「ぁ…」
下駄箱で靴を履き替え、教室へ向かう道すがら。
彼女は私を見て、小さく声を上げました。
大事そうに、胸の前でなにかを握りしめています。
彼女にとって価値があるなにかをきっと見つけたのでしょう。
その手が土で少し汚れていることすら、気にも留めないほどのなにかを。
彼女は私を上目遣いにおずおずと見てきます。
その瞳は揺れて、けれど目を逸らすことなく。
ほんの少し前は直視することすら出来なかったその瞳は、まだ私をひどく貫いて痛い。
もう二度と、貴女のその手を取ることはないのだと突きつけられるから。
「ぇ、えと…」
「……」
人生を捧げると皆に誓わせて。すべての因果から背を向けて。
そうして再び形作られたAve Mujicaという箱庭を守り続けると誓ったあの日から。
私は豊川祥子という、神の仮面を被った。

そこに正誤はない。後悔もない。
なのにまだ、貴女のその瞳を見つめ返すのが怖い。
貴女の前では、神であろうとする心が酷く揺さぶられる。
過ぎ去ったものがもう元に戻ることはないことなど、私が一番分かっているのに。
「──」
私は小さく、ほんの小さく息を吐きました。
立ち止まってしまった足を再び動かし、私は再び歩み始めます。
燈に近づくためではなく、その横を通り過ぎるために。
燈は動かなず、立ち尽くしたまま。
だから、この一時の邂逅はそれで終わりだと思いました。
ただ偶然、出会ってしまっただけのこと。
何事もなかったようにお互いの日常を過ごしてく。
それで終わりだと。
「──祥ちゃん」
そのはずだったのに。

燈の横を通り過ぎようとしたとき。
名前を呼ばれただけで、私の足はまた止まってしまいました。
声に惹き寄せられるように、私の目は燈へ向けられました。
どうして呼び止めたの。
貴女に声をかけることもなく通り過ぎることしか出来ない私に、どうして。
俯いていた燈が、顔を上げて私を見つめ返しました。
「おはよう、祥ちゃん」
私は一瞬呆けて、その言葉の意味を探りました。
燈は、もう口を閉じていました。
本当にただ挨拶しただけでした。
けれど、私ができないことを、今の燈は出来てしまう。
なにもかもが精一杯で、あたふたしていたあの頃とは違って。
…本当に、本当に強くなったんですのね。
嬉しくて寂しくて、だからこそ私も、貴女のように在りたいと思えます。
挨拶程度でこんなに緊張するだなんて、ひどくおかしいですけれど。

「…おはよう、燈」
「ぁ…うん…！」
嬉しそうに頷く燈へ小さく会釈して、彼女の横を通り過ぎます。
振り返ったりはしません。燈も追いかけては来ないようです。
だから、これでおしまい。
ほんの小さな交わりは解けて、私達はそれぞれの今日を過ごしていく。
私達には隔たりが確かに在って、また一つになることはきっとないでしょう。
でもその隔たりはもう、苦しさや悲しみで押し広げたものではない。
私達のすれ違う人生を、燈ならどんな言葉を当てはめるでしょう。どう詩に書くのでしょう。
その詩を私が聴ける時が来るでしょうか。
今は未だその時ではないけれど。
いつの日か、いい詩でしたと伝えられる日が来るといい。
「──ふ」
神頼みのような考えに気付いて、私は一人微笑みました。

☺️ともさき

綺麗なともさきひさびさにみた

少しずつ打ち解けられとイイね

分かれ道のその先が聖域過ぎる…なんでもいいから供給をくれ…

>分かれ道のその先が聖域過ぎる…なんでもいいから供給をくれ…
第2回合同ライブまで神妙に待つのですわ

あんましオリジナリティはないな
pixivによくある感じ

早く実装して交わらせて欲しいですわ…

綺麗で最高

>第2回合同ライブまで神妙に待つのですわ
そうか推し旅の会場限定ボイスで供給あるかも知れないのか…？

ともさきは健康にいい

>あんましオリジナリティはないな
>pixivによくある感じ
何だこいつ偉そうに