■2年後の芋学予想 ※異論は大いに認める 【免責】 2025年10月時点までにお出しされた情報に基づいて美味しいとこ取りしてるので 今後の学バトの展開によっては予想が大きく変わることがあるぞ! みんなも今後の学バトを応援しよう! ●珍毛燃男 芋毛学園のカースト序列一位にして燃男軍団のトップ 基本的に学園内外で問題が発生すると真っ先に動くため、内情はともかく治安当局からの評価が高い ここ1、2年の下級生達のカーストバトルに対するモチベの低さに危機意識を抱いており この4月の入学式には在校生代表挨拶を乗っ取り、新入生達のバトルを煽るような挑発を行うも 一切響いていない様子に「コイツらは去勢された犬か!?」と愕然とした 評価する者によって評価の幅が極端に変動する人物もそうそう居ないだろう ●銀木誾 燃男の片腕にして新十王衆の一角 燃男の巧みな計らいにより実姉との関係は改善に向かったが、悪化した 週末は残酷度マシマシの映画鑑賞を、断ったら斬られる、観たら心が斬られるという板挟みに遭っている ●先走早郎 燃男の片腕にして新十王衆の一角 銀木の顛末を見て、「燃男軍団の一員としての自分」と「プライベートの自分」に線を引いている 現在は慈羅池耶夢と将来の明るい家族計画を仲良く進めている。なんなら予行演習はもう済ませた ●ルーク・アンダーウッド、ルナ・アイサック、千葉千馬斗、線引霊児 序盤は未登場どころか登場人物達による言及も一切なく情報が徹底的に伏せられている 未だ語られていない、「組織」=「雲螺旋組」関連事件で命を落としたのではないかとヤキモキさせるが そうであれば燃男軍団内でなんらかの匂わせがあるので、そうした事はない…と思いたい ●抜守抜子 芋毛学園の生徒会執行部・会長にして新十王衆の一角 先々代の生徒会長卒業後はかなりの経験と苦労を重ね、生来の無愛想な性格は大幅に改善された 厳しくも決して生徒を見捨てない優しさ(とデカパイ)に、多くの生徒が尊敬と憧れの念を抱いている だが問題発生時には瞬時に抜刀、電撃的に攻撃態勢へ移行する「羅刹」の一面があることを知る者は少ない 尊敬する先々代に倣い常に現場第一を貫き、時には庶務の仕事にも手を出す。趣味は妖刀の捕縛と調伏 なお抜守会長とは一切関係ないが、人気自撮り裏垢「ヌキヌキ」ちゃんが最近リニューアルしたようだ ●御厨二病 芋毛学園の新一年生にして早々に生徒会入りを果たした、「次世代の超新星」の一人 卒業生の兄以上に徹底的な業務効率化を推進し、少人数体制でも執行業務が円滑に回るように全てを整えた 優雅な物腰で上品に毒を吐くスタイルは健在で、有事の際は抜守会長の参謀を務める事が多い 一方で抜守を理詰めで説き伏せ、大真面目にトンチキ痴女コスをさせようとする悪癖がある 能力と性癖と性格は以前よりも拗れている 参考情報だが、生きていて良い理由ないし要素が全くない闇生徒に対して投げられる、例の名台詞は 先々代の副会長から彼女へと継承された。とはいえ文田火星も時折キメ台詞的に口にすることがある ●文田火星 芋毛学園生徒会執行部の一員にしてメイド同好会所属 抜守会長との関係は表面上以前と変わらず、時たま「駄犬」呼ばわりも飛び出す 実は1年ほど前に院蒙我と組織の凄惨な陰謀に巻き込まれ、生命の危機に晒されたが 抜守が身を挺して文田を庇い、重傷を負った状態で刺客を返り討ちにする、その一部始終を眼前で目撃する というエピソードが発生しており、文田の抜守に対する感情は非常に複雑化している 自分の知らない所で抜守会長が瀕死に陥った際は、非常に取り乱して意識回復まで片時も離れなかった 普段は二病の抜守会長説得に加担し、真顔で際どいトンチキ痴女コスをさせようとする悪い遊びを繰り広げる ●間家院となり 行橋修の隣の席のとなりさん。