・01 「シュウが来ない…!?」 大人気TPSゲーム・ダイヤモンドシューターズ全国予選少年の部が開催される会場の控え室では一人の少年、結城タカアキが目を大きく見開いていた。 畜生ッ─ドンっと机を叩いたタカアキはチームメイトの制止する声を振り切って走り出す。 『─結城タカアキくん(11)を轢き逃げした経営者の男(24)は執行猶予つきの…』 青年・祭後終は凄まじい汗と吐き気から現実に引き戻された。 スマホのアラームはあと10分で鳴る…丁度よい時間に起きれた事を認識した彼はまずトイレに昼飯を戻す所から始めた。 あれから一時間後、シュウはスーパーで野良デジモン捜索の準備として軽食と飲み物を探していた。 最近久しく飲んでいないスポーツドリンクの気分になったシュウがそれを取ろうとした時、筋肉質で身長の高い男性と手が触れ合った。 「あっ」 「むっ」 頬に傷のある男性にただならぬ雰囲気を感じたシュウは素早く最後のスポーツドリンクを譲った。 「どうぞどうぞ」 「あ、いや。俺は2Lの方にするから…」 男性は2Lのスポーツドリンクを1本取るとそのまま軽く会釈してその場を離れた。 買い物を済ませたシュウは大きな荷物を背中に抱えながら苦しそうにしている老婆を見つけた。 「「大丈夫ですかおばあさん」」 「あっ」 「むっ」 シュウと同時に先程の男が老婆に声をかけていた。 結局シュウは荷物を、男は老婆を抱えながら彼女の済む家に送り届けて互いにその場を離れた。 小さな子供が困った顔で公園の木を見つめている所を発見したシュウは彼等に声をかける。 「ぼーるがね、きにね、ひっかかっちゃったんだんだ」 「じゃあ俺に任せろ」 「えっ…もう…」 「あっ」 「むっ」 シュウは木に手をかけて登りだした時、そこにはまた先程の男がいた。 男が投げたボールを受け取ったシュウはそれを子供達に返すと二人は別の道に別れてその場を離れた。 ・02 数時間後の深夜、シュウは相棒のユキアグモンと共に野良デジモンがいない事を確認して一息ついていた。 すっかり冷めた餡まんを頬張るユキアグモンがピクっと素早く頭を左に振るとほぼ同時に商店街の方からけたたましい警報が鳴り響いた。 「もごご!シュウ、デジモンだ!もご!」 「深夜だってのに騒がしいヤツもいたモンだ」 一人と一匹が角を曲がると銀行の大きなガラスが大きく砕けており、その前には体格の良いフードの男が顔を隠していた。 「おいそこのヤツ!何やってんだ!」 シュウは角に隠れ、ユキアグモンはフードの男に声をかけながら爪で指差す。 「デジモン…それと物陰にテイマーか。お前らも銀行強盗の仲間だな」 フードの男が左袖を捲るとその左手首にはデジヴァイスであろう物体が装着されていた。 「ベタモン!」男の掛け声に緑色の爬虫類型デジモンがのっしのっしと銀行内から現れ、ユキアグモンを睨んだ。 ベタモンは素早く回転すると鋭い空気の刃を纏った得意技・フィンカッターを放つ。 攻撃をなんとか回避したユキアグモンは反撃で爪を突き出すもベタモンは簡単にそれを回避し、素早い連続頭突きで反撃した。 シュウは吹き飛ばさてしまったユキアグモンをキャッチすると敵の強さがこちら以上であることを悟る。 「ユキアグモン、やれるか」 「へっ。やるんだろ」 「ま、そうなんだけどな」 ユキアグモンは気合いを入れて立ち上がると再びベタモンに向かって攻撃を仕掛ける。 格闘戦が始まるとシュウはすぐさま額を叩きながら思考を巡らせるが、個人が堂々とデジモン犯罪に手を出すとは思っていなかった動揺もあり中々作戦が思い付かない。 