【前回のあらすじ】 エロ魔界軍団の刺客、エチクナール・ニョタイカーの襲撃を受けた旅の仲間一行。「危ないっ!うっ……!!」咄嗟に仲間を庇った聖盾のクリストは、ニョタイカーのエロボディニョタイカ光線を受け、通常の女体の30倍は淫乱な、エロメスボディに変化させられてしまったのだった。どうするクリスト! 「はぁ……はぁ……くそっ……」  寝床に横たわり、珍しく悪態をつくクリスト。動くと乳首が擦れるため、立って歩き回ることさえ難しいのだ。突然の女体化故に、ちょうどいい大きさの衣服や、胸を固定する下着はない。今までの衣服は、乳房を圧迫するため着られず、上半身はだぶだぶのシャツ一枚の格好だ。 「聖戦士の身で、こんな無様な……」  ニョタイカーの行方は、杳として知れぬ。仲間たちは敵を追って、朝から晩まで、不休で捜索を続けている。クリストだけが、役にも立てず、ここに転がっているのだ。 「くそっ……あっ!」  身じろぎした拍子に乳首が布にこすられ、甲高い甘い声が漏れた。慌てて口を噤む。なんで声一つ制御できないんだ?こんな状況で欲望を抱く理由があるか?この日何度目かの、自己嫌悪に襲われる。 「……」  いっそ耐えられるように、慣れておくべきではないか。乳首を指先でそっと撫でてみる。 「……!」  途端に切ない痺れに襲われ、咄嗟に手を離した。女性が動くたび、一々甘い声を上げている様子など、見たことがない。なんといやらしい存在に、成り下がってしまったのか。クリストは我が身を呪いつつ、再び乳首に手を伸ばす。 「……!……っ……ぁ……!」  慣れない指で、乳首の先をくるくると撫でる。控えめな突起は、弱い刺激にも歓喜して、固く身を膨らませる。触れてもいない下腹に、じわじわと未知の感覚がせり上がってくるのを感じる 「んっ!こんな……駄目だ、馬鹿な……」  やめよう。これは自涜だ。嫌悪感に襲われながら手を離す。私はこんな不純な男だっただろうか。 「ぁっ……」  身を起こそうとして、刺激されて過敏になっている乳首が擦れ、掠れた声が口から零れた。なんていやらしい身体になってしまったのだろう。自分の身を呪いながら、再び布団の中に身を沈めた。布団は少し湿気たようで、汗の匂いがした。 「はぁ……はぁ……」  次に目が覚めた時には、体の疼きは限界に達していた。 「な……なんでこんな……!?」  無意識の間に毛布を抱きしめ、身悶えしていたらしい。毛布を挟んでいた足の間で、見なくともわかるほど下着が湿っている。ぷくりと膨れた乳首が、服の上からでもはっきり見て取れる。 「い……いやだ……こんなの……」  クリストの頬が涙で濡れる。身体の芯が熱くなって、足の間の慣れない器官が、堕落せよと耐え難く訴えてくる。男の時だって、こんないやらしい思いに囚われたことはないのに。彼の心とは裏腹に、身体は欲望の涙を溢しているのだが。 「いやだ……」  うわ言のように、いやだいやだと繰り返す。身体は勝手に、今までしていたことを続けようとしていた。腰をくねらせて、媚びるように股を毛布にこすりつける。痺れるような快感が走る。 「だ、だめだっ……!」  毛布を放り捨てても疼きは治まらない。膝を閉じると、太腿の間に女性器が押し潰され、もどかしく快感がつのる。 「うう……」  時間を置いても疼きは治まらない。しばらく逡巡し、のろのろと股間に手を伸ばす。一度絶頂してしまえば、楽になるかもしれない。 「……んっ……」  下着を脱がないまま、掌で恥丘から陰裂までを包み込み、稚拙な手つきで揉みしだく。弱く、要領を得ない刺激だったが、強制的に感度を上げられている女体には、それだけでも十分だった。 「……はっ……はっ……」  急いで済ませなければ、仲間が戻ってくるかもしれない。だがなんとふしだらな真似をしているのだ、私は。今まさに、仲間たちが傷ついているかもしれないのに、私には何もできていない。 「……!……」  乱暴に上下に摩擦して、うずく裂け目の上部をこね回す。お世辞にも上手ではない手淫に、体は勝手に快楽を見出して悦ぶ。微かに響く、湿った音に羞恥を抱かされ、益々手付きは乱暴になる。荒っぽく押し込んだ指が、陰核を偶然に捉えた。 「あっ……ああっ!」  女体での初めての絶頂に、身を震わせながら放心状態になるクリスト。その頬を、新たな涙が伝って落ちた。 「くっ……またか……馬鹿馬鹿しいッ」  気がつけば膝が閉じて、股間を揺さぶっている。自身を叱咤しながら、足を開いて快感を逃がす。 「私はどうなってしまったんだ……」  熱は治まらない。自分の体を抱きしめると、できて間もない乳房が柔らかく潰れて、自己の存在を訴える。孤独に数日を過ごすうちに、一度手淫を覚えてしまった身体は、益々淫乱に、益々貪欲になっていく。 「……っ!」  結局欲望を抑えきれず、股ぐらに指を伸ばしてしまう。見知らぬ怪物が、身内に巣食っているようだった。 「うう……んっ……」  せめてできるだけ早く終わらせたい。一番感じやすい割れ目の頂点を、重点的に捏ね回すと、腰が快感に跳ねて、痙攣が走った。内側に指を入れることは、怖くてできていない。 「ふっ……ふっ…………」  乳首を押し潰して転がし、指の腹でかりかりと引っ掻く。ふくよかな丘を掌に包み、痛みを覚えない程度に優しく揉む。 「あっ、あっ……んっ……くんっ」  強い快感に思わず漏れた声を、歯を食いしばり噛み殺す。指は止まらない。掌で恥丘の膨らみを上下に擦り、揉み立てる。こんなことばかり上手くなってしまった。何が聖戦士か。 「んっ……ふんっ……」  静かな、風音や鳥の声しか聞こえない空間を、かすれた吐息と衣擦れの音が汚す。少なくともクリスト自身は、その音を穢れたものと感じている。 「はーっ……はーっ……」  きゅうと押し付けた手の中で、秘裂がくちゅと湿った音を立てた。クリスト自身にしか聞こえないその音に、羞恥を煽られて、頬を真っ赤に染める。手は止まらない。 「んーっ……!」  うつ伏せて枕に顔を押し付け、腰を上げた隙間から手をねじ込んで、股間を擦り続ける。疼きは弾けようとしている。自分の声を聞きたくなかった。 「……んんっ……!」  絶頂の声は静かだった。びくんと一度腰が跳ね、そのまま脱力する。彼の体内で弾けた快感の大きさを、その背に走る微かな痙攣だけが示していた。 「はあっ……はあっ……」  絶頂に体力を奪われて、横を向いて体を丸める。無意識に股間に伸びかけている手に気づき、ぎょっとして引っ込める。私は本当に、どうなってしまうのだろう……。