あまり考えてこなかった、二人の娘に「平等」な愛を注いでいるつもりだったからだ。
だけど、何かが違うとニャアンが気づきはじめていた。エグザべくんと血が繋がらない上の娘ばかりかまってはいないか？
違う！血の繋がりがある下の娘ばかりかわいがっていないか！？
「血」という轍がニャアンの心を揺れ動かす。二人共わたしが痛みと共に産んだ子供なのに
「痛み」の重さが違った上の娘の方は痛みからしか生まれてこなかった娘だッ！下の子は愛の痛みで生まれた子だ
どうしよう…どうしよう…ニャアンはどんどん不安に煽られていきます
「おかあさん」「お母さん大丈夫？」娘たちが駆け寄ってきます
「わからない…わからない…」ニャアンは娘たちの前でワケワカになってしまいます。
こういう現場は娘たちもよく出くわします。一人で泣いているお母さんの姿を娘たちはしょっちゅう目にしているのです

「ニャアン」エグザべくん駆け寄ります。
エグザべくんはどうでしょう？
「可愛そうな血」が混ざる上の娘の方だけかわいがっているようにも見えます
「自分の血」。遺伝子がしっかり刻み込まれている下の娘に冷たくはしていませんが上の子に比べたら愛情は注いでいないかもしれません。
そんな事はないのに、エグザべくんは二人の娘を大事にしている。だけどどこか優劣を付けていないか！？エグザべくんの自問自答がはじまります
「生命に対する『問い』」の時間が再び訪れてきてしまいます。上の子がお腹にいた頃以来、久々の「問い」です。
ワケワカになる我が妻を抱きとめる事ができない、問いに悩むエグザべくんがいます
どうしたらいいのでしょうね？

シュウジがゼクノヴァの扉を開きます。キラキラが見えないエグザべくんの脳内にまで響き渡ります
「愛は普遍。愛は普遍なんだ」シュウジの声が聞こえます
「シュウちゃん！」ニャアンの瞳は輝きます。緑色のキラキラ空間。これは普段シュウジとマチュにしか許されないキラキラ空間でした
「どちらも愛せばいい、愛は平等かつ不変的なんだよ」とシュウジは生命への問いに関して一つの答えを迷える夫婦に授けます
「本当に…それでいいのかッ！？」エグザべくん吠えます
「それでいい…それでいいんだ」シュウちゃん
「わかった、私愛してあげる」ニャアンはシュウちゃんの授けを受け取ります。
「ありがとう…ボクの言葉を聞いてくれて…またねニャアン、エグザべくん」
キラキラ空間が閉じられます。隣室ではシュウジがぐったりしています
「よくやった…頑張ったよシュウジ」ってマチュが抱きとめて宥めています。

「ごめんね…ごめんね」
呆然と立ち尽くしている二人の娘を抱きしめるニャアンの姿があります
何を謝られているのかわからない二人の娘がいます、います。
けどおかあさんニャアンがこういうワケワカになった後必ず私達を抱きしめる
というルーティンがある事は娘達の中で共通認識としてありました。
今日はお父さんもいます。不思議ですね
「血」とか「痛み」とか「過去」とか関係なく。我が子なんだから平等に愛してあげよう
そういう夫婦の絆が深まる日曜日の夕方が過ぎようとしていました
ニャアンはいいおかあさんになれたよ

これがニャアン漁村の肉子ちゃん概念です
吉田拓郎の名曲「イメージの詩」がぴったり似合いますねニャアン

うわぁ唐突に語るな
でもありがとう

なんかきた！

生まれとる！

肉子ちゃん見てたのか
いいよね肉子ちゃん

ニャアンも映画「漁村の肉子ちゃん」みたいに自宅で自然分娩なんかしてくれるとうれしいんですけどね

実際ニャアンって子供生まれても育児できなさそう
産んだら産みっぱなしって感じで

>実際ニャアンって子供生まれても育児できなさそう
>産んだら産みっぱなしって感じで
そんな事ない！
ニャアンは愛情込めて育てるよ！
育ちが悪いので勉強は教えられないけど…

>ニャアンも映画「漁村の肉子ちゃん」みたいに自宅で自然分娩なんかしてくれるとうれしいんですけどね
肉子ちゃんみたいな体型になるニャアンと申したか

愛について自問自答するエグニャアンたすかる

>育ちが悪いので勉強は教えられないけど…
上の娘が学校から帰ってきました。
ニャアンが出迎えます。
娘は1枚でいいはずの宿題のプリントを2枚必ず持ってきます。
晩ごはんを済ませた夜。
娘とニャアンが頑張って同じ宿題を解くのです
娘に教わりながら少しづつ勉強ができるようになるニャアン
勉強できる事がおかあさんニャアンはうれしそうです
そう、自分が娘ニャアンの年頃だった頃は難民で、生きるか死ぬかの選択肢を常に選ばされる立場だったからです
戦争のない「平和」が生み出したとても尊い一場面です

>実際ニャアンって子供生まれても育児できなさそう
ニャアンもマチュも育児はするんだよ
けどニャアンは育児中ワケワカになって泣き出して逆に子供を心配にさせたり
マチュはシュウジに抱かれる我が子を見て嫉妬してしまいそうな独占欲の強いおかあさんになったり
いろいろ事情があるんだよ
でもいいおかあさんになれる、なれるんだよ？

ニャアンの上の子こと「姉ニャアン」は世話好きで妹ニャアンの事を甘やかしています
ちょっと内向的すぎてニャアンも心配になっています。
シュウマチュの間に産まれた息子の事もベタベタにかわいがります
そんな姉ニャアンが自分の出自を知る時
新たなジークアクスの物語がはじまる―――。