次代のランドメイカーとして王位継承の儀式に挑む宮廷の面々。その儀式とは沼に棲む人食い鬼の牙を手に入れるというものだ。いざ出陣という段になり、王国の民が用意した大量の糧食。ピクニック気分か、はたまた過保護なだけなのか。宮廷の懐はパンパンだ!
次代のランドメイカーとして王位継承の儀式に挑む宮廷の面々。その儀式とは沼に棲む人食い鬼の牙を手に入れるというものだ。いざ出陣という段になり、王国の民が用意した大量の糧食。ピクニック気分か、はたまた過保護なだけなのか。宮廷の懐はパンパンだ!
このシナリオは初めて『迷宮キングダム』を遊ぶGMやプレイヤーを想定しているため、モンスターは弱めに設定されています。また、このシナリオでは変調(p.84)のルールを使います。GMは事前に確認しておいてください。
王国作成(p.14)、人物作成(p.20)のルールに従って、王国とキャラクターを作成してください。
王国フェイズ(p.61)を参照してください。PCが新米ランドメイカーであることを踏まえて、PCがいつも何をしているかをプレイヤーに尋ね、民からどう思われているかを描写すると良いでしょう。
PCは引退した先代宮廷から王国を託されたばかりの新米ランドメイカーです。民の中にはその実力を疑う者も少なからずおり、引退を撤回して欲しいと先代の宮廷メンバーに泣きつく者までいる始末。これはまずいと新旧合わせた宮廷は一計を案じました。
この地に古くから伝わる王位継承の儀式「人食い鬼の牙折り」に挑戦し、民の信頼を勝ち取るのです。すでに獲物となる人食い鬼は先代が手を回して調達済みとのこと。民の不安と期待が入り混じった視線が宮廷に注がれます。もう後には退けません。
先代の宮廷メンバーは逸材である1人を除いて完全に引退しています。逸材の職業は生まれ決定表(p.24)で決定してください。
円卓会議(p.62)を参照してください。編成会議が終わると、配下に選ばれた民が大量の食事アイテムを持って集まります。内容はPCの人数分の【お弁当】と【フルコース】です。新米宮廷に対する不安から、新たな宮廷の門出を祝うため……民の動機はバラバラですが悪意がないことだけは確かです。
「はいらずの森」は王国に隣接する森で、かつては王国の領土でした。現在も王国が雇ったシルヴァンという狩人に、狩猟や伐採の権利を報酬として森を見張らせています。
そのような経緯もあって「はいらずの森」の【入り口】がC2にあることは判明済みです。マップはこちらを参照してください。「はいらずの森」が王国から見てどの方角にあるかはGMが好きに決めて構いません。
この迷宮の支配者は沼トロル、支配力は2です。宮廷はC2「森番のテント」に到着します。冒険フェイズ(p.66)を参照してください。王国に帰る際、C2からマップの外に出ることができます。
「はいらずの森」の支配者である沼トロルを倒すと、宝物表に加えて1D6個の「牙」を入手できます。沼トロルは敵対的であるため、取引(p.72)で素材を交換してもらうことはできません。
トラップ:2 エネミー:4
描写:森の入口には小さなテントと焚き火が一つ。焚き火の周りでは火の妖精である【鬼火】が3体、転げ回って踊っています。テントからは大勢の足音に気付いたシルヴァンが顔を出し、そっけない態度で宮廷を出迎えます。シルヴァンは手も顔も無数の傷としわで覆われた、経験豊富な狩人です。
トラップ:B2への通路に【小径】が仕掛けられています。オブジェクト「焚き火」に【毒針】が仕掛けられており、不用意に近付くと火傷を負います。
遭遇:シルヴァン(狩人の逸材)と、【鬼火】×3がいます。反応は友好的です。
イベント:宮廷がシルヴァンに声をかけると、この日のためにいかに苦労してモンスターを準備したかという自慢話を聞けます。最後まで聞けばB2「沼のほとり」にいるモンスターの情報が手に入ります。これは計画的行動として扱います。判定は必要ありません。以下が情報の内容です。
B2「沼のほとり」の「遭遇」の項目に加えて、シルヴァンがそれぞれのモンスターを手懐けた方法がわかります。沼に食事アイテムを投げ入れると、そのクォーターが終わるまでモンスターは宮廷に戦闘を挑みません。沼トロルは沼に投げ入れた食事アイテムを食べ尽くし、「肥満[投げ入れた食事アイテムの価格の合計]」を受けます。B2でのキャンプ中ならいつでも沼に食事アイテムを投げ入れられます(行動には数えません)。また、特殊配下の【鬼火】1体につき【歩き骨】1体が戦闘に参加しなくなります。
