二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1756220158104.png-(849527 B)
849527 B25/08/26(火)23:55:58No.1347245087そうだねx1 02:40頃消えます
―――あの白い亡霊はなんだったのだろうか。
 ぼんやりとのしかかる体重。男の人の匂い。必死で母親の名を呼ぶ叫び。今まで感じる事のなかった「性」の匂い。
 きっと「私」は穢されてしまったんだ。皇国を守護する婦女子たる資格をきっと喪失したんだ。そう、私は思っていた。だからみんなと一緒に皇国の一員として「消えてしまう」事ができなかったんだ。
 あのギザギザの入った茶色い筒。中身は知っている。信管を抜いてもすぐに爆発もしない、中の炸薬はあれだけの人数を「消してしまう」能力は有していない。けどあの場ではみんな「生き恥」ではなく「死」を選んだ。
 それを拒んだのは…私とマユだけだった。
 走り出した、白い亡霊も走る。また犯される。ヤツは穢れた身体にだけ必要にせまる、軍神ではない、ただの畜生だった。だから、マユが助けれくれた。
 畜生だから絞め殺してもかまわない。だって畜生なんだから。
滲んだ汗と喉仏、女の子にはないものだった
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/08/26(火)23:56:13No.1347245164そうだねx1
乱れた呼吸が整うと現実が見えてきた。私の名を呼び続けるマユ。
 現実がスゥーっと見える。あのきれいな花びら達は花なんかじゃない。血と肉である事。夜間でも鳴り響く皇軍の物ではない発砲音。味方は誰もいない。それでけはわかっていた。
 でもあの岬、灯台にいけば、きっと助かる。私達はどうににかならなくてもいいんだ!
「サン!サン!」彼女の声がはっきりと聞こえる
「うん、大丈夫。私、ダイジョブだから」必死で何かを繕うようにしていた。
「大丈夫じゃない…サン!…さんは…ボクの事がわかるのかい?」
モンペでもない真麻のズボン姿の彼女…いや彼の存在はうっすら知っていた
ただ、マユはみんなに溶け込みたかったから。そう願っていたから、何も言わなかった。
冬だというのに、マユは汗をかくと女の子にはしない、若草の匂いがした。きっとそれが証左だろう。
225/08/26(火)23:56:39No.1347245281そうだねx1
「いいんだよ…もう隠さなくていいだよマユ」
 気がつくと私はマユを抱いていた。まるで母子のように抱きしめていたのだ。そこで斃れている屍が欲しがっていた母性が彼に注がれていった。
「サン…よくない、よくないよこんな事!ボクにそんな事しちゃいけない」
「マユ…マユはマユだよ」
「男なんか、みんな綿胞子のように白く消えていくんだ」
「マユはマユだよ…関係ない」
「ボクも消えていくんだ…だから」
マユが私の躯から離れていく。わたしはそんなマユをひっしで抱きとめた
「いかないでマユ…一緒に岬に行くんだよ?じゃないと…じゃないとおかしいよ」
 わたしの涙袋は溢れて決壊しそうになっていた、涙滴で司会が怪しい。マユのつむじだけがせいっぱい映るように何度も!何度も抱きしめた!血の匂いはしない。マユのつむじからは、暖かいおひさまの匂いがする。心地よい。
325/08/26(火)23:57:02No.1347245375そうだねx1
「だからいかないで…マユはわたしが穢れているからイヤなの?」
 何を言っているのか自分でもわからなかった。ほとんど「キビ」しか入っていない黄色いごはんを朝に食べたきりだ。きっと栄養が頭に回っていないのだろう。ただマユを繋ぎ止めたかった。それだけは確かだった。
「そんな事ない!サンは穢れてなんかいない…穢れているのはボクの方だよ」
マユは静かに語り始める
「マユは穢れてなんかない…」
「いいかいサン、落ち着いて聞いて―――ボクはね」
 マユ。いや彼は「彼」である所以をわたしに話してくれた。わたしはマユと私の性差を知っていたのに。マユは説明したがっていた。
 マユの蕾が小さな膨らみを帯びている事を感触でわかった。彼が雄蕊である決定的な部分、鎖骨や喉仏やすこし体格がいいとかそういう事より大事な事
425/08/26(火)23:57:42No.1347245566そうだねx1
「こんな事を話しているのに、この軀はこうなっている―――ボクは消えてしまえばいいんだ!」
 おのれの蕾の事はマユがよく知っていたようだ。だけど、私はそんなマユを否定する事はできない
「マユ…こんどはマユが落ち着いて聞いて、こんどは私が話す番だよ…マユは間違ってない!間違ってないよ…この蕾はね?マユが私の事を好きなんだって事の証明なんだよ…決して間違っていない、好きって証なんだよ」
「でもボクはこの劣情は穢れていると思う」
「マユ、私をみて」
 私は上着を脱ぎ捨て、マユの掌を私の乳房に重ねた。晒しの下から乳首の先が張りを帯びていてちょっと痛い。けど悪い気はしない
525/08/26(火)23:57:57No.1347245635そうだねx1
「私もね、ドキドキしてる。深い理由はわからない。だけどきっとマユの事が好きだから!だからドキドキしているんだよ…マユもドキドキしてるね掌のぬくもりでわかる」
浜から吹く浜風が心地よく吹いて気持ちいい。敵の銃声も消えた。
二人のドキドキとした心音だけがこの世界を支配する。―――きっとわたしとマユだけの世界が広がっている。
 恐る恐る、口づけを交わす。熱いベーゼの仕方なんて教わってないのに、なぜかマユも私もできていた。
 そのまま、草叢(くさむら)のなかで交じりあった。やり方なんて知らないけど躯が勝手に動いていた。きっと皇(すめら)も神様も何も禁止なんかしていない。
 愛してる。それだけだった。愛してる。愛してる。
625/08/26(火)23:58:23No.1347245761そうだねx1
精を解き放ったあと、私とマユは夢をみた。夢の中でマユと私はいつもの制服姿で、一緒に手を握ったり。走ったり。ときに抱き合ったりした。小さい小屋が私達の家だった。
 そんな素敵な夢をみた。お蚕様の母屋の方が大きいんだよ…変な家!

