナーで待ち構えていたのは弐號だ~っ!ビッグブーツが顔面にヒット!ホーリーナイトたまらず崩れ落ちるー! 「(まさかこの土壇場でギルとクリストの奴に裏切られるとは…)」 (試合前の回想) クリスト「僕プロレスなんて出来ませんよ。ギルさんかイゾウさんにでも頼んだらどうですか」 ギル「アホらしい。そんな茶番に付き合ってられん…」 「(ジャンク殿やイゾウさんは志願してくれたが、さすがに女性の身では荷が重い…。だがリングに上がった以上逃げる訳にはいかぬ…)」 「(頼みの綱のボーリャック先輩は…チラッ)」 ホーリナイトの視線の先には気まずい顔をしながら、エビルソードと一緒にリングサイドの席で観戦するボーリャックがいた。 ボーリャック「(何かこう…すまん…)」 ーーーさぁ弐號がグロッキー状態のホーリーナイトを引きずり起こしてリフトアップ。四方のお客さんへ見せつけています。 「ニ~ィ!弐ィ!弐ィ!弐ィ! 多勢に無勢で痛めつけるのは勇者としていささか不本意ではあるが、これも勝負の世界。この一撃で貴様を沈めてやる。『アイゼンプレス!』」 ーーー弐號が投げたホーリナイトの体を見えない障壁で中空に挟みこみプレスする!このままパワーボムの状態で叩きつけるのかー! 誰もがホーリーナイトのKOを予想した瞬間の出来事であった。 リング外から走り寄って来た一人の男がトップロープを飛び越え、弐號にラリアットを入れカットする。 不意打ちのダメージに障壁の拘束が解け、マットに落とされるとこであったホーリーナイトを乱入者は受け止めカバーした。 「何だぁテメェ!いいとこだったのに邪魔しやがって、叩き出してやらぁ!」 ーーー漆號が乱入者に向かってお返しとばかりにラリアットを仕掛ける。しかし乱入者は冷静だ!タイミングを合わせてローリングソバットで迎撃。 よろけた漆號が立ち上がろうとした瞬間にランニングのニー!ボマイェが決まったー! この男、かなりの実力者の様子だぁ! 「せっかくの試合に水を差してすまない。だがあの状態ではただ座して敗北を待つのみであったからな…」 「こちらこそ危ういところを助けてもらい感謝します…。恐らく相当名のある聖騎士とお見受けするが名は何と?」 「そうだな…。レンハート…レンハートマングレートとでも名乗っておこう…」 ーーーそれにしてもこの乱入者いったい何者なのでしょうか? 横に並ぶレンハートマンホーリーナイトと遜色のない筋骨隆々の体格に頭部には黒い聖騎士のマスク。その前頭部からはみ出す赤い髪が特徴的であります。 ーーーまた聖騎士サイドの赤コーナーには彼のマネージャーと思わしき女性がセコンドとして陣取っています。こちらも仮面で顔を隠しておりますが、猫耳とデカパイがその存在感を主張しています。 (同時刻、マスグラ軍宿舎でテレビを見ながらメシ食ってるラーバル) 「なにやってんだ…コイツら…」 ーーーおーっと乱入者いやレンハートマングレートがマイクを取って何かアピールをしているようだ! 「人造とはいえ勇者と聖騎士との一戦が、このようなハンデ付きの塩試合で恥ずかしくないのか! 義によって私がアイドル聖騎士軍の一員となり、改めて2vs2のタッグマッチとして仕切り直しをしたいがどうだ?!」 ーーー彼の要望は自分を交えたタッグでの再度のゴング! これに対し人造勇者軍はどう応えるのでしょうか? 「ニ~ィ!弐ィ!弐ィ!弐ィ! 数的優位のハンデが付いた状態で蹂躙したところで、我々の強さが観客に伝わるとは思えん。ならば対等の条件で完膚なきまでに叩き伏せて、我々の偉大さを改めて思い知らしめてやろうではないか!」 ーーー人造勇者軍も再戦の提案を受け入れ、両陣営が各コーナーに戻っていきます。 仕切り直しの先発は人造勇者軍が漆號、アイドル聖騎士軍はグレート。さぁ再度ゴングだっ! 「まずは私が出て時間を稼ぐ、君は少しでも体力を回復させるんだ。何ならその間に我々のチーム名でも考えておいてくれ」 「チーム名はもう決まっている。お互いレンハートマンの名を持つ者! 『レンハートマンブラザーズ』というのはどうだろう?」 「うむ!良い名だ!」 (同時刻、以下略ラーバル) 「いや、お前ら親子だろ…」 (続かない)