深夜。
　最寄り駅から家までの、徒歩十数分。
　元来人通りの少ない道、古びたアパートしか無い寂れた通り。喧騒とは無縁の、賑わいとは無縁の、沈んだ区画。
　水没した廃都、或いは打ち捨てられたゴーストタウン。そんな印象をすら抱くほどに死んだ街。
　住む者無き窓硝子の割れた住宅地。
　荒れ果てヒビ割れたアスファルト。
　管理が行き届かず点滅した街灯達。
　人をより多く生活させるためにコンクリートによって塗り潰された一画は、元の生態系を再獲得するまでに数百の歳月を必要とするという。ならば、住人が減少すれば必然的に生命の絶対数を減らしてゆくのもまた自然の道理。

逆光で透けてるの良いよね…

　蝦蟇も、蟲も、華々も、その息吹を感じさせる事のない寂れた街。
　そんな街に住んでいるのは自分も含めて死んだように生きているものだけだ。ただ漫然と息を吸って吐き、愉しみなく喉を潤して胃を満たす。夜毎息を潜めて眠りに落ちて、如何なる感慨もなく朝日に目を細める。
　そんな燻んだ一日を繰り返すだけの落伍者が暮らす街。虫の鳴き声すら聴こえない、静寂の街。
　そんな中で、不釣り合いに過ぎる、酷く清涼な声色を聴いたような錯覚に陥った。

「こんばんは、お兄さん」

　子供の声。
　うん、そんな筈はない。
　この辺りに、子供が住んでいるなど聞いたこともない。
　若い女性など居るはずもない。
　精々が自分のような人生に倦んだ生き腐ればかり。
　だというのに。

「お一人ですか？」
　
　それは錯覚ではなく。
　いつの間にか、道の前方に立つ影がある。

「ぁ……」

　掠れた喉が、無様な喘ぎに似た音を紡ぎ出す。返事ですらない。意識せずに震えただけの声帯はまるで動かない。

　女性と会話を行うなど何年ぶりだろうか。それも目の前の少女のように可憐な女性となど。

「——ふふっ。こんばんは、お兄さん。お一人ですか？」

「ぁ、ぁあ、うん……」

　掠れ声。
　鈴を転がすような少女の声とはまるで不釣り合い。自分の価値と彼女の価値の差がそのまま声に現れたかのよう。

　少女——そう、少女だ。
　歳は10になるかならないか。
　フリルで縁取りのされた白いワンピース。
　髪は雪原のように白銀で、瞳は蜂蜜のような黄金色。
　澄み切った夜空の下。寒々しい月明かりの下で、その姿はあまりにも現実味がない。
　このような寂れた街には不釣り合いな——いや、この世の何処に佇んでいたとしても周囲より逸脱するであろう銀髪金眼の異様な風体。
　そんな少女が、小首を傾げて歩き寄ってくる。

「そうなのですか……住まいはお一人で？」

「え、ぁ、そう……だけど……」

「そうなんですね。ふふっ」

透け白ワンピはスレンダー体型一択

　ころころとした、鈴のような声。
　話しかけてくる表情は、何処か楽しげだった。何の含みもない、一切の邪気のない楽しげな顔。
　旅先で時間が余ったので宿泊所の周囲を散策していたら好みの店を見つけた——とでも言いたげな、純然たる好奇の彩。
　

「でしたら——わたしをご自宅に持ち帰っていただけませんか？」

「………………は？」

　ころころと、鈴を転がすような笑い方で。
　一切の邪な色なく、何の嫌悪なく、今日はこの服を着ていこう、と思い付いたのと同質の重さで少女はそんな言葉を紡いでいる。

「行く宛が無いんです。野宿というのは辛いでしょうし……あ、詐欺などではありませんから大丈夫ですよ？」

「ぃ、いや……そんなことは問題じゃ……」

　こちらが硬直したのを怪しんでいると受け取ったのか、少女は心配ありませんよ、ところころ笑う。

　しかし、やはりそんなことは問題ではないのだ。

　彼女は誰なのか。
　何故こんな区画で一人なのか。
　保護者は何処にいるのか。
　
　こちらは何も分からない。
　分からないことを受け入れるのは怖い。
　恐怖を克するにはそれを上回る熱情が必要になる。人というのはそういう生き物だ。
　この美し過ぎる少女を自宅に招き入れるには、自分にとって恐怖の示すウェイトは大き過ぎる。

