二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1733062125646.jpg-(12506 B)
12506 B24/12/01(日)23:08:45No.1258723798+ 00:38頃消えます
ある日のこと。
「助けてタキオンーーッ!」
「どうしたいんだいスイープ君。血相を変えて」
「使い魔が…!使い魔が変なの!!」
「ふむ…君の使い魔君が変なのは今に始まったことではないと思うが…」
「そうだけどそうじゃなくて!と、とにかく見て!」
「どれどれ…」
「PON!CRASH!CRASH!PAPAPA!PON!CRASH!CRASH!PAPAPA!」
促されるままタキオンが目撃したものは、ピーマンの炒め物に無心になってポテチを砕いてふりかける使い魔の姿だった。
「…こうなってしまったことに何か心当たりは?」
「…あまり驚かないのね?」
「この手の変な現象は見慣れているからねぇ」
「自業自得よね?それはそれとして実は……」ホワンホワンホワンヤダヤダー(回想に入る音)

──これを着ると魔力がすっごいアップするのよ!試しに…ビリア☆ブーゲン!アタシのトリコになぁれ!
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/12/01(日)23:09:26No.1258724025+
「なるほど…新しい勝負服を着て、使い魔君がキミのトリコになる魔法をかけてみたと…大成功じゃないかい?」
「どこが!?」
「いやだってキミ…完璧にトリコだよこれ」
「全然トリコじゃないわよ!さっきだって……」ホワンホワンホワンヤダヤダー

──使い魔―。一緒にお昼食べましょー。
──おう!この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます。
──…随分大袈裟ないただきますね?
──そうか?でもな、俺達はこの料理に使われた食材達に命をもらったんだ。残さず食べないといけないし、感謝の気持ちもしっかり伝えねぇとな!小松も好き嫌いせず残さず食べるんだぞ。ほら、ピーマン残ってる。
──ヤダヤダーー!!ピーマン食べたくないーー!!
──こら、待て!逃げるな小松!

