ニャアン人妻概念。エグニャアクリスマス概念のおはなしするね。 ニャアンはエグザベくんとも結ばれました。マチュはちゃんとシュウジのことを連れ戻しました。 ニャアン・オリベは無事名誉除隊しジオン公国の市民権を獲得した。今はジオン公営団地に住んでるよ。シュウマチュ夫婦も隣に住んでいます 採光性も高い大きな窓もある。4LDK風呂トイレ別。愛の棲家にしては十二分だった―――。 メガネ姿のニャアンがいるよ。かわいいね。ソファーにゆったりと座っている。 傍らにはコンチ、イージーリスニングないい曲を流している その腹にはクッションは抱かれていなかった。その代わり、胎盤で繋がれた『命』を抱えていた。 手には日本のドラムスティックめいた棒。 ニャアンは編みます。糸を編み続けるのです。ニャアンはああ見えて、編み物が好きなのです。 EDで編んでましたもんね、編み物。 きょうは編み物とクリスマスのおはなし。 ニャアンは心を落ち着かせる事が好きです。 イヤホンで好きな音楽を聞いたり。編み物をしていると。心が穏やかになり、澄んだ心を取り戻す事ができます。 外の刺激はニャアンの心を曇らせます。たとえ平和なサイド3にいてもニャアンの心にはやさしい世界ではありませんでした。 だからこそ、エグザベくんという支えがいます。だけど、朝7時から夕方の6時すぎまでお仕事に出かけているのでいません だからこそ、マチュやシュウちゃんがいます。だけど、シュウマチュ夫婦にも生活があります。常に一緒に暮らせる訳ではありません。 地球の南の島で、三人一緒に過ごしていた頃が懐かしいですね。 だからニャアンはエグザベくんやマチュ達がいない時は家事、そして編み物など「一人で集中」できる仕事に熱中し、心を保ちます。 単純作業は苦ではありませんでした。この「編み物」という行為、決して単純作業の繰り返しではありません。 全体像を脳内でイメージして、寸法通りに編んでいき、組み合わせる。 身元、襟、とパーツを合わせて編むのです。左右の袖のサイズがバラバラだったら格好悪いですからね ガンプラで改造で同じ腕パーツを二個作るより編み物は大変だとおもってください 最初のパーツである、衽ぐり(襟にあたる部分)を初めたのは10月の半ばであったと言う。 地球三の純毛の毛糸日本8号が段ボールで送られてきたが、エグザベくんにはナイショであった。 「赤ちゃんのニットとか帽子とか、編むから」と言ってのけた。紫と青の糸であった 糸を通していく。編む。編み続けるのだ。ボォーっとして、ウトウトしてしまう時もある。 ニャアンは集中するのが好きでしたが、妊婦の昼下がりですもの。眠たくなるのは当然です。 編み間違えた所は修正が効く。これが編み物の長所です。 「まちがいを犯したら修正が効かない」現実とは大違いです。キシリア様を撃ってしまった事実は変えようがありません しかし、編み物は別。未来の為に何度でも治す事ができる。 そんな編み物をニャアンは愛していた。 「ギゴガガゴゴ」トランスフォーマーめいた電子音でコンチがなにかを伝える 「あッ?もうこんな時間?」午後4時を過ぎていた。夕飯の支度をしなくてはならない。 午前中に家事を済ませ、昼食後2時~4時がニャアンの編み物タイムであった。 それまで赤ちゃんの靴下を編んだりしていたが、かれこれ10足くらい編んでしまったので辞めた。 「大作」にニャアンは挑んでいた。成人男性が羽織るサイズの大作であった。 時にはマチュ達と談話し、休日にはエグザベ少尉と夫婦の時間を過ごす。 限られた時間でニャアンは編み続けた。10月半ばから編み始めたそれは、もう師走の終わりに完成を見せた 「―――できた」 ふぅ…と一呼吸を置いて、一仕事終えた感動を覚える。 「サイズ合うかな…」 その眼の前にある「セーター」ニャアンが着る為のものではなかった。 「はおってみるか…」 袖を通す、臨月たる産道をすっぽりセーターが覆ってしまう 「おおきすぎたかな…けどあの人の体格ならだいじょうぶ」 とニャアン自信をつける。おなかの膨らみと共にセーターも成長し、完成した。 出産より先に完成してよかった、とニャアンは胸を撫で下ろしている。 あとは、贈るのみである。気持ちの籠もった。プレゼントである。 12月24日。クリスマス・イブ。 「イブ」前夜祭を告げる意であるが、世間的にはイブが当日であった。 シュウジ、マチュ、エグザベくん、ニャアン。四名は昼に宴をあげる。夜ではない、真昼からだ シャンパンが明けられ、エグザベくん苦手な酒だが、少し飲んだ。 ニャアンは妊婦さんなのでシャンメリー。シュウマチュ夫婦もイケないけど。ちょっと飲んだ 「あまいけど…にがいや、こんなものをなんでみんな好んで飲むんだろうね」トナカイさんの格好をしたシュウジお酒は苦手みたい 「雰囲気だよ!きっと」赤いビキニにスケスケの白いワンピース。Vラインが鋭角なセクシーサンタコスのマチュが答える。 シュウジにしか許さない…と思っていた淫靡な格好を、ニャアンやエグザベくんにも許していた。みんな普段全裸だからあまり気にしていない ※ジオンは少ない人口で全宇宙を統治しなければならない都合上、16歳で成人認定されます。飲酒も喫煙も16歳からという事にしてください。 幸せな四人のニュータイプ達を、祝福するにふさわしい揺り籠がサイド3にも存在した。 クリスマスを彩る食卓がファストフードたるKFCだというのは御愛嬌。 ―――愛すべき生まれて育ってくサークル ―――キミやボクをつないでいる穏やかな法則(ルール) 「プレゼント交換会…やる?」マチュが伺う。 「それはおうちにかえってからにしよう」とニャアン 「プレゼントほしいなぁ」シュウジ 「そうだね、プレゼントの交換会は家庭単位でやろう」とエグザベくん 賛否2:2。拮抗したのでジャンケンで決める。ニュータイプ同士のジャンケンは熾烈を極める。 マチュがパー。ニャアンはチョキを出した。ニャアンの勝ち プレゼント交換会はお家でする事に、夕暮れの団地。エグニャア夫婦がシュウマチュの家を後にする 「またねマチュ」「メリークリスマス、マチュ。メリークリスマス、シュウちゃん」 大島渚の名作映画めいたにこやか視線でニャアンは二人を送る。 演じたコメディアンと同様に、これ以上にない笑顔だった。 「夜は…たのしもうね」マチュはたじたじしながら言う 「うん、そうだね…」とニャアンは続ける シュウジとエグザベくんはその言葉の意味を知り、聞くことしかできなかった。 男子二名、性なる時間を過ごすのだ。 通称「性の6時間」二人の雄に、襲いかかるのだ。10月うまれの人類が多い理由をニュータイプ達は知ることになる その前にプレゼント交換しようねニャアン。 大仰しい箱には入っていない、白い不織糸と赤いリボンで結ばれた「大作」がニャアンからエグザベくんに送られる 「これ…がんばってつくったんだ…サイズあってなかったらごめんなさい」 本来のニャアンであれば「暇つぶしで作っただけですから」とか鋭い照れ隠しの言葉が出てくるのであるが 『がんばってつくった』という言葉は本当であった、生活の中で紡いできた糸の集まりがそこに鎮座していた 寒色の「セーター」だった。深青に近い紫で編まれた『力作』の二文字が納得の一着だった。 「がんばったね、えらいねニャアン。ありがとう」エグザベくんの橙に近い髪の毛が揺れる、ニャアンのつむじを撫でる。 「えへへ」ニャアン、まんざらでもなかった。 「ニャアンだね…ニャアンを感じるよ」「どこに?」 「色…かな?キミのキラキラの色だね」 「そう…いつも『あなた』に、『私』を感じて欲しくて…着てみて」 「うん、いいよ」エグザベくんいつものセーターを脱ぎ、ニャアンのセーターに袖を通す 裾あまりはなかった。完璧であった。ニュータイプの感性がエグゼベくんぴったりのセーターを紡いでいたのだ ニャアンは常にエグザベくんを抱いて眠っていた。故にサイズは肉体で把握していた。 一心不乱に鍵糸を通すニャアンの脳裏には常にエグザベくんとの褥と毎晩包み込んでくれる肉体が浮かんでいた。 「いい感じだ、すごいねニャアン」 「編み物…すきだから」 「だいすきだよ…仕事着としてこれを着てもいいかい?ボクも常にニャアンを感じたい」 「恥ずかしくない?」 「恥ずかしい事なんてないよニャアン、むしろ普段使いをして、せっかくのセーターを痛めてしまわないか心配だ」 「擦りやすい肘にパッチ当てます…コマンドセーターに仕立て直すから」 「ニャアンに任せるよ、ボクのプレゼントも見てもらいたいな」 「―――わかった、」 ニャアンとエグザベくんによる神聖な行為、プレゼント交換会が此処に執り行われた 結婚指輪の交換と等しい程、夫婦にとって神聖な行為であった。 エグザベくんがニャアンに何を送ったのでしょうね。 それは夫婦だけの秘密だよ。贈られてから、ニャアンは常にそのプレゼントを身に着けていたという。 帷、褥。全人類がもっとも性行為を行う夜がやって来た。性の6時間だ 「シュウジ!シュウジあかちゃん!あかちゃんぼじい!!!!!」 マチュの絶頂が隣の部屋から筒抜けであった。 「あがじゃん!あがぢぁんプレゼントじでッ!!!!」 「そうだね、授かろうマチュ。僕からの細やかなプレゼントは『遺伝子』だよマチュ―――この世界に遺伝子を刻もう。」 マチュの切実な思いに答えるシュウジの声もばっちり聞こえた。 恥ずかしがるエグザベくんとニャアン…もじもじとしながらも、二つの身体は抱き合っていた 「わたしたちもあいしあいましょう?『あなた』」 「そうだね、あいしあおうねニャアン、今夜は精一杯愛し合おう」 「うれしい…あなた、来て―――」 エグザベくんの年末年始休暇は始まっていた。身体を気にする事なく愛を紡ぎ始める夫婦。 おなかの子を労りながらだが、せいいっぱい、十分元気に愛し合ったという 「縦の糸はあなた」「横の糸はわたし」ではないが、一本の毛糸で二人な繋がれた まさに聖夜であった。 大人にサンタさんはやってこない。しかし、互いに愛を贈る事はできる。それはとってもすばらしい事 ―――神様を信じる強さをボクに、生きる事を、諦めてしまわぬように シュウジもエグザベくんもベッドの中でそう願ったそうな。 贈られたせーたーには二匹の白猫二匹があしらわれていたという 「ルナとアルテミス」双子たる月の化身。Sビットがエグザベくんを護ってくれるだろう。 以上がニャアンクリスマスプレゼント概念の全容です。 小沢健二「天使たちのシーン」より引用。 EDの編み物しているニャアン。かわいいですよね。僕はあのニャアンを見て、ニャアンをおかあさんにする事を決心しました。 ニャアンはいいおかあさんになれるよ 明日もクリスマスだよ、祝おうね。 次回のジークアクスの内容次第で語り足りない所があると思うので、続きはまた後日。