―――けど、短い夢だった。黎明を迎えていた。月も明星もくっきり見えるが空は明るさを見せている。「朝」を迎える
 「マユ、マユ起きて!いかなきゃ」「うん…そうだね、そうだ!いかないと!」
私達は互いを起きし合った後、ちょっと躯をくすぐったりあったり接吻を交わしたりした。
そして、もう赤い花が流れてこない小川で顔を口をゆすぎ、タプタプになるくらい水を飲んで岬へ向かった。
 岬には水がないから今の内に飲んでおかないと
だけど岬にいけばきっと、きっと平和が待っているから。また、みんなとたのしく過ごせる。そうなんだ!そうだって言ってマユ!

―――希望だけが二人を突き動かしていた。私達は、もう何も怖くない。
725/08/26(火)23:58:44No.1347245853そうだねx2
おわり
面白かったねこのアニメ
825/08/27(水)00:00:54No.1347246455そうだねx4
Cocoonの怪文書はじめて見た
925/08/27(水)00:03:24No.1347247135+
どういうことなの...
1025/08/27(水)00:06:38No.1347247980+
あの惨劇を見て怪文書をかけるお前の胆力に脱帽だよ
1125/08/27(水)00:07:43No.1347248275そうだねx1
今ならNHK+で見逃し配信中!!!
1225/08/27(水)00:11:56No.1347249321+
不謹慎だとは思わないのかね
1325/08/27(水)00:12:56No.1347249574+
架空の世界ですから!架空の世界ですから!
1425/08/27(水)00:15:15No.1347250186+
これ沖縄ですよね?
1525/08/27(水)00:16:33No.1347250499+
>架空の世界ですから!架空の世界ですから!
1625/08/27(水)00:18:13No.1347250934そうだねx1
やだなあ人を花に変える銃がある世界が現実なわけないじゃないですか
1725/08/27(水)00:18:16No.1347250949そうだねx1
ねぇ皇軍って
1825/08/27(水)00:19:07No.1347251139+
昨日のヤツか
よく書いたな
1925/08/27(水)00:22:39No.1347251981+
二人を待ち構えるのは爆散した血で汚れた砂浜と
一人の少年兵
M1ガーランドがマユに銃口を向ける
2025/08/27(水)00:54:30No.1347259693+
怪文書だ!


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