「わかってんなら早く行ってきてよ。何があったかはよく知らないけど」
「そうは言うけどさ〜本当に私が行っても大丈夫かな〜って」
「もう今はお前しかいないでしょ。あいつがめんどくさいの承知で付き合ってんじゃないの？」
「まぁそりゃ？めんどくさいのも可愛いとこじゃん？」
「ぜんっぜんわかんないその感覚」
「じゃあ何？りっきーの彼女はめんどくさくないの？」
「は？めんどくさいに決まってるでしょ。何なのお前」
「うわ、りっきーもめんどくさっ！」
「とにかく、燈も困ってるから、早くなんとかして」
「はいはい」
「このまま燈が泣くことになったら、許さないから」
「はいは〜い」

立希に追い立てられるように彼女の家に向かった。もはや賽は投げられた。とにかくそう考えて、前に進むしかない。燈が信じてくれたのは、そんな私であったはずだ。自分を奮い立たせてエントランスに立つ。一応、インターフォンを押す。少ししてから答えがあった。
「もしもし…」
「あ、そよりん？私だけど」
ガチャ。切れた。ため息をつく。だが想定の範囲内だ。もう一度押す。通常不可解なことに、先ほどよりも間が空いて、無言の応答があった。
「……」
「開けて。開けてくれるまで帰んないよ」
「……」
ガチャ。切れた。だがエントランスのドアは開いた。これでとりあえずは第一関門を超えた。エレベータに乗り込み、45階を押す。しばしの加速と浮遊。耳抜きをして気圧を整える。次が第二関門だ。ドアの前に立ちインターフォンを押すと、少ししてドアが少し開かれ、彼女が顔を出した。

これでようやくそよの顔を拝めたわけだ。目の下に薄くくまができている。その不健全そうな顔に、改めて来て良かったと深く思った。
「何しにきたの…」
「何しにって…それが無断欠勤した人の言う台詞〜？とにかく中、入れてよ」
そよは深い、しかし力の無いため息をつくと、そのまま家の奥に奥に戻っていった。扉を開けて、私も中へと追っていく。第二関門突破。
「お邪魔しまーす」
そよはリビングのソファにぐだっと座っている。何をしていたわけでもない様子。いや、きっと何もできないのだ。彼女がここで何もできずに、悪感情に苛まれていたことが、私にはわかる。そう、多分、私が悪いからだ。

愛音もそよの隣に腰かけた。今は、顔を突き合わせて話すしかない。彼女の傷を癒すと信じて。
「そよりん」
「…何」
捨て鉢な返事。不機嫌そうでいて、助けを求めてるような顔。子供みたいで、めんどくさくて、可愛い彼女。
「そよりんさ……私の教えたサイト、見てたんだよね」
無言。それは肯定だった。
「い、いやー私、あの時はなんかはしゃいじゃってたけど、こんなの全然気にする必要ないから！」
無言。少し震える肩。
「それに、誰に何言われても、私たち一生」
「いらないって…」
そよがようやくぽつりと漏らした。愛音も言葉で繕うのをやめた。そよは俯いたまま、漏れ出た言葉をこぼし続けた。
「長崎は…いらないって…燈ちゃんにも…Mygoにも…相応しくないって…」
「だ、だからそんなことは…」
「わ、わたしっ、が、冷たくて、クズ、だからって…ずっと、取り繕っても、わかるって…」
そよはぽろぽろと泣き始めた。愛音はきゅっと胸が痛むのを感じた。彼女の傷を思うと、それ以上、おためごかしの言葉は出なかった。

きっかけはなんて事はない。It's Mygo!!!!!のファンが集う匿名掲示板を愛音が見つけた。その時は穏やかだった。燈の歌がいい、楽奈のギターテクがすごい、立希は自分の嫁だ、などなど。他愛もない書き込みを見て笑っていた。愛音はこうして新しく見つけたものをそよに共有する。なんだかんだ言いながら、付き合ってくれるのは彼女だったからだ。
「見てよそよりん、燈クンだって。言われてみればともりん、燈クンって感じかも！」
「ハァ…何？燈クンって感じって」
「らーなちゃんはらーなちゃんって感じだし、そよりんはそよさんって感じ。わかんない？」
「わかんないなー愛音ちゃんのセンス」
そう、なんて事はない話。掲示板のファンたちの反応を喜び、その日は何事もなく終わった。そして愛音自身は、その後SNSに戻ったら、匿名の掲示板のことなどは忘れてしまった。
そよが練習を無断欠勤し、学校にも来なくなっていたのはその数日後だった。最初にそれを知ったとき、愛音は、そよがまた病んでいる、などと軽く考えていた。しかしふと思いあたり、そよに見せた掲示板を覗きに行った。

