二次元裏@ふたば

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194412 B25/11/12(水)18:53:47No.1371965390そうだねx6 20:32頃消えます
おばんです、ラストだよぉ。
俺は始まるの「」のキャラでエッチさせた男になるよぉ

本文
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お借りしました2人
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125/11/12(水)18:54:27No.1371965590+
 叩き潰した敵の残骸のそばで膝をつく。失意、と言うのであればその言葉が正しい。俺はいつもそうだ。
 南盤千治の心が暗くよどんだ。何が護衛だ、聞いてあきれる、どんな理屈をつけようと己の愚かしさを証明しただけだ。
「あ゛ぁ゛――」
 自責の言葉ならいくらでも吐けた、自嘲の念ならばいくらでも思えた。
 目の前で古川雪花をさらわれたと言う事実に対して、ただひたすらに後悔を思う。
「は――」
 そして即座に忘れた、やらねばならぬことをやるだけだ。
 南盤千治は馬鹿だ、大馬鹿者だ、だから細かいことはすぐに忘れた、やることをただやらねばなるまい。
225/11/12(水)18:54:44No.1371965678+
「どーすんだ、千治」
 隣からパートナーの声がする、ブイモンの声。
「あ、決まってんだろ」
 空をにらんだ。
 取り戻すんだよ。
 足を戻す、向かう先は数日前に向かったアスカシティだ、自分一人ではどうにもならないならば誰かの力を借りればよい、1人でもがいてきた男でもそれくらいは分かる、だが、大丈夫だろうか、暴れたせいで出ることになった、良い顔で見られることないだろう。
 それでも己の恥をさらしてでもそこくらいしかアテはなかった。こんな時に雪花ならばもっとうまくやるのだろうが、あいにくとそんなことが出来るほど器用には生きていない。
325/11/12(水)18:54:58No.1371965740+
 走る、ただただ、足を動かし来た道を戻る。アスカシティにはすぐに着いた、妨害する敵も居なかったのはもう自分と言う存在が敵にとっても価値がない、とでもいうべきだからだ。
 つくなりに、橋の近くで門番が驚きを見せる、仕方ないよな、追いだした人間が戻ってきたんだ、そんな顔もすらぁな。
「何用だ」
 門番のデジモンが低い声を出した、最初に自分を受付した時のデジモンと変わらないが、警戒されているのがよく分かる。
「――頼みがある、ムシが良いことくらいは分かってる……それでもここしかアテがねえ、話を聞いてくれねぇか」
「……ダメだ」
「そこを承知で……頼む」
「ダメだ」
「――そうか、ダメか」
「ああ、問題を起こした以上、もういれるわけにはいかない――」
425/11/12(水)18:55:33No.1371965917+
「だよな」
「だが――」
「あ――?」
「そこで独り言を言えば、もしかしたら聞き届けてくれる誰かはいるかもしれないよ」
 声色が少し優しくなったのを聞く。ああ、と、思う、無理をさせてるんだな、と、昔ならば自分の思うがままに押しとおったかもしれない、だがそれをすればどうなるか、くらい、今は分かる。
 声を漏らした、ここでの襲撃から毎日その後も襲撃されたこと、もう1人居た女の方がさらわれてしまった事、何とか助け出したいと言う事。
 言葉に出来るすべてを口に出す、と、言っても短く、そして簡潔にだ、千治に情緒を交えて心に訴えかけられるような口は持ちえていない。だからただ、真っ直ぐに。
「――それは……無理だ」
 デジモンがうめいた、
「大量のデジモンを配下にして送り出せるような相手、大体は究極体クラスしかいないけど…そんな存在が支配する領域を感知すること自体が難しいんだ……」
525/11/12(水)18:56:11No.1371966082+
「だよな……ワリィ、無理言った」
「ごめんね、力に慣れなくて」
「いや……こっちが無理言っただけだ……仕事邪魔して悪かったな」
「……君、これからどうするの?」
「――何が何でも見つけ出すさ」
 踵を向けて、また戻る、長い橋を渡り、また森へ、どうするか、当てもない旅を今からまたするのか、それも悪くない、必ず助け出しに行かねばならない。
 どうしてここまでするのだろう、と考えた、簡単だった、気に入った、ただそれだけだった。
 石橋の感触が土に変わる、とはいえどうするか、どうにかして感知が得意なデジモンを探し出すほかないだろう、だがそんな相手どこに居るだろうか、千治は敵を作ってもこれまで味方を作ったことはない。雪花ですら、自分から味方としたわけではない、今でこそ味方と思えてもあくまで偶然の産物だ。
「ちっ……どうすっかね――」
「よう、あんちゃん」
「っ!!」
625/11/12(水)18:56:34No.1371966206+
 声がくる。振り向けばそこにはデジモンがいた、小さな悪魔のような姿、おとぎ話の。見覚えがある。
「――インプモン、だったか?」
「おいおい、そこはもっと早く気付こうぜ?」
「……ああ、ワリィ」
「気にしちゃいねーよ」
 小さくインプモンは笑う。
「なあ、お前」
「あん?話は聞いてたよ、大事なのかその相手」
 インプモンの問いに、目をつぶる、大事かどうか、か。
 ただの成り行きだった、デジタルワールドにきて偶然出会い、護衛としてしばらく付き添った、ただそれだけの関係性でしかない、だが、それでも――
「大事だよ、そーだな、気に入ってる相手だから」
 自分を怖がらない相手を気に入ったって、イイじゃないか。
「そうかい――なあ、取引しないか?」
