「何でこんなこともできないのよ!!貴方は偉大な家の一人娘なのよ!!」 「お前の教育不足だろ!!」 「貴方に言われたくないですね!!」 あぁ…また親の二人が喧嘩してる あたくしの教育とか、その責任を擦り付け合ってたり 嫌になる…血が繋がってるだけの他人なんだから気にしなくていいのに 「……」 現に、こうやって家から堂々出ても二人は気づいてないし、気づいたとしても探さない あたくしの事をただの宝石かなにかと思っているんだろう 「…はぁ、毎日喧嘩してるのを見ると嫌になるよ…」 適当に散歩して、何処かでご飯食べて宿にでも… 「やぁ、僕と契約して魔法少女になってよ。」 …何この白いの 「僕の名前はキュゥべえ、僕と契約して」 「さっき聞いた」 「上の空だったみたいだからね、さぁ、僕に願いを言ってごらん!」 …変なセールスだなぁ 「願いはどこまで叶うの」 「君の因果次第だね、僕の見立てでは君の因果は低そうだけどね」 契約を取りに来る態度じゃないよねそれ 「…魔法少女って何?」 「魔女と戦う僕と契約した人たちの事だよ」 ニチアサ?それとも深夜枠? 「魔女って何?」 「魔女はね…」 「キュゥべえ?」 聞いている途中で目の前のキュゥべえが死んだ 「…やれやれ、異常個体はこれだから」 「異常…個体?」 そんなのあるんだ 「…キュゥべえ」 あたくしは帰ろうとするキュゥべえを呼び止める 「願い…決まった」 「本当かい?」 「うん、いじめ…精神や肉体的な暴力を無くしてほしい」 「…願いはかなえられたよ」 異常個体が言ってた通り、ほとんどの人どころか、身近の二人にも効果は出てないけど 多分、誰かの役には立ったと思う 「願いの結果を実感できないのは結構つらいよ、何もなしで命がけの戦いをする羽目になるから」