「はぁ…」 学校つまんない 先生に指定されたから、答えて正解したのに嫌な顔されるし 男女混合の100m走で1番になったら横で舌打ちしてくるし 理科の実験だって、もうやった事の復習をしただけなのに… つまんない …本当に、つまんない 「やぁ、君の願いは何だい?叶えてあげるよ。」 …は? 何か白いのが喋ったわ!? 「僕と契約して、魔法少女になってほしいんだ!」 …日曜日の朝に出てくるマスコット? その割には可愛くないわね …詐欺ね! 「お断りよ!」 「そうかい、僕はしばらくここに居るから。」 話聞かない系マスコットね 近寄らないようにしよ 「ねぇレイちゃん」 「なに?」 「急に私のお家に来たけど、どうしたの?」 「…ねぇいろはさん、何でも願いが叶うって言われたら」 何を願う? 「…ういの病気が治ってほしいって願うかな」 「そうよねー、黒江さんは?」 「え!?えぇーと…わかんない?」 そうよね、分かんないわよね はぁー… なんか面白いこと起きないかしら 「…帰るわ、いろはさんの教科書見れたし、また明日」 「またね!」 「またねー」 白い可愛くないマスコットは確かこの辺りに 「願いは決まったのかい?」 決まってるけど 「あんたが詐欺師かどうかを確かめに来たのよ!」 「そうかい、確かに願いが叶わないのは嫌だからね」 そう言いながらマスコットもどきは歩く 「ついてきて、今なら証拠が見れるよ」 ------- マスコットもどきに付いて行って 「…旧校舎?、ここに魔法少女が居るの?」 「ほら、あそこに居るよ」 少し離れた場所に、急にいろはぐらいのコスプレした女の人が現れた 「ふぅ…あ!、キュゥべえ!おーい!!」 衣装が一瞬で変わる 「本当に変身してるみたいね…」 「魔女は結界を展開していて、魔女に勝つと、あんな感じで出てこれるんだよ」 「あ!、そこの人ー、魔法少女ライフ楽しいよー!!」 …あの魔法少女の人、10代なのに社畜感凄いわね ああはなりたくないわね 「さぁ、願いを聞かせてくれ。」 「…はぁー」 あるにはあるけど それを言うのか 「…考えをまとめたいから保留で」 まだ、言わなくていいわ 「レイちゃん、昨日来た時にこれ忘れてたよ」 …あ、見つからないと思ったら 「ありがと、いろはさん」 「どういたしまして!…それにしても、不思議な時計だね」 「…ジャンヌダルクが愛用してた時計らしいけど…あの時代にこのサイズの時計は無いでしょ」 「…私、その時計は本当にジャンヌダルクが愛用してたと思うよ!」 その方が、浪漫はあるわね 「…ねぇレイちゃん、疲れてない?」 「…え?」 「やっぱり疲れてるよね!」 「お邪魔しまー」 「黒江さんも!、レイちゃんが疲れてると思うよね!!」 「え!?えーと…確かに、疲れてると思う」 黒江さんまで何言ってるのよ!! 「レイちゃん、最近ため息多いし、しっかり休んだ方がいいんじゃないかな?」 大丈夫よ! 「レイちゃん!!」 アタシはいろはの家を出て走り出した 疲れて…なんかない! 「ぜぇ……はぁ…ぜぇ」 「ここまで走って来たんだね、願いは決まったかい」 … 刺激が欲しいはたぶんダメ トラブルメーカーにはなりたくない 一発限りの願いはダメ その後が続かない だったら 「アタシは!、最善最高になりたい!」 「最善最高とはなんだい?」 そんなの、決まってる!! 「常に最善で!常に最高!の魔王の事よ!」 「良いだろう、願いは叶えられたよ」 これが、アタシの長い旅の始まりだった 「は?何で魔王なのかって?、魔法少女の王だから魔王なのよ、そこは姫じゃないのか?って、王様の方が強いでしょ!!」