725/11/12(水)18:56:51No.1371966307+
 インプモンは笑う。
「取引だ?」
「ああ、これでも俺はまあ?けっこー得意なんだ、あー、ま得意ってのは分かれよ」
「いまいちわかんねぇけど、連れてってくれるって言うならそれでいい」
「お、ごちゃごちゃ言わないのは良いね――お前の身体からよぉ、わずかにバルバモンの匂いがする」
「あん?」
 袖に鼻を付ける、そんな匂いがするのか。
「人間にゃわかんねーよ、あー、匂いって言うから分かりにくいのか、気配って言うのかデータの残滓ってヤツ……でもその感じ、弱ぇからよ……多分手下か何かと戦ったんじゃねーか?」
「バルバモンは知らねー、でもずっと襲撃にあってたってのは……聞いてたか」
「おう、聞こえてたぜ、まあ多分一番上の奴がバルバモンってのは俺の勘だけど、間違ってないはずだぜ……俺はそいつとすこーしばかり縁がある、連れて行ってやるよ」
「本当か!」
「だから」
「……」
「よこせ、お前の1番大事なものを」
825/11/12(水)18:57:26No.1371966486+
「くっ…硬いっ」
 何とかしようともがくも雪花の腕力では鉄、あるいは鉄のデータで出来た牢屋をどうにかすることはできなかった。0と1の世界は物理的な干渉以外にも多く何とかする方法はあるが、パートナーとDアークを没収された状態ではどうにもならない。
「うぐぐ…せめてシーラモンさどうにか逃がしてあげたいな」
 魚型デジモンの相棒を思い浮かべる、ここまでずっと一緒に旅をしてくれていた相棒、データの海の世界からこれまで一緒にやってきたシーラモンは今Dアークの中に居る、操作しなければずっと格納されたままになってしまう。それはあまりにも無慈悲だ、雪花とシーラモンは似ている、好奇心の強さなどが特に。
 ずっとリアルワールドに行きたいと言っていたパートナーについぞ故郷を見せてあげることはできなかった。こんな事なら寄り道をしなければよかったと今更ながらに後悔がくる。何だかんだシーラモンも楽しんでいたから、と、言い訳をしながら自分のやりたいことを優先してきた、まさに後悔先に立たず、と、言うほかない。
925/11/12(水)18:57:38No.1371966552+
「はぁ……見せてあげたかったな」
 故郷を、きっと目を輝かせていたんだと思う、しかしもう手立てがない。総ては自分の招いた事だ。
 そして、もう1つ。
「千治、大丈夫かな」
 ぶっきらぼうな少年の顔を、ただただ強さを追い求めていた姿を。
 無理を言って護衛に引き込んだ、今更だが千治には千治の道があったと言うのに、甘えていたんだ、とここにきてようやく気付いた、これも自分のわがままだ。
「甘えてばっかりだったんだな、私」
 自分の無力さに腹が立つ、今何もできないことへ。
「うぅっ……しっかりしないとっ……」
 己の頬を自分ではたいた、なんだか心がネガティブによっている、状況が状況だ、仕方ないと思いつつもこのままではより悪い方向にものを考えてしまいそうだ、無理にでも思考をプラスにもっていかないといけない。
「ん?」
 上着のポケットに硬い感触、まさぐる、
1025/11/12(水)18:57:51No.1371966614+
「あ」
 貰ったネックレスが入っていた。雪と花をかたどった方、勢いのままもらってポケットに入れていた、本当はDアークにしまおうとして忘れていた――あるいはわざとそうしていた、今思えば無理してもらったものを大事にしないなんて、と思うが、今は結果オーライだった。よし、とそれを首にかける、鏡を見たいと能動的に思ったのは久し振りだった、風呂上がりや朝起きた時の歯磨きに使うくらいでしか見ようと思ったことはほとんどない。
「似合うかな…なんて聞いたら照れるよね、きっと」
1125/11/12(水)18:58:06No.1371966676+
 送り主の顔が浮かんだ、自分で奥っておいて焦る顔が思い浮かんですこしばかり笑みがこもれる、無性に会いたくなった。千治に。そして苦笑、また甘えている、これじゃあだめだ、少しくらい自分で何とかしないと。そもそも最初は自分で何とかしていたはずなのに、どうして誰かに寄りかかることが当然と思う様になっていたのか。こんな時千治ならきっと自分でどうにかするんだろう。なら少しくらい自分で何かをしなければならない。
「って言っても」
 ここから見うる限り、何か自分で行うだけの手立てはない。
「何か――何か――あ」
 本当の事を言えば、あまりやりたくはないが、やるほかはないだろう。
「誰か――誰か――!」
1225/11/12(水)18:59:18No.1371967052そうだねx1
今回は霧のいい所まで頂きました
今回のちょっとしたところも
もっとイチャイチャイチャイチャさせておけばよかったところです
もっとセックスに至るまでの道中を、と思いつつも描き切りました
もし足りなかったらイチャイチャは後で付け足して書きます
イチャイチャ
1325/11/12(水)19:23:36No.1371974938+
あと2万5000字近くあります、呼んでくれたらとっても嬉しいです
1425/11/12(水)19:27:24No.1371976189+
王道の救出劇からのえっちへの導入がワザマエですな…
1525/11/12(水)19:27:25No.1371976191+
ドスケベ感謝
1625/11/12(水)19:28:49No.1371976684+
>王道の救出劇からのえっちへの導入がワザマエですな…
うへへ、とっても嬉しい……
>ドスケベ感謝
俺はもっとドスケベ出来たんじゃないかって思いながらセックスシーン書いてる
でも感謝嬉しい


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