… | 624/11/26(火)23:33:46No.1257138800+恐らく、というのは激痛が走った上に視界が揺れて頭が文字通り割れ欠けているせいで聴覚も連動してダメになりかけているからだ。 痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛いと身体がひび割れた頭蓋骨に守られている脳に生存のための警報を送ろうとしている。 でも、それは意味が薄いことなのだろうなとどこか他人事のように私は状況を理解する。今私が死んでいないのは幸運でもなければ、強化魔術によって肉体の強度を高めているからでもない。遊ばれているからだ。嗅ぐほどに何故か痛みを麻痺させてくる果実の香りはきっと違法薬物の効果に近いんだろうな、と思う。腕から這うように私の胸の形を強調するように胸を縛り付けて「うぎゅっ…」無理やり肺から空気を搾り取ろうとしつつ、肩を、そして、首にも投げ縄は絡み付いてきて──── 「ぐぎゅっ…ふっ…ぎゅっ…う"…」 じたばたと幹を利用して私をくくりつけて、首吊りの形にしながらたっぷりと『果実』の香りを嗅がせて来ようとするこの怪異は香りの効果だろうか?その痛みすらじんじんと身体を熱くするよくわからない感覚に変えてくるというのに、私の口に投げ縄の先端を近づけて────「破ァァァッッッ!!!!!」 |