二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1772974051969.png-(1151848 B)
1151848 B26/03/08(日)21:47:31No.1408970365そうだねx4 23:01頃消えます
クソっもう流れなんて関係ねぇ怪文書だ!
fu6391723.txt
126/03/08(日)21:47:50No.1408970514+
「ごめん……り…おん…エネルギー切れ…み…た……い…」
膝をついたドルゴラモンの姿が、倒れながら一気にキーモンまで戻る。
「そんな…むらさきちゃん!おきてよ!」
今にも泣きそうになりながら彼女に駆け寄った理音に、クロノモンの砲口が向けられた。
「オメガモン!」
「わかっている!」
アイメが叫ぶよりも先に、オメガモンモノクロームが放たれた砲撃から左肩の盾を使い彼女を護った。
あの赤いデジヴァイス”ハイパーデジヴァイス”の力で二人は繋がっているからこそ、こうして動く事ができる。
僕はその一部始終を、ただ茫然と立ち尽くしながら見ていることしかできなかった。
「ヴェンナ、もう…私たちだけしか…オメガモンしか戦えない」
「アイメ…まさか」
彼女は何かを決意したような目で、僕の方を見た。
「ダメだ!リバースを使ったら今度こそどうなるか!?」
「これしかないんだよ。クロノモンを倒すには、これしか。」
「そんなことない!オメガモンも止めてくれ!」
226/03/08(日)21:48:07No.1408970642+
そんなことない。なんてことは、欠片も思えるような状況ではなかった。
仲間たちは半分以上がクロノモンに無理やりどこかの世界に飛ばされた。残ったみんなのデジモンも、消滅してしまったり、良くても理音のパートナーのように戦闘不能だ。
アイメの言った通り、もう、これしかなかった。
「ハイパーコネクション:リバース、アクティベート!」
彼女がハイパーデジヴァイスを掲げそう叫ぶと、そこから発せられていた光が、彼女の頭に逆流していく。
「フィンガーボム。」
それを見てさっさと始末をつけてしまおうと思ったのだろう、クロノモンは僕たちを狙って、指先から無数の弾丸を飛ばしてくる。
アイメが危ない。考えるより先に体が動く。
「ぐぁっ……!」
妹を覆い被さるようにして抱きしめた背中に、何かが突き刺さったような痛みが走った。
「アル兄!?」
「アイメ…大丈…夫…?」
死ぬほど痛い。熱い。汗とは違う、ぬるりとしたものが背中に広がっていくのを感じる。
でも、アイメは大丈夫だったみたいだ。
体から急に力が抜けて、僕は倒れ込んだ。
326/03/08(日)21:48:26No.1408970793+
「よくも…許さない…オメガモン!クロノモンを…倒すよ!」
「…ああ!」
オメガモンモノクロームのマントが一瞬光って、白い2対の翼が広がる。
剣の文字が書き換わると、翼から羽毛が舞い落ちた。
「クロノデヴォリューション。」
クロノモンの体からエネルギー波のようなものが放出されたが、オメガモンは翼を軽く羽ばたかせるだけでそれをかき消す。
「グレイ…ブラスター!」
オメガモンの左腕から放たれるいつもの数十倍ほどの太さの光線が、クロノモンの片腕を貫いた。
それだけで終わるはずもなく、羽ばたきで急速に接近したオメガモンは、右腕の剣を深々とクロノモンの胸に突き立てる。
426/03/08(日)21:48:39No.1408970902+
「アブソリュート・オブリビオン!」
眩かった剣の文字の光が、相手の体に流れ込むように少しづつ消えていく。
それと共に、クロノモンの体も端の方からほどけるように薄れていった。
これが、オメガモンモノクロームの最強の力。
アイメが犠牲を払うことによってもたらされる力だ。
横を見ると、デジヴァイスは光を失い、アイメも座り込んでいた。
「アイ…メ…!」
今度は何を捧げてしまったのだろう。
また抱きしめてやりたいのに、体が動かない。
こんな状況なのにとても眠い。
ダメだ…なん……
526/03/08(日)21:48:53No.1408971000+
「……!」
いつの間にか眠っていたらしい。
嫌な夢を見た。
あの日、次に目覚めた時にはクロノモンはとっくに消え去っていて、私たちの事をオメガモンが護ってくれていた。
あの日から私は何かを忘れる事ができなくなり、アイメは代償として記憶を失ってオメガモンが誰であるのかを忘れ去っていた。
あの瞬間のことも忘れることはできない。こうして、何度も何度も夢に見る。