　だが、ならば少女に目もくれず走り去る事ができるか、と言われればそうでは無い。
　自分は落伍者であるが、それだけだ。落伍者であっても何の理性もない畜生ではない。
　確かに、畜生であればきっと一も二もなく彼女を棲家へと連れ帰り、その獣欲の限りを尽くすのだろう。　
　しかし、自分はまだそうではないし、そうなりたくは無い。
　仮に、もし自分がここで彼女を突き放せば次に彼女が声を掛けるのはケダモノかもしれない。
　そうなれば彼女の運命は確定する。
　それを見過ごすのは、日々を虚無に生きている落伍者であっても非道に過ぎる……などと。

レイルソフトとか好きそうな文章ですね

　そんな事を考える余裕があるくらいには、まだ頭が動いていた。
　そう、ここまでの自分の行動規範はまだ人のそれだった。
　あまりにもその見掛けが無垢な存在のようだったから、相対的に良い格好をしようとしていたのだろうか。腐ったように、死んだように生きる出来損ないであろうとも、少しくらいの見栄はあるのかも知れない。

　——けれど。

「——ああ、なるほど？　ふふふ、うふふっ」

　けれど、自分の困惑と葛藤の沈黙を前に、少女は笑う。
ころころと、——くすくす、と。

　鈴を転がすように笑う少女の声に、異なる彩が混じりだす。
　白銀の雪原に、どろりと濁った桃色の気配が流れ込む。

「そうですよね。突然こんな事を言われても困ってしまいますよね」

　僅かに細められる黄金瞳。
　白磁の肌に、ほんの少しの朱が差して。
　ただそれだけで、少女が纏う空気は変質した。

　無垢な雪原だった筈の印象は、踏み荒らされて乱れ切った泥濘のように蕩け落ちる。
　ぺろりと薄い唇を舐めた舌先が血のように真っ赤で、ずぐり、と生理的な疼きを掻き立てられて止まらない。

「そうですよね。何事も対価が必要になるのですよね」

　得心がいった、或いはそういう物なのだったと思い出したと言わんばかりの口調と共に、その手が優美な仕草でワンピースの裾へと向かう。
　なにを、と静止する間も無い。

「でしたら、それはわたしの身体ということで如何でしょう？」
　
　ぺらり、と。
　何の抵抗も忌避感も無く、容易く持ち上げられる薄い布。
　10そこらの少女が口にしてはならぬ言葉と共に、あまりにも直接的な、且つ女という性の生物が男へ向けて差し出せる最上級の対価が提示されて。
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「——もちろん、処女ですよ？」

　なだらかな腹と、ただ一本の線が入っただけの秘部。
　下着なんて当然着けていない——何故か、それが酷く自然に見えた——布の下の身体を垣間見せられる。
　脳髄に落ちる落雷。
　幼い少女への庇護の念と、社会的な規範に則った倫理によって動いていた思考回路がショートする。

　母体としてより栄養状態の良い個体に情欲を抱くのが生物としての本能的欲求であるのなら、見目の麗しい個体、周囲より逸脱した美貌に惹き寄せられるのは人類が積み重ねた社会的規範の延長だ。
　尊いものを、美しいものを手籠にする事でのみ得られる快楽。人ではないモノを想像する知性を獲得した人類だけが識る、“自分以上のモノ”を組み伏せる事で味わう事が能う獣欲。

　人間離れした容姿の少女、雌として見るには余りにも幼いが、しかしその美貌で倫理的規範を全て置き去りにするほどの存在から身体を対価に借宿を求められるという、都合が良すぎて悪夢を疑いすらする展開は、生物的な本能と社会的な欲望を余りにも満たし過ぎる甘美な悪夢。

