ある日の遠呂智討伐のため結成した連合軍の進軍での一幕 「おう!許褚さん!やっと再会できましたよ、少しいいかい?」 「どうしただぁ?確か前に悪さする奴追っ払ったとこの村の村長だったような…」 「はい、許褚さんに助けてもらったお礼に儂らの村でご馳走を用意したんですがね、是非とも立ち寄って欲しいんですよ」 「飯一杯食えるだか!?行くだよ!」 そんな許褚の話を聴いてる魔法少女が二人いた 「むむっ、ご馳走の気配…!」 1人はかずみ、食い意地の張った食いしん坊な魔法少女である 「あんたもご馳走の話盗み聞きした口かい?」 もう1人は佐倉杏子であった、二人とも飯というものに目がないといった感じだった 「え!?あいや、そういうつもりじゃ…」 「まぁまぁ、ここは後をつけてご馳走にあやかるのも悪くないって、ああいうのは道すがらたまたま通りがかったら一緒に食わせてくれる事が多いんだよ」 「そういうものなの!?」 「ま、最悪そこら辺の猪でも狩って手土産にしたら捌いてご馳走にしてくれるだろ、後をつけて損はねぇ」 なんともこの世界に来てからなのか元からなのか随分と野蛮さ増したようであった杏子、かずみを連れて許褚の後をつけるのだった 「ここですかね…なんか騒がしいような…」 「董卓様は酒池肉林を望んでいる!この村の女子と食料を奪い取れー!」 「あぁ…許褚さんにご馳走するはずだった食料が…」 「アイツら、食いもん盗んでいっただか?おいら許さないぞ〜!」 「食い物を盗ぬなんて許せません!杏子さん、一緒に成敗しましょう!」 「あぁ、食い物の恨み、アイツラに思い知らせてやるよ!」 〜合戦開始〜 「食料を積んだ荷車と女を乗せた荷車を出せ!」 董卓軍は2種類の荷車で食料と女を二手に分かれて運んでいるようだった 「んだ?どっちに行くだぁ?」 許褚はどっちを追うか迷ってる模様だった 「食料と女どっちを救うかか…」 「そんなの決まってます!両方です!」 「…だな!おい許褚のおっさん!あたし達はあっちの荷車を追いかける!そっちの方を頼んだ!」 「あんたら助けてくれるだか!恩に着るだぁ!」 二手に分かれ進軍する3人 「追いつきましたよ食い物泥棒!」 「もしくは女泥棒か…どっちにしろ追いつかれたら年貢の納め時って奴だ!」 「かかったな!今だ!」 二人が追っていた荷車には何も積んでおらず荷車は砦におびき寄せる罠だったのだった 「うわっ!しまった!」 「これじゃ…」 二人は囲まれてしまう 一方、許褚の向かった先 「追いついただよ!」 許褚は自分の身の丈ほどにもある巨大ハンマーを振り荷車を運ぶ董卓の兵士を吹っ飛ばした 「んだ?なんで食料と娘さんらがいるだか?」 二手に分かれた荷車ならどちらか片方だけと考えていたが実際には両方積まれてるのだ、いくら巨許褚でも疑問に思うのも当然である 「許褚さん!娘大丈夫ですか!?」 「村長さん、ちゃんと食料と娘さんは無事んだよ」 「良かった〜あれ?さっきの女の子たちはどこに?」 「くいもんと娘さんは村長さんに任せるだよぉ~おいらは二人の方に向かうだよ」 「ご武運を!」 「…あっ、少しだけくいもん分けて貰うだよ」 「?許褚さんに用意したものですから別にいいですが…」 許褚は大急ぎで杏子たちの方へ向かう 「くっそ!1人1人は弱くてもこう囲まれて数が多いし…」 「ごはんくいそびれて…元気が…」 二人はご馳走にあやかる前提だったためか空腹になって本来の力が出せないようだった 「二人の女を捕獲できれば董卓様もお喜びになる!必ず捕まえろ!」 「うわー!」 「な、なんだ!?」 「虎のような速さで突撃する大男が…ぎゃー!」 「大丈夫だか?」 「許褚のおっさん!すまん助かった!」 「腹減った…」 「そう思ってくいもん分けてもらっただよ」 許褚は分けてもらった食料を杏子たちに渡す 「くいもん!」 「ご馳走!」 二人は無心で肉まんにありついていく 「うっめー!」「美味しい!」 数刻後二人は腹を満たし満足した 「よし!復活!」「食べ物を盗む悪党を懲らしめます!」 「肉と女はまだか〜!」 董卓が戦場に現れる 「そ、それが巨大な大男に取り返されて…」 「なにぃ?ワシに逆らう奴は処刑じゃー!」 「あいつが親玉だな」 「さっさと懲らしめて村の安全を守ります!」 「いくだよ二人とも、おいらたちの力見せつけるだ!」 「おのれ〜!わしの夢を邪魔しよって〜!」 董卓は撤退し許褚たちは村の平和を守りきった 〜合戦終了〜 「ほんとありがとうございます!もう何度お礼をしたらいいか」 「食いもんも娘さんも助かってよかっただよ、二人も助けてもらってありがとうだ」 「良いって、元々ご馳走の話を聞いてあやかろうとしたし」 「言ってしまえば私たちもあの悪党たちと変わりません」 「それは違うだよ」 「「?」」 「くいもんを独り占めする悪者と違って二人はご馳走をみんなで食べるんだよ、みんなで毎日食べるのが一番いいだ」 「村の平和を守ってくださいましたしご馳走を振る舞いますよお二人さん」 「マジで!?ラッキー!」 「ありがとうございます!」 許褚は思う、偉い人はみんな色んなことを考えて世の中を見ている だけど民にとって一番良い偉い人とは毎日明日の食べもんを食べれる世の中を作る人なのだろうと 「お!これうめぇぞかずみ!喰うかい?」 「食べる食べる!うーん!うまい!」 こうやって誰かと美味しい食い物を食べあえる世の中 それが自分たちの偉い人が目指す泰平の世だと許褚は願う