「とりあえずはコレだ!」 シュウのアップリンクに反応したユキアグモンは自販機へ爪を突き立てると、強い衝撃とデジタル存在の干渉によってバグった自販機から大量の缶が吹き出す。 背後から勢いよく迫っていたベタモンは止まることができず、そのまま缶で滑ると引っくり返ってしまう。 そのままユキアグモンはバス停に飛びかかると大きく揺らして傾け、それをベタモンの顔面にぶつけてみせた。 「ぐぞぉ〜滅茶苦茶やりやがって…!」 ベタモンはフラフラとしながら怒りのままにユキアグモンへ再度フィンカッターを放つ。 バック転で攻撃を回避したユキアグモンは素早くベタモンの体勢が崩れたタイミングを見計らって跳び蹴りを仕掛けた。 「今だベタモン!」 「しまった─おびき寄せられた!」 【電撃ビリリン】 シュウのデジヴァイス01から必殺技発動の電子音が鳴ると、フードの男の声に目を光らせたベタモンは全身から強力な雷撃を放った。 「んぎょばばばーーっ!」 ユキアグモンは黒焦げになって倒れ、フードの男はベタモンと共にその場を去ろうとする。 ところが、銀行の中から複数の黒ずくめの男達が現れるとフードの男を取り囲んだ。 「貴様〜!先程はよくも…今度は負けんぞ!」 男達がポケットからダークネスローダーを取り出すと一斉に叫ぶ。 「あいつら…!」 シュウは目の前にいる男たちが自分と度々対立するメキシコからの不法入国者─デジモン系犯罪組織のマフィアであることを認識していた。 彼らがフードの男を睨んでいる事にシュウは違和感を感じた。 「「「トゲモン、デジクロス!」」」 三つの黒い稲妻か空を駆けるとそれは一つになり、巨大なトゲモンが姿を現した。 「これぞ三倍トゲモン…いや、メガトゲモンだ!!」 「メガトゲモン、その男のベタモンを削除(デリート)だ!」 「まずは貴様から消してやる…進化なぞさせるかァ!」 男達は折り畳みナイフを開くとフードの男に切りかかる。 しかし、繰り出された初撃を軽くいなすと肘に一撃を加えてナイフを落とさせてから無防備な背中に肘による追撃が放たれる。 続け様に襲い掛かる二人の同時攻撃を寸での所で回避すると両の手刀で同時に首元を打って跪かせる。 そのまま一人には細やかかつ素早い連続蹴りを打ち込んでから踏み込んで放つ旋風脚で気絶させてしまった。 残った一人は後掃腿で胴体ごと空中へ浮かせると車止めボラードに思い切り背中を打ち付けさせ、鈍い音と共に悶絶させた。 フードの男はメガトゲモンの攻撃を回避し続けるベタモンの進化を行おうとするが、最初にいなされた一人が拳銃を取り出していた。 「死ね─がごっ!?」 男が引き金を引こうとした瞬間、シュウが投げたジュースの缶が顔面に命中して照準が逸れる。 すぐに接近したユキアグモンが彼を持ち上げるとそのまま銀行の窓ガラスに叩きつけた。 「よっ、危なかったな。お前アイツらの敵ならそう言ってくれよ」 シュウは銃弾でフードを破かれた男の元に駆け寄ると背中をぺしぺしと叩く。 「あっ」 「むっ」 男のフードが落ちるとそこにいたのは今日妙に出会った筋肉質な男だった。 「変なゴーグルをしていたモンだから気付かなかった。悪い」 「案外そういうモンさ─それより」 「わかっている」 シュウはデジヴァイス01に進化指示を入力してユキアグモンへ放った。 フードの男も続けてデジヴァイスにフラッシュメモリの様な物体を差し込むと溢れた光をベタモンに向けた。 「ユキアグモン!」 「ベタモン!」 