二次元裏@ふたば

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330590 B25/11/09(日)23:44:13No.1371173831そうだねx7 01:10頃消えます
不意打ちみたいにその顔と遭遇してしまって、アタシは少しだけ眉間にシワを寄せた。
アタシなんか目じゃないくらいメディアへ露出してるから予想外ってほどでもない。
けど、自分の視線が…まるで吸い込まれたように惹き付けられるのが悔しくて。
悔しいのに、目が離せない。

「おや、ここにも若葉さんが居ましたか」

アタシはムーコのポスターから目を離して、無遠慮に声をかけてきた人物を見る。
紙袋を提げて、ポスターを一瞥するウミコ。
目当てのものを買えてホクホク顔…とは読み取れない、いつもの仏頂面がそこにあった。

「三角さんと同じか…それ以上に見かける気がしますね」
「…まあ、ムーコ人気だしね〜」
「ご安心を、にゃむちも人気ありますよ」
125/11/09(日)23:44:35No.1371173942+
そぎゃん気休めでなんば安心せー言うばい…
ジロリと睨んでも、ウミコは気付いないのか疑問符を浮かべたような顔で見つめ返してくる。

「…それで? 次どこ行く?」

アタシはウミコの手から下げた2つの紙袋を見た。
買い物に付き合ってほしいと言われてモールに来たものの。
ウミコは目当てのショップへさっさと移動しては買っていく。
流石に吟味してはいるみたいだけど、アタシの意見は求めてないとでも言わんばかりの即断即決。
というか、ちょっと良さげな物があってもさっさと買ったウミコはすぐに出ていってしまうし。
まあちょっと趣味じゃないのもあるけど。
だから全然楽しくなくて、正直もう付き合いきれなかった。
そんなアタシの内面をなんにも分かってなそうなウミコは、真横のポスターを指差した。
225/11/09(日)23:44:52No.1371174051+
「では。どうでしょう、この若葉さんのコラボアイテムを見に行くのは」
「はあ? これ!?」

ポスターに映る、儚げに笑うムーコ。
身につけているのは、これまた清楚なワンピース。
アタシはもちろんウミコにも似合いそうにない。

「せっかく近くにあることですし。行きましょう」
「ええ〜…」
「熱心に見つめていたので、気になっていたのかと」

アタシは口を噤んだ。
反論したかったけど、何を言っても…自分に言い訳してるみたいで。
だから、代わりにアタシはにやりと笑ってごまかす。
325/11/09(日)23:45:31No.1371174298+
「…じゃあ、ウミコが試着するなら行ってもいいよ〜?」

今度はウミコが口を噤む。
本当にただ冷やかすだけだったのか。
それともまさか、アタシに試着させるつもりだったのか。
ちらっとムーコのポスターを眺めて、ウミコはふうと小さく息を吐く。
なに、そのヤレヤレみたいな反応…

「私にも譲れないものがありますので」
「罰ゲーム扱いじゃん!」
「祐天寺さんなら着こなせると思いますが」
「この流れでそれ言う〜?」

マジでアタシにだけ着せようとしてたわけ?
真顔でふざけたこと言い出すから、本当に油断ならない。
425/11/09(日)23:45:50No.1371174418+
「…はぁ、馬鹿らし。もう帰る」

なんか急にどうでもよくなって、アタシは考えるのを止めた。
ウミコに付き合うのが疲れた。別に楽しくもないし。

「急ですね」
「アタシも忙しいんで」
「祐天寺さんは今日オフのはずでは?」
「いいでしょ、別に」
「それに、祐天寺さんはまだなにも買ってないようにお見受けしますが」
「…特に欲しいものが無かっただけ」

意外にもウミコはちゃんとアタシのことを見ていたらしい。
アタシのことは放って自分の欲しいものだけ買い漁ってるのか思ってたのに。
内心少し驚きつつ、アタシは腕組みしてウミコを見下ろした。
525/11/09(日)23:46:21No.1371174622+
「もともとアタシ達は仲良しこよしってわけじゃないし。今日来たのだってただの気まぐれだから」

なんで来ちゃったんだか。
そう自分を問い詰めたくなる苦々しい気持ちに任せて言い切った。
ウミコもこれで折れて、今日は解散って流れになるだろう。
そう思ったのに、眼の前の仏頂面は変わらなかった。
どころか頷いてきて、アタシはギョッとした。

「確かに…祐天寺さんとは友人ではありませんね」
「…へぇ〜、なんだかんだウミコもそんな風に思ってたんだ?」
「はい」

スッと体の内側が冷えて、身体が強張るのを感じた。
625/11/09(日)23:49:10No.1371175661+
信用してくださいとか、信じ合いたいとか言ってたくせに。涙ながらに訴えていたアレはなんだったんだ。
アタシは自分でも分からなくなって、ただ挑発するようにウミコへ笑いかける。
けど、ウミコは怯んだ様子もなくアタシの目をまっすぐに見つめ返してきた。

「祐天寺さんとは、同じ神に運命を預けた…仲間ですから」

すぐにその答えを理解出来なかった。
アタシはウミコから一瞬だけ目を逸らして、馬鹿にしたように笑う。それしか出来なかった。
どうしてだか、顔が熱い。

「う〜わクッサ! 真顔でそれ言う〜?」
「事実ですので」
「誇張しすぎ。サキコみたいだし」
「なるほど、長く共に過ごすと似てくると言いますね」
「アタシら活動してまだ1年も経ってないって!」
725/11/09(日)23:49:50No.1371175889+
なんだか変に意地張ってるのが馬鹿みたいに思えてきた。
ウミコには多分、伝わらないから。
だったら別の方法で振り回してやろう。もうどうにでもなれ。

「とにかく、これからアタシの行きたいお店に行くから! ウミコのは終わり!」
「分かりました。祐天寺さんのチョイス、見させていただきましょう」
「ほら行くよ!」

ウミコの返事は待たずにアタシは歩き出す。
きっとアタシの後ろを仏頂面のまま付いてきているだろう。
その仏頂面がもう付き合いきれませんって不貞腐れるまでさんざん連れ回してやる。
825/11/09(日)23:50:13No.1371176022+
ふと、視界の端にさっきのムーコのポスターが映った。
儚げに笑う顔。
未だその場所まで手が届かなくて悔しいけど。
今は少しだけ、気が楽になった気がする。
……
…なんて、絶対うちん勘違いに決まっとる!
925/11/09(日)23:54:25No.1371177541+
うみにゃむはケンコウニイイ!!
1025/11/09(日)23:55:46No.1371177936そうだねx1
これぐらいの距離感のうみにゃむ好き!
1125/11/09(日)23:56:21No.1371178110+
うみにゃむはいずれ万病に効く
1225/11/10(月)00:02:18No.1371180084+
うみにゃむはまだまだこれからだけどこれからデカくなる
1325/11/10(月)00:04:49No.1371180835+
うみにゃむ株は続編が来るまでゴリラの握力で握り続けるから


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