三匹の赤い蛞蝓が絡む――もうほどけなくなるのではと思えるほどに、どろどろと。 僕の頬も、師匠の頬も、先生の頬も、三人分の唾液でべちゃべちゃになっている。 顔を離すと、ぽた、ぽた、と唾液と汗の混ざったものが糸を引きながら垂れていき、 鎖骨の上で弾け――臭いを鼻へ返してくる。それにまた、僕たちは興奮を強めていく。 そこに言葉などは必要ないのだった。僕たちは輪になるように手と手をつなぎ合い、 指と指を重ね合う。ぎゅうっと、お互いを離さないように、強く。 僕だけが立って、二人は膝立ちになって高さを揃えたそんな状態で、ひたすら、唇を重ねる。 ちらちらと見える、彼女たちの赤く染まった頬は――とても美しい。 長い長い口づけが終わると――二人はじっと、僕を見上げる。 左右のどちらを向けばいいのか迷っているうちに、二人は視線を下に降ろし―― ぴん、とそり立った僕のものをまじまじ見ながら、両腿を抱くように身体をくっつける。 そして僕が何をかを言う前に、二人はその大きな胸で――左右から、下半身を丸ごと挟む。 膝頭と膝裏を柔らかに包まれ――ぎゅむ、ぎゅむ、と圧を掛け、離し、また包む。 その先端の、少しだけ硬い部位が僕の脚のあちこちを掻いていく。 汗とは違った湿り気が僕の脚を濡らす――でもそれに構っている暇はない。 二人はゆっくりと胸を当てる位置を僕の正面、固くなってしまっているところで合流させて、 脂肪の海の中に、あっさりとそれを呑み込んでしまう――全体が見えなくなって、 上下左右前後、あらゆる角度から、柔らかく、重たい力が掛かってくる。 先生はどこか楽しそうに、僕が射精を我慢している間抜けな顔を眺めて、 師匠は優しく、僕のお尻のあたりを撫でつつ――もう少し我慢しろ、と言う。 二人分の胸にすっかり揉みくちゃにされているだけでも刺激が強すぎるのに、 さらに二人とも、上からつうっと唾液を垂らして――さらに滑りと粘り気を足してくる。 ねちゃり、ねちゃり、たぱん、たぱん、と艶めかしい音が僕の理性を削り取ってくる―― はっ、と気付くと、僕の下半身は意識に反してぶるぶると震えながら脈打ち、 二人のおっぱいの間で情けなく精子を垂れ流しているのだった。 師匠と先生は仲良くにいっと笑いながらそれぞれの胸を両手で持ち上げつつ、 谷間に吐き出された僕のものがよく見えるよう、乳房を横にぐいっと開いてくれる。 それを見ていると、今射精が止まったばかりの僕のものが、またすぐに固くなり始める―― お嫁さんたちを放っておいて一人だけ気持ちよくさせられている僕を、二人は言葉で責める。 夫としての自覚が足りない、守ると言ったのは口だけか――もちろんこれらは、 僕が単に、彼女らを妻にしたから、というだけの理由にとどまらず、 二人の胸の突端――僕の腿をべちゃべちゃにした母乳の滲んでいる黒くなった乳首、 乳房を押し上げて左右に垂れさせている、大きなお腹のせいでもある。 文面こそきついが、そこには二人の尽きせぬ愛情が感じられる――というのは驕りだろうか? 二人して膨らんだお腹をすりすりと撫でながらそんなことを言ってきたって、 本気で責められている、と感じる人はいないだろう。ましてこぼれるような笑顔付きでは。 僕は二人のお腹に自分の手を重ねて――その固さと張りとを確かめながら、 その中にいる、僕と師匠の、僕と先生との赤ちゃんとのことを想う。 きっと子供の頃のアステーリャに似た、おとなしくてかわいい子供になるだろう。 きっと子供の頃のリゼットに似た、寂しがり屋だけど努力家の子供になるだろう。 なのに僕は、その子たちの父親として失格だと思った――お腹に触れているうちに、 いよいよ僕のものは、射精寸前なぐらいにびくびく震えているような有り様だったから。 だって仕方がない、こんな美人二人が僕の赤ちゃんをお腹に宿した状態で、 大きく重たいおっぱいをたらんと横に垂らし、そこに作られた出っ張りの逆三角形を、 精液と、母乳との混ざり合ったものでてらてらと光らせているのだ。 男なら、この光景に独占欲が満たされるのは当然のことではないだろうか? 僕の悪いおちんちんを、二人は指先で軽くつまむ――それだけで出てしまいそうだったが、 僕はその先、彼女たちがしてくれることを想像して、軽く鼻血を噴いた。 二人は臨月に達した大きなお腹をぺたりとくっつけ――ほんの少しだけ隙間を作り、 その隙間に、指で摘んだままの僕をいざなう――そして、挟む。 先程の柔らかな圧迫とは違う、生命の存在感を感じさせる硬さと、重さ。 皮を隔てた先に、僕の子供たちがいるんだ――と思うと、いけないことなのに、 僕の興奮はさらに増す。そして、お腹の内側から、とん、とん、と響く振動は、 まるで僕に挨拶でもしてるんじゃないか、とも感じられるのだった。 僕のそんな考えを――二人はまるで読んでいるかのように口にする。 赤ちゃんがいるお腹に擦り付けるのが大好きな、悪い父親―― そんな父親に、もう挨拶してくる元気な赤ん坊。