私がハードケースを持っていないことを確認して、純田さんは先程と同じ笑みを浮かべて話しかけてきました。
隠すことでもないので、私はコクリと頷いて返します。
「ええ。メンバーのスケジュール管理をしていますので、その調整に」
特にバンド外での仕事も多い若葉さんや三角さんのスケジュールはキチンとすり合わせておかなければ。
ダブルブッキングなど、この仕事を任された以上決して起こしてはいけませんから。
元々バンドの掛け持ちが多くリスケも珍しくなかった私にとって、この仕事は性に合っているので正直なところ苦ではありません。
「え！？　海鈴ちゃんがスケジュール管理をやってるのっ？」
なので、純田さんのこの反応は少々意外でした。
「はい。結成当初からそこは変わらず」
「そうだったんだ〜…」
ほお〜と感心したように頷いた純田さんは、先ほどとは違った笑みを浮かべました。
その笑顔は…私がサポートで入った際、一曲弾いてみせた時のバンドメンバーが見せるような笑顔で。
なにか引っかかる気分で、私は片眉を上げて純田さんを見ます。

「なんでしょうか？」
「ううん、すごいな〜って、まな感心しちゃって！」　
「感心、ですか」
「うん。スケジュールを任されるなんて、海鈴ちゃんはメンバーから信頼されてるんだね」
「！」
脳に電流が走ったような衝撃でした。固まって、言葉に詰まってしまいました。
エレベーターが目指していた階に着いて、扉が開きます。
降りようとする純田さんに、私は慌てて声をかけました。
「純田さん」
「は、はい」
「これからも…仲良くしましょう」
「あ、うん、そうだね！」
私もエレベーターを降りて、先を行く純田さんの後を着いていきます。
そこから先は各々、別の方向へ。
たったこの程度の距離が今は、名残惜しく感じました。

🐼
「三角さん、純田さんはとてもいい人ですね」
「え？」
「先程立ち話をしまして。とても気さくで信頼できる方でした」
キラキラした顔の海鈴ちゃんがうんうんと頷く。
まなちゃん、どうしちゃったんだろう…

──海鈴、浮気？

>まなちゃん、どうしちゃったんだろう…
なにが言いたいんだよ…

うみまなは…意外と良いかも？

sumiumiでいきましょう

なんで海鈴がマネージャーみたいなことしてるんだろう…

裏方の仕事ならおまかせ下さい

🐶ﾏﾅﾁｬﾝ…？ﾏﾅﾁｬﾝ…？

fu5742901.jpg
うみまなは公式ですが

野良猫…？🤯

はつらななんだもん💛