ミ゛~~~~ン ミンミンミンミンミン ミ゛ィィィ~…… 五月蝿く嘶く蝉の音。降り注ぐ眩い夏の日差しを、木漏れ日の隙間からジリジリと感じながら、民族学者、宮本伊…リヤは山道を歩いていた。 一言も喋らずに黙々と歩みを進める、彼はこの先にある村、因習村と恐れられている"零無娚戸村"の伝説を調べる為にフィールドワークに勤しんでいるのだ。 季節は夏、カンカンと照り付ける太陽を鬱蒼と生い茂る山の木々が遮り、その隙間を新緑の匂いを運ぶそよ風が吹き抜け、彼の頬を伝う汗を撫でては僅かな納涼を与えている。 そんな山の道中を歩いていると、ふと耳に、鈴の音が ───チリンと、鈴の音色が聞こえた。 振り返るとその先に、二人の童が…作務衣とも巫女服とも言えない民族衣装を着た二人の童児が 逆光の先に、籠目の音の調律で、古めかしい童歌を歌いながら立っていた 「「ゆ〜〜るせ、ゆ〜る〜せ〜、一歩我〜らがゆく事を 〜〜」」 ンモ゛~~~~、ンモ゛~~~~、 牛の鳴き声、穏やかな農村。 夕暮れ時、因習村にたどり着いた彼は、その中で一番大きな家、村の代表「由井リヤ 正雪」の元を訪れていた 「そうですか、道中で二人の童が…」 「あれらは一体何者なんだ?」 「………彼らはヲグナの巫女、この村に祀られし荒魂である"ヲグナ様"の巫女で御座います。」 「荒魂か……成程、通りで彼らが祠や地蔵を壊したり、神木らしき物を断ち切っていたり、立ち入り禁止区域らしき場所をずけずけと入って行ったり、白蛇をめった打ちにしていたのも納得はいく」 「ヲグナ様は日本中のまつろわぬ民や荒神を倒して回ったという伝承が残っていてな、それに習い御神物を供物として壊し、その荒ぶる魂の矛先が村に行かないように勤めているのだ」 「そして荒魂の巫女に和魂の巫女を添える事でヲグナ様の荒ぶりを鎮める…という訳か」 そう言うと伊織は、机の上に置かれた白く濁った液体をクイッと口に含む 「…………美味いな、これは。」 「ふふ…これは苅逢乳白(カルアミルク)と言ってだな、此処の地酒と特産の牛乳を合わせた神酒なんだ。此処を調べるのであれば、味も知っておいた方が良いだろうと思ってな。」 クイッと同じく酒を煽る正雪、そして少しの沈黙の後、正雪がボソリと口を開く 「なあ、この村を見てどう思う?」 「………どうとは?」 「キミの目から見て、何か違和感はないか?」 「……………………」 伊織は思慮する、村に入り、この屋敷に向かう道中、行き交う村人の有様を、 彼らは皆、同じように白い髪をし、牛を引く村人も、井戸から水を引く女性も、走り回る童さえ、皆一様に同じような顔の──── 「そう!男が居ないのだ!」 「…………は?」 大きな声に驚き顔を上げると、そこには頬を真っ赤に染めた正雪の顔 「ヒック…この村、零無娚戸村はなぁ、文字通り男女の夫婦が零に等くてなぁ、ヲグナ様がハニトラの伝承を持っているが故か、他所から婿を貰おうにもすぐさま神隠しにあってしまってなぁ……」 呂律が回ってない、そうか彼女は下戸なのだ 「ぅ〜、つまり……つまりだなぁ………」 据わり切った目で、向かいに座る伊織の方へとズイッと身を乗り出す正雪は、そのまま伊織の、飲みかけの酒をグイッと煽ると、着物の胸元をはだけさせ、真っ赤な顔で誘うように、彼の耳元へと 「……男に、日照っているのだ……♡」 囁くように、誘うように伊織に問いかける彼女の、その胸元からは、胸元からは…あり得ないものが顔を見せていた──── そう、対魔忍スーツである ホーーー、ホーーー、 フクロウの鳴き声が聞こえる、夜、あの後すぐさま崩れ落ちるように眠りについた正雪を、丁度立ち寄った同じ顔の侍女に任せ、 彼は屋敷の離れにある一軒家に泊まり込んでいた。 敷かれた布団の上で思慮する伊織。同じ顔の村人、男が消える神隠し、そして白と黒の二人の巫女、謎の白い液体の正体とは……あと対魔忍 浮世離れた異常性、この村には何かがある。