何も見えず。何も感じず──。何もないはずの場所で、ボクの意識だけはどこかにある。
もがいても、身体は動かない。なんとなく分かったんだ。命の危機が訪れている。
生きるか死ぬか。そんな時に与えられた、ただ考えるだけの時間。きっとボクに出来るのは、悔いることだけだろう。
ニンゲンさんを、危険な目に遭わせてしまった……。そこで終わった、ボクの記憶。
クラヴィスエンジェモンは、ニンゲンさんをどうしたのだろう。ボクは、最後まで戦うことが出来なかった。守ることが出来なかった。

でも、ボクはニンゲンさんに会いたい。
ニンゲンさんはみんな好きだ。ニンゲンがどんな文化を生んだのか、どんな暮らしをしているのか。ボクはいくらでも知りたい。
だけど、一番会いたいのは、ボクの事で一番困ってるあの子なんだ。ボクを嫌いなはずのあの子が、ボクの心を一番動かすんだ。

──起きてよ、ドクネモン。


声が聞こえた気がした。ボクの気のせいかもしれないけど。
……あの子がまた、ボクを呼んでいるのかもしれない。いつも通り、聞き間違いかもしれない。

いや──あの子が呼んでいるなら、ボクはどこへでも行くんだ。

だってボクは──あの子の事が大好きなんだから！
行かなきゃ！！ニンゲンさんの所へ！！

「ばあああああああぁあぁぁぁっ！！！！！」
「ひいぃーーーーーっ！！？」
「！？」

クラヴィスエンジェモンがあたしに迫る寸前、腕の中の緑色が跳ねだした。
ビクビク動く芋虫ムーブに思わず腕の中から取りこぼす。
地面に落ちたドクネモンは、そのままぐねぐね動いて身体を起こそうと……き、キモッ！

「に、ニンゲンさん……！来たよ……！ボク、なんだか暗い所に居て……！動けなかったけど、なんとか行かなきゃって……！」
「は、はあぁぁ……」
あたしは力が抜けて、その場にへなへなと座り込んでしまった。
クラヴィスエンジェモンも驚いているのか、動きを止めている。

「またニンゲンさんに呼ばれた気がしたんだよ！だから、グッと身体に力を入れてたら、いつの間にかニンゲンさんが運んでてくれて……」
「あはぁ……あはは。そうだよ。──呼んだよ。ドクネモンのこと、呼んでたんだから。
……生きてて、良かった」

「？　？　？　？
あっ……。　？？　？
ニンゲンさん、ボクの名前……。

……？　！　！！　！！！　や、や、や、やっ

やった〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！
やったやったやった〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！
ニンゲンさんが！初めて！！ボクの名前を呼んでくれたよ〜〜〜〜〜！！
やった〜〜〜〜！！！やったやった〜〜〜〜〜〜〜！！！」

さっきまでボロボロで、動けなかったくせに。目の前に自分を攻撃したクラヴィスエンジェモンがいるのに。
ドクネモンには、ただただ喜びが満ちていた。

「バカじゃないの、ほんとに……」
「やった〜〜〜！！やったよ〜〜〜〜〜〜！！」

でも、その姿が。憎たらしいはずの、こいつの姿があたしは嬉しかった。

「……意識を取り戻したとて、私のすべき事は変わらぬ。
ドクネモン。デジタルワールドを救うべき人間を連れ去ろうとした罪。貴様は私が消去する。最早裁きを下すのみだ。
人間。貴様もこれ以上、ドクネモンを庇い立てするのであれば──敵と見做す」

クラヴィスエンジェモンが再び、ドクネモンに狙いを定める。

「降伏せよ。ここに侵入した貴様らに残る結末は、他にない」

「イヤだ！！ニンゲンさんが帰りたいって気持ちを叶えようとすることの何が悪いんだ！」
「あたしだって……いやだ。救うとか使命とか言ってたけど……。
あたしは、ただの小学生で。ただの迷子だから。あなたの期待には応えられない。
罪だとか裁きだなんて、あなたが決めることじゃない……！」

