「ご主人さま~、お茶が入りましたよ~」 彼女の名前は笠音アオ メイドに就職した理由は単純にお金が欲しいというもの、本人曰く 「メイドの仕事なんてイージーモードだよね~」 まぁ、みっちり教え込まれて翌日にはハードハード言ってたのだが 「そこに置いといてください、今手が離せないのでね」 は~いと言いながらアオは紅茶を机の上に置き、近くのソファに座り 「お仕事中はゲームしてはいけませんよ」 「…テヘッ」 ゲームをしようとして糸音に注意されていた 「後10分くらい待てないんですか?」 「いや~後5分でログインボーナスが更新だし~…お茶入れたからいいかな~って」 そう言いながら堂々と電源をオンにしてソシャゲを始めるアオ (…後でメイド長に言っておきましょう) 糸音が心の中でそう思いながら紅茶を啜る 「紅茶を淹れるのもうまくなりましたね…最初は醤油のような味ばっかりでした……ね?」 「美味しく淹れた方が給料にボーナス出るって聞いたからね~…少しは愛情込めてるよ!」 アオがゲーム画面を見たままそんな事をほざく 実際は美味しく出来たらボーナスとかは無いのだが (たまには良いでしょう…仕事中にゲームしなければいいメイドなのですがね) 実際アオはメイドとして働いてる時は一通りの家事をこなしてくれるし糸音に大きく干渉しないため 糸音としても丁度いいメイドではあるのだ 取引先が居る時でも構わずにゲームする以外は… 「…ご主人さま~、紅茶飲んでるってことは手が空いたんだよね~?」 ソシャゲを終えたアオが話しかけ 「えぇ、今日の予定は大体終わってますが?」 「だったらさ~、これ一緒にしない?」 アオはいつの間にか部屋に隠してあったボードゲームを糸音の前に持ってきた 「…これは?」 「給料で買ったんだ~…少しレアなゲームだし、一緒にしよ~」 仕事中というのにそんな事を言い出したアオ 「…いいですよ、ルールを教えてください」 「やったぁ!まずコマがね」 アオがルール説明をし、二人でボードゲームを遊び始める ……が、結果は悲惨だった 「おや?先ほど買ったあちしの店は」 「わたしが奪ったよ~」 「…おや?あちしのバイクがありませんね」 「あ~盗難事故か~」 このように、糸音の所持物がアオにとられただけでなく 「ふふ…このカードで逆転させてもらいますね」 「コイン裏だね~」 運にも恵まれず アオ26ポイント 糸音1ポイントという 圧倒的負けであった 「…ふふ、もう一戦しましょう」 「いいよ~、ご主人さまの相手はイージーゲームだね~」 戦いは夕方まで続き、メイド長が確認に来るまで糸音は熱中し 一回も勝てなかったという