祥ちゃんの言葉に私は戸惑いを隠せなかった。
これ、バラだよね…？　アイスバーグって…？
聞き返されるとは思っていなかったらしい、祥ちゃんは怪訝そうな顔で私を見た。
「どうかしまして？」
「う、うん。アイスバーグって…品種の名前？」
「…そうですわ」
「知らなかったなあ…祥ちゃん、物知りだね！」
尊敬の念を込めて、祥ちゃんに笑いかける。
けれど、そこにあったのは微笑みではなく、ぽかんとした顔だった。
なにか変なことを言ってしまったのだろうか、嫌な汗が吹き出てくる。
何を言ったらいいか分からなくて固まっていると、祥ちゃんが小さく吹き出した。
「さ、祥ちゃん？」
「ふっ…ふふっ…やっぱり、貴女に薔薇の手入れなんて出来ませんわね」
「え…？」
「だって品種も分からないんですもの。あのまま別荘にいたら、きっと枯らしていましたわ」

祥ちゃんの笑った理由が分かって、私は肩を落とした。
島で別荘の管理を任せてもらえて、罪滅ぼしみたいな気持ちもあったけど…私なりに頑張ろうってあの時は思っていた。
けど、あのまま居てもやっぱり駄目だったのかな。
私はお母さんみたいには出来なかったのかもしれない。
祥ちゃんの顔が見てられなくて、そっと視線を落とす。
「そ、そうだよね…私なんかじゃ…」
「ええ。…だから、あの場所から初音を引っ張ってきてよかったと思いましたの」
私は弾かれるように顔を上げて、祥ちゃんを見た。
祥ちゃんは私をまっすぐに見つめて微笑んでいた。女神様みたいな、優しい微笑み。
ああ、私が見たかった笑顔だ。
「祥ちゃん…あのね」
何か？と小首を傾げる祥ちゃん。
貴女のためなら、なんだってする。
歌うことしか出来ない私を、それでも求めてくれた貴女のためなら。
その気持ちを込めて、私も祥ちゃんをまっすぐに見つめ返した。

「私、これからも全部を捧げて歌う。私に出来ることは…それしかないから」
私の誓いに、祥ちゃんは小さく笑う。
その笑顔の意味を探って不安になる気持ちはもう無かった。
それは嘲笑なんかじゃなくて、受け取ってくれた笑みだって分かったから。
「勿論ですわ。そのために連れ去ったのですもの」
「あ…うん…！」
この誓いは、気持ちは、決して枯らしたりはしない。
このバラのようにずっとずっと、狂おしいほど咲き続けるんだ。私の中で。

アイスバーグ
https://www.flowerpark.or.jp/flower/rose-book/152/
白バラの花言葉
「純粋」「純潔」「深い尊敬」「相思相愛」「私はあなたにふさわしい」

とことこ歩く野良猫でちょっと笑っちゃった

これは真実だね💛

植物の知識は実際どうなんだろうね
部屋に結構植木鉢あるし

無視見るのも苦手だしあの植物はダミーだったりして

>植物の知識は実際どうなんだろうね
>部屋に結構植木鉢あるし
多分品種しっかり調べると色々意味あるんじゃないかなって気がしてくる
虫がつきにくいとか花言葉がアレとか

やはりはつさきはいいですわね

はつさきは重さが味わいになる

>とことこ歩く野良猫でちょっと笑っちゃった
楽奈！？楽奈どこ！！？！？って探しちゃった
俺りっきーかもしれん