二次元裏@ふたば

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330590 B26/02/12(木)18:59:14No.1401307917そうだねx8 20:24頃消えます
「祐天寺さん、見ましたか」

ウミコとムーコが楽屋に戻ってきた。片手には使い捨ての容器を持って。
湯気が立ち上るそれを見せびらかしたいようだけど、あいにく座ってるアタシには中身が見えない。
続きを促すように、アタシは怪訝な表情だけ返した。

「今日のケータリング、おしるこあった」
「沢山ありましたよ」

何処に行ったのか興味はなかったけど、ケータリングに行っていたらしい。
二人はパイプ椅子に座ると、容器を傾けてずずっ…と中身を飲んだ。
こんな感じですよ、とか言って中身をアタシに見せたりはしない。まったく気が利かない。

「…甘い」
「ええ。寒いので染み渡ります」
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
126/02/12(木)18:59:34No.1401308014そうだねx1
ならもっと美味しそうな顔をすればいいのに、二人は仏頂面のまま。
ただまあ、確かに寒いから少し心惹かれるものがある。
そういえば、おしるこなんてこっちに来てから飲んでないなあ…
寒い日にはおかーちゃんがお鍋にいっぱいのおしるこを作ってくれたのを思い出す。
いかん、無性に飲みとうなってきた…!

「アタシも貰ってこよ〜っと」

ライブまでまだまだ時間あるし、別に我慢するほどのものでもないし。
アタシは静かにおしるこを飲む二人を残して楽屋を出た。
会場から漏れてくる音響チェック用の楽曲をなんとなく聞きながら通路を歩く。
Ave Mujicaではない、アップテンポの曲。この音響チェックが終わると、アタシ達のリハーサルの番。
徐々に本番へ向かっていくこの緊張感が少し心地よかった。

「…なにしてんの?」
226/02/12(木)18:59:52No.1401308119そうだねx1
アタシはケータリングコーナーの一角で立ち尽くす人影を見つけて声をかけた。
衣装を着る前からふわりと綺麗に巻かれた長い髪を揺らして、その人影が振り返る。

「…なにも」
「そ」

アタシはサキコからケータリングが並ぶテーブルへ目線を移した。
軽食や飲み物がところ狭しと並ぶそこに置かれたスープウォーマー。
蓋を開けて確認…いや、ぜんざいじゃんこれ。まあいいか…

「あったあった〜」
「にゃむもそれ、飲みますのね」

横目でアタシを見ながら、サキコがぽつりと呟く。
どうやらウミコとムーコが持っていったのも見ていたらしい。もしかしてサキコはずっとここに居たのか。
326/02/12(木)19:00:15No.1401308250そうだねx1
「そっちはなんにも取らないわけ?」
「…そうですわね」
「なに、迷ってるわけ?」

今日のケータリングはおしるこ以外、そんなに物珍しいものは無いように見えるけれど。
サキコは答える代わりに、目線だけアタシに寄越した。正確にはアタシの手元へ。

「それ、冷めてしまいますわよ」

だから早く立ち去れ。
そう言っているように聞こえた。いや、実際そう言いたいのだろう。

「…サキコ、なんか隠してる?」
「……」
「ふうん、迷ってるわけじゃないんだ〜?」
426/02/12(木)19:00:29No.1401308323そうだねx1
サキコは押し黙って、アタシから視線を外した。
よほど都合が悪いらしい。見られたくないと思うほどのナニか。
むくむくと好奇心が湧いてきた。

「別にここで立ち飲みしてもいいけど」
「本当に意地悪な人ですわね」
「スカウトしたのはサキコじゃん」
「…知りませんわ」

どちらもこの場から動けない膠着状態。アタシも決め手がない。
ピリピリとした雰囲気に、じっとりと手に汗をかく。
沈黙を破ったのはアタシとサキコ、そのどちらでもなかった。
ガラガラと台車を押す音。

「おまたせ〜」
526/02/12(木)19:00:50No.1401308441そうだねx1
おばちゃんがにこにこしながらケータリングのトレーを載せた台車を引いてきた。
台車を止めてトレーの中身をテーブルに並べていく…と思いきや、中身を2つ取り出してサキコに手渡した。

「はいこれ、ごめんなさいね」
「いえ、そんな。持ってきていただいてありがとうございます」
「いいのよ〜。おにぎりちゃん、しっかり食べてね」
「ええ、いただきます」

なにその笑顔。おにぎりちゃんってサキコのこと??
アタシはおばちゃんとサキコのやりとりを目の当たりにして固まっていた。
サキコのホッとしたような笑顔。先程までのピリついた雰囲気はどこかへいったみたいで。

