二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1763903242013.png-(1199556 B)
1199556 B25/11/23(日)22:07:22No.1375566834そうだねx5 23:23頃消えます
イモゲンチャー描きました
Ftaの癒し枠です
枠なし
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図鑑風
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このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/11/23(日)22:07:53No.1375567067+
オリデジ祭りフェアリーテイルズ開催中!
https://docs.google.com/document/d/1WYaTEGC2vsgBypp2JvCejeYOPqtA97z1G1NsIMbwfLE
225/11/23(日)22:09:25No.1375567760+
 マッドラクモンはのんびり屋さん。いつのまにか山に棲みついて、天気の良い日は湖のほとりで日向ぼっこをしているよ。
 そんな日のマッドラクモンの近くには立派な舟が浮かんでいて、やんちゃな成長期デジモンたちが乗ったり押したり遊んでいたよ。
 舟の傍には小さな看板、「一人ずつ乗ること」って書いてある。けれどこの日のデジモンたちはそれを守らずみんなで舟に乗っちゃった。
 気付けば舟は湖の真ん中。立派な舟はドロドロと溶け出して、水面下には恐ろしいジャバウォモンが待ち構えている。必死に助けを呼ぶ声をマッドラクモンだけが聞いていた。
 波紋も消えて静かになった湖畔で、マッドラクモンは日向ぼっこをしていたよ。
325/11/23(日)22:10:07No.1375568126+
 マッドラクモンはのんびり屋さん。泥で出来た大きな体は、成長期デジモンに大人気の遊び場なんだ。
 近くの街のデジモンたちは、のんきに寝てるマッドラクモンの体の泥で泥んこになるまで遊んでた。
 でも街の門番は言っていたよ。「顔を汚して誰か分からなくてなったら街に入れなくなるぞ」ってね。だから顔だけは汚さずにいたよ。
 だけどその日は違ったんだ。マッドラクモンの寝返りで、みんな顔まで泥だらけになっちゃった。誰が誰だか分からないねと笑ってた。
 あれ?あの子がいないよ?
 ううん、ここにいるよ。
 あれ?今度は別の子がいないよ?
 ううん、ここにいるよ。
 一人見失ってすぐ見つかった。また一人見失ってすぐ見つかった。順番に見失って、順番に見つかって、最後に残ったのはアグモンひとり。
425/11/23(日)22:10:27No.1375568292+
 気が付けば泥だらけのみんながアグモンを見つめてた。
 戸惑うアグモンに返事もしないで、クスクスクスクス笑いながら、泥だらけの手でアグモンを捕まえた。
 そのまま口を開かせて、キラキラ光る泥団子、無理矢理喉に押し込んだ。
 みんなが怖くなったアグモンは大暴れ。隙を見つけて逃げ出して、必死に街まで走ったよ。
 怖い怖いと震えながら。助けて助けてと呟きながら。けれど必死になり過ぎて、自分の体に起きてる異変に気付かなかったんだ。
 街がようやく見えてきた頃、アグモンはカオスモンに変わってた。意識は千切れて記憶は消えて、それでも街に帰ったよ。
 街に火の手が上がっても、マッドラクモンは寝ていたよ。
525/11/23(日)22:12:23No.1375569190+
 ある日の朝、ウィッチェルニーの辺境に作られたデジモンたちの街に大事件が起きました。
 彼らの主食であるデジ肉の畑が荒らされ、食べ頃だったデジ肉がごっそりと持ち去られたのです。
 畑に残っていた泥の跡から山に棲むマッドラクモンが犯人だと分かりましたが、住民たちはどうするべきか悩みました。
 本来ならすぐ追い掛けるべきなのですが、奇しくも先日起きたカオスモンの襲撃により戦えるデジモンは皆浅くない傷を負っていたのです。
 マッドラクモンは戦う術を持ちませんが、並外れた巨体と再生する泥の体を持っていて、ひとりふたりではとても倒せません。かと言って多くのデジモンを追跡に出せば街の守りが薄くなってしまいます。