それを甘ったるい声で左右から囁かれ、 その間もずっと、お腹でずり、ずり、と六方を囲まれながら擦られている。 ぷっくりと飛び出た二人のお臍が、僕のものをこりこりと擦るのには流石に耐えられず、 僕はあっさりと、二人のお腹の間に、勢いよく精を放ってしまう。 こんなに出しても、この子がいるから“まだ”無理だぞ――と師匠がにたつきながら言う。 このままじゃ、何人産まされることになるかしらね――と、先生がお腹を撫でつつ言う。 お嫁さんたちにそんなことを言われっぱなしでは、僕の立場がない。 二人を両手で、とん、と寝床の方に突き倒す――といっても、細心の注意を払って、優しく。 何が悪い父親だ、二人だって悪い母親じゃないか――と、既にとろとろになった二人の股間、 僕のおちんちんを触っているだけで我慢しきれなくなったそこを、じっと見つめる。 妊娠以来、少し色の濃くなった外側と、変わらず肉色に紅い内側、 処理できなくてふさふさと生えた陰毛が――僕をさらに興奮させた。 先生のお腹をすりすりと撫で回し――お臍を指で掻いてあげると、 彼女の喉からは、さっきの僕よりも情けなく、我慢の効かない甘えた声が出る。 そして、へこへことかくつく腰を捕まえてぐっと挿し込もうものなら、 隣に師匠がいるのに、僕に口づけをねだり――好き、好き、と何度も繰り返す。 僕はそれに応えてあげるようにねっちゃりと腰を浮かせて回し入れ、 赤ちゃんのせいで狭くなった彼女の中を丁寧に丁寧に掃いてあげる。 大きなお腹が間に挟まるせいで、腰を動かしながらの口付けは少し難しくなったものの、 先生は初めての日からずっと、こういう体勢を取られるのが好きみたいだった。 そして今では僕は、口付けの合間合間に、彼女の色濃くなった乳首に吸い付いて、 じゅるじゅると音を立てながら啜る――たまに、がりっとかじりついたりもする。 赤ちゃんのものだとはわかっていても、今は僕だけのもの。誰にも渡さない。 そうやっておっぱいを虐められると、先生はもう、好き、という言葉すら言えなくなって、 口に指を咥えて、勝手に喉の奥から出てくる――格好悪いほど蕩けた声に耐えようとする。 でも、僕は彼女のそんなささやかな努力を、腰の動きと唇の動きで、すっかりだめにしてやる。 射精後の余韻に浸りながら、先生のほっぺたにちゅっ、ちゅっ、と口付けると、 リゼットは、凄く満ち足りた顔で――にこにこ、と微笑むのだった。 師匠もまた、大きなお腹をしているくせに、僕に思いっきりされるのが大好きだ。 両手を突かせて、お尻だけ向けさせると――師匠は少しだけ、不安そうな顔になる。 僕の顔が見えない、ほんの少しの間が我慢できなくなるぐらいに甘えん坊になっているのだ。 大丈夫だよ、と頬を撫でたあとに唇を重ね――髪の毛を指で梳いてあげた後に、 僕は勢いよく、彼女の一番奥めがけて突き入れる。師匠の喉から、声が絞り出される―― 後ろから見ると、大きくなって垂れた乳房が胴体からはみ出すほど左右に広がっている。 そして、突き上げた衝撃でお腹が持ち上げられ、それにさらに持ち上げられて胸が押され、 だぷん、だぷんと揺れるのだ――先端から母乳をぼとぼと垂れ流しながら。 初めは、腰ごとお尻を掴んで、がつんがつんと突く。こっちも奥までが浅くなっているせいで、 この角度からでは、すぐに突き当たってしまう――そしてすぐに入り口に戻るから、 必然的に、一往復の速度も頻度も上がって――師匠の声が、段々と上ずっていく。 肘の間に師匠の頭は隠れてしまっているが、耳まで真っ赤でまったく余裕なんてないだろう。 そうして僕は、腰の速度を落とす代わりに、師匠の胸を後ろからがっしりと鷲掴みにして、 根本から、ぎゅうっと――中の母乳を思いっきり搾り出してあげる。 びちゃびちゃ、と布に重たい音が跳ねる。師匠はまるで牛みたいに低い声になって喘ぐ。 これだけ出せるなら、僕とアステーリャの赤ちゃんがお腹を空かせることはないだろう。 そんな風なことを後ろから言ってあげると、師匠の中は、よりひくひくと激しく動き、 僕のものにしゃぶりつく――全てを搾り取ろうとするかのように。 二人のお腹の中と外に、僕の精を思いっきり塗りたくった後は、 三人で川の字になって、顔の上に差し出された二人の乳首を左右交互にちゅうちゅうと吸う。 自分でも、まるで赤ん坊みたいだ――と思うのだが、喉の奥を降りていく甘い味は、 師匠と先生とでそれぞれ違って、僕を飽きさせてくれない。 二人はさらに、お腹を僕の身体に擦って――こんなに大きくなったのはお前のせいだ、 一生かけて責任を取ってもらうぞ、と言うのだった。望むところ、だ。 もっとも、こうなったからといって二人が魔術の修行で手を抜いてくれるわけではないけれど。 身重の二人を家に残して、僕は一人で紙芝居の道具を持って、街に出る。 僕よりほんの少し幼い子供達の前で、咳払いをして紙をめくっていく―― そして三人は末永く幸せにくらしましたとさ。めでたしめでたし。