二次元裏@ふたば

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144168 B26/03/03(火)22:21:00No.1407454769そうだねx11 23:40頃消えます
「Girl in a Haze」
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昨年末、sumimiとAve Mujicaは揃って“年越し恒例の生放送音楽特番”への出演を果たした。しかもトップバッター、番組のオープニングを飾るという快挙だった。
演出も凝ったもので、まずはsumimiが秋に発表したばかりの新曲をバックバンド生演奏付きのフル尺で披露。その時点でバンドのメンバーはフード付きの真っ白なローブを纏っていて、正体が分からないように照明も工夫されていたんだけど…テレビで観ていた人たちは誰しもが展開を予想できたんじゃないかな。
sumimiの曲が終わるやいなや、スモークと共にセットチェンジとういちゃんの早着替え。純白のローブを脱いで紅基調のドレス姿で現れたAve Mujicaの面々と合流して、新曲を含む3曲のメドレーを圧倒的なパフォーマンスで演じてみせた。
テレビ局の人やマネージャーさん、先輩アーティストさん達が「すごく良かった」「完璧だったよ」って褒めてくれて。それはすごく嬉しかったし、私自身も今までと質の違う緊張感の中で十分なお仕事ができたと思う。


↓のまなちゃん視点の話です
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27303962
126/03/03(火)22:23:34No.1407455771+
そう、頑張った!嬉しかった…はずなのに。
ういちゃんと一緒にきらきらしたステージに立って、アイドルとして精一杯歌って──歌い終わった直後の光景とその時の気持ちが、いつまでも頭の中にこびりついている。

スモークの中、私だけがリフトでフェードアウトしていく。
濃霧に消えゆくういちゃんを、私はただ見送ることしかできない。
行かないで、ういちゃん。
声にならない言葉と共に、彼女に向かって無意識に伸ばしかけた手。
私はそれを弱々しく引っ込めて、奈落の底へ堕ちてゆく───
………
226/03/03(火)22:24:04No.1407455954+
〜2月某日〜

「んびいいぃいぃーーー!!寒いーー!!!
本当にこんな雪降ってる中で撮影するんですか!?」

真っ白い吐息を機関車みたいにたなびかせながら、スタッフに抗議するういちゃん。
正直なところ、私も若干遠慮したい気持ちだった。外ロケ用のもこもこダウンジャケットが身体を守ってくれるけど、顔や脚は無防備なわけで…容赦なく寒さが襲いかかってくる。雪も降ってるし。
表情に出てたみたいで、ういちゃんがマネージャーさんに「まなちゃんもそういう顔してます!!!」って言ってくれてる。
私はそれが嬉しくてつい緩んでしまった口元を、掌に息を吹きかける素振りで隠した。

ここは東京の西の果て、山の中のキャンプ場。sumimiのスチール撮影のために来たんだけど、お天気はあいにく(東京では)年に一度降るか降らないかの大雪となっていた。
さっきまで木々の葉を白く飾る程度だった粉砂糖みたいな雪の粒は、みるみるうちに大きくなって今にも地面に積もりそう。
326/03/03(火)22:24:33No.1407456170+
「お二人とも、大変申し訳ないけどこんな景色の中で滅多に撮れないから…ちょっとの間だけ付き合って!セッティングの間は車の中で待ってもらって、撮影自体は10分で終わらせるから!」
「うわ、カメラマンさん気合い入ってる。確かに雪景色は綺麗だけど…まあ10分だけって話だし、気合い入れよっか。まなちゃん」
「そだね。車の中で表情作って、そのまま固定してカメラの前行こうかな」
「私は自然な感じでいいって言われてるから何とかなりそうだけど…まなちゃんは笑顔つくらなきゃでしょ?大変そう」
「だいじょぶたいじょぶ。なんとかなるって!」
「まなちゃんは寒くても雪降ってても元気いっぱいだね。私も釣られて笑っちゃいそう」
「あたしは仔犬じゃないですよ〜、なんて。ふふ」

この鈍感さんはきっと分かっていない。
私はういちゃんが隣に居てくれさえすれば、どんな時だって嬉しくて笑顔になっちゃうんだってこと。
426/03/03(火)22:25:02No.1407456376+

