「うぅ〜私もっとらん…」
「まぁまぁさくらはん…」
とゆうぎりさんが慰めてくれる
その手にはB賞のマイナスイオンドライヤーを抱えていた
「ティッシュだって使うじゃない使おうと思ったら無いとかよくあるし」
そう語る愛ちゃんはA賞の佐賀牛のステーキ肉セットを誰にも渡すかとがっちり保持している
「まぁもっとらんのはいつのも事やろ」
「リリィ達もあんまり良いの当たんなかったしねー」
サキちゃんとリリィちゃんはＥ賞の商店街の500円値引き券をひらひらと振っている
「特賞の伊万里温泉旅行券欲しかったですね…」
と純子ちゃんは同じくF賞を当てたたえちゃんに佐賀ご当地ゆるキャラ缶バッジを2つたえちゃんの服につけながら言う

駅前商店街の年末イベントの福引券が10回分貯まったので買い物ついでにみんなで引きに行こうとなった
それぞれ一回ずつ引いてさくらだけ白玉が出て参加賞のティッシュ
他はみんな景品が当たっている
愛ちゃんゆうぎりさんに至ってはA賞とB賞だ
実際のところこの結果は確率的には十分凄いのだ
それは誰に説明されなくてもわかる
それでも自分だけティッシュだったのはさくらとしてはかなりショックを受けた
残った3枚をティッシュじゃ私満足できんと無理を言って全部私が使ったのだがあと3回とも白い玉だったのだ

「こうなったらそのお肉美味しく料理しちゃるけんね愛ちゃん！」
「嬉しいけどむしろここで変な運を使ってまたライブとか潰れないとかが私は心配なのよ」
「佐賀ロックにアルピノや駅スタに万博…ネットの記事でフランシュシュは呪われてるみたいな記事見たばい」
「乱闘騒ぎのあった事もありんした」
「ゾンビですから神様に祝福はされてないでしょうし」
「でもリリィ達が悪いわけではないししょうがないよねー」
家へ荷物を抱え喋りながら歩く
ティッシュだった時は悔しくて頭に血が昇っていたが今は冷静になってきた
昇る血があるのかは知らないけども

「なんじゃい今日は豪勢食事しおってからに
　昔よりお金使えるからって贅沢しちょるんじゃないだろうなお前ら」
夕食を食べている時に幸太郎さんが帰宅をしてきて夕食のテーブルを見て言う
「違いますよ幸太郎さん愛ちゃんがガラガラで当てたんです」
フンッと幸太郎さんに向けて愛ちゃんは胸を張る
「ほうならいい俺はこれから部屋で仕事をするから邪魔すんなー」
と自室に戻ろうとする幸太郎さんを引き止める
「幸太郎さんの分もとってますから一緒に食べましょうよ
　美味しいですよ！出来たてですし」
「いらんお前らが当てたんだからお前らが食え
　というかこっちはもう営業先の料亭でごっつええもん食ってきたわ
　商店街の佐賀牛とは比べ物にならんもんをな！」
サキちゃんリリィちゃんがずるいぞー！と文句を言う

「本当によかとですか？」
「本音を言うと食いたい気はあるが本当に食ってきたんじゃい」
「一皿なら食べれるんじゃない？美味しいわよ」
と愛ちゃんは言うが
「お前らはゾンビィとはいえ若いからええなぁ
　もうこっちは良い佐賀牛の肉食ったら脂で胃もたれするんじゃーい…」
中年男性（まだまだ若いんじゃーい）の悲哀を聞いた私達は残された皿を皆で分けて片付けた

夕食の頃は同情半分笑い半分だったものの心にしこりが少し残ったままだった私は夜眠れずリビングで雑誌を読みながら考える
幸太郎さんはいつか老いていなくなる
その考えが頭から消えない
私達はある意味一番死から遠い存在だ
バラバラになっても雷が落ちても火の中にいても大空から落ちても死にはしない
いつかはゾンビィとしての限界が来るのかもだがどう動いてるかもわからない私が考えてもしかたない
だが幸太郎さんは違う
私が知ってるような身体の作りで普通の人と同じように死ぬ
それを意識すると止まった心臓が締め付けられる気がした

源さくらが気がつくとゆさゆさと動いていた
「あれ…」
「すまん起こしたかじゃがあんなところで寝るな疲れが取れんぞ」
「えっえっえっ…幸太郎さん！？」
「動くなこのボケゾンビ落としてしまうぞ」
いつの間にか眠っていたさくらを幸太郎は抱きかかえて運んでいたのだ
いわゆるお姫様だっこで
抵抗しようとするさくらを幸太郎は制す
動かれる方が邪魔じゃいと

「ごめんなさい…」
「なんかあったんか？そんなに伝説のもっとらんガールなのが悔しかったか」
「そんな伝説いりませんよ…
　ただ幸太郎さんは老いるんだなって思ったら眠れなくて」
「そりゃ人間だからな」
「私達より先に死ぬんだなって」
「安心せえ佐賀を救ったらアイドル辞めたお前らの第三の人生満喫させてやる
　それまで死なん全員満足するまでな」
「なら無理しないでくださいね
　私はもっとらんけん満足するの一番遅いでしょうからずっと付き合ってもらいます」
「おう覚悟しといてやる」

「よし降ろすぞ」
寝室の前についた
もう少し話していたかったがわがままは言わない
「おやすみなさい幸太郎さん
　お仕事夜遅くまでしないでくださいね」
「わかっちょるわかっちょる
　…おやすみさくら」
そう優しげに言う彼を見ていたら安心して今日はもうよく眠れそうになっていた

終わり

よか…

劇場版の後の話でしっかり商店街復興もして良かばい…

よかったい…

布団の中で全員ニヤニヤしながら見てるんだ…

グラサンもゾンビになればよかやん

さくらが巽のゾンビ化をどう思うかについては意見が分かれるところだ

自分の寝室にエスコートしなんし！

>さくらが巽のゾンビ化をどう思うかについては意見が分かれるところだ
「いくら大切な相手だろうと自分のエゴで死人を勝手に生き返らせるなんて非道なマネできんばい！」

>>さくらが巽のゾンビ化をどう思うかについては意見が分かれるところだ
>「いくら大切な相手だろうと自分のエゴで死人を勝手に生き返らせるなんて非道なマネできんばい！」
乾くんが泣いちゃうからやめろ

さくらはんお姫様抱っこは本編でもやりなんし！

>自分の寝室にエスコートしなんし！
やらしかーっ！！

プレゼント

そもそも私室が無いのは…ゾンビィ差別やなかと…？

幸太郎はん！！！ごはんくらい一緒に食べなんし！！！

漫画でも1人飯してるんだよな幸太郎
たまにはさくらはんと2人で食べなんし！

でももう巽ゾンビィ化しかずっと一緒にいる方法ないよね…

幸太郎はん！！！体は労りなんし！！！

くじに関してはさくらが持ってないというより他のフランシュシュメンバーが引きが強すぎるみたいなところあると思うよ…

たえちゃんが大当たりしてないのに違和感がある
一番持ってるまであると思うたえちゃん