はい、アマテ・ユズリハは告白します。これは神に罪を告白する告解（こっかい）に近いものかもしれない。神様なんて信じていないけど。
　わたし、ことアマテ・ユズリハはシュウジ・イトウと「恋人」として文字通り恋愛関係にあります。身体も繋がりあっていますし、心も繋がりあっています。そしてシュウジがイメージする翠に光る「キラキラ」の中で毎日のように泳ぎ回っています。これ以上幸せな事はありません。
　そんなシュウジとわたしがいます。イズマコロニーは今、キラメキまくっています、
「それなりって？」
「『デート』くらい連れてけって事！」
　シュウジと二人、隠れ家のランチで過ごす。それはとても幸せだった。きっと俗に言う「お家デート」だった。ニャアンもたまに来てくれるし何より二人、三人で過ごすのは楽しかった。ハラペコムシのお世話をするだけで多幸感に満ちあふれている。まさに飯事（ままごと）だ。
　それだけじゃフェアじゃないじゃん！ずっとシュウジの面倒みているわたしの気持ちにもなってもらえます？たまにはわたしを繕うとする姿勢がほしいなぁ…って思ったりするだからわたしのお世話もして欲しいわけ！

って考えている事も全部シュウジにお見通しなんだろうなぁ…お見通しだった。
　シュウジはわたしをギュっと抱きしめた。シュウジの匂いが胸いっぱいに広がって気持ちがいい。抱き合って、ああこのまま恥ずかしい事しちゃうんだろうなって思った。いつものようにキラキラの中を泳ぎながら果てる。そうやってシュウジの肉体に誤魔化されちゃうだ…と諦めかけたその時
「いいよマチュ、おでかけしよう。「でーと」はきっと楽しいものだから」
　シュウジの優しい一言が溢れ出した。
「そッ！そうだよッ！たのしいよ「おデート」！おでかけは楽しいんだよ」
「じゃあお風呂入ってから行こうか！」
　そうだね…そうだね！お風呂入ってからいこうね…シュウジの言う通り一緒にお風呂に入ってから出かけた。

―――今日はバッチリメイクして来た訳じゃないから許した。これがマジでおデート気分でガチメイクしていたらかなりアタマは怒髪天だったと思う。お風呂入ったらメイク全部落ちちゃうじゃん！
　シュウジとお風呂。気持ちよかった。そうとだけ伝える。シュウジのおちんちんを洗うのはわたしの役目だ、シュウジは、おちんちん洗うのをサボる傾向がある。ちょっと臭い。だけど嫌いな匂いじゃない。むしろ好きだ。けどカスみたいなのがついてるとさすがに萎える。シュウジのおちんちん洗う係はわたしなのだ！
　まぁわたしもいつもの制服だしシュウジもいつものツナギ姿だった。気合いの入ったデート日和（ひより）ではなかった事をここに告白する。
「おでかけ」、そうお出かけしたかっただけなのだ。
「でかけよっか！」シュウジいつものつなぎ姿
「アンタそれしか着るものないの！？」さすがにオメカシして欲しかった
「そうだね、コレ以外だと寝巻きになっちゃうね」とシュウジ
　シュウジ・イトウ。推定17歳。ツナギ一丁で生きている男だった。

「今度なんか服でも買いに行こうよ、クラバの稼ぎもあるし」
「あれは地球旅行の資金―――」
「シュウジの服代としてちょっと使う分にはニャアンだって許してくれるよ。今日は服は買わないけどおでかけ！おでかけ！」
「おでかけもいいね…スプレー持っていっていい？」
シュウジ塗料スプレーと大きな手袋を用意する。
「ダメにきまってんじゃん！わたしとのおでかけに集中してよ！わたしよりグラフティの方が大事な人なの？」
　ちょっと怒った、別れたいのって聞こうとおもったけど。わたしは別れたくないし。
　なによりシュウジはわたしが好きで。わたしはシュウジの事が好きなのはわかっていたから。そんな事冗談でも切り出せる訳がなかった。
「コンチ、ハロ、留守番おねがいね」と言うと二つの箱と玉は電子音で答えてくれる。
「わかったよ、まぁいつもの感じでいいかな？」
「いつもの感じ？」
「ボクのお散歩ルートだよ。マチュはどんな所行きたいの？」
「うーん…映画って気分じゃないけど…おでかけだから映画もいいし街中を歩くのもいいし」

