アラク&ナクア ネオデスモンの率いる死影軍団に所属する、デジミュータントに分類される者たち。 5ヶ月前、FECN(FIVE-Elements China)(現地名:五行科技有限公司)のクローニング研究部門にネオデスモンがデータを供与することで開発が開始された。 アルケニモンのデータを分化後のヒト胚に注入し、それによりデジコアを生成する事で製造されており、非常に高い戦闘能力を持つ。 楽音の遺伝子を使用したクローンを素体としており、ある意味彼女の姉妹、もしくは娘と言える様な存在でもある。 ヒトクローンを使用した実験の倫理的な問題を回避するため、研究所内ではバイオアルケニモンTypeNと呼称されていた様である。 TypeNとはTypeNEOの略であり、NAGUMOの意も含まれている。 先天的にデジモンと融合しているため楽音を上回る戦闘力を持つ一方で、死のスピリットのデータは使用されていないため、セーブ機能による復活は不可能。 心臓と一体化したデジコアを破壊されれば完全に死亡し、純粋なデジモンでもないのでデジタマになることもない。 アルケニモンとなっていた頃の楽音が使用していたデジコア補食によるコドクグモン増殖も使用できない代わりに、 単体での戦闘能力に重きを置いた設計がなされているため、生体兵器として扱いやすいものとなっている。 ネオデスモンは多額の報酬を支払う約束で製造を進めさせていたが、2人が完成した時点で関係者全員と研究データを死影軍が抹消した。 FECNは反社長派閥の人間が多くを占めていた為、彼女らの開発データは本社のサーバーに共有されていなかった。 クーデターの暁には大量に生産され、天沼矛を襲撃する予定だったらしい。 製造に使用されている、人間にデジモンのデータを注入しデジコアを生成する技術は、ネオデスモンと神月ユウが協力関係にあった際に生み出されたもの。 これには精神に影響を及ぼしやすいなどの欠点があった為に、ユウはこの研究データを破棄した。 しかし、ネオデスモンはそのデータを保持しており、複数の人間を実験体として使い捨てていた。ユウはその事実を知り、ネオデスモンとの協力関係を解消した。 その後もネオデスモンは注入するデータに調整を繰り返していた。 南雲楽音に対し使用されたデータはその完成形の1つであり、精神汚染効果をさらに強化し、その人物が元々持つ負の面を増幅することで狂暴な別人格を作り出す事を可能にしたもの。 今回の2体に対し使用された物は、双子として互いを定義する事により依存関係を作り、精神汚染を抑える事を目的としてコーディングされたもの。 そのため安定性は高いが、万が一どちらか片方が消滅すれば、直ちに暴走する危険性がある。 体内にデジコアを宿すことを応用し、デジモンを進化させる要領でわずか3週間で10代レベルの体にまで成長させている。 この手法による寿命等への影響は不明。 二者共に主要な変異部位が上半身に偏っているが、これは首輪型のD-チョーカーを調整用デバイスとして使用しているからである。 D-チョーカーは不正に取得されたデジヴァイスバングルのデータを使用し開発されたもので、デジモンの進化に関わる機能を応用することで解放状態と人間状態の行き来を可能にしている。 セーフティーや抑制プログラム関連の機能をオミットしたことにより、大幅な小型化に成功した。 死影軍団内ではネオデスモンの次に高い地位についており、双死璧と呼ばれている。 基本的に二人で独自行動をしており、死影軍の他のメンバーはおろか、ネオデスモンと共に活動しているところもあまり目撃されていない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・デジミュータントとデジミューテイトとは? どちらも、デジモンと人間の融合によってパワーを手に入れた者のことを指す。 デジミュータントは先天的に力を得ている者のことを指し、デジモンとのハーフやデジモンのデータをあらかじめ組み込んで製造されたクローンなどがこれに該当する。 