生徒会執行部の仕事を手伝いに来る、生徒会内のムードメーカー 彼女に憧れる下級生女子は多く、その手の女子から種々人生相談を受けることもある 一方で行橋との仲について質問されると、ハイライトの消えた目で遠くを見つめながら「私が悪いの…」と 泣きそうな声で意味深な台詞を口にしたまま、それ以上を語らない。一体何があったのか とある目撃情報では、三年に進級して妖艶な雰囲気をまとうようになった友人の不治火ショコラから 「行橋君って純情だけど鈍感だよね」「それならとなりちゃんが既成事実を作っちゃえばいいんだよ」 と闇と熱と湿度を伴うハイライトの消えた眼差しで甘い唆しを受けていたようだ。一体何があったのか ●友仲保 風紀委員会委員長。彼が委員長に就任して風紀委員会の威圧的な雰囲気は消えたと専らの評判 その一方で闇バトラーや闇部活関係者、果ては他校の生徒から 「絶対に彼を敵に回してはいけない」 と評され、「友愛の友仲」という二つ名と共に畏怖されており、本人はその状況にひたすら困惑している 委員会としてはこれまで管理不能状態にあった学園内闇部活の9割を登録下に置くという快挙を成し遂げる 片やプライベートでは「行橋ハーレムルート、いいじゃないか!」と、迂闊な発言をして周囲の不興を買った 友仲、気持ちは分かるがそれは言うな!また土食わされるぞ!! ●沼岡ビバ子 お待ちどう。我らがビーバークイーンにして緑化委員会委員長だ 盛本モル子との友情パワーは今まで以上に強くなっており、そのおかげか能力の性能が強化された これに自信をつけたビバ子は、今年度初の「生徒会・全委員会定例会議」の席で 「今年は学園の外もビーバー沼に開発して、芋毛市全体をビーバーテーマパークに作り変えますわ~」と宣言 神妙な面持ちの抜守会長は机上で両手を組んだまま風紀委員会にアイコンタクトを送り 友仲委員長は深呼吸しながら環境委員会の踏地静葉に目配せを送り、当の静葉は静かに目を伏せて 軽く頭を押さえる、という形で 【やっぱ引き続き、監視して(ルビ:みまもって)おく必要があるわ】 と 問題意識を改めて生徒会・委員会間で共有し直す流れになった ●猪浜鬼 芋毛学園の当代番長にして新生七大番長の一員。二つ名は「カミナリ番長」 かつてカンチョー番長に鍛えられた影響で暴力・能力ともに著しい向上を遂げている 特にレベル4の能力は、狙いすました箇所に強力な落雷を発生させる、鬼札とも呼ぶべき技へと昇華された 相棒のとりたまごろうと共に学園の範疇を越えた数々の脅威や難事件に挑み続けるが 女子専用寮「極夜荘」では、新たに入寮した下級生達に、寮長の天羽しえるとともに世話を焼く一面を見せる しえるの振る舞いの中に、かつての眼女寮長の面影が感じられるようになったことを、秘密にしているが しえるからも、鬼が眼女先輩のようなおしとやかな女性になりつつあることを、秘密にされている ●アニー・メイトランド アニメ研究部所属のカートゥーンガール 前年度の蛇芽立太との活動実績や文化的貢献が認められ 遂に同好会から部への昇格(復権)を果たすという悲願を達成した しかしその喜びを分かち合いたかった先輩達は、もういない ●馬場里アンヌ 相変わらず野外活動部の部長を続けているが、どこか塞ぎ込むことが増えた それを見かねた大奥豚殿からとある提案がなされる 学園長と取引をして野外活動部に籍を置いたまま、学園の特例措置で教員免許を取得して 学園の教師として働きつつ、以後は野外活動部の部長・兼・顧問として活動を継続する…というのは? 