雪まみれになりながらもなんとか無事に撮影を終えて、私たちは帰路に就いた…のだけど。雪に加えて靄(もや)が道路を覆い始めたものだから、一行は道すがらの農産物直売所で視界が回復するのを待つことになった。
快く駐車場に停めさせてくれた直売所の人に皆でお礼を言って車に戻ろうとしたところで、雪と靄の中にぼんやりとした灯りが見えたような気がして、私は駐車場に面した畑の向こうに目を凝らす。

灯りが漏れていたのは、軒下に“COFFEE”とだけ記した看板を提げた小さな建物だった。


「こんにちは!やってますか〜?2人なんですけど…」
「いらっしゃいませー。こんなお天気だから午後はもうお客さん来ないと思ったわ!寒かったでしょ?奥のストーブの前にどうぞ」
「ありがとうございます!ういちゃんほら、あったかいよ〜」
「わっ素敵なお店!奥に焙煎機もある…あれはたぶんフジの101──」
「可愛くておしゃれなお店だね。お店のおばさま、私たちのことは知らないみたい。ゆったりできそうでよかったね」
「うん!ふたりでカフェなんてなんだか久しぶりだよね」
526/03/03(火)22:25:45No.1407456684+
そう、本当に久しぶり。
ういちゃんがAve Mujicaで活動するようになってから、カフェでゆっくりお茶なんてできなくなったから。東京のお店は(ここも東京だけど)いつもお客さんいっぱいで、落ち着いてお話なんてできないし。個室カフェを予約…なんていうのも、なんか重たい気がするし。
今は私たちの他にお客さんもなし。このお店が気に入ったのか、ういちゃんもご機嫌な様子。
そんなういちゃんを独り占めできるんだって思うと、自然と笑みが溢れてしまう。

「メニューの“本日のコーヒー”なんですけど、今日はどこの豆ですか?」
「今日はボリビアね。アラシータス農園のティピカ」
「確かにチェーン店とかではなかなかお目にかかれない豆ですね…ちなみにこの焙煎機なんですけどシリンダーは──」
626/03/03(火)22:26:14No.1407456870+
コーヒーと喫茶店が大好きなういちゃんは、メニューや置いてある道具類に興味津々。豆の焙煎まで自分でやっているという店主さんと楽しそうにお話してる。私もコーヒーはわりと好きだけど…知識がないから話してる内容はさっぱりわからない。
私はういちゃんと何を話したらいいんだろう。昨年末に出演した番組のこと?来月に控えてるライブのこと?それとも……
せっかくの機会なのに、話題に迷って頭がぐるぐるしてしまう。

「あっごめんねまなちゃん。まなちゃんは何にするか決まった?」
「──え!?あっあのっ…ういちゃんたちが何話してるか全然わかんなくて、う〜ん…じゃあ私も同じものを」
「はいちょっと待っててね。淹れ方はどうします?そっちのお嬢さんは詳しそうだから選びたいんじゃない?」
「じゃあペーパードリップでお願いします!挽目と温度はお任せで」

頼んでからしまった!と思った。
違うコーヒーにしておけば、ういちゃんのと交換したりなんかして、そこから自然におしゃべりできたかもしれないのに…あ〜あ。
726/03/03(火)22:26:40No.1407457055+

コーヒーが来るのを待つ間に、ういちゃんと一緒にあらためてお店の中を観察してみる。
ログハウスみたいに無垢材そのままって感じの内装は、木の香りが温かくて心地良い。カウンター周りは白いタイル張りの明るい雰囲気で、裸電球風の照明がモダンで素敵。あとは天井からドライフラワーが吊り下げてあったり、花瓶には枝ものが挿してあったり…ういちゃんは「カフェというよりはロースタリーみたい」って言ってたけど、思わず身構えてしまうような専門店っぽい緊張感は感じられない。ガラス窓は大きくて、雪と靄でぼんやりとかすんだ幻想的な外の景色を存分に映し出してくれている。

カフェ…カフェかぁ〜。
アイドルのお仕事はもちろん楽しいけれど、いつかこんな都会の喧騒から離れた静かな場所で、ういちゃんとカフェを開いたりなんかして。きっと毎日楽しいだろうなぁ。ういちゃんがコーヒーを淹れて、私はドーナツを揚げて…えへへ。
826/03/03(火)22:27:06No.1407457244+
「いいなあ〜私も将来こんなお店を開きたいな。まなちゃんどう思う?」
「うえ!?そっそれは…!私とういちゃんとふたりでって意味?あのその…まなはういちゃんとだったら、将来とかじゃなくてすぐにでも…」