『Ladies and gentlemen, we are beginning our final descent. Please fasten your seatbelt and return your seat and table to the upright position.』
水を貰いたいところだが、もうすぐ着陸姿勢に入るようだ、諦めよう。
今私はUNDOのトップとして、自分達が選ばれし子供になった国…日本への飛行機に登場していた。
今回の大きな目的は、あの時の仲間にもう一度会うこと、UNDOの日本での業務開始に立ち会うこと、そして…とある囚人に面会することだった。
626/03/08(日)21:49:09No.1408971097+
『罪なんて償わなくて良いよ…!もっと…私と一緒にいてよ…』
『…ごめんね、ほむら。』
『お母さん…!!』
『ほむら、あなたは戦わなくていい。私のようになってはいけないわ。…あなたのこと…どこにいてもずっと見てるから。…ねぇ、ブラックシャウトモン。』
『な…なんだ?』
『ほむらの事、頼んだわよ。』
『…おうよ!』


─────私が出頭して、どれほど経ったのだろう。
最初こそ事情聴取やらなにやらがあったけれど、今はただ何をさせられるわけでもなく、ただ、起きて、食事をし、眠るだけの生活を送っている。
私の記憶では拘置所で生活する期間はそう長くないはずだけれど、一体どうなっているのかしら。
起訴の通知もないし、裁判も始まっていないらしい。
726/03/08(日)21:49:26No.1408971214+
あまりにも変わらない日々に、私は日時の感覚を奪われていた。
ある意味、これも裁きの一つであるのかもしれない。そう考えるほどに、何も起きなかった。
「ほむら…」
誰と話しているわけでもないのに、つい声に出た。
かつてこの名前に感じるのは、自分の罪を思い出させられる苦痛だけだった。
今感じるものはそれだけじゃない。
娘の事を想う心…そんなものが自分の中に存在している事に驚くが、確かにそれは私の中にある心だった。
826/03/08(日)21:49:44No.1408971341+
「─────はい。件の囚人はこの先に。」
「ありがとうございます。ここからは私だけで結構です。」
「しかし…いくら従順であると言っても、最高レベルの危険度として扱うよう上に通達されています。夜城沼さんに万が一の事があれば…」
「問題ありません。いざという事があったとしても、私達で対応可能です。」
「……わかりました。」

独房の外から、誰かが話している声が聞こえた。
片方は、いつも私に食事を持ってきたり、点呼したりする刑務官の声だ。
もう片方の感情を塗りつぶしたような声には聞き覚えがない。
「八重練・H・鏡華さん…で、いらっしゃいますね。」
数度のノックの後、その声の主は扉越しに私に話しかけてきた。
「…ええ、そうよ。できれば…出海鏡花と呼んで欲しいわ。」
「私は、アルトゥール・夜城沼と申します。お話をお聞かせ願えますか?」
926/03/08(日)21:49:56No.1408971426+
「取り調べ…ということかしら?それならば、普通は刑務官がここまで来て、あなたのような人は取調室で待っているものだと思うのだけれど。」
「私達には少し特殊な事情がありまして。ご同行願えますね?」
アルトゥールと名乗った彼は、そう言うと扉の鍵を開けた。
「驚いたわね…鍵まで渡されているの?」
「少しお話をさせていただいたところ、任せていただける、とのことでしたので。」
彼はやけに背の高い、整った顔をした金髪の男だった。
彼は慣れた手つきで私に手錠をかけると、そのまま取調室へと向かった。
1026/03/08(日)21:50:21No.1408971580+
「さて、調書は一通り記憶していますが、念の為、直接貴女からお聞きしたい。貴女は、どのような罪を重ねてきたのでしょうか?」
座り心地のよくない椅子に腰掛けるなり、夜城沼はそう切り出した。
私は言われるがままに、私が今まで何をしてきたのか、死者を蘇生させるため、錬金術の研究のため、どれほどの数の人間を犠牲にしてきたのか、
FE社が一体どのような会社であったのかまで、知る限りのことを全て話した。
ただ、ほむらのこと、そして錬金術の詳細だけは決して話さなかった。それらが知れ渡れば、必ずよからぬことに使われるのが目に見えている。何せ、私は悪用した側だ。
「─────ふむ。調書と相違はないようですね。」
この男、手元に資料を用意する様子もなく、私の発言を記録する様子もない。記憶しているとは言っていたが…本当に一字一句記憶していると言うの?