駄目元の提案だったが、馬場里は「務まると思うか?10留を重ねた自分に…」と今までにない反応を見せ 大奥はこれを好機と見て、この方向で粘り強く馬場里と学園双方へ説得・交渉を進めることにした ●黒鐘精子漏 成り行きで精子部の部長を務めるハメになった三年生 これまでどこか斜に構えた学生生活を送り続けていたが、カンチョー番長に何かを託されたらしく 部長となった現在は、新入生の歩呂糸尹久をはじめとする芽吹いたばかりの後輩達のシゴキに力を注いでいる 自身の精子霊使役も、毒蛇のように機を窺い獰猛に攻める、これまで以上に攻撃的なスタイルへと変貌した 抜守会長ら生徒会には「馴れ合うつもりはねぇよ」と突き放した態度を取るが、有事の際は真っ先に加勢に現れる 手前(テメェ)に腐るなよ、精子漏―― かつて番長に掛けられた言葉を、黒鐘は忘れることができなかった ●行橋修 芋学名物・喧嘩部部長 この部活名に物言いがつくことは二度三度では収まらなかったが 「学園能力バトルの好戦的な表現であり、肯定的に捉えてほしい」との説明が功を奏した。物は言い様である 短期入部・合同強化トレーニング実施にも積極的で、能力バトルに興味はあるが尻込みしている下級生相手に 模擬戦を買って出る兄貴分な一面も見せる。しかし当然ながら簡単に勝ちを譲るつもりなど全くない 一方、となりとの進展について質問されると、穏やかな表情はそのままにハイライトの消えた目で空を見つめ 鼻をスン…と鳴らしたかと思えば、猛烈な勢いで芋学外周の全力ダッシュを開始する。一体何があったというのか 余談だが、そんな様子のおかしい行橋のもとを小学生の犬養戌子が訪ねてくる頻度が増えた 親友の卯喜子は、戌子が緑衣に白頭巾の女の人に何か吹き込まれていたことを心配していた そんなことは行橋が知る由もなく、戌子はハイライトの消えた湿度の高い眼差しを彼に向けて、上気した面持ちで告げる となりお姉さんと喧嘩しちゃったの?私でよければ、ずっと傍にいるからね …あのね、修お兄さん。二人っきりのときは、「おさむくん」って呼んでも、いいですか? ●高踏大伍 芋学名物・PVP流鏑馬部のエース かつての問題児達である2、3年生が卒業したことに伴って部活間のパワーバランスは大きく変化 PVP流鏑馬部もその影響を受け、何故か芋毛学園運動系部活動の花形として扱われるようになった これにより他の部活からもカースト部活バトルを挑まれる機会が増大したが、全て打倒するつもりでいる 直近では超能力ボクシング部の拳戸乱華に電撃的強襲を仕掛けられるが 二段跳躍からのスタイリッシュ弓術が決め手となり部活カースト防衛に成功した プライベートでは相変わらず彼女の多頭飼いを続けており、たまに好感度管理と病み管理に派手に失敗して 特濃の修羅場を迎えたり、なんなら刺されかけたりもしているが、こちらも無事に収拾させている そんな彼の悩みの種は当然ながら行橋となりの一件であり 「初のベッドインで盛大に失敗したくらいでここまで拗らせるか普通…クソッじれったいな…  こうなったら異臭院と結託してピンクなオッドスメルで学園ごと発情させるしかないのか…」 と不穏なことを呟いている。一体何があったというのだろうか ●野乃みどり 緑衣に白頭巾がよく似合う、闇部活・ノーパンしゃぶしゃ部で敏腕を振るう恐るべき魔性の女 「料理で人を笑顔にするのが好き」という彼女のスタンスは昔から変わっていないが 野乃に関わった闇バトラー達によると 「どんなゴロツキ相手であろうとも真心の籠もった食事を提供する慈母のような女性」とも 「天使のような笑顔で他人を陥れる、真正の邪悪。学園の闇の中の最もドス黒い闇」とも その評価は極端を二分している 一説では中毒性のある「野菜」を外部から仕入れ、闇部活界隈に「仕込み」を行っているとされ 雲螺旋組の新勢力、あるいは、かの悪名高き卒業生、雪=シュクラップとの繋がりが噂されている ●朝倉夕陽 闇部活・ハンドジョ部を率いる妖艶なる毒婦 犠牲者の心身を手玉に取り、甘責めで弄びながら骨の髄まで籠絡する闇体術・ハンドジョブの使い手で その姿はかつて彼女が否定した、針嚢むしろを凶悪な方向性へと進化発展させたものだった 針嚢むしろ、朝方正午。