… | 224/11/09(土)22:28:32No.1251550442+『あ、なんか一人で抱え込んでる?』突然わたしの頭の中に声が響く。 わたしと全く同じ声、似たような口調。しかしこの声の主をわたしは知っている。 「イチカっち!これ六代目が!」ゴースモンが警告を発する。 『あー心配しないでそっちの世界のゴースモン?いえ、そっちの世界の五代目?』 その声色から感情を読み取るのは難しい。 『だいたい、元はと言えばあなたが原因なんじゃない?六代目ちゃんがああなったのは?』 「……っ!」何も言い返せなくてゴースモンが歯噛みする。 「……こっちの六代目がすぐに引っ込んだから、音声回線は長続きしないってこと?」 わたしがそう言うと手を叩く音が聞こえた。こいつ、外部音声までわざわざ思考音声に変換してる。 『さすがわたし、わたしがやってることは察しがついてるのね?』 そう、この声の主はわたし――その異世界同位体。 つまり、異世界におけるわたし、拝くんと出会うことなく成長し……いや、成長しないままで歳だけとった、悪に堕ちたわたし。 『ちょっと言いがかりじゃない?こっちのほうが本来のわたしで、あなたのほうがイレギュラーなんですけど?』 わたしの思考が直に向こうに伝わっている。 |