咄嗟にブラスターを構えるが『件の彼』は武器を取るでもなく「船体の重大な損傷を確認、交戦中のスターデストロヤーの状況…不明」と独言ると船のコンソールを叩き出した
唖然としていると急にTシリーズはこちらに向き直り「本艦は墜落した模様、ただし、艦載のドロイドは20%可動可能な状況ですコマンダー」と報告してきた
「コマンダー…？お、俺のことか？」
聞き返してその時気づいた
自分の手に死んだニモーディアンから外したシップコマンダーのバッジが握りしめられていた事を
「艦内電源を予備動力に切り替えます」
Tシリーズが手際良くコンソールを操作すると司令室に明かりが灯った
この船の動力は生きていたのだ！

助かるかもしれない…
僅かに湧いてきた希望を確かめるようにドロイドに問う
「艦載しているドロイドは20%は使用できるんだな？」
「無傷の搭載ベイが1箇所存在します、格納されているドロイドはほぼ使用可能です」
「なら今すぐ起動だ。全ドロイド戦闘準備、外の状況を教えてくれ」
Tシリーズは指示通りに格納庫のドロイドを起動すると外の様子をホロクロンで見せてくれた
長い列を組むストームトルーパーと、ウォーカーが数機…自分1人を殺すだけには過剰なほどの戦力が映し出される
「共和国の地上部隊が進行中、新兵器と思われるウォーカーの投入も確認」
「ああ…迎撃できそうか？」
「規模からして偵察部隊だと考えられます、計算では現存の戦力でも対処可能」
「よし…やろう！」

帝国の兵士達は面食らったはずだ
自分から墓場に飛び込んだ反乱分子を駆り出す簡単な任務だとタカを括っていたに違いない
まずAT-STが樹林に隠されていたAATの主砲によって撃破された
AATは既にリパルサー機能が故障し、砲塔しか動かない有様だったが、砲手に志願したドロイドは見事にウォーカーを撃ち抜いて見せた
浮き足だったストームトルーパーをB-1バトルドロイドが制圧する
地獄のような大戦に勝つ為に作られたドロイド達の勇士は、未だ衰えていない
しかし、敵は今や銀河を支配する強大な軍団
「惑星上空にハイパースペースドライブを確認」
Tシリーズの報告に目をやると、スターデストロイヤーが上空に現れ、大量のTIEを吐き出しているのが見えた
「新型のスターデストロイヤー級と推定、艦載機の情報も不明です」

「…終わったか」
覚悟を決め、ブラスターに手を伸ばす
弾はもう心許ないが、自分の頭を撃ち抜くにはまだ充分なエネルギーは残っている
「いいえコマンダー、まだ終わっていません」
「何言ってる、もう無理だ…スターデストロイヤーから逃げられる訳がない…！」
「敵は本艦の武装システムが生きている事を感知していません」
例えこのルクレハルク級の砲が生きていたとしてどうなるのか
やはり命運は尽きたように思えた
「そんなものでアレと撃ち合うってのか？シールドもないんだぞ、一瞬でスクラップにされるだけだ」
「しかしコマンダーが離脱する時間は稼げます」
そこでハッとした
このTシリーズはもう『勝つ』事について話をしていないのだ

「格納庫にはまだハイパードライブが使用可能な輸送シャトルが残っています。本艦の主砲発射によりスターデストロイヤーの標的を本艦に釘付けにし、その隙に離脱すれば83%の確率で脱出が可能です」
「しかし…そんな事をすれば…」
この残骸にはもうシールドはない
スターデストロイヤーの集中砲火を浴びればひとたまりもない事は自分にもわかった
「本機の任務は本艦の有機的クルーの安全確保も含まれています」
「お前は…」
「起動から今まで、部隊を率いて戦うという存在意義を果たせずにいました。今やっと本懐が果たせますコマンダー」

格納庫のシーシピド級輸送船は埃かぶってはいたものの、Tシリーズの言った通りまだ飛ぶ事ができそうだった
「こっちはいつでもいい！やってくれ！」
『了解コマンダー』
Tシリーズの無線が響くと、鈍い音を立てながらルクレハルクの亡骸が主砲を轟音と共に放った
同時にスロットルを思い切り吹かして発艦する
不意をつかれたスターデストロイヤーが火を吹いているのが見える
「はは…！アイツやりやがった！」
だが安堵しては居られない
こちらに向かってくるTIEが居た
発艦を見られたのだ

「クソ…！こんなところで…ッ」
警告音がけたたましく鳴る
ロックオンされた…！足の遅いこの船ではもう逃げられない…
「あと…もう少しだったのに…」
やがてくる爆発に目を閉じる
…がその時はやってこない
背後を見ると追手のTIEが爆散するのが見えた
そのすぐ後にヴァルチャードロイドがフライパスしていく
Tシリーズが護衛をつけてくれていたのだ
もう進路を阻むものはない
船がハイパースペースへと飛び込むその刹那、反撃に転じたスターデストロイヤーのターボレーザーを受け爆砕するルクレハルクが見えた

青と白の光がすり抜ける空間の中で、俺は自分を救ってくれたTシリーズとドロイド達に、いつまでも敬礼を続けた

私バトルドロイド好き！ってお話

あいつ

普通にアニメの短編に出来そうな話だ…

ああ墜落したまま放棄されてたら処分もされないよな…
束の間の共闘いいよね…

スターウォーズSSとは珍しい

そうか…コイツらからすれば今もクローン戦争なのか…

描写されてないけど侵入してきたトルーパー部隊を片腕もげたドロイデカが押し留めて相打ちで破壊されたりTIEボマー編隊を食い止める為に出撃したヴァルチャードロイド部隊の最後の防空戦とか色々あったに違いない

旧式兵器群が最後の意地を見せるのいいよね…

長い間役割を果たせなかったし負けてることを知ってる血の流れない兵士いい…

文章なのに場面が見えるようだ…
あった気がしてくるわこういう話

スターｧウォーズ　クロｫーンウォーズ(CV若本)
(テーマ曲)
「かつての敵を友とする者に未来は開かれる」

設定上さ…ヴァルチャードロイドも電池で飛んでるから死出の出撃なんだよな…

俺やっぱりスターウォーズのこういう所好きだわ…

B-1達も張り切って最後の戦いに赴いたに違いない
ちょっと切ない

広い銀河にはこんな物語もきっとあったはず

なんでこんな掃き溜めにこんな話を…？

頭クローン戦争時代のコマンダードロイドと仲良くする話は何かで見たはず…

めちゃくちゃ良いテキストじゃねえか！
心に響いたよ…ありがとう

情景が見えるようだ
良い文を書くな「」

憂鬱な平日を前にした日曜の夜にいいものが見れた

突然投下されるスターウォーズのいい話に感動と困惑が同時にやってくる

主人公はバッジをその後御守りとして持ってるんだよね…

ちょっとメインテーマ流しながらもう一回読むか…

砲塔しか動かないAATとかもう奇襲の後は死ぬしかない立ち位置のやつがバッチリ活躍したのもなんかこう…いいよね…

俺こういう無機物の特攻に弱いんだ

味方としてのバトルドロイドって新鮮だ

俺もバトルドロイド好き！

いい話だ
コメディリリーフ的な扱いが多いユニットが頼もしいのがとてもいい

しかしなぜこんな場末の掲示板で遥か彼方の銀河系の話を？

どっかの転載だって言ってくれよ
じゃなきゃスレ主が全部これ1人で妄想して買いたってことになるだろうがよぉ