あたしとドクネモンの意見が一致した。クラヴィスエンジェモンが何を言おうと、こんなところで冒険を終わらせる訳にはいかないんだ。

「……ならば。貴様等を纏めて裁くのみ。
一度敗れて尚、力量の差も理解出来ぬとはな……！」

クラヴィスエンジェモンが完全にあたし達を敵とみなしたようだ。
──戦うしかない。あたしはドクネモンに話しかける。

「ねえ、ドクネモン。──あたし達は多分、最悪のふたりなんだよ」
「うん、ニンゲンさん！……最悪！？えっ！？」

「最悪だよ。あんたみたいな芋虫、あたしは嫌いで仕方ないの。
……だけど、今日。あんたも、意外と良い所があるんじゃないかって、思ったの」
あたしはドクネモンの顔を見つめる。
「ニンゲンさぁん！！今更だよぉっ！！」
当然の反応だよね。

「最悪って事は、一番下ってことだから。あとは上に上がっていくだけなんだよ」

ドクネモンが倒れた時。傍に居て欲しいって思った。
あたしの隣に居て欲しいって思ったんだ！

「そう、あたし達きっと──

これから、仲良くなれるから！
もっと、分かり合えるはずだから！！
ふたりなら強くなれるから！！
クラヴィスエンジェモン！！あたし達はあなたに負けない！！」

「……それは……！」

微かな予感から手を伸ばした先に現れた、あたしのデジヴァイス。
使い道は分かるけど、使い方は分からない。

──でも。ここまで来たら、チュートリアルなんていらない。
憧れてるって言ってたよね？ドクネモン。
……あたしだって、やってみたかったんだから。

「行くよ、ドクネモン！」
「うんっ、ニンゲンさん！」

クラヴィスエンジェモンに向かい、立ち上がる。
それと共にデジヴァイスが光を放ち──

「進化ぁぁーーーーっ！！！」

「ドクネモン！！ワープ進化ッ！！！」

あたし達は、ここから始まる。

おわりです
次回！！！！土倉・クエスト第五章！！！！"称号"！！！！
何モンになるのか！！！！！まったくもって予想がつきません！！！！！！！！！！

良いところで終わった！
>何モンになるのか！！！！！まったくもって予想がつきません！！！！！！！！！！
何たる無茶を！

フルカラーになるのいい…

ドクネモンは新たなクラヴィスエンジェモンのドクラヴィスエンジェモンに進化するよ！！
嘘だったらイグドラシルの根元に埋めてもらって良いよ！！

ドグランディスクワガーモン…

>ドクネモンは新たなクラヴィスエンジェモンのドクラヴィスエンジェモンに進化するよ！！
>嘘だったらイグドラシルの根元に埋めてもらって良いよ！！
まったくもって！！！！！
予想が！！！！！！！！！！！！
つきません！！！！！！！！！！

>フルカラーになるのいい…
進化ー！がすごくかっこよく描けた気がするので自画自賛したいと思います
かっこいい〜〜〜〜〜！！！

やったーかっこいー！

作画に気合いが入りすぎている…

どのドデジモンになるんだろ

一体ドクラ何モンなんだ…

盛り下がることを先に言うと進化回なんですけど進化バンクとかは無いです
動画なんてやってたら絶対に年を越すだろうと思ったので諦めました！！！！残念！！！！
進化先に関してはまぁ元々居るデジモンの色変えましたってデジモンですよね
この名前でデジモン図鑑載ってないんだから言い当てられる訳ないだろって思っててェ…
いやまだ一縷の望みにかけてヒントはＮＯで行きましょう

>進化先に関してはまぁ元々居るデジモンの色変えましたってデジモンですよね
ドユキアグモンか…

やっぱ進化シーンはいいよね…

>作画に気合いが入りすぎている…
>やっぱ進化シーンはいいよね…
ドクネモン→究極体の流れが先に決まっていたようなところはあるので進化シーンは頑張りました！！！！
その分進化へのフリは話固まってない感じあるんですけどそこは進化したい第一であとはノリでいく感じで…

究極体何だろう　わからないな…

>究極体何だろう　わからないな…
fu5858864.jpg
これまでの進化貼ろうと思ってて忘れていました
まったく分からない…