二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1735036947074.jpg-(270878 B)
270878 B24/12/24(火)19:42:27No.1265870412そうだねx3 21:02頃消えます
クリスマスイブの午後、事務所代わりの教室に入る俺を出迎えたのは、リボンに巻かれた篠澤さんであった。「プレゼントは、わたし…ふふ、一度言ってみたかった」

どう声をかけていいか分からないまま入り口で立ち尽くしていると、彼女が言葉を続ける。「その呆れたような冷たい目もいいね」

プレゼントというならば、篠澤さんを物として雑に扱ってしまおうか…そんな考えが頭を過ぎる。「ではこのままレッスンルームに運んであげましょう」

俺のそんな発言も彼女を喜ばせるだけであった。「縛られたまま運ばれる…ままならないね」

そして上機嫌な篠澤さんがこちらに近づこうとする。しかし、リボンに縛られているせいで手足が上手く動かせていない。転ばないか心配になる。

「…絡まったから解いて欲しい」半ば予想していたその言葉を聞き、俺は改めて教室に入る…
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/12/24(火)19:42:51No.1265870554そうだねx2
数分後、リボンを解いて改めて篠澤さんと向かい合う。彼女は満足そうな笑みを浮かべている。「プロデューサー…わたしを…あんな激しい手つきで…」

「何故…こんなことを?」俺は恍惚とした篠澤さんの言葉を無視して問いかける。まさか自分で解けなくなるまで巻くとは…

「寮のクリスマスパーティで…プレゼント交換がある そのラッピング用のリボンが余ったから、だよ」答えになっていないような気がするが、結局やりたいからやった、ということなのだろう。

「篠澤さんが学園生活を満喫しているようで何よりです」今まで普通の人とかけ離れた生活をしていた彼女が、こうして友人とクリスマスを楽しんでいるのが素直に嬉しい。

「プロデューサーも、寮のパーティ…わたし以外の友達に誘われて」篠澤さんの言葉から、どこか棘を感じる。それぞれの寮でパーティが行われるのは前々から分かっていたはずなのだが…

そもそも、何故彼女は俺に友人がいないと考えているのだろうか。最近はプロデュースが忙しくて友人と交流する頻度が落ちているが…いずれ、誤解を解かなくては。
224/12/24(火)19:43:09No.1265870656そうだねx1
兎も角、レッスンに行く前に渡さなければいけない物がある。俺は鞄から箱を取り出す。「篠澤さんにプレゼントがあります」

「おお…クリスマスプレゼント、だね」篠澤さんは手渡した箱を興味深く検討した後、丁寧に開ける。中から出てくるのはマフラーだ。

「マフラー…もしかして、手編み?」篠澤さんの問いに、俺は頷きで返す。最近の彼女は何度か寒さを訴えていた。マフラーなら、寒さ対策にぴったりだろう。

見ているだけで、篠澤さんが喜んでいることが分かる。編んだ甲斐もあったというものだ。そう思っていると、彼女が口を開く。「ありがとう、プロデューサー 大切に…保管するね」

まさか篠澤さんは天候にも素手で挑みたいのか…愕然としながら言葉を返す。「…ちゃんと使ってください」

「ふふ…冗談、だよ」彼女は揶揄うように微笑んでいる。困ったことに全く冗談に聞こえなかった。
324/12/24(火)19:43:38No.1265870831そうだねx1
「わたしからも…プロデューサーに、プレゼント」篠澤さんはそう言うと、俺にラッピングされた包みを渡す。

「ありがとうございます」受け取ると、彼女はじっとこちらを見る。すぐに開けて欲しい、と主張しているようだ。早速開封すると、中に入っていたのはセーターだった。

「…流石に大きすぎませんか?」大は小を兼ねる、と言うがそれでも外で着るには悩むサイズだ。さらに言えばデザインも奇抜である。変わったセーターを送るのは海外の慣習だっただろうか。

「やめ時が分からなかった これでも…佑芽の時より小さい、よ」その言葉を聞き、俺は苦笑する。花海さんは、一体どれだけ巨大なセーターを渡されたのだろう。

なんであれ、担当アイドルからのプレゼントは嬉しいものだ。「ありがとうございます…部屋着として使わせてもらいますね」

「今度…一緒に出かける時に着て欲しいな」冗談かどうか判断に悩む発言をした篠澤さんと共に、俺はレッスンルームへと向かうのだった。
424/12/24(火)19:43:55No.1265870917そうだねx1
その後のレッスンも無事終わり、俺と篠澤さんは寮への帰路に着いていた。彼女は早速、贈ったマフラーを巻いている。「もっと長かったら…二人で巻けた、ね」