トラップ:4 エネミー:0
描写:沼のほとりはひっそりと静まり返り、動物の姿はありません。黒ぐろとした水面に小さな泡が浮かんでは弾け、波紋を作っています。星あかり一つない部屋の中、今さっき通ったばかりの道さえも見失ってしまいそうな、そんな心細くなる場所です。
トラップ:モンスター側後衛に【底なし沼】が、部屋に【遭難】と【ものかげ】が仕掛けられています。モンスターは【ものかげ】の効果で隠れています。
遭遇:沼トロル(【迷宮防護服】を装備した【鉤鼻鬼】)、【歩き骨】×3がいます。反応は敵対的です。【ものかげ】が発動するか、クォーター始めの移動の処理の後、宮廷がこの部屋にいて【ものかげ】が解除されていれば戦闘(p.73)になります。
沼トロルは後衛に、【歩き骨】はすべて前衛に配置してください。沼トロルは【迷宮防護服】の効果で【底なし沼】の効果を受けません。沼トロルは同じエリアにPCが2人以上いれば必ず【範囲攻撃】を使います。さらに「肥満」で《HP》が減少しても構わず移動します。【歩き骨】はPCを【投げる】で【底なし沼】があるエリアか沼トロルがいるエリアに移動させようとします。
イベント:沼に食事アイテムを投げ入れると、沼トロルが姿を見せます。以下の描写を読み上げてください。この時も【ものかげ】は発見・解除されるものとします。
シルヴァンの言う通りにしてみたものの、いくら耳を澄まそうが目を凝らそうが何の変化もありません。「これは一杯食わされましたね」「森番は獲物を用意できなかったんでしょう」安堵と失望の声をあげる配下たち。
突然その背後で大きな泡がぼこぼこと湧き上がり、水面を激しく揺らします。沼の中から現れたのは大きな口を持つ人食い鬼。藻や水草で覆われた顔。そこから突き出た水鳥のくちばしのような鉤鼻と鋭い牙。沼トロルは下半身を水に浸かったまま、長い爪の生えた両手で食べ物を掬い上げては夢中で口に放り込んでいます。
宮廷が王国に帰還したら終了フェイズ(p.80)を行います。沼トロルを倒して「牙」を入手していればシナリオの目的は達成です。円卓会議の収支報告で売却しても構いません。予算フェイズで王国が「はいらずの森」を領土にすると、シルヴァンと【鬼火】を取引で配下に加えていなかったとしても、彼らは王国の民になります。
目的を達成できた場合:宮廷の実力を疑う者はもはや誰一人いません。先代のランドメイカーは一介の民となり宮廷を支えることを、民の前で改めて誓います。
達成できなかった場合:顔を見合わせて苦笑しながらも、民は一丸となっていまいち頼りない宮廷を支えることを決めます。王国の新たな門出です。
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|---|---|---|---|---|---|
| A |
A1「******」
T:0 E:0 トラップ: なし モンスター: なし |
A2「******」
T:0 E:0 トラップ: なし モンスター: なし |
A3「******」
T:0 E:0 トラップ: なし モンスター: なし |
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| B |
B1「******」
T:0 E:0 トラップ: なし モンスター: なし |
B2「沼のほとり」
T:4 E:0 トラップ: ものかげ(遭) 遭難(災) 底なし沼(戦) モンスター: 沼トロル(鬼) 歩き骨(死)×3 |
B3「******」
T:0 E:0 トラップ: なし モンスター: なし |
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|
┃ 【小径】 ┃ |
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| C |
C1「******」
T:0 E:0 トラップ: なし モンスター: なし |
C2「森番の小屋」
T:2 E:4 トラップ: 毒針(古) モンスター: シルヴァン(人) 鬼火(妖)×3 |
C3「******」
T:0 E:0 トラップ: なし モンスター: なし |