「それで私のところに逃げ込んできたわけだねぇ…」
「うん…いつもより好き嫌いに厳しくて…」
224/12/01(日)23:10:22No.1258724349+
「安心したまえよ。完璧にトリコになってる証拠さ」
「だからどこがトリコなのよ!?トリコになってるならアタシの好きなようにご飯食べさせなさいよ!」
「ほら、出来たぞ小松!」
トリコになった使い魔は、そう言いながらピーマンの炒め物に粉々になったポテチのかかったものを差し出してきた。
「食べないわよ!」
「ピーマンはシミやそばかすを防いで美容にも良いんだぞ?サニー風に言うなら美しい“つくしい”食材ってやつだな」
「誰よサニーって!?というか何なのよさっきからその小松って!?アタシはスイープトウショウよ!?」
「喜びたまえよスイープ君。それは彼がキミを何より大事に思っている証拠だ」
「はぁ!?意味分かんない!ピーマンってだけでも嫌なのに、ポテチなんかかけて!絶対変な味になるに決まってるじゃない!」
再度逃げ出そうとするスイープだったが、使い魔に抱き締められる形で捕まった。
「んぐぐ、離しなさいよ…!」
「振り解けはばいいだろう?それとも抱き締められるのが満更でもないのかい?」
「な、はぁ!?そ、そんなんじゃないわよ!本当に力が強いんだから!!」
324/12/01(日)23:11:09No.1258724646+
「ふむ…パワーもトリコになってるというのか…興味深いねぇ」
「なに冷静に分析してるのよ!お願いだから何とかして!」
「私の薬で引き起こした現象ならそうするところだがキミの魔法が引き起こした現象となるとねぇ…私もお手上げだよ」
手をバンザイと広げて見せたタキオン。その顔は使い魔の両腕に包まれて段々と抵抗の力を弱めてモジモジとしているスイープを見てニヤニヤと笑っていた。
「この後雑誌のインタビューがあるのよ…それまでにいつもの使い魔に戻ってほしいの…どうにかならない?」
「うーん…」
どうしたものかとタキオンが唸っていると…
「誰か助けてーーー!」
部屋の外から叫ぶ声が。窓から身を乗り出して声の方を確かめる。
「樫本トレーナー!逃げてー!」
「そういうわけにはいきません!さぁ、ウマ娘イーター!私が相手です!」
悲鳴の主は樫本理子の教え子達。そしてそんな彼女達を背に、無謀にもウマ娘イーターに立ち向かう樫本理子の姿があった。
424/12/01(日)23:11:42No.1258724857+
ウマ娘イーター、有史以来存在するウマ娘達の天敵たる植物。基本的には植物の姿をしているが、中には声を出すもの、植物以外の何かに擬態するもの、精神を支配するもの、etc…様々な能力を持つ恐ろしい存在である。個体によってまちまちなので、明確な基準は持たないがその捕獲レベルのアベレージは10。並のトレーナー100人がかりで何とか討伐出来る数値だ。数値が示す通り、この天敵達には根源的な恐怖心から手も足も出なくなるウマ娘達に代わってトレーナーが討伐するのがセオリー。だが、並未満の身体能力を持つ樫本理子トレーナーでは少々分が悪い。
「まずいぞ、流石にあれの相手は声だけ小松、もとい樫本トレーナーでは勝ち目がない!応援を呼ばないと!」
そうタキオンが言い切るより先に、スイープは走り出していた。
「やぁぁぁぁぁぁ!!!」
イーターの触手が樫本トレーナーを襲う!直撃の寸前、スイープが樫本トレーナーを突き飛ばした!
「何やってるの!早く逃げなさい!ここはアタシが食い止めるから!」
「でも、ウマ娘の貴方では…!」
「アタシは平気よ!運動神経へなちょこの貴方が残るよりはずっと何とかなるんだから!」
524/12/01(日)23:12:14No.1258725061+
そう威勢を張るスイープの足は震えていた。
「来なさい、ウマ娘イーター!アンタなんて、アタシの魔法でギッタンギッタンにしてやるわ!」
スイープにイーターの触手が伸びる!その瞬間!
「フライングフォーク!」
一閃、使い魔の左手から放たれた閃光がイーターの触手を貫いた。
「まったく…1人で先走るんじゃねぇぞ、小松」
「何よ、アタシが走らなきゃ樫本トレーナーは怪我してたわよ」
「そうだな、ナイスだぜ小松!お前も下がってな!」
「だからその小松ってのを止めなさいよ!」
負けたら承知しないんだから!とスイープの声援を背に受けて使い魔はウマ娘イーターと対峙する。
「…別にウマ娘達を襲って食おうとするお前達を責める気はねぇよ。それも自然の摂理だ。だがな、大人しく食われるウマ娘と、大人しく愛バを食わせるトレーナーだけじゃねぇってことは覚えておきな」
使い魔が両手を擦り合わせる。ギャリンギャリンと鋭い金属音が辺りに響く。
「ウマ娘イーターよ、獲物を縛るその触手も、身を守るその鋭い棘も、人間には無い武器だ。だがな、人間にも人間の武器があるんだぜ?お前に敬意を表して、俺も見せよう。人間の武器を」
624/12/01(日)23:12:39No.1258725218+
ウマ娘イーターが使い魔目掛けて飛びかかる!
「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます」
両の手を合わせ、祈りの姿勢を取る使い魔。目前まで迫ったイーターを見据えると、左手による貫手を繰り出した。
「フォーク!!!」
貫手は完璧にイーターのボディを捕え、貫いた。使い魔はそのまま圧倒的な膂力を用いて、イーターを持ち上げる。身動きが取れず藻掻くイーター。そして…
「ナイフ!!!」
イーターが最期に見たのは右手から繰り出された鋭利な手刀。真っ二つに両断された彼奴は少しの間ピクピクと痙攣していたものの、やがて動かなくなった。
「ごちそうさまでした」
724/12/01(日)23:13:29No.1258725529+
「やめないっ!ペッてしなさい!ペッて!」
「もぐもぐ…俺は食う以外の目的で殺さねぇ。食わねぇなら殺さねぇし、殺したなら食う。それが俺のルールだ」
「だからってこんな得体の知れない変な植物食べることないでしょー!?」
「ウマ娘イーターはな、確かに毒性はあるが加熱処理で簡単に分解出来るんだ。ソテーなんかにすると絶品だぜ?お前も食うか、小松?」
「いいい要らないわよ!切られて焼かれてたとしてもアタシ達にとっては恐怖の対象よ!?」
「ふーん、そういうもんか。なら、全部いただくぜ」
「だから食べるの止めなさいってばー!」
なんてやり取りをしていると…
「すすす、素晴らしかったですっ!」
やって来たのは乙名史悦子。月刊トゥインクルの記者にして、本日のインタビュー担当。
「あ、インタビューあるのすっかり忘れてたわ」
「先程のウマ娘イーター退治、しかと見させていただきました!トレーナーさんに任せて後を託すスイープさんも、期待に応えるトレーナーさんも、お互いの信頼が表れてて大変良いものを見させていただけました!」
「はぁ、そう」
824/12/01(日)23:14:07No.1258725741+
「ところでスイープさんは可愛らしいですね。彼女にしたいと思ったことは?」
「はぁ!?きゅ、急に何なのその質問は!?」
「いやー、キツいでしょ」
「何でそこはトリコじゃないのよーーーっ!!」
ちょっと残念な感じを滲ませた、そんなスイープのツッコミが響いた。

「それで、使い魔君は元に戻ったのかい?」
「時間が経ったら自然に」
「良かったじゃないか。それとも君のトリコじゃなくなって残念だったりするのかい?」
「そんなわけないでしょー。普段の使い魔が一番よ、まったく…」
「そう言いながらそれ、ピーマン炒めにポテトチップスかけたやつ。食べようとしてるじゃないか」
「…別にいいでしょ。もったいないだけよ」
「当ててあげよう。使い魔君が美容に良いと言っていたからねぇ、少しでも綺麗になって、キツいと言ったことを後悔させてやろう、見返してやろう、そんなところかい?」
924/12/01(日)23:14:26No.1258725851+
「…………」
「はっはっはっは、何とも意地らしいじゃないか!」
「うるっさいわねぇ!何だっていいでしょ!」
「そうだねぇ。ま、これに懲りたら魔法に頼らず彼をトリコにしてみせるんだね。私からのアドバイスさ」
「アンタに言われるの、すっごい腑に落ちないんだけど」
不服そうにしながら、スイープはピーマンの皿に向き直る。やがて、意を決して。
「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます」
1024/12/01(日)23:14:54No.1258726027+
すり抜けてきた花嫁スイープをホームに置いてたらトリコとか言い出したからつい
1124/12/01(日)23:18:55No.1258727468そうだねx4
声だけ小松でだめだった
1224/12/01(日)23:26:50No.1258730336+
狂気度の低い怪文書見ると安心する
1324/12/01(日)23:31:34No.1258731960+
>狂気度の低い怪文書見ると安心する
???
1424/12/01(日)23:37:50No.1258733972+
今日は最速の兄貴が来たりトリコが来たり忙しいな


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