「やぁ「」、ちょっといいかい?」 「ん、あぁ、キュウべえ」 「いいよ。そっちの席座りな、窓からの景色見えないだろ」 「そうさせてもらうよ」 「神浜や見滝原だと「」に声をかけるのが難しいからね」 「こうして出かけてる時しかチャンスがないんだ」 「で?」 「「」の言う所の“案件”お疲れ様と言いに来たんだよ」 「そりゃどうも」 「噂流して案件作ってくるのがキュウべえじゃなかったら、もうちょい素直に喜べたんだけどね」 「僕は「」が瀬奈みことに起こしたという行為、現象を必要としている魔法少女に情報を提供しただけだよ」 「はぁ……まあ、東京や京都のみたいな直接ちょっかいかけて来て戦闘になるような集団がもうないだけマシか…」 「ところで、今回で9件目だったけどまたお見送りしたみたいだね」 「ああ」 「オレは、あの子たちの願いを叶えなかった」 「条件を満たさなかったからかい?」 「それも少しはある」 「以前「」から聞いたあの条件が厳しすぎるんじゃないかな?」 「バカ言うな」 「人1人だけでも大変なのに、元魔女の子なんだぞ」 「生半可な奴じゃ共倒れだ」 「だからそんな風に殴られても仕方ないってしてるのかい?」 「恨みでもなんでも歩く為の薪になるからね」 「それにオレはあの子たちが今より強くなっても叶えないとかするつもりはないし」 「だから、お見送り」 「君は自分の未熟故に成果を得られなかった事の八つ当たりをするような人間に期待をしているんだね」 「辛辣だなぁ」 「誰にでも薄っすらと期待はしとくもんだろ」 「僕としては条件を緩めてでも「」がやった方がいいと思うけれど」 「それはキュウべえがあの現象の解析したいからって理由でしょ?」 「うんそうだよ」 「魔女化した魔法少女が再び人間の姿を取り戻す」 「とても興味深い事例だ」 「やっぱりか」 「お見送りして正解だったな」 「君自身にも興味があるけれど、今は君の起こした現象について解析すべきだと判断した」 「魔女が魔法少女の姿に戻せるのなら、僕たちは新たに魔法少女になってもらう必要性が薄くなる」 「灯花ちゃん達にされたみたいに、契約を利用して良いようにされたら嫌だもんなぁ」 「僕たちに感情はないって言ってるじゃないか」 「君たちだって魔法少女の契約で簡単に現実が書き換わる事がなくなるんだから良い事のはずだろう?」 「まぁ、そこはなぁ」 「うーん……でも、今生きてる魔法少女に『死ぬな。浄化システムで宇宙延命する為にずっと生きてろ』って言うのもなんか違くない?」 「君が教えてくれればそうならない可能性が出るかもしれないよ」 「平行線だな」 「そうだね」 「僕たちは信用できなくても人間は信用してないのかい?」 「薄っすらと期待してるって言ってたじゃないか」 「期待はしてるよ」 「いつかはって」 「てかそれを言うならキュウべえもだぞ」 「何がだい?」 「なんで分かんないんだよ」 「得意分野だろ」 「僕たちにも分からないものはある。だからこうして調べようとしてるのさ」 「……なんか想像以上に分かんない事多くない?」 「君たちだって作った物のことをよくわからないまま使ってるじゃないか」 「1万年も何してたんだって言ってんの」 「はぁ…そろそろ降りるよキュウべえ」 「「」はこの後どうするんだい?」 「どうしようかな。今は家に行っても誰もいないしなぁ」 「瀬奈みことはどこに行ったんだい?」 「みことちゃんなら母さんに連れられて弾丸旅行の最中だよ」 「「」は行かなかったのかい?」 「オレは母さんと会ってすぐの頃にやったから今回はパス」 「そもそも旅行の目的からしてオレがいちゃダメだしな」 「そうかい」 「人間のすることはよく分からないよ」 「ほら、そろそろだ。早く行きな」 「また何かあれば会いに来るよ」 「………………」 「……………はぁ、しん─」 (いや。違う、違う。そうじゃない。この口から出す言葉はそれじゃない) 「…うん」 「もうちょっと、頑張るかぁ」