そう確信を得た思考のまま、ぐるぐると思案を重ねる内に、だんだんと彼の瞼は重く垂れ下がり─── ホーーー、ホーーー、 (…………ん?) 微睡から目が覚める、いつの間にやら布団もかけずに眠っていたらしい、薄く開けた瞼の先には未だ夜の闇が広がっていて──── 「………ふふ、気づいたようだぞオウス」 「ああ、そのようだなオルタ」 聞き慣れぬ二人の声と、気配。 その声に伊織の意識は急激に覚醒し、身を翻し枕元の刃を取ろうと──── (なん………だと………?!) しかし彼の意に背いて、彼の体は指先一つも動いていなかった 「おや?今動こうとしたのか?」 「ふふ…だがその身体では一歩も動けぬであろう?」 クスリクスリと笑う声、伊織は唯一自由であった目線を向けると、そこには夜闇に輝く二対の瞳孔。 ──オウスとオルタ、白と黒の相反する二人のヤマトスフィールが、小学年(リリィ)の姿で布団に眠る伊織の両脇に寄り添い そんな昼間出会ったあの巫女が、猫のようにニヤニヤと笑いながら、獲物を狙う猟獣の瞳で、彼の顔を覗き込んでいた 「あの酒、猟愛白濁(カルアミルク)を飲んだのだろう?」 「あれには複数の効能があってだな…一つは女が飲むと急激に酔いが回り、一晩中眠り続ける事と」 「もう一つは男が飲み眠りにつくと、その晩は動けぬ程の金縛りに合う。そして───」 その先は言われずとも理解っていた、身体が熱い、呼吸が荒い、喉が渇く、心は火照り、股間が──── 「おお…!既にこんなにも滾っているではないか♡」 白い巫女が股間で腫れ上がる逸物をスリスリと撫でる 「媚薬効果もバッチリという訳だ♡どうだ?もはや疾く射精したくて仕方ないのだろう♡」 そう言いながら黒き巫女は彼の体を撫でる 火照った身体を、二つの幼手が撫で付ける。 這う様に、確かめる様に、宮本伊織の筋肉質なオスの肉体を、じっくりと身にまとう服の上から、その欲情の昂りを煽る様に そんな異常事態に伊織の思考は混迷を極め、されど身体の底から湧き上がる情欲が正常な思考を霧散させてゆく 体も動かぬ、思考も定まらぬ、そんな状態で二人の童に犬猫の様に撫でられ、玩具にされる有様で、高鳴る心音と高まる熱に、紅潮する頬と眉間に寄せる皺 そんな彼の高まりを見定めて、一人のタケルは伊織の腰帯を解き、もう一人は寝巻きの前を広げる 露わに成るは火照った体。じんわりと熱を帯び、しっとりと汗に湿り、細身ながらも夜闇のコントラストの中でその筋肉を主張する、硬く、広く、均整のとれたオスの体がそこにあった。 そんな上玉雄ボディに二人の巫女は舌舐めずり 「ふむ…鍛え抜かれた良い身体だ」 「これは久しぶりに楽しめるかもしれないな」 そう言うと二人は伊織の体にしなだれ掛かり、その胸筋を、汗に濡れる雄の乳房を、ペロリと舌で舐め上げる。 (…………ッ!) ゾクゾクと背筋が震える、小さな舌が、幼子の暖かな深温が、ネットリと体の上を蛞蝓のように這い回り、 その軌跡に残る水気は夏夜の気温に冷やされて、火照る体の一部に涼を生み出し、その温度の差異に卑猥な道程の感覚を、高まる感度と共に知らしめる。 「……ふむ、美味いな♡」 「……ああ、雄の味だ♡」 汗の塩味、雄の体臭、そして快感に歪む彼の表情。舐める度に眉根を寄せて、叫べぬままに快感に喘ぎ、どんどん呼吸を荒げる男に、二人の童児はメスとしての喜びを表し、 更なる喜びを求めては、するりと空いた手を下腹部に伸ばし、悲しそうにギチギチと下着を突っぱねる陰茎を、ズルリと外に開放する。 夜の静けさに、べチンッ!と音が鳴り響く。 高まり過ぎた感度に、下着の中で硬くいきり立っていた陰茎は、その身が解放された瞬間その長い身を翻し、勢いよく己が主人の腹を叩く。 異様な音に二人が驚き振り向くと、長い長い竿が今は高く天を仰ぎ、その頂からはダラダラと興奮の蜜を溢れさせ、ギチギチと血管を張らせて熱を放ちながら、ムワリと、より濃厚な雄の香りを部屋に撒き散らす。 