そこにあったのは…悪意ある書き込み…と言えばいいのだろうか。Mygoのスレッド。目を引く攻撃的なレスポンスたち。それも、長崎そよ個人を攻撃するもの。脱退を望むもの。振る舞いを罵倒するもの。燈の口調を真似て嘲笑するもの。
「うわ…ひど…」
彼女への攻撃は何がきっかけだろうか。ステージ上の何気ない所作か。Ringで起こった事件か。羽丘で取っ組み合いをしたことかもしれない。しかし発端がなんであれ、書きこまれてしまったという事実は変わらない。
愛音はこれがそよがメンタルを崩したのだと確信した。そよは愛音が持ってきたものになんだかんだ興味を持ち続けてくれる。それは愛音が飽きた後もそうで、今回もまたそうなのだろう。とにかく、そよはこれを見た。それで…傷をつけられた。何かが、ぐさりと刺さったのだ。名前のない視線、人の中に埋もれる言葉。それがひとりの心を抉り得ることは、愛音が一番よく知っていた。

そよはソファで泣きじゃくっていた。愛音が来たことで、抑えていたものが決壊したように。愛音は黙ってそよの背中をさする。彼女の心の内はわからない。でもやらなきゃ。準備してきたものを取り出した。
「そよりん、見て！」
押し付けるようにスマホを見せる。
「イヤ…やだ、もう見たくない…」
「そうじゃなくて！ほら！」
構わず見せつける。匿名掲示板の古いスレッド。
「これ、私のこと！」
「…え？」
そこには、悪口ともやっかみともつかない、これまた心ない言葉が並んでいた。
「chyって私のことでしょ？千早の頭文字。これさー、きっと私の中学の同期だよ。私の昔のこと色々書いてるし。めっちゃバカにしてるし。ほーんと、サイアク」
「……」

そよは黙っていた。別の画面も見せた。
「あとこれ！りっきー！接客態度でボロッカスに言われてる！これは自業自得だけど！」
「……」
そよは泣き腫らした目で、画面をぼんやり眺めていた。愛音はとにかく、用意していた言葉を全部吐き出した。
「もう私さ、昔のやつまで全部見ちゃったよ。すっごい嫌な気分」
「…なんで、そんなこと…」
「だってそれぐらいしか思いつかなかったんだもん。そよりんだけ辛いのに、何していいかわかんなかったし」
「ぅ…」
「あ、それでさ、これ！一番大事なとこ！そよりん叩いてるこいつ、ずっと同じやつなの！ほらこれもこれも。文章全部おんなじ。たまに出てきて、悪口言ってるだけ！ひとりだけなんだよ、こんなの」

「あの時見たのって、たまたま平和だったんだよ。匿名だからって、酷すぎるよね。ともりんも、らーなちゃんも、ほら、どっかで嫌なこと書かれてる。他も見てみたんだけどさ、祥子ちゃんなんて、毎日アンチスレ立ってたよ」
愛音は曖昧に笑って「祥子ちゃんはそういうの気にしなさそうだけど」と付け加えた。そよは少し落ち着いたようで、「ん」と、ぼんやり頷くような仕草をした。でも、きっとこれだけじゃ十分じゃない。私の言葉も、伝えなきゃ。
「でもね、そよりん。こんなもの用意しといてなんだけど、私もともりんも叩かれてるからーとか、相手がひとりだからーとか、そうだから忘れろとかは、言わないよ」
「……あのん、ちゃん」
愛音はそよの手を握った。ちゃんと目を見て。
「そよりん、傷ついたんでしょ。ごめん、さっきは、ああ言ったけど。気にするなとか言っても、無理だよね」
「……」
「でも、私が、私たちがいるから。そよりんのこと、みんな必要としてるって、思い出させてあげるから。だからこういう時は、せめてひとりで抱え込んだりしないでよ」