 近頃街の外は物騒で、遊びに出た成長期デジモンたちが帰ってこない異常事態が続いています。街もいつまた危険に晒されるか分かりません。
 けれど肉を諦めることも出来ません。最近は天気の具合もおかしく、肉の生育に遅れが出ていた上、カオスモン襲撃の余波で蓄えていた食糧も殆ど失われていたからです。
 誰が行くべきか。数はどれほど出すか。街の住人は答えの出ない議論を続けていました。
625/11/23(日)22:13:09No.1375569596+
 そしてお日様が天辺に辿り着いた頃、終わらない議論の場にひとりのデジモンが現れました。いつも辺境に流れ着く古文書(ログ)を読んでいるウィザーモンです。
 ウィザーモンは言いました。
「マッドラクモンの弱点について書かれた古文書を見つけた。ここに書かれた方法を使えば、戦わずしてマッドラクモンを追い払える。山に行くのは、怪我の軽い私ひとりで十分だ」
 ウィザーモンの力強い言葉をデジモンたちは信じました。
 無事を祈る街のデジモンたちに見送られ、ウィザーモンは泥の跡を辿りながらマッドラクモンの棲む山に向かいます。
 草原を渡り、岩場を登り、湖を回り、森へ入ったところで、ウィザーモンは異常に気付きました。
 山には野生で生きるデジモンたちがたくさんいる筈なのに、姿どころか物音ひとつ聞こえてこないのです。足を進めながら辺りを見回せば、デジタケや黄金ドングリなど食用になる物も全く見かけられない事にも気付きます。近頃天気がおかしかったとはいえ、山の食べ物がなくなるほどの長期間ではありません。
「山の恵みが枯渇している……もしかしてこれが温厚なマッドラクモンが盗みを働いた理由なのか……?」
725/11/23(日)22:13:37No.1375569807+
 少しだけ事件の背景が見えた気がして、この地で何かが起きているとウィザーモンは警戒を強めました。
 しばらく歩いていると、泥道の先にマッドラクモンの姿が見えました。うず高く積まれた肉の山に顔を突っ込み、無我夢中で食事を続けるマッドラクモンはウィザーモンに気付いていません。
 それでも念を入れて木陰に隠れたあと、ウィザーモンは懐から石を二つ取り出すと、両手に持って打ち鳴らします。
<カチカチ……カチカチ……>
 ビクンと体を震わせたマッドラクモンは食事をやめ、怯えた様子で周囲を見回します。
<カチカチ……カチカチ……>
 ウィザーモンが石を鳴らす度、泥の体が波打ちます。あれほど夢中だった肉に見向きもせず、グルグルとその場で回り始めました。
 目に見えて混乱するマッドラクモンに、ウィザーモンは古文書に書かれていた弱点が本当だと確信し、トドメを刺すため思いっきり石を打ち合わせます。
<カチカチ! カチカチ!>
 一際大きな音が鳴り、マッドラクモンは天を仰ぎ声にならない叫びを上げました。そのまま泥の体をくねらせて、木々をなぎ倒しながら山の奥へと逃げていきました。
825/11/23(日)22:13:59No.1375569985+
 マッドラクモンが去った後、ウィザーモンは一つ息を吐いてから木陰を出て残された肉の山に近づきます。
「うまくいったか……盗まれた肉も大部分は無事みたいだ。これなら次の収穫まで街の皆を飢えさせずに済む。しかし山の食べ物までここまで失われていたとは……街に帰ったらすぐにナーサリー・キャッスルへ連絡を入れなければ」
 呟きながら杖を振り、魔法で肉を一纏めに浮かび上がらせると、泥に足を取られながらも急いで来た道を引き返します。
 既にお日様は山の陰に隠れ始めていて、暗闇が辺りに染み出しつつある山道は、行き道とはまるで違う道のように思えました。或いは本当に違う道になっていたのかもしれません。
 歩いても歩いても、景色が変わりません。遠くに見える街の明かりは遠いまま、暗闇だけがじわじわと広がっていきます。
「おかしい……一体どうなっているんだ……!?」
 異常事態に気付いても、ウィザーモンには山を下る以外の選択肢はありません。歩くにつれて少しずつ深まる足元のぬかるみだけが先へ進んでいる実感を与えてくれました。
 行き道にこんな深いぬかるみは無かったと、気付いた時には辺りは暗闇に包まれていました。
925/11/23(日)22:14:22No.1375570146+
 途方に暮れるウィザーモンの背後から、風に乗って小さな音が聞こえます。
<カチカチ……カチカチ……>
 ウィザーモンの背筋が震えました。それは先ほど聞いたばかりの、硬い何かを打ち鳴らす音でした。では誰が音を鳴らしているのでしょうか。
