二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1755436535718.png-(901783 B)
901783 B25/08/17(日)22:15:35No.1344284645そうだねx4 23:31頃消えます
人口の大地であるスペースコロニーには、生意気にも気象変動がある。
 イズマコロニーの晴雨は気象計画によって、文字通り「計画」で定められている。雨雲もすべて人工的に管理されているに過ぎない。すぎないはずだとマチュは思っていた。天気予報なんて概念はない、「天候予定」という形でニュース番組に出ているお姉さんが伝えてくれる。コロニーに気象予報士はいない。天気はすべて人間の手で作っているのだから予報する意味がない。
 しかし、今日の豪雨はマチュにとって全くの想定外だった。「天候予定」では、朝晩通して晴れであるはずのイズマコロニー上空には雷雲がゴロゴロと喉を鳴らしている。お気に入りのセーターをズブ濡れにさせるほどの大雨が、地表に降り注いでいるのだ。
 マチュは走った。ただただ走った。
 こんなずぶ濡れの身体でメトロには乗れない。だから、走った。スニーカーから靴下まで、グシャグシャの自分がいた。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/08/17(日)22:15:47No.1344284732+
 目指したのは我が家じゃない。下水溝へつながるマンホールを探しているのだ。氾濫しそうになっているいつもの川の高架下へ。マチュは向かう。
 いつものドブ川は、濁流に飲まれ、流域治水としての本来の役割を果たしていた。シュウジが描いた「キラキラ」のグラフティも波にさらわれて、見えない。

―――シュウジ!?シュウジどこ!?

 誰かを必死で探すマチュの姿がそこにはあった。こんな雨の中で想い人なんか合わられるはずもないのに…ないのに

―――近くにいるよ。

 彼女の脳内に声が響き渡る!「シュウジだ!!」雨音に負けない声で彼女は叫んだ。

―――下水道は危ないからね、管理用の通路を案内するよ
225/08/17(日)22:16:00No.1344284838+
 彼女の視界には翠に赤のアクセントがまばゆい光の世界が広がっている。眼下にいるのは、シュウジ。その人である。彼女が「シュウジ」と呼ぶその男とマチュは「キラキラ」という名の共通世界で繋がっていた。通信端末は必要としない。「想い」が繋がっているのだという。人はそれを「ニュータイプ」と呼ぶかどうかは、まだわからない。

―――こっちだよ、おいで。

シュウジが道を授ける。コロニーの下層へつながる連絡道路へつながる扉までマチュはたどり着く。

―――鍵は空いているよ。

ギィーという鈍い音を立ててドアが開かれる。非常灯のみが赤黒く照らす暗がりの道を
マチュはシュウジの導きにより走っていく。彼女の後には雨水の足跡がしっかりと残る。
325/08/17(日)22:16:15No.1344284940+
 重たく厚い最後の扉、4重のシリンダーロックが外れる。赤いガンダムとまばゆい照明がマシュを出迎えてくれた。
「シュウジ!」
マチュの目線の先には、青いタンクトップが見えていた。
「やぁマチュ!…ズブぬれだね」淡々と彼は答える。
「すっごい雨ッ!コロニーの予定になかった!どうなってるの!?」
 彼女の赤い髪は濡れているのもかかわらず元気にハネている。いつもの艶はなく、光に反射する事はなく、下地で染めたキウィ色のベースカラーはその姿を見せない。
「天気に予定なんてない」
「けどコロニーじゃ…」
「地球に天気の予定なんてないよ、できる事としたら気象を観測し予測する事ぐらいだ」
赫い瞳が彼女を見つめる。その瞳は鋭くもあるがやさしさを帯びていた。マチュはこの赫い瞳にメロメロである
「そっかぁ…地球って、雨とか雷とか。天気がいろいろあるらしいね、雪なんて見たことない」
「地球には低気圧が渋滞して季節じゅう雨がやまない地域があるよ。砂塵の嵐が止むことがない場所があったり。一年を通して雨が振る事がない砂漠も存在する。不思議な惑星だよ、この地球は。そこで僕達は産まれ、育まれた」
425/08/17(日)22:16:33No.1344285055+
まるで他人事かのように地球を語るシュウジにマチュは疑問符を投げかけた?
「達観しているねシュウジは。もしかして宇宙人かナニかなの?地球を侵略するエイリアンとかそんな感じ?」
 シュウジしばらく黙り込む。その黙する様子がまた神妙で現実味を帯びていた。とマチュは後述する。
「宇宙人だったら?僕のことキライになる?」
「もっと好きになる♪」
 マチュはゴキゲンだった。突然振り出した大雨も、マチュのとっては僥倖の一つに過ぎない。何故ならシュウジに逢えたのだから。
 彼女にとっては、すばらしい「雨宿り」だったのだ。
「…ズブ濡れだね」シュウジは改めて口にする。
「うん、今着替えるから、タオル貸して!」
マチュはガンダムに無造作に干してあったタオルを手に取る。全長18メートルの巨大人型殺戮ロボットも、彼にしてみればただの物干し竿にすぎない。
525/08/17(日)22:16:46No.1344285156+
「いいけど、昨日ボクが使ったやつだよそれ」
「…なおさらいい!!!」
「新しいタオルだすよ!」「いい!これがいいのシュウジ!」
マチュ黒いタオルを強引に取り、顔いっぱいにタオルを広げる
「シュウジのにおいだぁぁぁぁ!!!キラキラだぁ!!!」
 中性的な顔とは裏腹に細躯ながらもしっかりとした男の子らしい骨格がある。そんなシュウジの匂いを全身に浴びるアマテ・ユズリハの姿があった―――ただのジャンキーだった。
「恥ずかしいから新しいタオル出すよマチュ」
「いいよいいよ!ちょっと待って制服脱いじゃうから!引き出しにある着替えもってきて」
 シュウジに堂々と「指示」するマチュの姿があった、ワシャワシャと髪をぬぐい、雨を吸い上げ、鉛のように重たくなったセーターを脱ぎ捨てる。濡れた制服もパパパッと脱ぎ捨て。下着も脱いでしまう。
625/08/17(日)22:17:13No.1344285353+
―――産まれたままの姿にバスタオルを巻いたマチュの姿が顕(あらわ)れる。

