メック地方から出土した遺物をご存じだろうか。 布、鎧、剣、ランプ、指輪、判明しているだけでも幅広く文明の足跡を見せる遺物たち。 それらを発掘し、商人に流し、好事家たちの手に渡る。 はるか過去に埋もれたメックの文明が現代の空気を吸い時代を超えて呼吸をする。 此度街へと流れ新たな息吹を見せる遺物もまたそのひとつ。 メックパレオ(mech paleo) 古の時代メックの住民が纏っていたという民族衣装のひとつ。 かつて荒ぶる勇者が鎧とともに纏っていたものとしても知られている。 現在砂漠地帯となってるメック地方が古来から温暖な地域だったことが伺える服飾である。 布類の埋蔵品はレプリカが多数作られ現在商店に並ぶ服屋でも同じ柄のものが気軽に手に取れるようになっている。 その中の一つに不思議な刺繍の施された水着が並んでいた。 どうやら太古のタペストリーの一つを参考に作られたものらしく不可思議な模様で満たされている。 メック地方の巫女曰くそれは大まかなメック地方の滅びのカレンダーだそうだ。 模様に記されたものの内訳は以下のとおりである。 ・魔王と呼ばれた化石竜 ・メックリプスの軍団 ・それらとは別の巨人の出現 ・剣を振るう荒ぶる勇者 ・魔王と呼ばれた女王の爪 ・汽車、船、飛行艇など当時存在しえない乗り物 ・天地を繋ぐほど巨大な塔 ・そしてそれらを飲み込まんと迫る惑星のような何か メック地方の滅びは複数回訪れているらしい。 滅びというのは文明の切り替わる隠喩的なものか実際に起きたことかは定かではない。 今なお発掘調査を続ける者たちが訪れては埋蔵品を拾い 商人に売り渡したり博物館への寄贈を行われている。 メックの巫女曰くまだ記されてない滅びがあるとのことだ。