ﾆｬｰﾝ
仕事でヘトヘトになって帰ってきた俺がドアを開けると、上がり框の前で、DOROが行儀の良い格好で座っていた。
なんだ、珍しいな。
だいたいこういう時には、ガラスのキャビネットの中に仕舞ってあるバランタイン30年を空けたとか、冷蔵庫の中のハモンセラーノを平らげたとか、押し入れのブロン液を1箱丸ごと飲んだとか、ろくな事がない。
「おいDORO、何をした」
ﾆｬｰﾝ
DOROは答えずに浴室の方へと向かう。なんだ、浴槽をカビキラーでめちゃめちゃにしたのか……。
てぽてぽと4本足で歩くDOROの後をついて行くと、……違う。そこには湯煙を漂わせつつ、緑色の湯を蓄えた浴槽の前だった。

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「ほう」
俺が普段より上ずったため息をつくと、今度は2本足でタタタタと小走りに、湯船に飛び込む。
ﾆｬｰﾝ
いつの間にか頭に手拭いを載せて、髪を結わえて鼻歌を口ずさむDOROを見ていると、仕事の疲れも少し飛んで、風呂にでも入ろうと言う気力が湧いてきた。
ﾆｬｰﾝ?
ああ、いい湯だ……。
みごとな湯加減に、俺の好きな檜の香りの入浴剤。こいつがここまで俺の好みを熟知していることに驚いた。
でもいいや、今はこの風呂を楽しもう。

さて。
風呂から上がり、髪をバスタオルで軽く拭くと、先に上がっていたDOROが冷蔵庫の前に立つ。
「こういう時は、コーヒー牛乳でも有ればな」
そうつぶやいた俺の前に、コーヒー牛乳の瓶を持った白い手が差し出される。
「ああ、察しがいいな」
そう言いながら視線を冷蔵庫に向ける。
ぶぉぱっ！？
あやうくコーヒー牛乳を吹き出しそうになった俺の前で、ちょこんと座るDORO。
冷蔵庫の中身は、すべてコーヒー牛乳で埋め尽くされていた。
あああああ！？
狼狽える俺のまえでDOROが5本目のコーヒー牛乳を開ける。
順番の体が、下から順番に茶色に染まっていった。

冷蔵庫に入ってた調味料とかどうしたんだろうな…

肉は！？卵は！？魚は！？

>肉は！？卵は！？魚は！？
ﾆｬｰﾝ

冷凍庫は無事？

>冷凍庫は無事？
ｹﾞｯﾌﾟ

(大量のフルーツ牛乳シャーベット)

ブロン液そんなに持って何する気だ

すまない…DOROスレを見かけて勝手にぶん投げてしまった…

ブロン液が束箱か小分けの箱かによって俺の闇深さが変わるな

先に風呂に勝手に入ってないだけ懐いてきてるな…

>先に風呂に勝手に入ってないだけ懐いてきてるな…
懐くものなんだろうか…

オレンジの人はなんであんなに懐かれてるのか