「どうだい、使い心地は。」僕がそう問うと、ブシアグモンは振り回していくつか型を演舞する。 「ふむ、悪くねえな。侘助、デジメンタルアップ頼む。」言われて侘助はディーアークに純真のデジメンタルのカードをスラッシュする。 「ブシアグモン、アーマー進化!ヤシャモン!……やはりコイツがよさそうだな。おい侘助!」 「わかってる。超進化プラグイン!」もう準備してた侘助はすぐにカードスラッシュする。 「ヤシャモン超進化!グレイドモン!……おお、この体でもちゃんと使える。すげえな。」グレイドモンは軽く感嘆する。 「じゃあ次行く?」ブルーカードを手にした侘助の声に、 「頼む。」間髪入れず返事をする。 「マトリクスエボリューション!ガイオウモン!」ガイオウモンに進化すると同時に、再び変化が起きる。 婚を基調としたカラーリングが白く変わっていく。 背中に羽織状のマントが追加され、デジ文字ではなく漢字で「兵法日本一」の文字が浮かんでくる。 ……これがガイオウモン:橋渡しか。 「おうおう、こりゃいい。悪くねえ感じだぜ旦那。」上機嫌にガイオウモンが呵呵と笑う。 侘助じゃなくてブシアグモンのほうの声だった。 「おう、これ全部買い取ってくれ。それで最終調整とジョイント改造もその竜胆某に頼むとしよう。」 作られた五本の杖すべてを試し終え、ブシアグモンに戻った『彼』は僕に向かってそう言った。 「五本全部かい?」 「おうよ、実戦じゃあ武器が壊れるなんて当たり前だからな。」試したうちの1本を手にし、しみじみと眺めている。 「しかし懐かしいな。七郎の杖がこの時代にも残ってるたあな。」 「七郎……ああ、柳生三厳のことか。……まさか面識があるのかい?」さすがに驚いて訪ねてしまった。 だってそんな記録は正式にはなかったはずだ。そりゃ一応同じ時代だけど……。 「ま、ちょっとな。」彼はそれだけ言うと再び杖を振るって演舞する。 「……俺がくたばって10年もしないうちに死んじまうとは思わなかったけどな。」 僕も侘助も、何て言ったらいいかわからなくて、しばらくその演舞を黙って見ていた。