「「進化─ッ!!」」 二つのデジヴァイスからギューーンという音が鳴り響くと二匹のデジモンは白い卵の様な光を纏った。 「ストライクドラモン!」 「タスクモン!」 同時に光を破裂させると成熟期形態にグレードアップした二匹が横に並んだ。 「チクチクバンバン!」 狡猾なメガトゲモンは進化の隙を狙い、膨大な量の針を一気に放出していた。 この針は遠隔操作され、さまざまな方向から二人と二匹に迫るがストライクドラモンは素早い反応で多くの針を打ち落としていく。 しかし、ストライクドラモンは背後から迫った一部の針を見逃してしまう。 「パンツァーナックル!!」 タスクモンが雄叫びと共に拳を地面に叩きつけることで、その風圧により残りのトゲを吹き飛ばしてみせた。 「おう!やるじゃねーか」 「へっ、コレがオレの力さ」 タスクモンはそう叫ぶとゆったりと方向転換してから前方に駆け出した。 そのパワーで銀行の壁を貫きながら強力なタックルをメガトゲモンへとブチかます。 しかしその巨体が持つ力は予想を越えており、押し切るに至らない。 「ストライクファングーーッ!」 だが、タスクモンを後押しするためにストライクドラモンは必殺技を放った。 「っしゃあ!行けストライクドラモン!二人なら楽勝だぜ!」 「そうだな…タスクモン、気張れ!」 「「うおおおおーーーーっ!!」」 二匹のデジモンが雄叫びを上げるとそのパワーでメガトゲモンを一気に貫通した。 ・03 目を回している三匹のトゲモンを前にシュウはメキシコマフィア戦闘員達の手を結束バンドで堅く結んだ。 「おまえ…こんなモノいつでも持ち歩いてるのか…」 呆れるベタモンにシュウはへっへっへと笑って見せた。 「しかしお前はなんでこんな事をしてるんだ」 「やりたいからやってるだけだぜ」 フードの男の問いかけにシュウはさらっと言うとユキアグモンをチラっと見る。 「デジモンっていいヤツ多いからな。悪事に利用されてたら許さないだろ?」 シュウは恥ずかしい事を言ってしまったと焦り、無理矢理話題を変える。 「そんなコトよりさ、えーーーっと、お前はどうなんだ」 「俺は松戸城士。ジョージでいい」 ジョージの目には先程までの鋭いものと違いどこか優しげな雰囲気があったが、その頬に刻まれた一文字の傷から激しい戦いを繰り広げて来た事は察せられた。 「俺は異世界から来たんだ」 ジョージの左手に装着されたデジヴァイスが光を反射し、夜の町に負けないくらいに強く輝いた。 「あ、そうなの」 「…随分と軽いな」 「異世界とかデジタルワールドでもう慣れちゃったからなぁ」 それもそうか…とジョージは軽く笑いながら自らの世界に起こった出来事を語り出す。 悪しき世界統治を狙うゴッドドラモンの存在、相棒ベタモンとの出会い、レジスタンス・ドレイクスパーダの結成…。 「シュウと違って結構苦労してんな〜」 「ははは。これが苦労人の顔かよ」 その時、けたたましいパトカーのサイレンが鳴り響く。 シュウは喋りすぎたな…と頭を掻くとジョージの方に体をしっかりと向けて拳を突き出す。 「今日はありがとな。ココは面倒な事になるから早く逃げてくれ」 「いや、だが…」 「こういうのは馴れてる。今度は俺が助ける番だぜ」 「わかった…いつか、また会おう」 ジョージがシュウの拳に答えると彼はベタモンとユキアグモンを連れて建物の影へと姿を消し、ソレとのすれ違いでパトカーが丁寧に停車した。 パトカーから降りてきた女性は辺りの状況に唖然としつつもメモ帳を取り出すと周囲の状況を細かく記載しだす。 