「————ふふっ」

　無論、それが死んだように生きる落伍者相手では尚のこと。気が付けば、自分は彼女の腕を執って共に歩き出していた。

文章もAI？

　隣で歩く少女に、先ほどの乱れた色の気配は既に無い。
　既に無いが、しかしそれは握ってしまった手を離す理由にはならない。

　彼女は誰なのか。
　何故こんな区画で一人なのか。
　保護者は何処にいるのか。
　
　こちらは何も分からない。
　分からないことを受け入れるのは怖い。
　恐怖を克するにはそれを上回る熱情が必要になる。人というのはそういう生き物だ。
　この美し過ぎる少女を自宅に招き入れるには、自分にとって恐怖の示すウェイトは大き過ぎる。

　しかし、最早それは問題では無くなってしまっていた。
　恐怖を塗り潰すだけの魅了、天秤を完全に逆転させるだけのウェイトを捩じ込まれた自分はもう戻れない。
　この手を離すという選択肢は、どう足掻いても選べなかった。

「——それじゃあ、よろしくお願いしますね、お兄さん？」

　無垢に笑う少女。
　ああ、自分はこれで終わるのだ、という根拠のない確信と共に、月夜の下を歩く。

　結局。
　結局、彼女が何なのかは今も分からない。
　何処から来たのか、家族は、名前は、産まれは。その他にも、何も。
　ただ一つ確信することがあるとするならば、彼女こそはファムファタル。
　男を破滅へと導く、運命の女だったに違いない。

みたいな感じで出会って完全に虜にされちゃうやついいですよねよろしくお願いします

いいよね…
えっちなシーンはないんです…？

深夜によくわからん熱量の文書の津波がやって来た

>いいよね…
>えっちなシーンはないんです…？
なんか…なかった…
同居が始まって1週間は理性がギリギリ仕事してたんだけどある日酒の勢いで眠ってる状態の少女の肌に手で触れてしまったせいでそのまま理性が終わりになって睡姦してしまうんですがケダモノみたいに腰振りたくってたらいつの間にか少女が目を覚ましていて窓から漏れる月明かりの下でこちらを楽しげに見上げながらやってしまいましたねお兄さんって囁いてくるようなやつを書きたいです

じっと見つめてほしいよね…

よしその続きを書くんだ

エッチなシーンを書くんだ

伝奇ものエロゲにありそうな導入

プロだ！

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　同居人が発生したせいで処理を困難にしていた獣欲が知性を蝕む。
　
　この世のものでないならば、きっとこの世の道理から逸脱しても裁かれることなどないだろう——などと。そんな穢れた戯言が脳髄を満たす。
　蕩け切った精神は熱となり、その熱は飲み込んだ生唾と共に垂れ落ちて下腹へ。全身に汗がじわりと滲んで手が震える。
　ごくり、と飲み込んだ欲望が股座へと火を付ける。
　恐る恐る、自分が何をしているのかも分からぬままに手を伸ばせば、手のひらに伝わる絹のように滑らかな肌の感触。
　加速してゆく早鐘の音。それは破滅の道だと告げる思考を蹴り飛ばし、眠る天使を目覚めさせぬよう人生最高の繊細さを発揮しながら上質な生地のワンピースを裾からそっと捲り上げる。

　耳に届くのはケダモノの吐息だけ。最上級の獲物を前に厭らしく舌舐めずりをする下劣な呼吸音。
　それが自分から発された物だと分かっている筈なのに現実感はまるで無い。

くらいしか書いてないのでまた今度

それって「クスクス…大丈夫ですよお兄さん。劣情を催すのは恥ずかしいことではありません…。もっと素直になりましょう？獣のように組み敷いて、私に精を注ぎ込みたいのでしょう？━━私もそれを望んでいます」
みたいなことを耳元で囁かれて箍が外れたお兄さんが寝食も忘れて犯しまくって最終的に動かなくなってしまうタイプの怪異じゃないですか！？