「はい着替え。風邪引かないでね」シュウジが差し出す。
 同世代女子の裸体が視界いっぱいに広がっているが、シュウジには動揺する気配はまるでなかった。心の音は「凪」そのものであった。感情の波もベタ波だった。
 ここで多くは語らないがシュウジとマチュ。隠れ家を共有する二人にはもう裸を見てどうこうするような関係性は存在しなかった。それほど、深い仲になっている。―――とだけ補足しておこう。
 シュウジの前でいそいそと着替えるマチュ。オーバーサイズシャツとホットパンツ姿に着替えた姿があった、何故かマチュの着替えがシュウジの隠れ家に存在する。その程度の仲にはなっていた。同じ「キラキラ」の海を泳いでしまったのである。互いの関係を深く潜るには、そこまで時間はかからなかったと言う。
725/08/17(日)22:17:29No.1344285481+
「外は大変みたいだけど。これは恵みの雨だ」
「なんで?」マチュ訝しむ
「水だよ、水は貴重なんだ」
 シュウジは隠れ家の一角に佇む黄色い箱を指差す。プラスチックでできたおおきな四角形は箱と言うには大きすぎる…タンク?と言った方がいいのかもしれない
「あれがボクの生命線さ、ここの水はほとんど雨水で賄われている」
「雨水が流れてくる雨樋(あまどい)みたいなのが地上に生えていて。そこからここまで流れてくる、きっと今晩の雨で満タンになる。幸せだ」
「えっ!?雨水飲むの!?」
 マチュは驚愕した。そうか、ここはコロニー市民とかニャアン達みたいなかわいそうな難民とかそういう一般の概念が通用しない世界。「コロニーの隙間で勝手に棲む男『シュウジ』それだけが存在しているのだから、常識で測ってはいけない。とマチュは自戒する。
「ろ過はするよ。あとほら、これを見て」
 シュウジはCDくらいの大きさはあるタブレット(錠剤)を握っている。それを黄色い水槽の中に投げ込む。シュワシュワと音を立てながら白いタブレットが泡へと消えていく。
825/08/17(日)22:17:46No.1344285607+
「浄化剤。簡単にいえば塩素だよ。これで普通に飲める飲水になった。マチュも飲む?」
 シュウジはウォーターサーバーからコップへ水を注ぐ。
「飲んでも大丈夫なの?」「ボクはずっと飲んでいるけどお腹を壊した事はない、それにマチュはもう飲んでいるよ。キッチンの蛇口から出るおみず。あれ全部雨水だから」
「!?」マチュの表情が変貌する。
 何度もシュウジの隠れ家に遊びに行った。料理もしたし、お水も飲んだ。
「私もニャアンも平気だった!つまりそういう事なのだろう」と納得するマチュはコップの水をグイっと飲む!
「おいしい!」「うん、普通のお水だからね。地球の水が飲みたいなぁ」
「ミネラルウォーター?」「そう、高いんだよ。地球の水」
 宇宙コロニーは水素を様々な場所で使用する。化学反応を起こすその副産物として「水」は大量に発生する。なので宇宙市民は「純粋な水」にこまることはない。
「宇宙の水にはミネラルはないからね、でも1000ml一本500ハイトは暴利だよね『ミネラルウォーター』」
 イズマコロニーでも地球のミネラルウォーターを手にするには大枚をはたかないといけないらいし。
925/08/17(日)22:18:01No.1344285698+
「けどさシュウジ!地球に行ったら地球のお水飲み放題だよ!」
「水のある所にいけばね、湧き水なんか飲んでみたいなぁ…地下水…井戸、人類が文明を持ち始めて最初の発明。井戸が人類の定住を可能にしてくれたんだよ」
「いど?井戸はよくわからないけどとにかく地球!地球いこ!みんなで!」
「そうだねマチュ、クラバと貯金。がんばらないとね」
「クラバ頑張らないと!ニャアンの市民権も買わないと!」
イズマコロニーはソドムとゴモラの街であった、金があれば市民権などいくらでも買える
「これから大変だねマチュ」
「うん、けど楽しい!学校より楽しい!」
 マチュは子どものようにはしゃぐ。そんなマチュをシュウジは抱きしめる。
 まだ憧憬が残るその姿は少女と成人の間にある不確定で不安定な存在だった。そんな存在を抱く事はシュウジにとって、とても不安な事だった。明かりのない夜道を共に歩くような、そんな不安がよぎっていたのだ、しかし。幸せだった。
1025/08/17(日)22:18:21No.1344285814+
「ちょっとシュウジ!なに!?」マチュはシュウジに抱かれていた。シュウジ肌見放さず身につける大きなグローブが彼女を包み込む。そして、いつもように彼女のつむじを嗅ぐ。
 はじめて邂逅したあの日と同じだ!
「うれしい」
そうとだけマチュは呟いた。マチュはシュウジに抱きつく。
 シュウジの隠れ家は静かな場所にあった。双つの心臓がドクドクと鳴る音だけが聞こえる、心臓弁がヘビメタを熱演している。ドキドキしているのだ!神聖な瞬間なのだ!

