・イスラ・デル・ソル (キャンペーンの舞台となる人工島) 近年、カリブ海沖に建造された海上都市。所謂メガフロートなどと称される巨大人工島。 全体面積としては1,200㎢ほど。複数のブロックを結合することで全体を形作っているのだが、いずれにせよ人工島としては過去に例のない大きさのものである。 上下軸では複数の階層で構成されており、大まかに富裕層・観光客向けの商業施設や多国籍企業のビル、最先端の学術研究機関が立ち並ぶ“上層”と、労働者向けの居住区や海運貨物の受け入れ等を行う“下層”に分かれる。 名目上、中米の小国バル・ベルデに帰属する都市であるが、島内は独自の行政と法によって自治運営される行政特区。 本国の政情不安定もあって、実質的には独立した単独の都市国家として見做されている。 メガフロート都市という目新しさ、安定した温暖な気候、大国に面する地理的要件などの理由から、世界各国から多くの投資が集中。 海路貿易の仲介地としても利用され、建造から数年で急激な経済成長を果たした。 リゾートとして名を馳せるのみならず、最先端の技術研究・実証の場としても盛んに用いられ、未来的な技術の数々が街に並ぶ。 表向きは美しい新時代の都市として栄えているが、裏の顔は世界最大規模の新興犯罪都市。 それら非合法活動の産物を他国へと流通させる窓口、あるいは国際犯罪の経由地としても機能しており、特に隣接する大国への侵蝕は著しい。 そしてFH、ギルド、SoGといった世界に名だたる結社を始めとして、大小問わず数多の犯罪組織が闊歩し、無数の狂人に傭兵を交え、島が生む莫大な利権を巡り日夜抗争を繰り広げている。 当然ながら行政もこれら組織と癒着しており、事件を隠匿する等の便宜を彼らに対して図っている。 単純に都市住民内での格差も大きい。 上層で生活する富裕層や海外からの滞在者が優雅な暮らしを守るのに対し、下層に居住する出稼ぎの労働者や、存在を保証されない奴隷扱いの弱者の暮らしぶりは端的に劣悪。 上層は対外的な利権に関わる部分であるため、直接的な抗争を控える暗黙の了解が存在し治安は比較的良好。 その分下層では日常的にオーヴァード同士の争いやジャームによる犯罪行為が発生しており、巻き込まれる弱者の死傷者は絶えない。 こうした特異な環境であるため、レネゲイドの存在を暗黙の裡に知る住民も数多く存在する。 特に下層では、オーヴァードが力を大っぴらに使ったとしても大きな騒ぎにはなりにくい。 オーヴァードに覚醒した住民達が自警的活動を目的にギャング化することもあり、勢力情勢の混沌化に拍車をかけている。 元来、小国であるバル・ベルデにはこのような都市を建造するような技術も資本も存在しない。 建造に当たって複数の企業体から莫大な資本の投入と技術供与が行われたが、これら企業の大半がFHのカヴァーであったことは、裏社会では公然の秘密。 この経緯からUGNは島から徹底的に排されており、現在に至るまで大規模な干渉は行えていない。 僅かな諜報員を島内に送り込むのがやっとであり、せめてもの抵抗として、島外にレネゲイドによる事件が広まることを抑えるに留まっている。 一方で、FHのみで利権を独占するのではなく、他のオーヴァード組織が入り込むのを敢えて見逃した節がある。 建造に携わったFH内の有力者は未だ不明であるものの、数多の犯罪組織が相争う現在の状況は、意図されたものであると考えられている。 また都市直下の海底には謎の“遺産”が沈んでおり、この都市はその発掘のための基地拠点である、という都市伝説も存在する。 いずれにせよ、邪悪な陰謀の元で形作られた街であることは疑いの余地がない。