<カチカチボーボー……カチカチボーボー……>
 音は少しずつ鮮明になり、炎が揺らぐ音が混じり始めます。
 ウィザーモンは音から逃げようと必死に足を動かします。けれどいつの間にか脛までぬかるみに飲まれていて、一向に前に進みません。
 音はどんどん近付いて、暗闇が少しずつ赤くなり、ウィザーモンの脚はずぶずぶ泥に沈んでいきます。
 遂に腰まで沈み込み、動けなくなったウィザーモンは目を瞑って俯いてしまいます。その髪を火の粉混じりの息が揺らしました。
 辺りは炎に照らされて、空気は熱く泥は温く、それでも体の震えは止まりません。
 泥が体を這い上がり、肩や頭を捕まえて捻るように振り返らせました。熱波が顔を炙り、炎と泥が体を舐める中、あの音が目前に迫ります。
〈カチカチ! カチカチ!〉
 耐え切れずに顔を上げ、見開いた目に映ったのは――。

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1025/11/23(日)22:14:57No.1375570422+
 その日の夜遅くに、ウィザーモンは泥だらけの姿で街に帰ってきました。
 奪われた肉だけでなく、沢山のデジタケや黄金ドングリを持って帰ってきた彼を住民たちは大喜びで迎え入れます。
「マッドラクモンはちゃんと懲らしめたよ。これは彼からのお詫びだそうだ。スープにしてみんなで食べよう」
 疲れを見せながらもやり切った笑顔を浮かべるウィザーモンを口々に讃えながら、デジモンたちは彼の提案を実行します。
 真夜中にも限らず殆どの住民が調理に参加して、大鍋一杯のスープがたくさん作られました。
 たっぷりと食材が使われた温かなスープは、空腹だけでなく不安や恐怖ですり減った心まで満たしてくれます。
 きっと明日は良い日になる。
 そんな希望を抱いて、デジモンたちはウィザーモンを讃える宴会を続けるのでした……。
1125/11/23(日)22:15:24No.1375570651+
 炎が街を飲み込み、寿命を迎えたカオスモンたちが次々と消えゆく中、表情の見えないウィザーモンは街の外へと出ていきます。
 腕の中にあの古文書がありましたが、それは突然どろりと溶けだして、泥になってウィザーモンの体に取り込まれていきました。
 命の消えた街を背に、身に沁みついた炎の熱が冷めるまで草原を進むと、ウィザーモンは足を止めて夜空を見上げます。
 そして呪文を小さく呟くと、それで魔法は解けました。
 草原の草花は崩れ、森の木々は溶け落ちて、湖の水は濁り渇き、山は砕けて摺り潰れ、夜空すらも星ごと剥がれ落ち、全てが泥に戻りながらウィザーモン目掛けて流れ込みます。
 帽子が宙を舞い、ウィザーモンの体は押し寄せる泥流に飲み込まれ、それでも流れは止まらす渦を巻き、ただ一点に集まります。
 やがて流れが止まる頃、泥は一体のデジモンに姿を変えていました。
1225/11/23(日)22:15:49No.1375570856+
 夜空が消えて姿を現した本物の太陽が照らし出したのは、未だ炎で焼かれる街と、起伏すら食い尽くされた不毛の大地と、この地の唯一の生命となったマッドラクモンの姿でした。
 無害な姿に戻ったマッドラクモンは、頭に落ちてきたウィザーモンの帽子も泥に戻して取り込むと、新しい餌場を求めてゆっくりと動き出しました。
 進む先にあるのはナーサリー・キャッスル……ウィザーモンの記憶から得た、命溢れる豊かな土地です。そこでもきっと、マッドラクモンはのんびり生きるでしょう。
 マッドラクモンはのんびり屋さん。どんな時でも慌てずに、何があっても焦らない。
 じっくりじっくり時間を掛けて。
 こっそりこっそり気付かれず。
 天地を腐らせ命を屠る。
 暖かな太陽に照らされて、マッドラクモンは穏やかに笑っていました。
1325/11/23(日)22:17:16No.1375571577+
以上マッドラクモンの平和なお話でした
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1425/11/23(日)22:21:09No.1375573383+
ひぇ…
1525/11/23(日)22:22:23No.1375573941そうだねx1
童謡つきとはえらいハリキリラクモンが来たじゃねえか
1625/11/23(日)22:22:51No.1375574132+
ほらきた!