「では、こちらから貴女の現状についてお話させていただきたいと思います。まず、貴女が研究で消費したという人間ですが、基本的には行方不明、もしくは交通事故、病気等での死者になっています。」
1126/03/08(日)21:50:37No.1408971703+
「それは隠蔽工作の影響のはずよ。ちゃんと調べなさい。」
「もちろん日本警察だけでなく、私共の方でも調査させていただきましたが、貴女が誘拐、または実験で使用したと供述した日時よりも後に生活していた証拠が何件か発見されています。」
一体どういうこと?そんなことはありえない。
「次に…FE社という企業は存在しません。」
「……今なんて?」
「この国だけでなく、どの国のどの時期においても、です。同様に、CEOを務めているとされた人物も存在したという記録はありません。」
「な…何を…言っている…の…かしら…」
「その心中、お察しいたします。貴女を取り巻く状況は、非常に面倒なことになっている。」
彼が言うところによれば、私が供述した内容は全て現実に沿わないものになっているらしい。
あの会社も、私があの会社でしてきたことも、なかったことになっている。
…まさか、ほむらも?いや、そんなはずはない。あの子の誕生は私がFE社と関わる遥か以前に起きている。あの子が消えたはずなんてない。そう信じたい。
「……全く、本当に面倒な話ね。」
1226/03/08(日)21:51:10No.1408971963+
「ですが、私は貴女の証言を信用します。」
夜城沼はそう言って、私に目を合わせてきた。
「私はこの現状を、”なんらかの時空改変によるもの”と考えています。」
「…急に面白いことを言い出すのね。」
「私はかつて、選ばれし子供としてクロノモンと戦いました。奴を倒した後に感じたものは…この件から受ける感覚と同じです。」
クロノモン。確か…悟といったか、うちの会社にもクロノモンを使えるテイマーがいたわね。
デジタルワールドのシステム面に深く関わる個体もいて、確か時を司ると聞くけれど…その影響を受けていると言うことなのかしら、この男は。
「有り体に言ってしまえば、違和感を覚えるというだけの話です。」
「…あなたの違和感を、信じろというのかしら。」
「信じてくださらなくても結構です。ですが…貴女は今、存在しない会社で起きていた存在しない悪事を語っている人間となっている事は、お忘れの無きよう。」
「そんな女を、なぜ警察はこうして捕まえているのかしら?」
「日本警察内部での貴女の扱いが、トップクラスの危険人物かつ重要人物になっているからです。まるで、貴女の証言が全て真実であるかのように。」
1326/03/08(日)21:51:24No.1408972093+
「なるほど…ね。それを覆すのは面倒と、そう言うことかしら?」
「ええ。貴女の扱いには日本警察も困っているようです。だから、私に話が回ってきたのでしょう。」
やはり…ね。
今の言い方で確信が持てた。この男は警察ではない。
…今のは口を滑らせたわけじゃない。多分わざと気付くように話したわね。
「…あなた、何者?」
彼は私の疑問に答える代わりに、一枚のカードを見せた。
「申し遅れました。わたくし、United Nations Digimon Organization Director General、Artur・Yaginumaと申します。」
1426/03/08(日)21:52:21No.1408972485そうだねx1
自己紹介のところまで行ったので貼るのはここまでです
続きは冒頭のtxtよりご覧ください
1526/03/08(日)22:05:54No.1408977636+
またずいぶん怪しくてヤバそうなやつが出てきた…
1626/03/08(日)22:24:20No.1408984364+
鏡花さんへの取材のための面会要請はまたもや却下された。
公安イリーガルエージェントとしての要請は六角部長から差し止めの命令が出ている。
一介の犯罪者相手にずいぶんと厳しい体制なものね、と呆れる私はすっかり忘れていた。
お腹の中の双子ちゃんの出産に備えて産休に入った事もあって、私はそのことに気づくのがずいぶん遅れた。
――私はなぜ、鏡花さんにあんなに面会しようとしていたのか。
その本当の理由を思い出したのはかなり後、伝助と百助を産んでしばらく経った頃。
我が家を急襲した謎の有翼純白のメルヴァモンに出会った時だった。
何をされたのかは私にもよくわからないし蔵之助にもわからなかった。
はっきりしているのは、おそらく世界の改変が行われたであろうということ。
私たち以外でそれを認識しているのは、分かっている範囲では名字が変わってしまったひまわりちゃんだけだということ。
そして、私が産休に入る前から鏡花さんの身柄が国外に持ち出されていたということだった。
「鏡花さん!……私は、ほむらさんに何て言えば……!」
1726/03/08(日)22:29:14No.1408985944+
やったーほむほむだ!
1826/03/08(日)22:34:53No.1408987775+
またきな臭い展開になってきたぜ


fu6391723.txt 1772974051969.png