 (わたし、この人と…こんな事してる…これで本当にいいのかな?)
 
 マチュは不安に思った、非行少女なりの不安だった。幸せすぎて不安にかられたのだ。
 不安と動揺が入り乱れる二人を、ガンダムとコンチだけが見守っていた。
「マチュ、冷たいね」シュウジが切り出す
1125/08/17(日)22:18:38No.1344285905+
「えっ!?何が!?」マチュ動揺する。身体を預けることへの不安を彼に悟られたのかと思っていた
 シュウジ、マチュの掌を握る。
「冷えてる…マチュの躯(からだ)雨に当たったからね。」
「うん、あまり考えてなかったや」
「風邪引いたらいけないよ。躯を温めよう。シャワーを浴びよう」
「う・・・うん」不明瞭な回答しかマチュにはできなかった。
電化ボイラーがポンポンと音を立て、動き出す。
「水については心配しなくていいよ、今日の大雨でこの先水には困らない」
「それは・・・わかったけど」マチュ、言葉尻がどこかか細い。
「どうしたの?」シュウジは訝しんだ。

「いっしょに・・・はいるの?」マチュ、少女一人せいっぱいの『問い』であった。

「その方が水を節約できるよ、それにマチュとシャワーを浴びるのは、好きだ」
 あっけあかんと答えるシュウジの姿に、多分私達の間に『壁』という物は存在しないのだなぁと確信した。あるとすれば肉体的な壁。だけど精神は、キラキラで繋がれている。
1225/08/17(日)22:18:50No.1344285989+
―――恥ずかしがっているのは自分だけだ。そんなもの捨ててしまおう。

「オユガワキマシタ」お決まりの電子音がボイラーから聞こえる。
 マチュはさっき着たばかりのシャツとパンツを脱ぎ捨て、浴室へ向かう。
シュウジもイソイソとタンクトップとツナギを脱ぎ、畳んでから浴室へ向かう。

 二人、隔たりの内空間でシャワーを浴びる。シュウジの家のお風呂は浴槽がない代わりに大きなレインシャワーが構えられていた。
 お互い、抱き合いながら湯を浴(あ)む。この大雨はとてもあたたかく、そして気持ちい。なにより―――幸せだ!