次はペチコート着せてきて

たまにはこういう退廃お耽美な嗜好もいいものですな

>くらいしか書いてないのでまた今度
完成したらスレ画のイラストを表紙にして渋にでも上げてくれよ！

深夜に現れる白ワンピースの人外の美を持った美少女ってデカパイじゃなくてスレンダーな少女なんだよな

ありがとう

>それって「クスクス…大丈夫ですよお兄さん。劣情を催すのは恥ずかしいことではありません…。もっと素直になりましょう？獣のように組み敷いて、私に精を注ぎ込みたいのでしょう？━━私もそれを望んでいます」
>みたいなことを耳元で囁かれて箍が外れたお兄さんが寝食も忘れて犯しまくって最終的に動かなくなってしまうタイプの怪異じゃないですか！？
一応脳内設定だと人間の範疇なので多分大丈夫…
でもそれが明示されないことで想像の余地を残しておく…

>深夜に現れる白ワンピースの人外の美を持った美少女ってデカパイじゃなくてスレンダーな少女なんだよな
でもそんな女の子がメチャクチャネットリ攻めてくれる上に中出しして妊娠してもお構いなしとかだったらめちゃくちゃ濃いの出る

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月光で透ける衣服がすごく好きなんです
月光なのが大事だと思います

AIイラストと一緒にあげられると文もそうなのかなって思っちゃう

>fu4736877.jpg
>月光で透ける衣服がすごく好きなんです
>月光なのが大事だと思います
すげーわかる
月光って神秘的で同時に怪しいくて良いよね

吸血鬼ジャンルの派生なのかなこういうのは

自分の身体が価値あるものだって理解してる人外じみた美しさのロリいいよね…

>自分の身体が価値あるものだって理解してる人外じみた美しさのロリいいよね…
なんだろう…金持ちに飼われてたのが逃げたとかなのかな…

>吸血鬼ジャンルの派生なのかなこういうのは
書いてて何処が源流なのかよく分からない
というか吸血鬼ジャンルってどの辺になるんだろう

たすかる

ちょっと寿命が伸びた

こういう良い意味でくどい文章と詰め込まれた性癖からしか摂取できない栄養があるので助かる

>AIイラストと一緒にあげられると文もそうなのかなって思っちゃう
この文体はAIだと出しにくいと思う…
いや最新のやつだとこんなのも楽なのかもしれないけど

渋かノクタに出せよこういうのは

>渋かノクタに出せよこういうのは
出来上がったらね…

>出来上がったらね…
楽しみにしてる！

https://www.satokazzz.com/airzoshi/reader.php?url=https%3A%2F%2Fimg.2chan.net%2Fb%2Fres%2F1290106029.htm&title=&home=
縦書きで読む

>https://www.satokazzz.com/airzoshi/reader.php?url=https%3A%2F%2Fimg.2chan.net%2Fb%2Fres%2F1290106029.htm&title=&home=
>縦書きで読む
こういうのあるんだ…
縦書きだとすごいしっくりくるな…

>こういうのあるんだ…
https://www.satokazzz.com/airzoshi/#airzoshiWeb
これに当URLいれるの

>「——もちろん、処女ですよ？」
ここから本番無しとか犯罪だよ

拙者艶やかな白ワンピ少女に搾られながらも別れは綺麗な物であっていて欲しい侍
紆余曲折あって少女を探し出すのも大好物でござる
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>いいよね…
>少女をかばいながら奇怪な造形の化け物に警官の死体から拝借したニューナンブを妙に手慣れた撃ち方でぶっ放すようなシーンはないんです…？

>fu4736877.jpg
すごいいいんだけど
こういうポーズでネグリジェにでけえちんぽのシルエットが浮かんでる漫画のコマ思い出しちゃってダメだった

灰村キヨタカ(2000年代前半)とか好きそう

eden*とかどう？

>>AIイラストと一緒にあげられると文もそうなのかなって思っちゃう
>この文体はAIだと出しにくいと思う…
>いや最新のやつだとこんなのも楽なのかもしれないけど
以下の文体や雰囲気に寄せた文章にしてくださいみたいにやると意外といける