「ボクが『おたずねもの』だって事を配慮して考えて欲しいな」
　シュウジの目はマジであった。シュウジというか「赤いガンダム」は懸賞金がかけられている文字通りお尋ね者であった。シュウジの顔は捜査機関に割れていないらしいが。あまり表通りを歩けるような少年ではないらしい。虞犯少年？いやスペースコロニーにラクガキってもう犯罪か！犯罪少年じゃん！
　…犯罪少年と付き合っているなんて学校にバレたらどうなるのかな？まぁそんな事どうでもいいや！ニャアンもなんか軍警に追われているけどフツーに友達だし！
　わたし、前科とか気にしない感じで生きていこうと思う！

―――シュウジと二人。お金が溜まったら、たとえ闇ルートであってもニャアンの市民権だけは買おうと約束していた。
　ニャアンの笑顔だけは護りたいと二人、誓い合った。市民権を買うにはアンキーが仲介に入るらしい。どれだけ中抜きされるのか、それだけが怖い。

　とにかくシュウジに合わせて街を歩く事にした。普段使われていない氾濫防止用の下水管から外へ出る。コロニーが反射する太陽光が眩しい。
　まだ午前10時前だった。お母さんには家じゃ集中できないから塾の自主室で勉強するとだけ伝えて朝からお出かけした。お母さんは休日出勤で家にはいなかったし、バッグには参考書も教科書も入っていなかった。とんだ非行少女だが許して欲しいなぁ。
―――いままでいい子に育ってきたんだから、ちょっとした火遊びくらい、許してよ。
　もちろん、シュウジとの付き合いは火遊びなんかじゃない。マジで考えてる。…シュウジと結婚するのわたし！？マジで！？子どもとか作っちゃうの！？というかこの男、人を養う事なんてできるのだろうか？やっぱわたしが働くのかなぁ。やっぱ大学、出とかないとヤバイい感じか！ニャアンもなんか「じおんのだいがく」に行きたいって言ってたなぁ…ジオンがあるサイド3ってなんて物騒な気がするけど？大丈夫かなぁニャアン。

「電車賃ちょうだい」とシュウジ、今日のおでかけの為に、お小遣いとして500ハイト（6万円相当）用意してきた。
　内訳はこうだ。わたしの小遣いが100ハイトに、クラバの稼ぎからの借りが400ハイト。「ニャアン、次のクラバで絶対400ハイト返すからちょっと貸して！」という泣きの400ハイトであった。
「いいけど…普段メトロ使わないの？」と10ハイト(1200円相当）コインを渡す。
「この10ハイトの為に難民街の追い剥ぎは共は人を殺すと」ニャアンから聞いた。結構貴重だ。
「メトロ使ったら街のラクガキが見れなよマチュ、僕は普段歩くけど、マチュがきっと疲れちゃうよ」
　シュウジの優しさが見えた瞬間であった。わたしを気遣ってくれているだけでかなり嬉しい。
「普段どこまで歩くの？」と聞いてみた
「難民街手前、リトルチャイナ（中国人街）までかな。コロニーの端から端まであるく形だね」とシュウジ

―――直径6.4kmのスペースコロニーは、113.5秒に1回回転し、1Gの遠心力を生み出している。
　いつもの口上だが、これは直径の話である。円周はまた違うのである。しかも全長はもっと長いのである、みんな小学校の時に習った円柱の体積の求め方を思い出して！
ちなみにイズマココロニーの長さは20kmくらいあります。
　狭いようで広いのがこのコロニーだ、端から端まで歩くってなるとハーフマラソンくらいになる。
　女の子の脚で歩くのはちょっとシンドい。というかリトルチャイナにまで着く頃には夕方か夜になっているだろう。
　メトロで行くのが正解だった。シュウジの隠れ家の最寄り駅「エアドッグ前」からメトロに乗る。エアドッグ前は閑散としていてメトロに客は誰もいなかった。

　シュウジと仲良く、ベンチシートに座る。ガランドウの車体が動く度に軋む。
「メトロに乗って正体バレないのシュウジ？」と聞いてみる。
「まぁ顔は割れてないからね、マチュを疲れさせるくらいならメトロにのって捕まった方がマシさ。だってキミにとっての大事な「おでかけ」なんでしょ」とシュウジ
　大事だったけど、シュウジが捕まるのは大変だ！元の子もない。
　シュウジがわたしの手を握った。うれしい！だけど、シュウジの手は震えていた。
「ちょっとこわいかな」と漏らす。
「大丈夫、大丈夫だよシュウジ」
　わたしはシュウジの頭を撫でた。少し、恥ずかしそうだけど。ニッコリと笑うシュウジの顔があった、そして、膝枕でその頭包んであげた。講習の面前で膝枕。全然恥ずかしくなかった。
　大胆な行動だったけど、メトロには誰も乗ってないから誰かに見られてる感じはしなかった。
一駅、3分間だけの神聖な瞬間であった。

