今日もまた、アイツはオレのことを外に誘い出そうとしやがる。ほら見ろ、コイツはオレと仲良くなりたくて、近づきたくて必死なワケだ。
つーかコイツいつ自由時間過ごしてンだ？暇さえあればオレと一緒に何かしようとしてやがる。とてもじゃねェがオンナ作ってイチャついてる暇があるようには見えねェ。
……結局、オレはコイツの上っ面だけのデータで理解したつもりになってンだな。こンだけ一緒に居て、いつも二人で過ごして、本当のところはなンにもわかっちゃいねェ。笑えるぜ。
裏サイトにまたトレーナーたちの子供じみた噂話が書き込まれていやがる。アイツの名前も。ああウゼェウゼェウゼェ。

十分なデータを与えりゃ答えは導き出せる。何度シミュレートしたって結果は変わらず。アイツはオレのことが好きだ。だからオンナなンか作らねえ。
理解しているはずなのに、データを変えて計算をやり直し続けるこの無駄な時間はなンだ？いや、わかってる。気に入らねェだけだ。
あンだけオレにアピってンのに、外でオンナ作ってるってのがマジなら気に入らねェ。それがカワイイ系ってのも余計気に入らねェ。無愛想なオレを相手するのに疲れたみてェじゃねェか。
女々しいのはらしくねェ。アイツを捕まえて直接聞きゃいいだろうが。オレもアイツに変質させられちまったってことかよ。

腕を掴んでソファに押し倒すと、アイツは何がなンだかって顔で呆けてやがった。オレの名前を小さく呟くもンだから、思わず頬を指で引っ張っちまった。
「お前、今好きなオンナとか居ンのかよ」
「えっ…いっあ…その…いるよ…」
目を逸らすのは、後ろめたさがあるからだ。お前は、オレがどんな風に突き放しても、ウザったく懐いて来るんじゃなかったのかよ。お前は、オレが好きだったんじゃないのかよ。
失望、落胆、悲しみ、そんな甘い感情はもう枯れてると思ってた。オレは孤独でも気にならないから、他人を必要となんかしてないと思ってた。
目の前で縮こまるアイツを見て胸がざわつくのは、期待だとか可能性だとか、オレがトレーナーにロジカルじゃねェことを感じてたからだ。そンな自分がどうしようもなくキメェ。

「テメェ、オンナと遊んでる余裕あンのかよ。いいご身分じゃねェか」
こンなのは八つ当たりだ。コイツはなンも悪くねェ。誰だってオレみたいなやつとは関わりたがらねェ。わかってたはずなのに。
「待って、違う違う！好きな人はいるけど……今は別に独身っていうか」
「あァ？」
聞けば、計算の結果通り、トレーナーは未だ独身で、出掛けるのもオレとばかりだとか。なンだそりゃと思わず力が抜けてアイツに被さるように倒れ込むと、両手で優しく受け止めてくれた。キモいが、今は許してやることにする。

じゃあ結局裏サイトに書き込まれてた目撃証言ってのは誰なンだよってとこだが、認めたくないが、どうやらそれはオレだったらしい。
オレがアイツとぶらついてるのが、端から見たらデートっぽかったとか、どんな目してンだよ。確かに、出歩く時はいつもフード被ってたし、ネカフェのカップルシートやらクラブやらに二人で居たが。
そこを誤解するならともかく、カワイイ系って言われてンのが許せねェ。どう見たってオレはニコニコするガラじゃねェし、アイツと出歩いてる時、ンな媚びたような顔するワケねェ。
なンて思っていたが、気まぐれにアイツが将来誰とくっつきそうかデータを入れてシミュレーションして見た時、モニターに映り込んだオレの顔は、少しカワイイ系とも言えなくもなかった。

完全に恋する乙女じゃないですかー！

カップルシートしたんか！？

トロいコピペの間抜け野郎悔しかったらメ欄も消せ

むっ！

シングルタスクしか出来ないからこっちのレス消せてないぞ

なんていうか糖質を適切に施設や病院に入れられない自治体は爆弾を放置してるのと同じだと思う

草