まるで心の中を見透かされたような振りをされて、私は狼狽してしまう。狼狽したついでに変な事まで口走っちゃった…どうしよう。

「そうよ〜2人とも若いんだから、やりたい事ができたならその時に始めないと。はい、本日のコーヒー2つね」
「うわ〜いい香り!ありがとうございます。
む!かなり特徴的で複雑なアロマだね。ハーブ感が強くて、あとは若干の香ばしさ…これは焙煎香かな──」

コーヒーが運ばれてきて、ういちゃんの興味はそっちに移ったみたい。ここは店主さんに助けられちゃった。
でも確かにいい香り。想像していた“コーヒーの香り”とは全然違って、ういちゃんの言う通りでハーブティーみたい。
926/03/03(火)22:28:36No.1407457780+
「むずかしい事はわかんないけど…まなが知ってるコーヒーの香りとぜんぜん違うっていうのはよくわかるよ」
「色と香り的にたぶん浅めのハイローストくらいだね。ではズゾゾ──うん…うん。いいね」
「んー!味も普段飲んでるコーヒーとはぜんぜん違うんだね」
「これは特に“違う”って感じだと思うな。豆も焙煎度合も…」

ういちゃんはいたく感動してるみたいだけど、私的にはちょっとすっぱくて…ひと口目でとっさに「おいしい」とは言えなかった。まだまだ未熟だな〜私。食レポとかするときに気をつけるようにしよっと。
それにしてもこのコーヒー、酸っぱくはあるけど全然苦くない。コーヒーなのに苦くないなんてなんだか不思議な感じ。ういちゃんはこういうのが好きなのかな?私もコーヒーのお勉強とか…でも演技のお稽古もあるし、作詞のことも最近齧り始めたばっかりなのに?
そういえば、作詞のお勉強をしてるってことはういちゃんに内緒にしてたけど…今まさに話し時なんじゃない?
そうだ、今だ!
1026/03/03(火)22:29:09No.1407457982+
「ういちゃ──」
「マスター、この豆ってアナエロビックとかですか?」
「これは“ラクトバチルスファーメンテーション”って言って、乳酸菌を使った発酵処理で…」
「あっぅ」
「このボリビアだけじゃなくて他の豆も珍しいものばっかりですよね。マスターが仕入れを?」
「いやいや、ウチはバイヤーさんに任せてるのよ。その人がかなり凄い人らしくてね」
「………」


「──だってまなちゃん、良いこと聞いちゃった!」
「……うん、そだね。あのねういちゃん、まな最近ね──」

やっと私の番が来たかな!というところで、お店の扉がカラカラと鳴る。峠道全体を覆っていた靄はいつの間にか晴れて、雪も小止みになっていた。
1126/03/03(火)22:29:34No.1407458154+
「お二人!おまたせ!視界が良くなってきたからそろそろ出発しますよ〜。すみませんどうも本当お世話になってます…あっこのマフィンおいしそう。3つ持ち帰りできますか?」
「私もせっかくだから豆買って帰ろうっと。今飲んだボリビアと、あとメニューにあったケニアのSL28と…」

もーーーなんでよぉ〜〜〜!!
もっと時間があれば!靄なんてずっと晴れなくて良かったのに!!
1226/03/03(火)22:30:02No.1407458342+

「えへへ〜。面白そうな豆、いろいろ買っちゃった」

帰りの車中、さっきのお店で買い込んだコーヒー豆たちを抱えて浮かれているういちゃん。
ばか。ういちゃんのバカ!コーヒー馬鹿!!

