二次元裏@ふたば

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121111 B25/11/13(木)20:23:17No.1372292296そうだねx3 21:44頃消えます
おばんです、前々の予告通りです
警察のお兄さんと女優さん

本文
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お借りしました2人
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このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/11/13(木)20:23:43No.1372292450+
 人生が常に上手くいくことなんてない、それくらい分かっている。子供のころからそうだった、他人よりすこしばかり顔が怖かったから中々友人も出来ず、歳を重ねてもヤクザのような職種とよく間違われた、現実に神田大和はそんなことはない、警察だ、品行方正で模範的ともいえる立派な男だ、言葉にすると変な誤解を生みそうではあるが、正しく子供が好きで健やかな成長を願える善性の男でもある。
225/11/13(木)20:23:53No.1372292505+
「――保護、ですか」
 道を踏み外したと思われる部分はいくらでもあった、しかし、ここまでとは思いもしない、と、勤める警察署の一室、書類上存在しないことになっている部屋ですこしばかり頭をクラクラさせていた。
 目の前に居るのは立場が上の、それこそキャリア組に属する側で本来は同じ警察と言う組織の中でも本来顔を合わせるような相手ではない、男だ、壮年のやや厳しい目つきの男が書類を出してうなずいた。
325/11/13(木)20:24:07No.1372292592+
「そうだ、電脳犯罪に巻き込まれている、事件解決まで君に保護を頼みたい」
 手渡された書類にはいくつかの情報と、顔写真が乗っている、女性の、見た目だけで言うのであれば美人と言うほかない、伊吹ねんり、21歳、特筆することはない、すこしばかり気にするのは職業がセクシー女優、アダルトビデオに出演する女優であることくらいだ。
 2枚目の書類を見る、経緯が記されている、ここ1カ月程度、不審な男性による付きまといがあり、警察に連絡をしたものの影も形もつかめず、しかし被害は継続、不審な所は男の姿は各種防犯カメラに写り顔まで分かっているものの、一定位置にてその姿が消える、と言う、その際に特殊電磁波、デジタルウェーブを検知、特殊電脳事件として認定、対応がデジタル課に求められた、と、言うことになる。
425/11/13(木)20:24:20No.1372292659+
「……私以外に適任は居ると思いますが」
 神田大和は荒事が不得手だ、警察と言う職に勤めている以上最低限鍛えてはいるがあくまで最低限、そもそも元は少年課の職員だった。デジタル課への異動はやや不本意なものに過ぎない、偶然とはいえ電脳に住まう存在、デジタルモンスター…略称をデジモンと呼ぶ存在と縁が出来でしまった産物と言える。
 男が溜息を吐いた、
「そうだな、他にもいるだろうさ…そして、そう言った存在はまた別の事件に回されている」
 もとより適性がありデジモンの力を借りているような存在は、より凶悪な事件に対応する、当然のことだ、分かってはいるが飲み込みがたい、何かあってからでは遅いのだ、しかし、色々と飲み込み最後はうなずいた。
「わかりました、職務の方まっとう致します」
「頼んだぞ」
525/11/13(木)20:24:32No.1372292747+
 大和は聞き訳がよい、あるいは組織人として成熟していた、今時29は社会でもひよっこの側とはいえそれでもなお警察に勤め続けていれば個人の意見というものがなきように扱われることを知っている、どれだけ不服であろうとも声をかけられた時点で受けないという選択肢は無理を通さなければ存在しない。
 ため息とともに存在しないことになっている部屋を出た、倉庫だ、秘匿された電脳技術によるものだ、物理空間に対しゲートと呼ばれる電脳世界への移動技術を活用することで何もないところから電脳に向かうことができる。埃っぽい倉庫を抜けて軽く制服を払って指定場所に向かう、第三会議室、小会議室と署内では呼ばれているそこは通常の会議室に比べてもかなり狭い、重要でない要件を片付けるためだけのスペース、扉を開く、甘い香りがした。
625/11/13(木)20:24:42No.1372292817+
「あ、大和さんですか?初めまして、ひえ――伊吹ねんりです♪」
 甘い香り、声も甘い、耳が溶けそうな気分になる。女、書類で見た伊吹ねんりだろう、しかし写真で見るよりよほど美人だった。
「……はぃ」
