ユキアグモン成長日記 これから、ユキアグモンになるまでの日記を書く。 さいしょに、この日記を書きはじめた理由を書こうと思う。 ぼくはユキアグモンとデジタルワールドというところをボウケンした。 ユキアグモンの友だちをいじめるヤツをやっつけるためだった。 だけど、そいつはポーラーベアモンになったユキアグモンよりも強かった。 ポーラーベアモンはがんばって、がんばって、ついにソイツをたおした。 そして、がんばりすぎたポーラベアモンは、いつものユキアグモンにもどらず、タマゴになってしまった。 しんじゃった、そう思ってぼくが泣いていたら、 ユキアグモンの友だちが「デジタマからデジモンが生まれ、きっとユキアグモンへとシンカする」と教えてくれた。 だから、ユキアグモンともういちど会うまで、この日記を書くことにする。 1日目 いつの間にか、ぼくはじぶんのおうちにもどっていた。 お父さんお母さんにおこられるかと思ったが、2人はぼくをだきしめるばかりだった。 デジタマは、ぼくのへやのおしいれに入れて、ふとんやもうふでぐるぐるまきにした。 少しうごいたような気がする。 きっとすぐに生まれるんだ。 3日目 今日、デジタマがわれて、中からユキミボタモンが出てきた。 ユキアグモンの友だちにもいたから知っていたけれど、 こんなに小さい子がユキアグモンになるなんて、なんだかふしぎだ。 ユキミボタモンはパンをあげるとよろこんで食べていた。 はやく大きくなるといいなあ。 6日目 ユキミボタモンを外につれていきたいけど、ほかの人に見られないようにするのはむずかしい。 家の中にいても、お父さんとお母さんに見つからないかシンパイだ。 それにやっぱり、ほかのデジモンもいるところの方が、ユキミボタモンが大きくなるにはいいんじゃないかな。 そう思っていたら、ずっと動かなくなっていたデジヴァイスがお父さんのパソコンに向かって光っていた。 その先にはデジモンたちのいるところが見えた。 こんどはシンパイしないように、お父さんとお母さんにお手紙を書いて、ユキミボタモンといっしょにパソコンへ入った。 7日目 デジモンのいるところにきたけど、前にきたところとは少しちがうようで、 ユキアグモンの友だちにはいくらさがしても会えなかった。 でも、こっちにきたおかげで、ユキミボタモンはすぐにコロモンになった。 うれしくてふたりで走りまわっていたら、いつのまにか大きなデジモンがたくさんいるところにきていた。 大きなデジモンたちに気づかれないようかくれながらあんぜんなところをさがした。 そしたらいつの間にか雨がふってきて、ふるえるコロモンをふくの中に入れた。 この子だけはぼくが守らなくちゃ。 「お前何してるんだ」 気がつくと、目の前に大きな黒いきょうりゅうみたいなデジモンとせの高い、ちょっとこわいお姉さんがいた。 ぼくが、コロモンが大きくなるためにきたと言うと、しばらくこまったような顔をしてから 「しょうがねえ、アジトに連れていくか」と言った。 8日目 あの女の人はオアシスだんというところに入っていて、ぼくとコロモンをそのアジトへつれていってくれた。 おかげで、あんぜんなところでねむることができた。雨はずっとふっていたけど。 ティー626号さん(オアシスだんの人にはそういうあだ名があるそうだ。きのうの人はジーエル96号ときいた。)というオアシスだんのえらい人がぼくのところにきた。 それで、これまでのことを話すと、まずは家に帰るよう言われた。 そのかわり、デジモンのところ(デジタルワールドというらしい)とおうちをいったりきたりするやり方を教えてくれるらしい。 それと、デジタルワールドにくるときには、キケンだからかならずオアシスだんにくるように言われた。 オアシスだんのみならいにしてくれるんだって。 「でもタイツはちょっとねえ…そうだ、前に作ったノベルティ用の試作品あったわ」 と言って、ユキアグモンのついたマフラーをくれた。 これがオアシスだんのあかし、なのだそうだ。 コロモンにマフラーをまくと、とてもうれしそうにしていた。 9日目 きのうおうちに帰ると、前とちがってお父さんお母さんにすごくおこられた。 