ニャアンもこっそり二人目を妊娠していました。上の子も大きくなったし、『エグザべくんとの子』を授かりたい夫婦の一心でした。
いまではニャアンが先輩ママ、マチュが後輩ママ。「いいコンビだね」とシュウジもおもわずニッコリ。シュウジに男性機能が生きていたなんてビックリですね。
今日もキッズルームがある人魚のマークが目印の大手喫茶店でお茶をしながら話します。メトロに乗って5駅目の中心街にある大型店舗
二人とも、飲み物はノンカフェインアイスコーヒー（マチュ）とトロピカル・ルイボスティー（ニャアン）アンパンマンが描かれている農業コロニー産小児向けオレンジジュース（娘）
「でさ？具体的に何をすればいいの？」
いつもならビキニスタイルにホットパンツ姿のマチュですが。今日はゆったり目なスェット生地のワイドパンツにTシャツを羽織っています。ニャアンは着慣れた同じくスェット生地のワンピース（パンフレット参照）

「お腹…冷やさない事かな」ニャアンあどけないアドバイス
「それはバッチリ！ニャアンからもらった『腹巻き』までしてるし！入念！入念！」
マチュはTシャツをペロっとめくるとニャアンが妊活中だったマチュに送ったピンクのラメ入りの腹巻きが顔を覗かせます。
「身体も温めて、あと締め付けるような服は着ちゃダメって」
「わかってる、赤ちゃん産まれるまで攻めた格好はしないよ」
「アイスコーヒーくらいはまぁいいけど」「あっ！」マチュ自分が飲んでる飲み物で矛盾してる事を悟る。
生粋のヌーディストであるマチュとシュウジにとって「服」とは社会的な儀式でした。自分が社会に属している事を知らしめる為の「儀式」にすぎませんでした
しかし、妊娠したら話は別です。サイド3は常春のコロニーで気温は常に一定ですが冷える場所もあります。現に今のんびり喫茶しているこの空間もクーラーがガンガン効いてヒエヒエです。

「あとは栄養、偏ったらいけない」「うん、わかってる」
「それは後で教えるね。ほんとうに大変だから」「うん、おしえて」
マチュは元気に頭を振ります。ペイズリー高校の定期テスト以来の勉強っぷりです。娘ニャアンはﾁｭｰﾁｭｰとアンパンマンのジュース飲んでいます。
「本当に大変なの…わたしも今のマチュみたいに教わったんだ」
「誰に」マチュ訝しみます
「…キシリア様、あとジオンのお医者さん」
ニャアンの暗い過去が蘇ります

ニャアンの妊娠が正式に診断されたのはチベ級航宙戦艦「パープルウィドウ」の中でした。戦艦なので医療機器は万全でした。
軍医がまさか艦内で妊娠を確認するとは思いませんでした。民間人だから致し方ないとも思っていました。
パープルウィドウがグラナダへ急行したのも、ニャアンの為でありました。
「身に覚えがないというのだな？」キシリア様「あります…だけど誰はわかりません」ニャアンはかほそく答える。
「貴公が下賤の身ではない事は承知しておる、抗う事ができなかったのだな」
キシリア様の人生は苦労の連続です。産まれてからずっと謀殺の心配をせねばならないジオンの血族。
ニャアン生まれ出る悩み「貧乏人の苦労」を一番に知っていたのは
「貴族の苦悩」を知るキシリア様でした。
「…」ニャアンは沈黙で答えました。涙が溢れているのがわかります。
「もうよい、下衆な探りではない事を信じておくれ」キシリア様やさしく
「安心せい、貴公の働きがあれば必ずその子、安息に産まれる」キシリア様もニャアンを抱きとめたそうです。

兄弟喧嘩という名の醜い政治闘争に明け暮れたキシリア様も不可抗力で妊娠する難民少女の姿に絶句するしかありませんでした。
一年戦争という名の絶滅戦争をしかけた己の愚かさと直面します。全人口を巻き込んだ絶滅戦争の被害者こそ民間人ニャアンなのです。
キシリア様は自らの行いにはじめて恐怖した。
同じくフラナガンハイスクールで謀殺の恐怖と常に闘い続けたエグザべくんもまたニャアンに共感していました。
同情ではありません。「共感」です。同じサイド2産まれの難民である事は後に知る事となります。
「キシリア様…ともだちは『うんでもいい！』って言ってくれます。だけど本当に産んでいいのでしょうか？」
非公式ながらマチュ達はニャアンの妊娠を知っていました。あの日、三人で入った町中華で春雨を全部戻した日にニャアンの妊娠が発覚します。
その時のお話はまた後日。