「…おにぎりちゃん、ねえ」

我慢できず呟いたアタシへ、おばちゃんが振り返った。
626/02/12(木)19:01:31No.1401308641そうだねx1
そうなのよ〜とにこにこした顔はそのままで。

「この前も沢山おにぎり食べてくれてねえ。おばちゃん嬉しくって」
「この前、ですか?」
「あら覚えてない? ちょっと前の会場でも配膳してたわよお」
「ええ〜そうだったんですか〜?」

これは面白いことを聞けた。
サキコが「おにぎりちゃん」なんて可愛らしい愛称で呼ばれていたなんて。そんな名前をつけられるほど、隠れて食べていたなんて。

「今日は若い子がおにぎりを積み忘れちゃったみたいでねえ。慌てて持ってきたのよ」
「ああ〜…それでサキコは待ってたわけか」

どうやらサキコは、おばちゃんから可愛がられているのを見られたくなかったらしい。
あのサキコが律儀に立って待っていたくせに、しょうもないことを隠したがるものだ。相変わらずプライドが高い。
726/02/12(木)19:01:43No.1401308696そうだねx1
「へぇ〜〜そっか〜」
「…意地悪ですわね」

だから、アタシはそれはもうニヤニヤした笑みを返してやった。
さすがにサキコもキッとアタシを睨みつけてくる。
そんなアタシ達の間に、おばちゃんがおにぎり片手に割り込んできた。
手にしたおにぎりを、アタシに差し出しながら。

「これ、にゃむちゃんも」
「えっ、アタシにですか?」
「にゃむちゃん細かけん、もっと食べなっせ」
「えっ!?」

おばちゃんはニッコリと笑った。
アタシの空いた方の手を取って、おにぎりを手渡してくれる。
826/02/12(木)19:02:01No.1401308772そうだねx1
「同郷なんやって、こん前知ったと。おばちゃん応援しとるけん」
「ほんなこつ!?」
「おにぎり食べてがまだしなっせ」
「え〜! おばちゃんありがと〜!」

こぎゃんとこで熊本出身に会ゆるなんてびっくりや〜!
いかん、おかーちゃんば思い出してほっこりする。会いたか〜!
アタシはハッとした。
サキコがアタシのことをじいいっと見ていたのに気付いたからだ。
つい気が緩んでしまった。やってしまった。

「……ふっ」

なにも言わず、サキコはただ小さく笑った。それはもうお上品に。
自分でも顔が赤くなっているのが分かる。
926/02/12(木)19:02:18No.1401308870そうだねx1
おばちゃんはアタシから離れるとトレーの中身をテーブルに並べ始めた。
アタシ達の間のバチバチに気付いた様子もない。

「おにぎり、ありがとうございます。控室で食べさせていただきますわ。ね、にゃむ?」
「…もちろん。美味しそ〜」

頭を軽く下げて、サキコとその場をあとにする。
楽屋までの道のりが気まずい。

「にゃむ。先程のことですが」

先に口を開いたのは、サキコだった。
アタシに目を合わせようとはせず、前を向いたまま。
だからアタシも前を向いたまま歩く。
1026/02/12(木)19:02:36No.1401308957そうだねx1
「分かったって。黙っておいてあげる」
「……あげる?」
「あ〜もう、無し無し! お互い聞かなかったことで!」
「そうですわね。そうしましょう」

アタシは肩を落としそうになった。
はぁ〜…さっさと楽屋に戻ればよかった…
1126/02/12(木)19:02:55No.1401309056そうだねx4
🐱
「遅かったですね…おや、豊川さんも一緒でしたか」

楽屋に戻ってきて、なにも知らないウミコが呑気に声をかけてくる。
なんて答えたら良いやら。
アタシとサキコは一瞬だけ見交わした。

「まあ、ちょっとね〜…」
「ええ、少し」

お互いの下手くそな言い訳に、アタシたちは力なく笑った。
1226/02/12(木)19:18:40No.1401313842そうだねx3
これは真実だね
さきちゃんは人一倍ケータリング活用するよ
1326/02/12(木)19:21:43No.1401314869そうだねx1
にゃむさきいい…
1426/02/12(木)19:25:49No.1401316175+
にゃむさきは栄養価高い
1526/02/12(木)19:28:27No.1401317025そうだねx2
ムジカのしっかり食べてバリバリ動く方の二人
他が食細そう
1626/02/12(木)19:29:05No.1401317240+
にゃむは…ムチムチ…
1726/02/12(木)19:43:23No.1401322642+
ライブや練習前後のこういう様子いっぱい見たい…
1826/02/12(木)20:13:13No.1401333851+
>🐱
なにこれ
1926/02/12(木)20:20:01No.1401336563+
場面転換の記号みたいなものです
にゃむは猫なので猫にしました


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