「はい、以上！」
愛音に言える事は、これで全部だった。後はもう、隣にいてあげることしかできない。愛音はそよに体を寄せて、ソファに深く腰かけた。
この部屋はまだ広すぎたし、静かすぎた。でも、ひとりでいる時よりもずっとよかった。ソファにふたり並んでいると、そよはようやく少し落ち着いてきた。足りなかったのは、本当の声と、温もりだったのだ。それでやっと、「あのんちゃんも」と、はっきりと口を開いた。
「どしたの」
「あのんちゃんも、ほんとは私のこと嫌いじゃない…？」
「…え、まださっきのやつ気にしてるの？私はあんなこと言わないって…」
「だ、だって、私…めんどくさくて、嫌なやつだから…」
「いや……確かにめんどくさいけどさぁ」
「っ！」
「あ、ヤバ。違くて！」
慌てて取り繕うが、遅い。そよが愛音のことを睨んでいる。
「めんどくさいとこも可愛いなーなんて…」
「もう知らないっ…」
「ご、ごめんて〜そより〜ん」
そよは体育座りをして膝に顔を埋めた。愛音が背中に抱きついて、なだめすかす。もう少しで普通に話してくれそうだったのに。なんとも締まらなくなってしまった。

しかし、愛音は安心した。これが彼女のいつも通りだ。それは一緒にいて、わかるようになったこと。そよはもう大丈夫だ。今日はずっと、こうして彼女のそばにいよう。

そよはひざに埋めた顔を、ほっと綻ばせていた。背中に感じる、愛しい人。なんで、ずっとこうしていてくれないの？理不尽で、心地よい苛立ちを燻らせる。その小さな笑みを、彼女は誰にも見せなかった。

ずっと暴れてる虫がいるので一本書いてみました！

ペンギンはでてこなかった

目が滑る

>「じゃあ何？りっきーの彼女はめんどくさくないの？」
>「は？めんどくさいに決まってるでしょ。何なのお前」
👏

>ずっと暴れてる虫がいるので一本書いてみました！
書くのは良いと思うけどこれはちょっと余計かなって

ヘイト創作ってこと？

マジかよ最低だな壺

ただ長いだけって感じなのもううn

ずっと暴れてる虫さん走ってるじゃん

まぁでも言いたくなる気持ちはわかるよ…言葉を選ぶべきはそうなんだけど

推しカプに粘着がいるのが面白かったのでテーマにしただけで特に深い考えはないです…
イラつかせたらすいません

そういうのが創作のモチベーションになるのもアリだと思うよ

特に好きでもなさそう

自分の立てた怪文書スレ荒らされたとかならお怒りはごもっともだと思うんだけどね
こういう形でも構っちゃうのはどうだろう

虫さんイライラで草

>面白かったので
>イラつかせたらすいません
それ素でいってるなら睦ちゃんに片足突っ込んでるぞ！

レズバトルならマシでうんこ貼り付けとか完全に荒らしムーブの荒らしだからまあ言われても自業自得というか…

こういう奴がスレ立ててるから例のカプのスレが荒れるんだな

憎しみの感情からいい作品が生まれるわけもなく…と言ったところ

>ずっと暴れてる虫がいるので一本書いてみました！
これさえ無ければたくましいもんだと思ったんだけど
荒らされてるのめっちゃ効いてます！って宣言してるようなもんだしあまつさえ荒らしを呼び寄せちゃってるのがよくない

いつものやつのことなら10年以上働かずに百合に粘着してる異常者だからdelして無視ぐらいがいいと思うぞ
あいつはあのそよはただ百合で勢いあるバンドリの中で一番人気だから狙ってるぐらいの感覚だろうし

日刊勢ってやっぱり安定して面白いんだなって思った

スレ爆破するなら今のうちだぞ

これ自体もただの手の込んだ荒らしでしょ

あのそよが…一番人気…？

>あのそよが…一番人気…？
今はういさきだよね

とりあえずスレ虫にdelしてどのくらい自演してんのか確かめるか

はい爆破阻止

>スレ爆破するなら今のうちだぞ
戒めに残しておきます
少し感覚の違いを自覚したので怪文書書きはやめておきます

あの虫さんは構ってもらえると○○も叩こうかなみたいなこと言い出すし他が好きだからあのそよが地雷みたいな情熱も何もないぞ

うーんBUZAMA

スレ虫今頃顔真っ赤にしてそう

ここまで露骨に虫さん集って来たら逆に面白いな

好きに書いたほうが良いよまじで

無管理の時点で…ネ…

>ここまで露骨に虫さん集って来たら逆に面白いな
普通に嫌です…

>>スレ爆破するなら今のうちだぞ
>戒めに残しておきます
>少し感覚の違いを自覚したので怪文書書きはやめておきます
バーーーカ

なんて言うか…荒らされる側にも原因があるんじゃってなるなこういうスレ見ると

すみません。個人攻撃以外は管理します

いつものやつが嫌いなのはあのそよじゃなくて百合全般だよ
今日はmayでわたなれのスレに乗り込んでID出されてたしそういう人間のクズなんだよ
普通にdelして無視自分が立てたスレなら管理
これでいい

