「…どうして室内で帽子を被っていまして？」
いつも初音が被っている、黒い帽子…キャップと呼ぶべきでしょうか。
私の言葉にきょとんとした表情を浮かべた初音は、キャップのツバを触りました。
「え、ええと…これ被ってるとね、なんだか捗る気がするんだ」
「捗る…」
「うん。リリック…歌詞が思いつくようになるというか…」
なるほど、それが初音なりのスイッチなのでしょう。
確かに初音はよくキャップを被っていますが、そんな使い方をしているとは知りませんでした。
「そうでしたのね…。私、行儀が悪いと注意してしまうところでした」
「あ、ううん！　祥ちゃんの言う通りだから」
「いいえ、初音が集中できるのが一番ですわ」
「でも…」
慌ててキャップを脱いで握りしめた初音。いっしょに仮面まで剥がれてしまったようで、しょげた様子で私を見つめてきます。
まったく…私にくらい、そんな顔色を伺うようなことをしなくてもいいのに。

「出過ぎた真似をしたのは私の方ですわ。ごめんなさい」
「そ、そんなこと」
「初音、出来ることは何でもするべきですわ。それで集中できると言うなら、なおさら」
安心させるように、私は微笑みを浮かべました。
私も行儀をああだこうだと述べらるほど、出来た人間ではありませんから。
「それに…」
「それに…？」
「この部屋には私と初音しか居ませんもの。少しくらいはしたなくても問題はないでしょう？」
「祥ちゃん…」
キャップを握りしめていた初音が、やっと笑みを向けてくれました。
コクコクと頷いて嬉しそうに。
「さ、お夕飯に致しましょう」
「うん！」

☕
「祥ちゃんは身につけてたらメロディが思い浮かびやすくなるような物ってある？」
食事中、初音が興味津々な顔で私に問いかけてきました。
少し考えて、私は頭を振ります。
「特には」
「そっか…」
しゅんとする初音を見ていると、はたと思い浮かびました。
「ああ、でも一つありました」
「本当？　教えてほしいな」
すぐに初音がキラキラした瞳で私を見つめてくるので、私も少し勿体ぶって、ふふんと自慢げに笑います。
Ave Mujicaのこれまでの楽曲を書き上げる中で、それは常に私とともに在りました。

「切羽詰まって忙しい時ですわ。時間が無く、追い詰められた時こそよく思い浮かんでしました」
壊れる瀬戸際、作劇や舞台演出とを並行作業していたときに作曲した数々。
本当に大変でしたが、どれも気に入っている楽曲です。
自分なりに納得のいく回答に満足していたのに、なぜか初音がこわばった表情になっていました。
「…祥ちゃん、今日は早く寝よう？」
「え？」
どうしてそういう話になりますの…？

ういさき下宿先・間取り
https://hs-chintai.com/build-6411972/room-23981115.html

玄関左横、洋室4.6帖が初音の部屋かなと

中野区のDiggy.MO 三角初音

さきちゃんの手料理はｹﾝｺｳﾆｲｲ…💛

勘違い嫉妬初音かな？

この前リコササキがDiggyと同じ帽子被ってる写真載せてて駄目だった

帽子のとこでDiggyが来るかと身構えてしまった
ほのぼのはつさき良いね…

Diggyと化した初音の曲解説を聞いて内心「？」ってなる祥子

こういう優しい日常の一幕いいね…

三角ハウスはわりと人によって間取りの解釈が変わる印象

元ネタのマンションはわかってるのか

キャップがずらっとかけられた部屋とかあるんだろうな…