「この中にさきちゃんが飲んでくれそうなのはあるかな?」
「…………」
「あっそういえばまなちゃん、お店を出る前に何か言いかけてなかった?」
「……」
「寝てる…?」

ふん。
もう知らないもん。不貞寝しちゃお。
1326/03/03(火)22:30:27No.1407458518+
──ごそごそ、ふわり。
膝の辺りが急に温かくなった。

「んふふ…まなちゃん、みのむしみたい」

ういちゃんが自分のダウンジャケットを脱いで掛けてくれたんだ。
ずるい、ずるい。あったかい。
瞼を閉じていてもわかるもの。私を包む、ういちゃんの体温と香り。
狸寝入りのはずだったのに、頭がぼんやりして……本当に眠くなってきてしまう。
1426/03/03(火)22:30:58No.1407458716そうだねx3
──薄れゆく意識の中、私はまだ靄の中に居て。
ぼんやりと輝く何かを見つけて、今度はしっかりと手を伸ばし、ぎゅっと掴んで抱き寄せる。

ああ、やっぱり。
私はういちゃんが大好きなんだ。
1526/03/03(火)22:32:23No.1407459291そうだねx2
🐼💦感涙しました!
1626/03/03(火)22:34:13No.1407459994+
まなちゃん…しあわせになって…
1726/03/03(火)22:35:06No.1407460346+
ういちゃんは顔がいい上に根が善人だからヨクナイ
1826/03/03(火)22:37:58No.1407461429そうだねx2
初音視点のを読んだ時絶対まな視点あるなと思って待ってたのでとても嬉しい
1926/03/03(火)22:38:04No.1407461466そうだねx3
ういまなのまなちゃん片思い概念は疲れた身体に効く…
2026/03/03(火)22:38:59No.1407461798+
関係ないけどスレ画のうにょーんってなってるまなchang大好き
2126/03/03(火)22:50:08No.1407465638+
店にモデルあるのかと思って適当に調べたらそのまんまのがあって笑った
こんなの行きたくなるじゃん…うお…本当に山奥…
2226/03/03(火)22:55:06No.1407467323+
バリスタ初華「」は10周年ライブに居たんだろうか
実は怪文書ライター同士で集まったりとかしてない?
2326/03/03(火)23:04:26No.1407470730そうだねx5
友人に同行するような形でMyGO!!!!!/Ave Mujica合同の方にお邪魔しておりました
ペンライトを振るタイプのライブに行ったことが無かったので色々戸惑いましたが…
曲が始まる前に皆が起立し始めた時が一番ビビりましたね
国歌斉唱とかあるのかと思いました
2426/03/03(火)23:08:11No.1407472184そうだねx1
>国歌斉唱とかあるのかと思いました
リコササキの君が代なら普通に聴きたいが…
2526/03/03(火)23:10:58No.1407473419+
良いぞ…そのままライブの沼に落ちろ…迷子とムジカの単独ライブも楽しいぞ…
2626/03/03(火)23:13:29No.1407474464+
ういまなぷちっしゅが3月に出るの思い出したわ集めなきゃ…
2726/03/03(火)23:16:16No.1407475659そうだねx1
なんであんな情報量の鈍器みたいな怪文書投げつつこんな綺麗で切ないのも書けるんだ…
2826/03/03(火)23:17:11No.1407476010+
ゆめみたちゃんのライブにも来るんだ楽しいぞ!オープニングアクトにmillsageちゃんと一家ちゃんが来るSGC有明のゆめみたツアー東京千秋楽はアリーナ席は全滅したけどまだ2階席以上はチケット残ってるから手遅れになる前に取るんだいいね?いっそのこと同会場であるRAS+ムジカ2DAYS+ゆめみたちゃんで4DAYSライブ参戦キメて腰と首ブッ壊すともっと楽しいぞ!
2926/03/03(火)23:22:18No.1407478193+
>ゆめみたちゃんのライブにも来るんだ楽しいぞ!オープニングアクトにmillsageちゃんと一家ちゃんが来るSGC有明のゆめみたツアー東京千秋楽はアリーナ席は全滅したけどまだ2階席以上はチケット残ってるから手遅れになる前に取るんだいいね?いっそのこと同会場であるRAS+ムジカ2DAYS+ゆめみたちゃんで4DAYSライブ参戦キメて腰と首ブッ壊すともっと楽しいぞ!
わかりましたから落ち着いてください
あと腰と首いわすと仕事できなくなるので勘弁してくださいませ
3026/03/03(火)23:24:41No.1407479131+
あいつ
3126/03/03(火)23:29:17No.1407480846+
>なんであんな情報量の鈍器みたいな怪文書投げつつこんな綺麗で切ないのも書けるんだ…
タイトルおしゃれなやつ好き
迷子のシリーズはどれも考えられてるな…ってなる


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