「その命、宿したのは貴公だ。貴公の自由にすればよい、何も強制はしない。産みたければ心のまま産むが良い」
キシリア様はやさしくニャアンを抱きしめた。神聖な瞬間が訪れた
キシリア様の胸の中でニャアンは、泣いた。おどろおどろしいジオン将校制服が涙でグシャグシャになってもキシリア様は、赦した。
こうしてキシリア様とニャアンの絆は結ばれました。
キシリア様の「恩」に応えようとニャアンはジフレドに乗り、「奉公」します。双子の月の使い「ルナ」と「アルテミス」を従えて。
妊婦を巨大殺戮ロボットに乗せ、なおかつ大量虐殺兵器の引き金にするなんて！キシリア様もわるい人ですね。
「―――その時、栄養について教わった」とニャアンは語ります
「ごめん…ごめんねニャアン、つらい時の事思い出させて」マチュは謝ります。ニャアン第一子妊娠の経緯はマチュも知っていたからです
「いいの、だから民間療法じゃなくてグラナダのお医者さんから、ちゃんと妊婦さんの「前準備」栄養とか過ごし方とか教わったから、だからマチュにちゃんとした事を教えられると思う」

ニャアンは二人目の子を産もうとしています。経験者の情報ですから確実性があります。
「わかった！教えて！教えて！」
「紙もペンもないけどマチュ覚えられる？」
「スマホで録音する！」
「じゃあ簡単な事から教えるね。『ビタミン』ってあるよね？あれには「水溶性」と「油溶性」二種類あって。水溶性はたくさん摂取してもすぐオシッコといっしょにでちゃうけど油溶性は――」
ニャアンの「小児栄養」の授業がはじまります。マチュも新米ママとしての第一歩を踏みだしました。
戦争と言う罪は許されませんが、きっとニャアンへの『行い』がその償いであったでしょう。でも妊婦をジフレドに乗せるのはどうなんでしょう？
―――ありがとうキシリア様

以上がニャアン人妻概念補講。マチュ産婦概念序章の全容です。ほぼニャアンとキシリア様のお話になっちゃいました
マチュ産婦概念及びマチュ経産婦概念のお話は今後もしていこうと思います。マチュはいいおかあさんになれるよ
明日はお休みです
次回のジークアクスの放送次第で語り足りない所があると思うので続きはまた後日

来たか
マチュも母ちゃんか

おめでとうマチュ

ほとんどキシリア様のお話だったねニャアン…

よかったねマチュ

産むマチュ…絶対産むマチュ…

（ニャアンの私服設定画はパンフレットだったか来場者特典だったかを思い出せない顔）

fu5459119.jpg
ニャアンはああみえてけっこうおしゃれさんだよ

あいつ
きたな

>マチュ産婦概念序章のお話するね。
教授！これは本論からだいぶ逸脱しているのでは？

ニャアン人妻概念を知るには周辺知識も必要なのです
化学を勉強する為には義務教育程度の数学と理科の素養が必要なのと同じです

妊婦をMSに乗せるって…キシリア様ヤバッ！

ニャアン人妻概念Ⅰ
ニャアン人妻概念Ⅱ
夏季休暇と冬季休暇にニャアン人妻概念補講がある

マチュの赤ちゃんは…流れちゃうんだよね…

キシリア様は普通に悪い人だから安心していいよニャアン

ママになったマチュって
性格は落ち着くのだろうか？

ジフレド君は二人乗りでした
ニャアンのお腹に新しい命が芽生えている事を知っていたやさしいガンダムでした
だから容赦なくミゲルは焼きました
だから必死でニャアンと赤ちゃんを護る為必死で戦った
ジフレドはやさしいガンダムだよ
ルナとアルテミスが宿る月に祈るニャアンの姿が今でも見られます

ディアブロ太郎さん今日もありがとう

―――いま明かされるニャアンとエグザべくんとの出会い、邂逅そして結ばれるまでの経緯
次回ニャアン人妻概念序章にご期待ください