デジミューテイトは後天的に力を得ている者のことを指しており、デジモンの一部を自らに移植した者や、デジモンのデータを取り込んだ者などが該当する。 どちらもスピリットエボリューションやマトリクスエボリューションと似ており、デジミューテイトにはその二種も含まれるという説を唱える学者も少なくない。 両者共に通常の人間よりもデジモンに近いため、デジモンと絆を築きやすいらしい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「なあ!姉貴とはいつ戦えんだよネオデスモン!」 「なぁ、なんで人間は死ぬのを嫌がるんだ?デジモンと違って、同じ種類がこんなにいるのに。」 アラク コードネーム『バイオアルケニモンTypeNメレーモード』 粗暴な性格の個体。近接戦闘に重きを置いた設計がなされており、能力制限時であっても両腕は楽音の能力解放時に近い出力を発揮可能。 しかし、その影響で通常時でも両手の甲にアルケニモンの紋章が浮かんだままであったり、包帯がそのままであるなど人間への偽装に問題が発生している。 身長は147.9cm。オリジナルである楽音やナクアよりも少し高い。 D-チョーカーを操作し能力を解放すると頭を覆うように巨大な頭部が出現し、両腕はさらに肥大化する。そのサイズに合わせ、頭部に繋がった新たな脚部も出現する。 そのため、解放時はアラク本人の体は頭からぶら下がるような形となり、口の中にはアラクの頭部がそのまま存在する。 この新たな頭部は基幹データであるアルケニモンのデータと親和性が高い、パラサイモンのデータを参考に設計されたものである。 このように体を外に曝け出すような設計になっている理由としては、四肢をフリーにしたことによりトリッキーな戦闘を行えるようにする狙いや、 人間の形に寄せた脚部を戦闘に適した強靭な脚部に変化させるよりも、新たに別の脚部を形成してしまった方が早いと言うものがある。 彼女の粗暴な性格はプロトタイプであるが故。戦闘能力に重きを置いた結果、意図せず好戦的で反抗的な性格になってしまった。 死影軍団内での正式な称号は、『双死璧が一人、破怒のアラク』であるが、そもそも本人がこれを覚えていないため使われることがない。 着用している服は、研究所から解放されたのちに追い剥ぎで奪い取ったもの。 元は学校の制服だった様だ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「お姉ちゃんと会うの楽しみだなぁ〜早く戦いたい」 「ねぇ、なんで人間は死ぬのを嫌がるの?80億人もいるのに。」 ナクア コードネーム『バイオアルケニモンTypeNピンサーモード』 比較的従順な性格となるよう調整された個体。素早い戦闘に重きを置いた設計がなされている。 こちらは人間への偽装は完璧であり、敵地に先行して潜入させるような運用が想定されていた。 身長はオリジナルである楽音と同じ145.2cm。 D-チョーカーを操作し能力を解放すると両腕が肥大化しないまでも強化され紋章が浮かび、首から4本の脚が出現する。 この脚はアルケニモンなど既存のデジモンに類似しないものであるが、これは既知のデジモンにない能力を生み出すことを意図して蜘蛛そのもののデータを取り込ませているため。 この脚を用いて行動することで、人間には到底不可能なレベルでの高速移動、跳躍、登坂能力を見せる。 戦闘時には人間部分の足で接地し、四本の脚を腕のようにして戦うことが多い。 各所に生えた鋭い棘は高い切断能力を誇っており、研究所でのテストでは厚さ300mmの鋼板を破壊している。 ナクアはアラクの性格調整の失敗を受け調整された個体で、統率のしやすさを焦点としている。 そのため一見従順でおとなしく見えるが、兵器としての側面を重視した結果、こちらは流血に快楽を覚えるといった猟奇的な面が強くなってしまっている。 死影軍団内での正式な称号は、『双死璧が一人、鏖謐のナクア』であるが、「ダサい」(本人談)ため使われることがない。 着用しているローブは、研究所を破壊した際に備品倉庫から手に入れたもの。