今日はおとなしくしていよう…。 デジヴァイスに入っていたコロモン(このやりかたもオアシスだんで教えてくれた)を出して、ふたりで遊んでいた。 11日目 今日はデジタルワールドにきた。 オアシスだんに行くと、ケイユー100号さんという黒いふくをきて布を顔の前に付けたお姉さんに会った。 「あなたはユキアグモンを信じますか?」と聞かれたので「はい!」と答えると、とてもうれしそうな顔をしていた。 ユキアグモンは友だちだから、信じるのはトーゼンだ。 そして、ユキアグモンのいろんなお話を教えてくれた。 ユキアグモンってすごいなあと思った。 しばらくお話していたら、とても眠くなってきておひるねをしてしまった。 起きるとコロモンはなにかへんな顔をして、わるいゆめを見たと言っていた。 13日目 今日はオアシスだんのおしごとで、かんさつをした。 かんさつしたのは祭後終さんというユキアグモンをつれたすごく強い人で、きゅーせいしゅというそうだ。 見ている前で、ユキアグモンはストライクドラモンに進化して、祭後さんに言われたとおりにうごいて、もっと大きなデジモンをたおしていた。 とっても強くて、家に帰ってからもコロモンとふたりですごいねって話していた。 コロモンは、ボクもあんなふうに強いユキアグモンになって、ユキトを守るねと言ってくれて、うれしかった。 でも、ぼくがあんなふうにユキアグモンをうごかせれば、ユキアグモンがデジタマになることもなかったのかなと思った。 15日目 今日はワイエヌエム310号さんという人にあった。 さいしょはやさしい人だったけど、ほかのオアシスだんの人がいなくなったとき、 「ユキアグモン信者なんてやめた方がいいぞ」って言った。 ぼくはコロモンを抱きしめて「ユキアグモンとはずっといっしょだから!」って言って、にげだしてしまった。 うしろから、「ちが、そういう意味じゃなくて!」という声が聞こえた。 その日は、コロモンをだきしめてねむった。 16日目 今日は、オアシスだんにすごく背の大きな人がいた。 あたまの上にとうきょうタワーみたいに長いぼうしをかぶった、顔の白い人だ。 エムエー6号さんというそうだ。そして何より、ポーラーベアモンをつれている人だった。 それで、コロモンとふたりでこっそりおいかけながら、コロモンもあのデジモンになって、とても強かったんだという話をした。 そしたら、エムエー6号さんが「でておじゃれ、隠れていても子どもは臭いでわかりまするぞ」と言ったので、かくれるのをやめて前に出た。 そしたらポーラーベアモンが頭をなでてくれた。 でも、エムエー6号さんが「麻呂の近くにいては進化できないでおじゃる。ポーラーベアモンのようになりたければ麻呂からは離れていることですな」と言ったので、サヨナラした。 ユキアグモンに進化したあとなら、近くに行ってもいいかな。 17日目 今日は学校の帰りにヘンな人に会った。 その日はさむかったので、コロモンのユキアグモンマフラーをかりて学校に行った。 そしたら、ランニングをしていた白いかみの毛の女の人がこちらを見ておどろいたような顔をした。 「君、そのマフラー…もしかしてユキアグモンが好き…なんですか?」と聞かれたので「うん!」と答えた。 そしたら、顔を青くして「ユキアグモンを…信じてると?」と聞かれたので「もちろん!」と答えた。 女の人は「なんてことだ…こんな小さな子まで…!これは急がなくては…」とつぶやきながらさっていった。 なにか、しなくちゃいけないことがあったのかな。 20日目 コロモンがいなくなったと思ったら、幼年期のデジモンと遊んでいた。 バブモンというそうだ。 オアシスだんの人はみんな大きなデジモンをつれているから、遊び相手ができてコロモンはうれしそうだった。 でも、バブモンの出したアワがつくとふくが少しとけたので、コロモンはお気に入りのマフラーがとけないようにバブモンからとおざけておいていた。。 バブモンのテイマーの人も同じくらいの年ならなかよくなれるかなと思ったけど、ティー626号さんが合わない方がいいと言って、けっきょく会えなかった。 どんな人だったんだろう。 21日目