「次はエアポート前、エアポート前」というアナウンスと同時に膝枕は終了！
　エアポートは他のコロニーとの玄関口だ、絶対人が入ってくる！当然キャリーを持ったお客さんがいっぱい入ってきた。
　二人、顔を赤らめながらモジモジして、リトルチャイナ最寄り駅の「リイクニ西12丁目」前まで乗った。あのいつも平然としているシュウジの顔が赤くなっていたのを、今でも鮮明に覚えている。
　このメトロでの出来事はきっと。おかあさんになっても。おばあちゃんになっても。鮮明に覚えているだろう。
　シュウジのおよめさんになっても、なれなくても、絶対に覚えている！わたしの脳というノートにキッチリ刻まれてしまった。刻印のような記憶である。

　メトロは移動手段にすぎない！本番の「おでかけ」なんだけど、リトルチャイナには出店がたくさん並んでいた。装飾品とかお土産屋もあったけどなにより飲食店がダントツ多かった。ほぼ飲食の店飲茶（ヤムチャ）のお店がメインだった。
　シュウジはとにかく食べまくっていた。最初は私も合わせて食べていたけど三軒目からギブアップ！乙女の胃袋を何だと思っているんだこのハラペコムシは！
　わたしはパクパクと葱餅を食べるシュウジをテイクアウトの烏龍茶を飲みながら見つめることしかできなかった。今より、もうちょっと強靭な胃袋が欲しいなって思った。
「マチュおいしいよ？葱餅食べようよ」とシュウジが食べさしを渡してくれた
「葱餅食べようよ、葱餅を食べないなんていかがなものかと」とシュウジがいうので、食べさしだけど一口頬張った。間接キスにはもう慣れてしまった間柄である。

おいしかった。お腹いっぱいじゃなかったらそのシュウジの掌サイズの葱餅を丸々ひとつ食べたい位だった。
「おいしいね」と付け足しておく。
「マチュとこうしておでかけできて、幸せだよ」とシュウジ。
「私も幸せだよ」とシュウジの手を力強く握る。何かわたしの中で光った。そして突き動かされてしまった。
　思わず立ち止まるシュウジの唇を―――。つま先をピンと立てて、精一杯背伸びする。
　そして、口づけ。葱餅の油でベタベタした唇に口づけなんてサイテー！と思いながらも、身体が動いてしまった。今ここにいる雑踏に私達が愛し合っている事を記さねばならない。そう身体が言っていた。きっとキラキラの奥底からそういうお告げがあったのだろう。
「うれしいね」とシュウジもお返しといわんばかりに舌を交える。
　ステキな瞬間だった。この一時だけ写真に切り取って。飾りたいくらいステキだった。

　コンチを隠れ家に置いて来てしまった！コンチがいたら撮影してくれたのになぁ。　
「おでかけ」に誘ってよかったな。今私とシュウジは愛の啄みで繋がっているんだ。

―――それを、再確認できた。今日はとってもステキな日。

おわり
来月11月29日に行われるシュウマチュwebオンリーに参加するよ
シュウジ×マチュさえ守れば誰でも参加できるよ
公序良俗に反していなければイラスト一枚とかちょっとした怪文書でも参加できるゆるいイベントだよ
会場でぼくと握手！
https://pictsquare.net/nbwyrhdbduyp8ljdty5eaj9zuhuxnrgn

シュウマチュだ！

閃光弾たすかる

急に力作が来た

シュウマチュいいよね…

シュウジのおちんちんについて随分と造詣が深いなマチュ

ドラマCDは多分こんな内容

シュウマチュいいよね...

シュウマチュいいよね
みんなもシュウマチュ書こうね
webオンリーではアーリーイベントとして「ワンドロ/ワンライ(出されたお題に対して1時間でどれだけ書けるか）」やってるよ
Xで「#キラマヴ ワンドロワンライ」で検索!

閃光弾久しぶりすぎる…

普段エグニャア怪文書出してるの「」ちゃん？