1725/11/23(日)22:24:21No.1375574803+
モチーフはカチカチ山
泥船と一緒に沈んだタヌキが泥と一体化してアンデッドに…という感じです
1825/11/23(日)22:27:37No.1375576135+
アライグマはこわいなって
1925/11/23(日)22:30:28No.1375577270+
>アライグマはこわいなって
ラッコちゃんはどう思う?
2025/11/23(日)22:32:20No.1375577987+
スーピってなんだろと思ったら解説読むとスープのイーモゲモンか…
デジモン図鑑らしさを出すためにわざとやってるんですよね?
2125/11/23(日)22:32:45No.1375578143そうだねx2
>スーピってなんだろと思ったら解説読むとスープのイーモゲモンか…
>デジモン図鑑らしさを出すためにわざとやってるんですよね?
…ああ!
2225/11/23(日)22:33:01No.1375578268そうだねx1
すたぁちゃん
吸っていいよ
2325/11/23(日)22:39:00 ID:ARjuiOOcNo.1375580597+
スレッドを立てた人によって削除されました
>アライグマはこわいなって
ちょっとまって󠇯ひ󠇯ぇ󠇯…󠇯
2425/11/23(日)22:42:10No.1375581857そうだねx1
    1763905330784.png-(23785 B)
23785 B
fu5937930.jpg
2525/11/23(日)22:43:49No.1375582462そうだねx2
>fu5937930.jpg
いらない…
2625/11/23(日)22:48:34 ID:ARjuiOOcNo.1375584324+
スレッドを立てた人によって削除されました
󠇯す󠇯た󠇯ぁ󠇯ち󠇯ゃ󠇯ん󠇯
󠇯吸󠇯っ󠇯て󠇯い󠇯い󠇯よ󠇯
2725/11/23(日)22:53:00No.1375586020+
泥ちょっとでも摂取しちゃうとカオスモン化すんの怖…
2825/11/23(日)22:57:36 ID:ARjuiOOcNo.1375587592+
スレッドを立てた人によって削除されました
>すたぁちゃん
>吸っていいよ
たしかにひぇ...
2925/11/23(日)22:57:58No.1375587713そうだねx2
    1763906278587.png-(19814 B)
19814 B
お話の中のマッドラクモンのイメージ上の大きさはこんな感じ
陸のホエーモンって感じでちょっと大きいけど無害だから安心してね
3025/11/23(日)22:58:48No.1375587999+
>無害だから安心してね
無害…無害とは
3125/11/23(日)23:01:06No.1375588813+
他の命を無に帰す害
3225/11/23(日)23:04:06No.1375589880そうだねx2
よく見たら全部目がドロドロになってる…
3325/11/23(日)23:05:38No.1375590441+
バッドエンド担当のやつじゃん…
3425/11/23(日)23:07:33No.1375591166そうだねx1
モチーフ元のタヌキが種は掘り返すわ土地に不作の呪い掛けるわ婆汁作るわで悪辣さが凄いのでFtaの敵になる感じで設定盛りました
ちなみに無害な方の図鑑に薄く描かれてるデジ文字の内容はこんな感じ
fu5938204.jpg
3525/11/23(日)23:21:54No.1375596204+
そろそろ落ちるかな…?
見に来てくれた方々ありがとうございました


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