そんな力強い男根を見て、二人のタケルは呆然と眺めるばかりで、トクトクと心臓が高鳴る音を感じながら、ゴクリと溢れた唾を飲み込むと 「これは…流石にこの大きさは、今まで見た事がないぞ…」 そう言いながら手を伸ばし 「ふふふ…稀に見る逸材というやつか…♡」 二人して彼の竿を握ると、その感触を確かめるように、にちゃにちゃと、彼の竿を扱き上げる 硬い、堅い、雄の竿。手の内でビクビクと震え、快感に咽び泣きながら尚、その身は力強いオスのあり方を具象する。 そんな長い雄竿を、二人で撫で上げる最中も、伊織は苦しげに欲の吐息を漏らし続ける。 二人の幼い手が、稚児のように滑らかな指が、抜群のコンビネーションで踊るように竿を触れ周り、 スリスリと竿を撫でる手、クチクチと雁首を攻める手、ニチニチと亀頭と鈴口を責める手が、伊織の感度をより一層深めてゆく。 既にはぁはぁと荒い息、もう止められない欲情に、苦しい程の快感の坩堝が、寝そべる伊織の脳を溶かす。 その伊織の反応に、二人の巫女かは気が付いて、しっとりと、にんまりと目を細めると、"先ほどは触れなかった"最後の頂に口を伸ばす。 目指すは胸筋に浮かぶ彼の頂。 雄の身で、既にビンビンに硬く痼り、寂しそうに佇むその乳首を、二人の湿った熱が覆い尽くす。 左右同時に感じる童児の唇。その熱は耐え難く、ハムハムと食む口が、ネロネロと甚振る舌が、雄の乳房を通して脳内に快感を伝える。 ネットリと這う舌先、下半身ではにちゅにちゅと扱く手、そして寄り添う体温と甘く蕩ける稚児の香りに、 伊織の脳は溢れ出し、許容量を超えた感度が身体を巡り、震える腰が、竿が、陰嚢が、我慢ならぬと怒りに満ちて暴れ出し── (─────ッ!!!) ビュルルルルッッッ!!!ビュルッッ!!!ビュルルルルルルルッ!!!!! 堰を越え、高く飛び出す快感が、伊織の脊椎を灼きながら、天高く昇る吐精を促した。 網膜に焼き付く熱、意思を離れ稼働する会陰部、身を焦がす感度が脳髄で暴れ回り、動かぬ全身は甘い法悦に入り浸る。 そんな中、二人のタケルは ちうちうと、伊織の乳首を吸い続ける。 ミルクを求める子猫のように、もっとミルクが出るように、ちゅこちゅこと荒ぶる陰茎を撫でながら、彼の法悦がより高みへと向かうように、その責めを止めず、白濁(ミルク)を念入りに搾り取る。 ドプドプと溢れる間欠泉、しかし数秒の後の後、溢れる熱はゆっくりと勢いを失って── そんな緩まる肉竿を手の内で感じ、二人のタケルはちゅうぅぅぅぅっと口を窄めると、その快感にグッと力を振り絞り、肉竿はビュッッっと最後の精を吹き出した。 部屋に満ちる精の淫臭、雄の匂いが漂う中に、ゼェゼェと伊織の荒い呼吸が響く。天井に届かんばかりの射精を繰り出した彼は、全霊をとした繁殖運動にその身を深く消耗させていた。 頭がクラクラと揺れる、気怠い疲れが全身を満たす、だが、そんな状態でも尚、股間の猛りはそのままで── 「ほぉ〜、高く飛ばしたものだ…キミはオスとしても優秀なのだな♡」 「濃い雄の匂いだ…だが本番はここからだぞ?あの酒を飲んだ以上、一度や二度の吐精では治る訳もない♡」 猟愛白濁(カルアミルク)、その愛白濁(ミルク)が枯れるまで、雄の子種を猟り続ける魔性の神酒。 その酒を持って二人の巫女は、胎の中の子宮(神殿)へと子種を宿し、雄の白濁(ミルク)を神前へと奉納し、この土地に霊気を循環させる 「ふふ…これで幾多の雄を枯らしたか…」 「正雪殿も不憫であるな…しかし増えるだけならその身一つで十分だろうに」 そんな他愛無い会話をしながら、一人のタケルが伊織の上へとまたがる。 薄暗い夜の農村、その各家で、大きな屋敷で、すぅすぅと正雪達が規則正しい寝息を立てているであろう。 そうして屋敷の離れでは淫蕩が繰り返されているとはつゆ知らず、明日も、その先も、 この村の男日照りは続くのであった。 「「ゆ〜〜るせ、ゆ〜る〜せ〜、一歩我〜らがゆく事を 〜〜」」 ミルク色の夢を貴方に── 飲酒淫臭淫手村     終