【トレーラー】  FHに居るような奴なんて、大抵がはみ出し者か落伍者だ。そりゃ崇高な理想を持ってる奴も中には居るんだろうが、ほとんどがクソ野郎や人格破綻者、もしくはド級の自己中だ。  それは俺達だって同じ。他人がどうなろうと構わない、自分の欲望(ねがい)を叶える為になんだってする、そんな奴等が人でなしでなけりゃ、いったいなんだって言うんだ。  だがよ。生き物の生存競争なんて、結局のところ我儘の押し付け合いじゃあねぇのかい?  さぁ、勝負といこう。俺のエゴとアイツらの正義、そしてアンタらの欲望。どれが一番強いのか、ただそれだけの話さ。  ダブルクロス The 3rd Edition 『時計の針が、左廻りとなる夜に』  ダブルクロス──それは裏切りを意味する言葉。 【ハンドアウト】 PC1 ワークス/カヴァー 高校生or不良高校生/任意 シナリオロイス:笹森 康生 推奨感情:執着/憎悪 「お前を殺す理由がない、それだけだ」  貴方の欲望は、復讐である。  貴方は高校生として、レネゲイドのことなど露知らず、平凡な日常を送ってきた。親友と馬鹿騒ぎしたり、下らない話に花を咲かせたり、真剣に何かに取り組んでみたり……。そんないたって普通の日常が、崩れ去るのは一瞬だった。  楽しみにしていた学園祭の日。まず初めに感じたのは地面の揺れ、次いで胸中から込み上げてくる高揚感。数多の悲鳴と哄笑が響き渡る中、世界が変わったという確信があった。  そして、視界に入る赤。来訪者が、学友が、クラスメイトが、友人が。……貴方の、特に大切な人が。目の前で切り捨てられる。殺されていく。  凶行をなした男──笹森康生は、能面のような表情で貴方を見下ろして。しかし貴方には武器を突き立てることなく、背を向けてまた別の人間を殺していった。  その光景を、なにも出来ずに眺めながら。貴方は決意する。  仇を取る、と。 PC2 ワークス/カヴァー UGNチルドレン/任意 シナリオロイス:桜井 涼 推奨感情:友情/隔意 「平穏を手にする一番手っ取り早い方法は、全部支配しちまう事じゃねぇか?」  貴方の欲望は、平穏である。  貴方は元UGNチルドレンだ。だが、とある任務の終了後、貴方自身、もしくは貴方の親友が「ジャームである」と宣告された。  そんなことはない、自分(アイツ)は正気だ。そんな抗議も実を結ぶことはなく、処理されることが決まり。貴方は、逃げた。  なんとか追手を振り払って、放浪の最中、PC3がセルリーダーを務めるセルに拾われたのだ。  FHでの生活は、思っていたより心地良かった。嫌な事を強要されることもなく、新たな友人もできた。  だが、UGNに追われている身であることは変わらない。新たな友人──桜井涼と共に今日も追手を撃退し、貴方は考える。どうすれば平穏に暮らせるだろうか、と。 PC3 ワークス/カヴァー FHセルリーダー任意 シナリオロイス:元山 凌霄 推奨感情:有為/猜疑心 「過去をやり直すことは、理論上可能なんですよ」  貴方の欲望は、奪還である。  貴方は名楼市のFHセルのセルリーダーだ。癖のある面子をまとめながら、着実にセルの規模を拡大してきた。今、この街ではUGNと貴方のセルの勢力は拮抗している。  貴方はかつて何かを失った。それはなんらかの力かもしれないし、立場かもしれないし、人かもしれない。その失った何かを取り戻す為に、貴方は活動している。  その一環として、『過去をやりなおす力』を研究している研究者への支援も行っていた。その研究者──元山凌霄は、最近研究が順調であるらしくひどく上機嫌であったが、同時に何かを隠しているであろうことも察せられた。  元山への警戒を強めていたある日。レネゲイドの急激な隆起と爆発が、名楼市内の高校で生じた。 PC4 ワークス/カヴァー FHチルドレン/任意 シナリオロイス:雛川 向日葵 推奨感情:好奇心/嫉妬 「私は……あの人を連れ戻したいんです!」  貴方の欲望は、探求である。  貴方は生粋のFHチルドレンだ。FHで生まれ育ち、レネゲイドは身近な存在で、与えられた任務が日常だった。  誰かが言った。「FHってのは、他をほっぽってでも自分の欲望を叶えたいっていう自己中の集まりだ」と。  だが、貴方にはそこまで執着する欲望がなかった。チルドレンとして任務をまっとうするだけの生活と、その我欲のなさを利用するのに都合が良いとする上の考えが、そんな性質を作り上げたのだろうか。  だからこそ、貴方は強い欲望を持つ者に興味を持つ。PC1やPC3だったり、最近接触してきたUGNチルドレンの雛川向日葵だったりだ。  彼女は、どうしてもPC2をUGNに連れ戻したいのだという。他人のために、敵組織に所属している自分に頭を下げてまで頼み込んできた彼女。彼女を知ることで、自分の欲望も見つかるのだろうか……?