これがお前達の望んだ、ハンドジョ部の真の形だというのか 当然ながら生徒会・風紀の双方がこうした闇部活を許す筈もなく、両者はこれまでにも死闘を繰り広げてきた だが朝倉はほくそ笑む。秩序気取りとはいえ所詮は童貞に生娘の寄せ集め。鳴かぬなら啼かせてしまえ かつて苦しめられた隣野ハンドジョ部の手口を用いて、朝倉は学園全体を巻き込んだ搦手を仕掛けんとする 安心してね。もう「仕込み」は済んでるから ●壁尻部 闇部活の最重要摘発対象としてマークされていたが、強靭な生命力と悪運で生き延びた 新体制の生徒会・各委員会の練度がこれまで以上に高まっている事態に、壁尻の志士達は危機感を抱いており 今こそ我らのケッ束が試される時だ、と他の闇部活に対して前代未聞の共闘を呼び掛けた なお、本来の部活名称は「壁尻幕府部」だったが、こちらも先代2、3年生卒業によるバランス変化の影響を受け 部内は次世代へのケツ意とケッ束に満ち溢れる壁尻維新派が台頭した末に、旧中枢部分は既に倒幕されていた 面白き、こともなき芋学を、面白く――壁尻の新たなる夜明けぜよ! ●犬養戌子 とてもカッコよくて、優しかったお姉さんたち――みんな卒業して、遠くに行ってしまった どこか心にぽっかりと穴が開いたような感覚をずっと抱えたまま、戌子もまた進級後の終わらない日常を送っていた そんなさなか、彼女はふと気づく。いつからだろう、どこか憧れて目で追っていた行橋修の隣を、一人の女の人が占めるようになったのは 知ってる。あの女の人が、となりという名前の、綺麗な人だということを。胸の内にほろ苦い感覚が広がるのを自覚したとき ようやく戌子は修に淡い想いを抱いていたのだと理解する。嫌だった。修お兄さんまで、もう手の届かない、遠くに行ってしまうことに そんな戌子に声を掛けてきた女の人がいた。緑の和装に白い頭巾で、░░░░░という名前の、優しい人だった 心の隙間を満たしてくれる、そんな人だった。私は、気づいたら、全部話していた。片想いの年上の男の人には、もう恋人がいることも含めて、全部 ░░░さんは恋には正解がないと言って、優しく囁いてくれた。欲しいものを手に入れたいなら、もっと自分に素直になればいいですよ そうして░░░さんは小さな瓶に入った、鮮やかな黄緑色のジュースを飲ませてくれた。欲しいものは、先に取ってしまえばいいんですよ。そう言って 私は修お兄さんに出会った。なるべく自然に見えるように。修お兄さんはとなりさんと喧嘩したのか、落ち込んでるみたいだった だから私はお兄さんに優しくした。私の方を向いてくれるように。私だけを見てくれるように。私だけに溺れてくれるように おさむくんは戸惑ってたみたいだけど、ジュースのおかげか、私はおさむくんのために、とても大胆になれた。普段の自分と違うみたいで、楽しかった ░░░さんは、急に距離を詰めると相手がビックリするから、ゆっくり近づいていくといいですよ。そう言って、もっとジュースをくれた そうしてる内に、私はおさむくんのことしか考えられなくなって。――いつの間にか、独りで居ることが増えた。でも、それで良かった 私は薄暗い路地のなかに立っていた。お日様が差す方向に背を向けて、両手に持った沢山のジュースを見ながら、考える ジュースのおかげで大胆になれたのなら、今あるジュースを全部飲み干せば、おさむくんを私だけのものにできるかな 「おい、戌子。何してんだよ、そんなとこで」 急に後ろから声を掛けられて、弾かれたように振り向いた。