「道路の陥没、窓ガラスが〜五枚、自動販売機、バス停で器物損壊、銀行への不法侵入、暴行三件…」 「やっほ。すみれお姉さん」 シュウは女性にゆっくりと近づき声をかけると名前を呼ばれた女性はまたか…という表情で頭を抱えた。 「今回も正当防衛。そもそも俺は銀行にゃ入ってない。悪いのはこっち」 シュウはつんつんとメキシコマフィアの頬を靴でつつく。 「確かにその人達は最近問題になっているメキシコからの不法入国集団よ。でもね、この状況で誰がソレを信じるの?さっきまでそこにいた共犯の人?」 「うーーーん。君かな」 シュウのニヤケ面にすみれはメモ帳をしまうとため息をつく。始末書は確定だ。 「…結城くんの事をまだ引きずっているの?」 「当然だ。タカアキは俺が殺した」 すみれからその名前を出された途端にシュウの目から光が消えた。 「ソレは違うわ。悪いのは車の運転もマトモにできないマヌケな男」 「そのマヌケの前にタカアキが飛び出しのは俺のせいだ。誰かのせいなんて言ったって、その心のキズは俺のものだ。」 シュウは首を横に振ってすみれの言葉を否定する。 「貴方は15年前に突然姿を消してまた現れてみると”正当防衛”を繰り返すようになっていた。悪人は許せないし、犯人を刑務所に入れることができなかった国は信頼してない…そういうことなのよね?」 「いいねぇ。じゃあソレで行こう」 シュウはニッと笑うと両手の人差し指を回転させながらすみれに向ける。 「真面目に答えなさい祭後くん」 「あ、ソレいつもタカアキと一緒に言われてた。お姉さんは昔から変わらないなぁ」 「同級生をそんな変な渾名でまだ呼んでくる辺り、祭後くんも変わらないわ」 「それは…どうだろう…」 顔をフッと伏せたシュウの目に映るのは15年前の光景だった。 ・04 「なに!?私が悪いって言うの!?」 シュウの母親が机をドンドンと叩く音が隣の部屋にも響いた。 「当然だろ!浮気だぞ!子供までこさえて…!」 「許しなさいよ!あんた私を幸せにするって入ったでしょ!?責任持ちなさいよ!!」 シュウの母親が机をドンドンと叩く音が隣の部屋にも響いた。 「な、なにを言ってるんだよお前は…!?」 「当然の権利でしょおお!?あんたは金しか取り柄の無い!あんたが!!?私に指図!?!?」 シュウの母親が机をドンドンと叩く音が隣の部屋にも響いた。 「もうやめてくれよ…!」 11歳のシュウは部屋で頭を抱えて呟いた。 ドンドンという音がゲームの射撃音と重なり、シュウを苦しめた。 あと数時間でタカアキ達と約束したゲーム大会の日になるというのに、シュウの手はコントローラーを持つ事もできない程に震えていた。 「シュウ起きてるな。私達はこの家から出ていく。9月からは別の学校に行くぞ」 スーツ姿の父親がシュウの部屋に突然現れると彼の手を掴み、その身一つを車の中へ押し込んだ。 シュウはその手を握る力の強さに顔をしかめ、涙をこらえた。 「新しい母さんは欲しいか」 「母親ってそういうものなの…俺わかんないよ…」 走る車の中で父親から投げられた問いかけにシュウがそう答えると、彼はムッとして目を道路に向けた。 休みの間、シュウはホテルのベッドで寝ることになった。 去年まで大好きだった筈の夏休みが、夏が、8月1日が大嫌いになった。 大会に出れなかった事を謝りたかった。 タカアキに思いっきり殴って欲しかった。 『─その内、死亡が確認されたのは結城タカアキくん(11)の一名で…』 あ゙ あ゙ あ゙ あ゙ あ゙ あ゙ あ゙ ッ ! ! ! テレビの画面がもうその機会は永遠に来ないことを告げた。 