「篠澤さんが倒れた時にお互いの首が絞まるので嫌です」万が一の時、二人とも咄嗟に動けなくなる。考えるだけで恐ろしい。

「…そうやって女の子の憧れを否定する」彼女は呆れたような目を俺に向ける。今時、カップルでもやらないような気がするのだが…

ふと、疑問が湧き上がったので篠澤さんに問いかける。「そういうシチュエーションの知識はどこから仕入れてくるのですか?」

「寮に置いてある雑誌から…だよ 読みながら佑芽がよく赤くなってる」なるほど。寮ならではの情報源だ。健全かどうかは疑問符がつくが。
524/12/24(火)19:44:17No.1265871051そうだねx1
そんな他愛もないことを話していると、白いかけらが視界を過ぎる。空を見上げると、雪が降り始めていた。ホワイトクリスマス…なんとなく特別な気分になる。

「雪が積もったら…明日は学園にたどり着けないかも」篠澤さんの現実的な発言が、高揚していた俺の気持ちに冷や水を浴びせる。彼女は秋田出身だった。雪も見慣れているのだろう。

空回りした気持ちをどこにぶつければいいか分からないまま横を見ると、篠澤さんは悪戯っぽく微笑んでいた。「ふふ…さっきの仕返し、だよ」

雪でテンションを上げていたのを見抜かれていたとは…少し恥ずかしい。あとマフラーの件は思ったより根に持たれていたようだ。「…積もったら迎えに行きますから」

「なら…雪…沢山降るといいね」そう言って篠澤さんが微笑む。俺としては迎えに行くことさえ出来ない大雪にならないことを祈るばかりだ。

仮に積もった場合、寮の前の雪かきもやらねばならない。同じようにアイドルを迎えに行く人の助けを借りることが出来たとしても、どれだけ重労働になるか…
624/12/24(火)19:44:32No.1265871131+
憂鬱なことばかり考えていると、突如として篠澤さんの体勢が崩れる。俺は咄嗟に手を伸ばして篠澤さんの手を取る。「雪で…足が滑った ありがとうプロデューサー」

「転ばなくて良かったです」そう言って手を離そうとすると、篠澤さんは俺の手を強く握り返す。まるで、ライブの時のような力強さだ。

「また…転びそうになるかもしれない だから…このまま…ゆっくり帰りたい」彼女は真剣な顔でそう言った。俺も思わず手を繋ぐ力が強くなる。

真剣な目を見つめ返しているうちに、断ろうという気持ちが萎えてしまった。「そうですね 篠澤さんも疲れているようですし…のんびり帰りましょうか」

「ふふ…珍しく優しい、ね」篠澤さんを甘やかしすぎている気もするが、これもクリスマスプレゼントということにしよう。

こうして手を繋ぎ、雪の中をのんびり帰った結果、お互いパーティに遅刻しそうになるのだが、それはまた別の話である。
724/12/24(火)19:45:14No.1265871406そうだねx5
おしまい
クリスマス衣装の篠澤さんが可愛かったので書いた
824/12/24(火)19:53:10No.1265874269+
それはまた別の話である。
まで読んだ
924/12/24(火)19:53:45No.1265874479+
>それはまた別の話である。
>まで読んだ
ありがとうございます
篠澤さんはいいぞ…
1024/12/24(火)19:53:54No.1265874535+
カタログだとメモ帳見えねぇ
1124/12/24(火)19:53:56No.1265874548+
これで結婚してないのか
1224/12/24(火)19:54:37No.1265874785+
>カタログだとメモ帳見えねぇ
画像小さかったようで申し訳ない
1324/12/24(火)19:55:14No.1265875012+
>これで結婚してないのか
まだアイドル引退してないので…
1424/12/24(火)20:21:08No.1265884657+
(ま〜たイチャイチャしてるよあの二人…)
1524/12/24(火)20:22:32No.1265885186+
>(ま〜たイチャイチャしてるよあの二人…)
実際こんなことばかりしていたら成績が落ちたと苦言を呈されても仕方ないと思います


1735036947074.jpg