 腰が少し引ける、声、小さく出る、もとより声は大きく出せない性質だが高鳴る心音が余計に開く口を小さくした、恨めしいと思った小心なわけではないがこう言ったときにまともに喋れない自分を。しかし、ねんりは気に求めてない様で、あでやかに笑う。
「よろしくお願いしますね!えっと、事件が終わるまで護衛、してくださるんですよね?」
「そういうことに…なって……います」
 本当に自分がこの人の、と大和は思った、悪い事をしているわけではないのに何だかとてもいけない状況のように思えた。
「わぁ!とっても頼りになりそうな人が護衛で嬉しいですよ〜♪よろしくお願いしますね〜大和さん♪」
「ア……ハイ」
725/11/13(木)20:25:01No.1372292945+
 自然な動作で手を取られ、笑顔を向けられる、とても眩しい、勘違いしそうになる。職業を知っている、不特定多数の男性と性的な事をする職業であることを、この笑顔は誰にでも向けられるものであることを、それでもなお淡い心を抱かせるのは…魔性だ。ずっと一緒に居れば心がどうにかなってしまいそうだ、頼むから事件は早く解決してくれ、と、切に願った。
「それでは行きましょうか〜」
「……えっと、どこに?」
「?護衛なんですよね」
「……ソウデス」
「なら、近くに居てくれるんですよね〜?」
 ……そう言えばそう言うことになるのか、護衛なのだから。
「ハイ……ソウデス」
「なら、しばらく私の家に泊まりってことでしょう?」
 え……?
 え……?
825/11/13(木)20:25:13No.1372293011+
 ねんりが借りている賃貸は少しばかり高いがセキュリティの良いマンションで女性人気のある物件だ。男性がいない訳ではないが、比率で言えばやはり女性の方が圧倒的に多い。
 そう言えば私生活で男の人を部屋にあげるのは初めてだな、思う。AV女優と言う職業についてはいるが別に倫理は破綻していない、撮影でセックスをした男性を恋人にしたいかと聞けばそんなことは無かった。
 元よりねんりはそう言った相手を求めてはいない、性的な欲求は撮影でついでに解消できるし、なんなら撮影台本で渡される恋人ごっこのイチャイチャで十分と言えた。だからかプライベートに男性というものが入り込む状況がない、と言っても良い。
925/11/13(木)20:25:24No.1372293071+
「狭い部屋ですがごゆっくり〜」
「FOOO!ここがママ候補の女のハウスね――あいだっ!?」
「ちょっとお前は黙れ」
 愉快だなーと、横を見た、ここ数日護衛として寝食を共にする男性、神田大和、そしてそのパートナーのシスタモン……見てみれば本当に人にしか見えない、だが申告でデジモンとあるからきっとそうなのだろう、きっと自分と騎士くんみたいな関係なのだろうな〜と、ふわ、と思った。関係性は少し違うかもしれないが。
 ロックを開錠して扉を開く、照明を付けて中へ促した、音が来る。留守番を頼んでいた騎士くんの物だろう。
「ねんり、おかえ――」
 現れる、甲殻の上側には巨大な牙が生えていて、中身は緑色、やや大きな二枚貝のお化けのようなデジモンだ。騎士くんとは呼んでいるが、確か自分の事をカブトシャコモンなどと紹介していた記憶がある。
1025/11/13(木)20:25:53No.1372293244+
「あ、騎士くんただいま〜」
「あ、あ、あ」
 いきなり壊れた、最近多いなー、などと思い、靴を脱いで近づき甲を軽くたたく、振動している、身体を震わせていた。
「ねんりが男を連れ込んでる――!!」
 人聞きが悪いなー、と思いつつも状況的にはそういう事ととらえられても仕方ない。関係性は全く違うのだが。
「違うよー、この人は警察の付けてくれた護衛の人だよ」
「何をっ!?ねんりには僕がいる!」
「気持ちは嬉しいけど、状況が状況だからね〜?」
「う、う、う、ぼ、僕はそんなに頼りないかいねんりぃ」
「ううん、騎士くんが頼りになるってちゃんと知ってるからね」
1125/11/13(木)20:26:12No.1372293344+
冒頭10レスです
残りはテキストよりお願いします
1225/11/13(木)20:53:54No.1372303483+
大の大人が振り回されてる姿は良いものだ
1325/11/13(木)20:55:07No.1372303944+
>大の大人が振り回されてる姿は良いものだ
いいよね……理性的であればあるほどいいと思う…
1425/11/13(木)21:41:30No.1372321372+
赤字なので本日も読んでくださった方ありがとうございます
前回千治君と雪花ちゃんのところで送信し損ねたけど前のでも何度でも見てくれてると嬉しいですよ


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