「ゲボッ!ゲボッ!ゴボボッ、ゴボッ!ゴゲッ!オ゙…ア゙…!」 『シュウ』 不快感を投げ捨てたくて何度何度も喉を指でかき回すするが、ここ数日何も喉を通っていない自分に吐くものもない。 ドンドンという音が隣の部屋から聞こえる。 『シュウ』 自分のせいだと色んなモノに当たり散らしても意味は無い。 ホテルのスタッフや父親が何事かと慌ててシュウを止めた頃には右腕になにかでつけたキズができていた。 ドンドンという音が隣の部屋から聞こえる。 『シュウ』 ホテルのスタッフも、新しい学校の教師も母親の件を聞くと眉を下げてシュウに同情的になってくれた。 だけど、もう何も見たくない聞きたくない考えたくない。 ドンドンという音が隣の部屋から聞こえる。 『シュウ─なんでお前が生きててオレが死なないといけなかったんだ?』 タカアキがそんな事を言う筈が無い。 ただの幻聴だ。 それはわかってる。 わかってても。 ドンドンという音が隣の部屋から聞こえる。 『シュウ…シュウ…』 ぐちゃぐちゃに溶けた影がシュウの右腕を掴んだ。 強く握られた右腕がジュッと音をたてて溶けたような感覚になる。 『なぁ。俺は生きてたかったよ…』 一度振り払われた影はやがてシュウの身体にまとわりつく。 『お前が死ねばよかったんだ』 「─あ゙っ」 ドンドンという音が隣の部屋から聞こえる。 ・05 シュウの足元に弾丸が打ち込まれ、その衝撃からシュウは現実に引き戻された。 「悪い。嫌なコト思い出してた─いや、あの日からずっと全部が嫌なコトだったな。はは」 「祭後くん…」 すみれは過呼吸のような状態にあるシュウを不安な目で見つめると、彼はなにも問題は無いといった表情を取り繕うとしていた。 「見えない所から足元だけを狙った上で人に当てない…こんな芸当できるのは源乃ちゃんだけだな?」 「そう。動かない方がいいわ」 すみれは懐から手錠を取り出しつつ自分と再開した後のシュウの表情を思い出そうとするが、全てを諦めたかのような表情で乾いた笑みを浮かべている姿しか記憶になかった。 「ごめんな。俺もう帰るわ」 直後、カンっという音が鳴ると大きな氷の壁が瞬間的に現れてシュウの姿を消していた。 その頃、シュウとすみれのいる場所から真上の高層ビルにはジョージ・ベタモン・ユキアグモンの一人と二匹が息を潜めていた。 ユキアグモンがホワイトヘイル─着弾と共に小さな氷の壁を発生させる技を地面に向かって打つと、ジョージは持てるだけ持った炭酸の缶ジュースをシュウの前に投げた。 缶は破裂して炭酸の勢いで水を周囲にぶちまけ、ホワイトヘイルの発生範囲をより大きく広げた。 生まれた巨大な氷壁は地上2階までのモノとなり、すみれだけでなく遠くの狙撃主の視界も塞いでしまったのだ。 「作戦成功だ!シュウを助けてくれてありがとよ二人とも!」 「何が”俺が助ける番”だ。別れ際でこっそりベタモンに作戦をアップリンクしやがって…」 「そう言いながら即決でここに来るのがジョージなんだよなぁ」 ニヤニヤしたベタモンからジョージは寄り道大好きマンだな!と言われた彼は無言でベタモンのヒレを左右にブルブルと振りまくる。 「あばばばばば…しかしシュウはあそこで何を話してたんだろうな」 「シュウは口が回るからなぁ。うーん…あんまんはこし餡派orつぶ餡派…だな!」 ユキアグモンはちょっと考えると大真面目な顔で目を輝かせながら拳を強く握るのだった。 おわり