――そこに立ってたのは、ゆいあお姉さんだった 「お前のお友達が、みんな戌子の心配しててさ。こっちにも連絡が来たんだ」 どうして?卒業して、遠くに行ったんじゃなかったの?ゆいあお姉さんは昔と変わらず、言葉遣いが少し乱暴で、でも昔より少しだけ、優しい気がした 「見ない内に大きくなったな、戌子。こんなとこ立ってないで、こっちに来な。帰ろう」 私は、気がつくと、持っていた物を全部落として、お姉さんの胸に飛び込んでいた。ずっと、泣きじゃくった。止められなかった お姉さんに全部話した。お姉さんたちが卒業して、ずっと寂しかったこと。はじめての失恋を経験したこと。ジュースのこと。自分の心に穴が空いたままなこと 「辛かったよな。誰にも話さなかったんだろ?人生ってそんなんばっかだよ。勝ちたい相手に手が届かないとか、手が届きそうなものが遠くに行っちまったとか  でもさ、そういうのに折り合いつけながら、受け入れて、乗り越えていくことって、とっても大事なことなんだ。それが『大人になる』ってことだって、私は思ってる  戌子も、苦しいことを乗り越えていく大切な時期のなかにいるんだ。そういうときに、こんなクスリに頼っちゃ駄目。これは自分を見失わせて、迷わせるような代物だから」 ごめんなさい。ゆいあお姉さんの言葉を聞きながら、ずっと、それだけしか言えなかった。そんな私を、お姉さんはぎゅっと抱きしめてくれた 「お前が悪いんじゃねえよ。ただ、心の隙を狙ってやって来た悪い奴が居ただけだ。それに、戌子には卯喜子や馬登流がついてるでしょ?  辛いとき、苦しいときに、隣にいてくれるのが本当の友達だよ。二人のこと、大事にしなよ?さ、行こう。やりたいこと、いっぱいあるだろ?」 私は、ゆいあお姉さんと手を繋ぎながら、友達のことを思い出した。うきこちゃんと、ばとるちゃん 私は二人から離れてずっと独りでいたのに、私のこと、心配してたんだ。ずっと お礼を言いたかった。そして謝りたかった。心配させて、ごめんねって ●子宮結愛 芋学を出て大学へ進んだ後も、どこか後ろ髪を引かれるような感覚が、確かにあった かつて、生徒会と風紀委員会の定例会議で話題に上がった、学園の闇の奥底に潜む「何か」について 物証も、状況証拠もなく、ただ個々人の違和感として存在する、学園の陰を蠢く悪意の息遣いのようなモノの話だ 危機感として訴える複写写の言葉に、子宮は呆れた。実在が不確定なレベルで曖昧な脅威に、そんなにビビってどうする。その前にやること沢山あんだろ、と 氷華も言語化できない脅威への懸念について言い及ぶことは何度かあった。しかし推測に推測を架すような話を後輩に引き継げる訳もなく、その話はそれで終わった そしてよりによって卒業後に、子宮はそうした自分の判断を酷く後悔した。御厨やきくり経由で回ってきたガキ共からのSOSに、気づけば芋学へ向かっていた 路地裏を彷徨っていた戌子を連れ出し、芋学校舎へと引き返すなか、これまでに入ってきた断片的な情報を繋ぎ合わせていく これは勘でしかないが、戌子に接触したのはノーパンしゃぶしゃ部の野乃みどりではない そして、庇い立てする気は一切ないが、ノーパンしゃぶしゃ部やハンドジョ部も、闇に潜伏していたモノに利用されている可能性がある 戌子だって馬鹿ではない。むしろ同い年のなかでは遥かに聡明だ。普段なら絶対にこんな怪しい手には掛からなかっただろう だから奴らは心の隙を付け狙った。精神操作系の能力と薬物の陰湿な合せ技で心を弄びながら、衰弱するのを待った。都合の良い、完全な傀儡に仕立て上げるために 御厨に戌子の除染を依頼してあるが、最早敵が動き出している以上、対処療法ではじきに追いつかなくなる これはケジメだ。自分たちの代で決着を付けることができなかった問題に切り込む必要がある。