女装大会 個別審査 一→名張一華 セ→チェ・セヨン 21:日野勇太 セ:「サテこちらモ男子高校生ですネ、ヒノ・ユータさん……カジュアルなファッションはコノ大会でハ逆に珍しいデスネ。」 一:「ふんわり赤毛が拝くんを思い出させてちょっとしんみりしちゃう……むむっ!これはすごいですよセヨンちゃん!」 セ:「ナ、何がデスか?」 一:「わたしの眼り、わたしの情報によると!この人は彼女さんの下着を着用しています!」 セ:「エッ……それハ確かニ。……ン?デモ女性下着を着けテル参加者は他にもタクサンいまスよ?」 一:「チッチッチ……わかってないわねセヨンちゃん。これはね、マーキングなのよ。」 セ:「マーキング、ですカ?」 一:「直接肌が接する……それも局部に密着する部位に自分の匂いのついたものを着せる、それ即ち自分の匂いを付けることでこの男の所有者であると泥棒猫を威嚇する、まさにマーキングなのよ!」 セ:「ソ……ソレは凄い独占欲ですネ。というコトはこのユータさんは彼女サンのペットみたいなモノなんデスカ?」 一:「そう思うでしょ?でもそれは早計なのよ。野生動物のマーキングというのは、縄張りに対しても行われるのよ?」 セ:「……ツマリどういうコトでス?」 一:「その場合、彼女さんにとってこの人は居場所であり、安らげる場であり、帰るべきねぐらだということよ。たとえて言うなら母の胸のようなものね。」 セ:「……オモニの胸、デスか?」 一:「もしかしたら彼女さんは心のなかではこの人にバブ味を感じてオギャってたりするかもしれない、ってことね。」 セ:「そ……ソンナことマデわかるんデスカ?」 一:「さあ?あくまでわたしの勝手な想像よ。でも女装者と彼女さんのただならぬ関係が垣間見えるのは確かよ。」 セ:「ハァ……」 一:「惜しむらくは女装者の側に女装に対するポジティブかつアグレッシブな意識が薄いということね。『恥ずかしいけどキミのために頑張って女装したよ!褒めて褒めて!』というスタンスなら完璧だったわね。」 セ:「やっぱりペットじゃないデスカ?」 一:「愛玩犬と見せかけて番犬かもしれないわよ。犬はどんなにかわいいワンコでも肉食獣なことを忘れてはダメよ。」 セ:「ソレは……ソウなんデスけど。」 一:「というわけで9点です、惜しかったですね!」