見苦しいからもうレスすんなお前は

とりあえず改行入れよう
まずはそれからだ

>なんて言うか…荒らされる側にも原因があるんじゃってなるなこういうスレ見ると
原因があろうが無かろうが荒らす奴が100悪い

全部が全部ハズレ行動しかとらないのさすがに笑える

半P

正直特定の1人じゃなくてあのそよ好きとあのそよアンチが2人で荒らし合ってるって方がしっくりくる
燈音・オブリ・そよむつイメプを荒らしてるのが前者であのそよスレを荒らしてるのが後者

>正直特定の1人じゃなくてあのそよ好きとあのそよアンチが2人で荒らし合ってるって方がしっくりくる
>燈音・オブリ・そよむつイメプを荒らしてるのが前者であのそよスレを荒らしてるのが後者
そういうことにしたい
いやいつものやつが暴れてんのもうバレてるんで
あんだけコピペ荒らしまでして自分以外も暴れてる路線にするの馬鹿なんじゃねえの

Aが好きでBが嫌いって立場装ってあわよくば対立煽りしたいぐらいだから本当に虫並み

>そういうことにしたい
>いやいつものやつが暴れてんのもうバレてるんで
>あんだけコピペ荒らしまでして自分以外も暴れてる路線にするの馬鹿なんじゃねえの
いや別に荒らしが1人だろうが2人だろうがどっちにしてもアホが暴れてるってだけだからどっちでもいいんだ
バンドリスレずっと見てて単にそう思っただけよ

荒らしにこんな反応返しちゃうの令和で初めて見たわ

なんかカッコつけて戒めとか言ってるけどまんまと荒らしの遊び場になってるのマジウケる

>正直特定の1人じゃなくてあのそよ好きとあのそよアンチが2人で荒らし合ってるって方がしっくりくる
>燈音・オブリ・そよむつイメプを荒らしてるのが前者であのそよスレを荒らしてるのが後者
正直なところ度が過ぎて下品なやつは普通の否定意見も混じってたと思うよ…
荒らしが湧くとそういうレスも全部荒らしのせいにされるから露呈しないだけで

>原因があろうが無かろうが荒らす奴が100悪い
スレ「」のこと？

>正直なところ度が過ぎて下品なやつは普通の否定意見も混じってたと思うよ…
>荒らしが湧くとそういうレスも全部荒らしのせいにされるから露呈しないだけで
いやその3つは荒らし方の手口が同じだからさ
成りすましたりうんこ画像連投したりって

>いや別に荒らしが1人だろうが2人だろうがどっちにしてもアホが暴れてるってだけだからどっちでもいいんだ
>バンドリスレずっと見てて単にそう思っただけよ
じゃあ節穴なだけっすね…

バンドリスレずっと見てるやつは燈音みたいな独特な表記しないだろ

>バンドリスレずっと見てるやつは燈音みたいな独特な表記しないだろ
燈と愛音の娘（燈音）の怪文書があってひどい荒らされ方してたのよ

>>バンドリスレずっと見てるやつは燈音みたいな独特な表記しないだろ
>燈と愛音の娘（燈音）の怪文書があってひどい荒らされ方してたのよ
ごめんそのスレが荒らされてたのは知らんかったわ

>スレ「」のこと？
テメェみたいな奴の事だよ

現実の粘着って本当にダルいな

虫好きだね

>燈と愛音の娘（燈音）の怪文書があってひどい荒らされ方してたのよ
ええオリキャラはダメでしょ

>>>燈と愛音の娘（燈音）の怪文書があってひどい荒らされ方してたのよ
>ええオリキャラはダメでしょ
メアリー・スーみたいなのじゃ無いしちゃんと子世代の話になってて面白かったよ

真面目なむつそよも荒らしてるしそよが関わると荒らすんだろうな

ところでスレ「」の怪文書に点数つけるとしたら何点？

さぁ…目通してないし…

なんか伸びてると思ったら案の定か…

>ところでスレ「」の怪文書に点数つけるとしたら何点？
そうだね7ついてるから7点で

>ところでスレ「」の怪文書に点数つけるとしたら何点？
会話文だけじゃなく
地の文がしっかり書けてるからまぁいいんじゃない？
地の文がいいのかはわからん...

怪文書が仮に良くてもクソバカムーブでマイナス100億点です

ぼ喜多にも粘着してるし真面目に百合好きなわけないだろ

>怪文書が仮に良くてもクソバカムーブでマイナス100億点です
怪文書自体は悪く言われなかったから悔しいけど何とか貶したいの意