整理しきっていない頭のままだが、やるしかない 子宮は抜守会長に言葉を尽くして最後の「引き継ぎ」を行うことにした。それは、未だ言語化すら覚束ない、学園の闇に潜む「何か」――「深淵」に関する内容だった なおこの後、拗ねに拗ねた雲居卯喜子から、今までご無沙汰だった分しっかり構えとばかりにまとわりつかれるが、その顛末については差し当たって割愛する ●ボブ・ドラゴン 「フロリダの蒼い太陽事件」の真相がようやく解明され、真犯人が確保されたのか はたまた監獄学園と芋毛学園の間で何らかの密約が交わされたのか、経緯は明らかではないが 彼は技術科の教員として芋学へ赴任することになった。周囲の思惑はともかく、本人はそれなりに意欲的である 珍毛燃男とは教師と生徒という関係になったが、彼を「ミスター」と呼び、敬意をもって接するのは昔と変わらない 流暢な話し言葉で難解な知識を平易に解説し、合間に小粋なアメリカンジョークを挟む彼の授業スタイルは 一般的な善良生徒のみならず、普段は授業をサボるような不良生徒や闇バトラーからも好評を博している 曰く、「ボブの授業は(能力抑制デバイスの脱獄方法や警備ロボの欺き方まで)役に立つし面白い」のだとか そんな彼は知識や技術の教授以前に、人として最も大切な事として「仲間は大事にすること」を説く 奇しくもこれは、燃男がプリ学に収監された際に彼が説明したルールと同じものであった ●平天寺スダマ 今なお芋学のスクールカウンセラーを続けている 逃げ時を完全に見失ったとも言うが、本人は本人なりに芋学でカウンセラーを続ける覚悟を固めたようだ 最近はお目々からハイライトの消えた間家院となりに深刻そうな相談を持ちかけられ、あまりの様相にかなり警戒したが その内容は恋人同士の秘め事に関するお悩みだったため、さしもの平天寺も普段より優しい気持ちになった そしてその日の放課後は芋学屋上で、瓶入りコーヒー牛乳を片手に空を眺めながら「リア充が…」と零したという まったく、リア充がさ…。まだ高校生のクセに、いっちょまえに男女の仲で、悩んだりしちゃってさ 平天寺が見上げた空はどこまでも青く、そしてどこまでも遠かった ●能力はかせ 変わらず学園の裏に居直り続けている。彼が本筋に深く関与することはないと思われたが 2年後の時点よりも過去の出来事として、能力はかせが抜守抜子の祖父、抜山のもとを訪れ 「今日は敵としてではなく、友として来た」 「何か言い残しておくことはあるか」 と尋ねるエピソードが公開された 「託すことは何もない」 「すべてあの世へ持っていく」 そう応じた抜山の姿に、はかせは二度と戻ることのない過去を見る 「さらばだ、終生の友よ」 「達者でな」 二人はそう言葉を交わし、はかせは老翁に背を向け場を後にした… ただそれだけの挿話だが、未だ語られざる事件が在ることを示すには十分な内容だった ●天罪堕落 この性癖がいやらしく捻くれた厄介極まる危険人物は、まだ学園に存在するのだ 天罪を危険視した抜守会長の判断により、彼は再び地下の牢獄へと封印されることになったが かの悪名高き先々代科学部部長、雪=シュクラップの「遺産」を用いて任意のタイミングで牢獄を抜け出し 自由気ままな冒涜的スクールライフを謳歌しており、存在そのものが事実上のアンタッチャブル案件と化している しかし学園を護る意志は本物のようで、芽吹きたての新一年生の前に時折出現しては、忠告を発することがあり 時には能力バトルの形式で稽古を付けたり、状況によっては共闘を張ることも辞さない。一体何を考えているのか 名が体を表すように、下着はその者の人となりを示す。抜守抜子は以前以上に可憐な乙女へ変貌を遂げたようだが ぬっ…おっほ!…フフ、これは失敬。俺の見立てが正しければ、重篤な性的欲求不満を抱えていると見えるな…