 恵みの雨に感謝しないと。この雨は、ふたりにとっての、ほんの幸せ。
1325/08/17(日)22:19:57No.1344286424そうだねx4
おわり
11月29日に行われるシュウマチュwebオンリーに参加するよ
会場でぼくと握手!
1425/08/17(日)22:21:03No.1344286863+
イベント頑張って
1525/08/17(日)22:21:46No.1344287162+
急に閃光弾が来た?
1625/08/17(日)22:22:11No.1344287357+
閃光弾たすかる
1725/08/17(日)22:23:33No.1344287925+
キラキラだぁ!
1825/08/17(日)22:26:51No.1344289213+
閃光弾・・・みな何もかも懐かしい・・・
1925/08/17(日)22:27:35No.1344289488+
お盆だから閃光弾も帰ってきたんだよ
みんな送り火で送ってあげよう
2025/08/17(日)22:33:02No.1344291726+
シュウマチュいいよね
パズドラも草葉の陰で喜んでおります
2125/08/17(日)22:33:51No.1344292084そうだねx2
>シュウマチュいいよね
>パズドラも草葉の陰で喜んでおります
(トドメをかっさらう🐱)
2225/08/17(日)22:35:12No.1344292626そうだねx1
> 終わったはずの私のモンストが実はまだ終わってなかったことを知ったのは3日前。
>でも今度こそ終わったってことでいいと思う。
>男を捕まえるって本当に大変なことなんだねお母さん…。
>二人が幸せなキスをして終了!!って特殊EDまでには長い道のりがあったよ。
>私はこのメビウスの輪の中で、何度も私が死んだりシュウジを殺したりを繰り返した。
>途中までは自前ニャアン・ドゥー・私とレンタルニャアンで頑張っていたけど
>限界を感じてニャアンとマルチの私・ニャアン×2に行きついたよ。
>めでたく斧でシュウジのハイパー化ガンダムを倒せた後で
>皆のデータを見せてもらうと全然まだ育成がなってないのが分かった。
>力を貸してくださった皆様本当にありがとう。
>あと非常に多かった失敗パターンの1つがこれだよ。
>ニャアンのオールレンジ攻撃が高火力すぎて私が斧使う前にクリア。
>何やってんだニャアン!!!!そこは私の出番だろ!!
2325/08/17(日)22:37:26No.1344293647+
閃光弾勢がたどり着いた楽園、それはパズドラだった
2425/08/17(日)22:40:17No.1344294859+
>おわり
>11月29日に行われるシュウマチュwebオンリーに参加するよ
>会場でぼくと握手!
あるのか…Webオンリー
2525/08/17(日)22:40:52No.1344295167そうだねx4
閃光弾好き
2625/08/17(日)22:41:59No.1344295638そうだねx1
https://kiramav.web.fc2.com/
あるよ
公序良俗に反しなければ頒布物はなんでもOKなので頑張って参加しよう!
2725/08/17(日)22:42:49No.1344295985そうだねx1
大きな声じゃいえないけど…閃光弾好き
1月から好きだった
2825/08/17(日)22:45:08No.1344296985そうだねx1
マジか
なんか作って俺も参加しようかな
他イベもあるから漫画描くのちょっと大変そうだが
2925/08/17(日)22:46:14No.1344297435そうだねx3
閃光弾久しぶりすぎる…
3025/08/17(日)22:47:22No.1344297934+
webオンリーは実物がない即売会だからイラスト一枚とかでも参加できるよ
ただし有償禁止だから原則無料頒布だよ
ぼくもマチュ人妻概念で参加するつもりだから敷居は低いよ
参加しよう
3125/08/17(日)22:48:28No.1344298407+
最後に見た閃光弾はマチュに赤ちゃんが出来て堕ろすか堕ろさないかみたいな話だった
重すぎる…けどいい閃光弾だった
3225/08/17(日)22:50:14No.1344299154+
なんで堕ろさないといけないんだよ!
3325/08/17(日)22:51:22No.1344299679+
ごめんねシュウジ…赤ちゃんとか重たいよね
シュウジに迷惑かけたくないから…堕ろすね
3425/08/17(日)22:51:37No.1344299777そうだねx4
産めや!
3525/08/17(日)22:56:20No.1344302006そうだねx2
お腹の子が生きたいと言っている
3625/08/17(日)23:00:27No.1344303738+
こいつらの子はすごいNTになんのかな…
3725/08/17(日)23:02:52No.1344304651そうだねx5
>大きな声じゃいえないけど…閃光弾好き
もっと大きな声で言え
3825/08/17(日)23:06:50No.1344306101そうだねx2
シュウマチュすき!!!
「コロニーの彼女」今でも聞いてる!!!
「Far Beyond the Stars」はシュウマチュソング!!!
3925/08/17(日)23:07:44No.1344306428そうだねx1
あんなことになってもきっとタマキさんは孫の誕生喜ぶだろな
4025/08/17(日)23:08:54No.1344306885+
なんやかんやあったけど最後すごいシュウマチュで爽やかに終わった…
4125/08/17(日)23:10:02No.1344307315+
ちゃんと言えたじゃねぇか
4225/08/17(日)23:17:12No.1344309890+
お盆なのに閃光弾が眩しい
鬼火かな?


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